公営競技はどこへ行く

元気溢れる公営競技にしていきたい、その一心で思ったことを書き綴っていきます。

競艇名人戦回顧

2006-04-24 07:19:53 | 大レース回顧集

お見事!

還暦を過ぎ、サラリーマンの世界でさえとうに引退を余儀なくされている年齢である62歳の4・万谷章が見事な4カド捲りを決めて優勝を果たした。

映像

http://www.amagasaki.gr.jp/asp/amagasaki/tv/tv_main_rep.asp?judge=Closeflag&ReplayPATH=rebroadcast/amagasaki2/new/200604231312G1第7回競艇名人戦.asx

第7回競艇名人戦優勝戦は、連覇を狙い人気の中心となった1・水野要、2・石川正美、3・金井秀夫がスロー。万谷、5・小林昌敏、6・松野京吾がダッシュで3対3の枠なり。

スタートタイミングは小林、万谷、松野の順でダッシュが速く、4カドの万谷が絞っていって1マーク先マイ。万谷につけて回った小林が続き、人気の水野は松野にも当初は遅れを取って4番手。

万谷はその後も危なげない走りで周回を重ね、2番手の小林も安泰。水野は漸く2周2マークで石川を退け3番手に上がるのが精一杯。

過去98回の優勝を果たしながらも、G1以上格の優勝がなかった万谷が還暦を過ぎてうれしいG1初優勝。そして岡本義則が持っていたG1優勝最年長記録(57歳5ヶ月)を大幅に更新した。

かつては「マムシの万谷」と言われ、北原友次をはじめとして、石原洋、林通ら(後にも黒明良光、大森健二らが優勝)、SG優勝者を多数輩出して、「最強軍団」とも称された岡山軍団の一角を担ったこともあった万谷。

しかし、なぜかこれまでSG・G1といった大会には縁がなく、今回で99回目の優勝を誇る猛者にもかかわらず、「無冠の帝王」の名をほしいままにしていた。

だが今シリーズは2日目・3日目と5コースから捲って勝利するなどとても62歳とは思えない動き。そして優勝戦もまたまた捲りで決めて見事デビュー42年10ヶ月で初のG1優勝を果たした。

確かにこの名人戦というのは48歳以上の選手しか出場できない「シニア戦」という条件はつくのだが、それにしても出場選手中、加藤峻二に次ぐ高齢選手。出場できただけでも立派なものなのに、堂々と優勝してしまうとはおそらく戦前に予想していた人はほとんどいなかったはず。

そして、今回の優勝で100回目の優勝に「王手」をかけた。

ともすれば加藤峻二「御大」の走りに胸打たれる競艇界ではあるが、万谷もまた、現役を続ける限りファンの期待と感動を今後とも背負っていくものと思われる。

小林はトップスタートを切り、万谷につけて回ったが、2番手が精一杯だった。

連覇を狙った水野はやはり、万谷の走りに脱帽といった感じか。最後は追い上げて3着には入ったが、完敗の印象が強い一戦ではなかったか。

コメント (2)
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春の大量落車祭?

2006-04-24 02:10:15 | 競輪

大量落車Weeklyの「増刊号」といってもいい出来事が23日にあった。

まず高知記念2日目5レース。

7名落車。内1名失格。

http://www.dataplaza.keirininfo.or.jp/contents/kdphri.KKa1?KCD=74&KBI=20060423&RNO=05

動画はこちら。

mms://wm6.digi-c.com/kishiwada/h060423_05.wmv

このレースは一宮の「寺澤部屋」で見ていたんだが、インで粘った2・岩本和也が7・加藤剛の番手をめぐって1・飯尾主税と競りとなったことが大量落車の複線となった。

最終バックで激しい競りとなるも、飯尾が外から岩本を決め込んで加藤の番手を死守。脚がなくなりながらもなおも抵抗した岩本だが、2センター手前で力尽きて後退しかけたときに、3・北村哲が岩本がなおも抵抗しかけたと思ったんだろうか?なんと岩本に頭突きを食らわせ、岩本を落車させたばかりか自らも落車。しかも後続までも「全て」落車させてしまい、結局まともに「完走」したのはたったの2名だけ。

力尽きた岩本がなかなか下がらないことについて寺澤さんが、

「早く岩本は決着がついたんだから下がらないとダメだ。」

と言われており、私もそう思っておそらくこの大量落車の原因は岩本にあったのではないか?と思ったんだが、岩本が、「残念ながら後退中」の途中にもかかわらず、北村が「なぜか」頭突きを食らわせたことが大量落車の原因となったということについては、岸和田BBのダイジェストを見て初めてわかった。

あそこは頭突きなど食らわせる必要は一切ない。もちろん、北村の失格判定は「妥当」。下手をすると、「悪質失格」ものの許しがたいプレーだ。


そして小田原でも7名大量落車が・・・


小田原4レース。

1名失格、7名落車。

http://www.dataplaza.keirininfo.or.jp/contents/kdphri.Kka1?KCD=36&KBI=20060423&RNO=04

動画はこちら。

http://www.odawara-live.com/cgi-bin/live/left.cgi?view=today&movie=512k/060423_4r.wmv


このレースは2センター手前付近までは「穏やかな」展開だったのに、3・織茂和彦が1・石橋伸和を「牽制」しに行ったことから「悲劇の始まり」が・・・

織茂が牽制プレーを行って一瞬内が開いたときに2・佐野多喜男と9・能代谷譲に外帯線内に「入られてしまった」わけだが、佐野にもたれかかった能代谷がバランスを崩して最初に落車し、それにつられて佐野も転倒。さらに後続が乗り上げ、合計7名の大量落車を誘発した。結果的に2着になる4・富山健一は「避けきれずに」なんとフェンスにぶつかって落車滑入。大丈夫か?

結局、このレースは織茂が「失格13条の2」

『選手は、内圏線と外帯線の間を走行する選手と並走する場合は、外帯線の内側に入り、又は他の選手を外帯線の内側に入らせてはならない。』

に抵触するとして失格を取られた。ま、織茂が内を開けさえしなければ佐野も能代谷も織茂の内側には入り込めなかったはずだ、というわけだな。


しかしながら、当ブログで毎週大量落車のシーンを紹介しているが、「諸悪の根源」は毎回ほとんど同じである。

現在のルールについては、イエローライン(UCI表記ではブルーバンド)の設置など一部UCIルールの適用を行いつつも、従来競輪で行われている、「競り」「牽制行為」もある程度は認めている。

ルールの形としては私は「いい」とは思うんだが(大半のファン、選手にはいまだ不評)、現行ルールを念頭においていない選手があまりにも多すぎ、また、レースの状況をつかめていない選手もこれまたあまりにも多すぎる。

よく、

「落車したやつが悪い」

という見方がされる場合がある。確かに、急激にバランスを崩して大量落車を誘発しているケースも中にはある。

しかし、大半のものは、レース状況が把握できていないことや、ルールの理解力不足が原因となって大量落車を招いているという他ない。

落車事故が原因で引退を余儀なくされた選手も少なくない。そうなってからではもう「取り返しがつかない」だろ。

当然、客とて後味が悪いプレーに他ならず、加えて落車が原因となってせっかくあたったかもしれない車券が途中で「紙くず」となったら、下手をしたらとんでもない事態を引き起こす遠因にもつながりかねない。

現行のルールではこれ以上大量落車を防ぎようがないというのならば、何度か言っているが、「UCIルール」を導入せざるを得ない。もうそこまで来ている状況であることは間違いないようだ。

ただそうなると競り、牽制行為は完全に「ご法度」となるから、「追い込み専門選手」はいらなくなる。勝つためには自分の力でもぎ取らねばならない。となると、競輪は完全に「変わる」。

しかしそういった「危機」を特に「追い込み専門選手」が感じていないようにしか思えない。

もう何度も同じことを言っているけど、落車・失格は選手として「恥」。その恥すべき意識がないなら、競輪選手をやっていく意味もないのではないか。


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