公営競技はどこへ行く

元気溢れる公営競技にしていきたい、その一心で思ったことを書き綴っていきます。

「開発減らそう!」

2005-12-13 00:07:30 | 競輪

「開発」とは開催と発売のこと。

オートレースが2005年度より開催の大幅削減を実施したことは承知のとおりであり、ひいてはその効果により、オートレースだけが4~9月期の売り上げをアップさせたことは記憶に新しいところ。そして競輪も来年度からオールA級戦となっているF2開催の一部削減を実施する運び。

早くも富山競輪は来年度開催の日数削減を表明した。

富山新聞より

2005年12月1日更新

不人気レースをカット 富山競輪が初の開催日削減

 富山競輪を運営する富山市は三十日までに、来年度の競技開催日数を従来の七十日から六十四日に削減する方針を固め、経済産業省に申請した。有力選手が出場しない普通競輪は売り上げの減少が続いており、レースを開催する分、赤字がかさむため、初の開催日数削減に踏み切ることにした。全国的に”公営ギャンブル”が苦戦を強いられる中、赤字の元を断つことで収支の改善を図る考えだ。

 富山競輪では、二〇〇二(平成十四)年の自転車競技法施行規則改正前は上限の年間七十二日、改正後は同じく七十日、通常競輪を開催してきた。しかし、通常競輪のうち、下位ランクの選手が出場する普通競輪のFⅡは人気が低迷し、「一日開催あたり平均八百万円以上の赤字になる」(市公営競技事務所)という。

 一方、富山競輪から一般会計への繰り入れ額は、一九九五年度の十八億五千五百万円をピークに減少が続いており、今年度は五千万円を下回る見通しだ。普通競輪の赤字を、トップクラスが出場する年一回開催の記念競輪や場外車券発売の受託事業収入で補っているのが実情で、赤字の元凶であるFⅡの開催日数を六日(二開催)減らすことにした。

 競輪の売り上げ低迷は全国的な傾向にあり、全国の運営自治体は今年夏、来年度からF Ⅱ開催を六日削減することで一致している。ただ、来年度の開催日数については、全国競輪施行者協議会や日本競輪選手会などの関係団体で協議が続いており、経産省は関係団体の結論を待って最終的に判断する見通しだ。

 富山市は、選手賞金削減などの経費縮減策も関係団体に要望しており、「単年度収支が赤字に陥らないよう、競輪事業の健全化を図っていきたい」(市公営競技事務所)としている。


大変評価したい。

今年観音寺競輪においてとうとうF2戦の売り上げにおいて「1000万円割れ」を引き起こした開催日があった。するとその日の各賭式の売り上げ・配当を見たら「惨憺たる思い」が・・・

何せ「特払い」のオンパレードだし、一方で普通「ありえない」、2車複の配当が2車単よりもはるかに高いという現象まで起こっていた。さらにワイドの1レースあたりの売り上げは100円とかいうケースもザラ。

こんな状況だとはっきりいってギャンブルとして成り立たない。ひいては、予想などできない。

しかし観音寺のケースが今後他の競輪場にも発生しかねない様相を実は孕んでいるわけである。

全国的にF2の入場・売り上げは惨憺たる状況。つまり、はっきりいって「お荷物」以外何者でもない。

ということは、F2の開催は2006年度については2開催「だけ」は確実に減らすみたいだが、2007年度にはさらに2開催、さらに次年度には「さらに」2開催というように「どんどん」削減していく方向で進めていかねばならない。

となると今度はこちらも場外発売の拡大が望めなければ「赤字の垂れ流し」開催となっているF1の開催削減にも着手すべきだろう。前に言ったことがあるが、少なくとも競輪界は2008年ないし2009年度あたりまでには番組の大改革を断行する必要性に迫られていると感じる。

F1は今の8節から5節程度、F2は現在14節だが、これを8~10節程度にするべきだろう。ということは開催を減らした分だけ選手も「いらなくなるから」、必然的に「大量首切り」せざるを得なくなる。

また、そうしないとどうにもならない現状に今、伊東温泉競輪がなっているんだとか。


Yahoo地方公営ギャンブル経営より


伊東温泉競輪:累積赤字6億7000万円 自転車操業に危機感--04年度 /静岡

 ◇赤字分を借金で補充--04年度決算

 伊東市の「伊東温泉競輪」の累積赤字が6億7000万円にのぼる04年度決算が24日開会の12月市議会に提出される。今年度も上半期ですでに3億円を超す収入不足。年末競輪と来年2月の重賞「東王座戦」(G2)に期待して単年度黒字を目指すが、市監査委員報告も「このままでは市財政全体も圧迫する」と警告した。決算書によると、04年度の車券売り上げは0・3%増えた。一方で15億円の売り上げを目指した琵琶湖競輪など他都市の人気競輪の車券(場外)販売は5億円にとどまった。

 開催経費や自転車振興会などへの上納金(義務)などを差し引くと2億2000万円の赤字。これに03年度までの赤字4億5000万円を加えた6億7000万円が、04年度の同競輪の赤字となった。
 この赤字分を埋めるため、今年度から借金(繰上げ充用)することで帳尻を合わせた。
 同市では00年度からこの繰上げ充用を繰り返しており、文字通りの“自転車操業”になっている。

 この間、第1回東王座戦開催の売り上げ増で繰上げ充用しなかった01年度の収支も内実は赤字。予算を減額補正したり、すべての基金を取り崩して投入して「見かけ上の黒字」にした結果だ。
 今年度も9月末までの上半期だけで3億1496万円の赤字。例えば6月の市営競輪(計6日)では経費の方が車券売り上げ額より1・22倍以上もかかり6257万円の赤字が出た。

 経費は売り上げの75%が勝者投票払い戻し。残りを自転車振興会などへの交付金(6・37%)、出場選手への賞金などへ充てる。しかし、この賞金は固定額。同開催では賞金関係が19・22%も占めた。車券売り上げが少なければ、必然的に赤字になる構造になっている。
 市幹部は「存続できるのか、大変な危機感ある」というが、同市は庁内検討会だけで、市民を巻き込んでの存続論議が行われておらず、12月市議会でも「市の甘い姿勢」への追及が続きそうだ。【鈴木道弘】

11月24日朝刊
(毎日新聞) - 11月24日16時50分更新

しかしながら、賞金関係だけで2割を占めるなんてことははっきりいって「異常」である。

「ギャンブルレーサー 二輪乃書」という漫画に客が全く入らないにもかかわらず競輪の開催が行われ、しかも主人公の関優勝が、

「おい、本当に賞金もらっていいの?」

なんていう内容のものがあったが、現実的にはこんなことは「ありえない」。だが、選手だけは「のうのう」としていられて客は来ない、そんでもって赤字は流し放題という現実が今の競輪、とりわけF2戦の実態なのである。

となると、

「潰れたいところは潰れて構わない」

という声も出てきそうで、私自身もやる気がない施行者はさっさとやめてもらってもかまわないと思っているが、しかし公営競技の場合、「やめるとなると」大変な覚悟が必要なのは過去の例をみれば分かること。

都営ギャンブルを廃止した当時の美濃部亮吉知事に対する方針についていまだ、

「美濃部が公営ギャンブルをダメにした諸悪の根源」

という話が出てくる。美濃部知事の決断については私は少々違う意見があるんだけど、確かに「美濃部ショック」の後、公営競技全体が坂を転げ落ちるかのように凋落していったことは事実である。

ましてや伊東温泉競輪の場合、競輪を観光事業とセットできるように市が前々から努めているところであり、決して「やる気のない」施行者とはいえまい。

そう考えると諸悪の根源は何度も言っているように、

・開催・発売の過多

・選手の数の多さ。加えて賞金総額水準がいまだ高い。

ということに他ならないわけである。

よく、その土地の名前を覚えるには、その地域の名産などで覚えよ、といわれたりしたものであるが、そんなことをしなくても全国に点在する公営競技場で「覚えられる」こともできる。

そういった「楽しみ」もある以上、廃場するところはできるだけなら避けてもらいたいもの。ではそうならないためにはやはり・・・

「開発減らそう!」

ってことに行き着くんではなかろうか。

コメント (2)
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朝日杯フューチュリティステークス回顧

2005-12-13 00:05:52 | 大レース回顧集

今年の朝日杯は出走していれば最有力候補と思われたマルカシェンクが骨折して戦線離脱したとはいえ、1番人気の7・ジャリスコライト、2番人気の12・フサイチリシャール、3番人気の2・ショウナンタキオンの3強対決と2歳戦にしては珍しい上位拮抗の様相となった。

11・レソナルが予想通りハナを切り、すかさずフサイチリシャールが2番手。1・ダイヤモンドヘッドとジャリスコライトがほぼ並び、5・スーパーホーネットはほぼ中団の位置。一方、ショウナンタキオンはスタートの出がイマイチで最後方から2頭目ぐらいの位置を余儀なくされる。

向正面ではやくも審議の青ランプがついたが、レースのほうはレソナルがそのまま快調に飛ばし、フサイチが4角を回ってレソナルを捕えにかかる体勢。ジャリスはさらにフサイチの後ろから抜け出しを図る。

直線に入りフサイチが満を持して先頭。ショウナンはまだ後方のままで、ジャリスも直線半ばで伸びきれない。するとスーパーホーネットが凄い勢いでフサイチに襲い掛かり、ゴール前は完全に2頭に絞られたが、わずかにフサイチがスーパーをクビ差退けて優勝。スーパー2着、ジャリス3着、ショウナン4着となった。

前走の東京スポーツ杯2歳Sで逃げ切ってレコード勝ちを収め、3連勝で今回の一戦に挑んだフサイチリシャール。未勝利戦以後は全て逃げ切り勝ちだったが、今回はレソナルにハナを譲ってその番手からの競馬で堂々押しきった。

先行力がありながらも上がりタイムも上々といったあたりから考えて恐らく距離が伸びてもそれほどの不安はないようには感じるが、スピードで押し切れる展開がこの馬の一番の持ち味ではないかと考えられ、そうでない展開となると新馬戦がそうであったようにややしんどい戦いも予想される。

しかし3強対決と言われた今回の一戦を勝利した意味はもちろん大きく、現時点では間違いなくクラシックの最右翼候補であろう。

スーパーホーネットは道中しっかり折り合いをつけて切れ味勝負に持ち込み、もうちょっとのところで勝利を逸したが、ジャリス、ショウナンといったあたりを抑えた競馬は評価できよう。ただ、展開に注文がつくタイプでありそうだ。

1番人気の外国産馬・ジャリスコライトは直線半ばでバッタリといった感じでまさかの3着ともいえようか。今回が重賞初挑戦でもあり、厳しい競馬を経験していない分追い較べで劣った感じ。ただこの一戦ではもちろん見限れまい。レースキャリアを積んでの更なる良化は期待できる。

新潟2歳ステークス以来とはいえ、素質的にはナンバーワンと考えられたショウナンタキオンだが、スタートでの後手が最後まで響いた。4角でも後方グループでは絶好の展開となっていたフサイチにはもちろん及ぶまい。過去2戦もいずれも出遅れており、今後もスタートが課題となろう。

まるで古馬のレースのような感もした今年の朝日杯だが、現時点では今年のディープインパクトのような存在は出てきていないと考えられる。

したがって年末に開催されるラジオたんぱ杯や来年以降の重賞戦線を見ないとクラシックの足跡というのは恐らく見えて来まい。来年のクラシック戦線は今年とは違って混沌ムードが予想されそうだ。


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