映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

屍人荘の殺人

2020年01月09日 | 映画(さ行)

謎に満ちた山荘で・・・

* * * * * * * * * * * *

原作は読んでいたので、本作は劇場で見ないで終わりそう・・・と思っていたのですが、
結局見てしまいました。
まあつまり、神木隆之介さんと中村倫也さんなら、
多少の不出来でも許せてしまいそうな気がしたので・・・。

ミステリ小説オタクの大学生・葉村(神木隆之介)は、
先輩でありミステリ愛好会会長の明智(中村倫也)に振り回されながら、
ホームズとワトソン気取りで学内の些細な事件に首を突っ込んでいました。
そんなところに出会ったのが同大学の剣崎比留子(浜辺美波)。
実は彼女こそ、警察の実際の捜査に協力したこともあるという本物の名探偵なのですが、
音楽フェス研究会の夏合宿に参加しようと、二人を誘うのです。
というのも、「何かがおこる」という犯行予告が届いていたため。
そしてその当日、山奥のペンション・紫湛荘で研究会メンバーと合流した3人。

折しもその近所では大がかりなロック・フェスティバルが開かれており・・・、
そこでこの不可解な出来事の幕が開けるのです。



見ればすぐにわかる本作の「前提」となる仕掛けなのですが、
相変わらずここはネタばらしタブーのようなので、あえて触れません。
ペンションは紫湛荘なのに、なぜ作品名が「屍人荘」なのか・・・、
というあたりで、お察しください。



しかしここの部分は、なぜこのペンションが「閉ざされた」場所となってしまったか、
という状況作りであって、その先のミステリはしっかりとした本格ミステリです。
いや、それにしても、このような状況でなければ
あのエレベーターの殺人トリックも成り立たないワケで、
さすが各賞総なめの原作なのであります。

神木隆之介さん、中村倫也さんのコンビはいい感じ。
しかし、原作通り明智は割と早くに舞台から姿を消してしまうのがいかにも残念です。
(しかし本作は最後にも出てきた!!)

そして、比留子さんがめちゃめちゃかわいい♡ 
やたら葉村が彼女に対して「かわいい!」を連発しますが、
本当にかわいいのだから仕方ない。
その上、ホームズ&ワトソン気取りの二人の推理など
ケチョンケチョンにしてしまうのだから面白い。
是非とも続編を作ってほしくなってしまいました。
不出来の心配など無用でした!

<ユナイテッドシネマ札幌にて>
「屍人荘の殺人」
2019年/日本/120分
監督:木村ひさし
原作:今村昌弘
出演:神木隆之介、中村倫也、浜辺美波、矢本雄馬、佐久間由衣、古川雄輝、柄本時生
原作再現度★★★★☆
コミカル度★★★★☆
満足度★★★★☆