映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ALWAYS 続・三丁目の夕日

2008年01月03日 | 映画(あ行)

三丁目の夕日、前作の続きで、設定は昭和34年。
相変わらず駄菓子屋を営みつつ、とりあえず雑文を書いて暮らしている茶川竜之介と一緒に住んでいる淳之介少年、そしてお隣の鈴木オートの一家が中心に話は進みます。

昭和30年代。
まさに私の子供の頃の風景と重なるので、本当に、よくその頃の生活風景が再現されているなあ、と感心することしきり。
買い物籠をもって買い物に行く(今なら、マイバッグ)。
お風呂は銭湯。
(前作の情景ですが)テレビのある家に、見せてもらいに行く。
・・・私はうんと小さい頃、近所の家に月光仮面を見せてもらいに行った記憶があります!
些細なことですごく懐かしかったのは、ロクちゃんの幼馴染の武雄が来ていたセーター。
腕のところに横2本線の模様が入っている。
そうそう、あった、あった。そんな模様のセーター、確かにあの頃みんな着てた!!

ここにもうすぐ高速道路ができるんだよ、と聞いて一平君が想像したのは、透明のチューブの中を飛び交うエアカー。
21世紀に向けて、確かにそのような未来都市を思い描いていたのでした。
あの頃は、一つ一つ、さまざまな電化製品が家庭に入ってきて、その行く末はばら色の未来に思えたのです。
我が家に初めてテレビが届いた日。
掃除機が来た日。
冷蔵庫が来た日。
テープレコーダーが来た日。(もちろんオープンリール)
どれも覚えている・・・。
そうそう、あの絞り機のついた洗濯機も懐かしいなあ・・・。
あれ、洗濯物をきちんと広げながらやらないと、詰まってにっちもさっちも行かなくなるんですよ・・・。

まあ、そんなわけで、私のような年代からすると
ストーリーもさることながら、ノスタルジーたっぷりで楽しめちゃうのですが、若い方は、どんな感じなのでしょうね・・・?

須賀健太君は前作から見るとぐ~んと背が伸びたようです。
でも、今回は、お隣の一平君の方が光ってたかなあ。
親戚の家の女の子を預かることになったのですが、初めはやけに嫌って意地悪をする。
気になる女の子にわざと意地悪する男の子って、いますよねえ・・・。
でもだんだん仲良くなっていって、そしてまたいよいよお別れの日が来る。
まだ初恋ともいえないほどの思いなのですが、ちょっぴり甘酸っぱく、なかなかいい感じではありませんか。

それから気に入ったエピソードがもう一つ。
鈴木オートのご主人が、軍隊の同期会に出席。
身を案じていた戦友が無事でいてうれしくて、家につれて帰ってくる。
機嫌よく、ほとんど一人で同じ話を繰り返しつつ酔いつぶれる・・・。
朝、目を覚ますと彼はいなくて、妻は、昨日は誰も連れてきていないという。
一人でご機嫌で何かつぶやきながら飲んでいた、と。
ここが、ぞっとする怪談ではなくて、何かほんわかと、これでよかったんだ・・・という落ちになっているところがステキでした。
堤真一は、「魍魎の匣」でもそうですが、やけに昭和が似合いますねえ・・・。

ほんとうは、淳之介を取り戻そうとする実父と、
なんとか小説家として認められ、淳之介と恋人を取り戻そうとする竜之介の奮闘がメインストーリーなのですが、
サブストーリーもなかなか楽しめるというわけです。
そうそう、冒頭のゴジラ(もどき)も、なかなか迫力があってステキでした。

2007年/日本/146分
監督:山崎貴
出演:吉岡秀隆、小雪、堤真一、薬師丸ひろ子、須賀健太、三浦友和、もたいまさこ

「ALWAYS 続三丁目の夕日」公式サイト