狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

【岩波・大江訴訟】 合囲地境は被告側の最後の砦

2007-06-03 07:05:25 | ★集団自決

沖縄タイムス 2007年6月1日(金) 朝刊 36面  
 
あす「集団自決」シンポ
 沖縄タイムス社は二日午後二時から、那覇市久米の沖縄県青年会館で緊急シンポジウム「挑まれる沖縄戦―『集団自決』検定を問う」を開催する。高校歴史教科書の「集団自決(強制集団死)」をめぐる検定について、体験者や識者を交えて考える。入場無料、同午後五時まで。
 渡嘉敷島での「集団自決」を生き延びた金城重明さんの講話、安仁屋政昭・沖縄国際大名誉教授▽高嶋伸欣・琉球大教授▽屋嘉比収・沖縄大准教授によるパネルディスカッションがあるコーディネーターは諸見里道浩・沖縄タイムス編集局長。

                   ◆

「軍命令による集団自決」という神話が、初めて活字として現れたのは沖縄タイムス社が発刊した『鉄の暴風』においてである。

『鉄の暴風』の初版は昭和二十五年、朝日新聞により出版されたが、二版より沖縄タイムスに引き継がれ現在は絶版になっているという。

この本はその杜撰な伝聞記事が各村史に転記され、更には同記事を検証無しに鵜呑みした高名なノーベル賞作家の著書に飛び火して教科書に記載されるまでなった。

『鉄の暴風』がいかに杜撰な伝聞記事に溢れていたかは、次に挙げる一例だけでも充分であろう。

問題の渡嘉敷、座間味両島の守備隊長は赤松少尉と梅沢少佐だった。

同書は守備隊長の一人梅沢少佐に関して次のように書いた。

隊長梅沢少佐のごときは、のちに朝鮮人慰安婦らしきもの二人と不明死を遂げたことが判明したと。 

ところが、現在もなおご健在の梅澤氏は、『鉄の暴風』を引用したメディアのバッシングを受けて、その後職も転々とし、またご家庭も崩壊状態になったという。

隊長梅沢少佐とは、何よりも今回の「岩波・大江訴訟」原告の一人である。

『鉄の暴風』で『不明死を遂げたことが判明した』として死亡宣告された梅沢氏その人なのだ。

終戦間も無いない時期で取材にハンディがあったとは言え、最重要人物の生死を間違えるような杜撰な伝聞取材だった。

その後沖縄タイムスは梅沢氏の生存を知り、その部分は削除し、現在「鉄の暴風」は絶版になっているので今回の訴訟の被告にはなっていない。

だが、「鉄の暴風」をネタ本にしたのが大江健三郎の「沖縄ノート」(岩波書店刊)である以上当事者の一人であることに違いない。

沖縄タイムスは沖縄の各市町村長にアンケートをとり、「歴史歪曲による教科書の書き換えは反対」と言った運動を各議会に煽り決議案成立に追い込むキャンペーンを図っている。(下記リンク④参照)

その結果「集団自決」の当事村である、渡嘉敷、座間味両村議会まで「反対」議決をするにまで至っている。(下記リンク①参照)

一方上記記事のような「プロ市民集会」を開いて「世論」あおりに必死である。(下記リンク②参照)

プロ市民団体の中心は、高嶋琉球大教授らだが、彼らが「シンポ」という名の「市民集会」活動に懸命なのは、「軍命令」が否定されれば、この作り話を真実として活字にした新聞社も、学説の根拠とした学者も、全てその立場がなくなってしまうからだ。(下記リンク③参照)

「集団自決の軍命はあった」という命題は、沖縄のサヨク勢力にとってもはや歴史の解明ではない。

命を賭してでも護るべき「イデオロギー」になりはててしまっている。 

しかし、「軍命令」があったという客観的証拠はない。

あるの「従軍慰安婦問題」と同じく「証言」だけで、それをバックアップするのが「市民集会」であり「村議会議決」である。

だが、歴史の真実を解明するのは、市民集会でもなければ村議会の議決でも無いはずだ。

◆①座間味・渡嘉敷 撤回要求へ/「集団自決」軍関与削除

◆②「プロ市民大会」で騒いで教科書を書き換えよう!

◆③「集団自決」問題 「教科書も みんなで騒げば変えられる」

◆④だから、歴史をアンケートで決めるなってば

                   ◇


大江健三郎・岩波書店沖縄戦訴訟連絡会(「傍聴記録」より抜粋)http://www.sakai.zaq.ne.jp/okinawasen/index.html

大江・岩波側は、日本軍は「軍官民共生共死の一体化」方針の下に、総動員作戦を展開し、村民に軍への協力を村長、助役、兵事主任、防衛隊長などを通じて命令していた。この状態を安仁屋名誉教授は「合囲地境」と説明しておられる。
 軍は、米軍が上陸した場合には村民とともに玉砕する方針をとり、捕虜になることを禁じ、捕虜となったとの理由で処刑された人もいる。当時座間味島及び渡嘉敷島の日本軍の最高指揮官は梅澤隊長及び赤松隊長であり、日本軍の指示・命令、すべて梅澤・赤松隊長の指示・命令であったというべきである。

                   

 5月25日、沖縄集団自決冤罪訴訟第9回口頭弁論が大阪地裁で行われた。

◆沖縄集団自決冤罪訴訟第9回口頭弁論http://blog.zaq.ne.jp/osjes/

裁判を傍聴した南木さんの記録によると、

被告側は≪「米軍の捕虜となることを禁じていた証拠がある」とか、「現に捕虜となったと言う理由で処刑された例がある」

等々の本件と直接関係のない弁論を終始展開した。≫

≪梅澤、赤松の両隊長が自決命令を出したかどうかと言う、この裁判の最大の争点について、結局何も新しい弁証を展開する事ができなかった≫という。

いくら探しても、両氏が自決命令を出したという客観的証拠が見つかっておらず、被告側の唯一の論拠が証言だけという点で、本訴訟は「従軍慰安婦」問題と相似形をなす。

「被告側代理人弁護士は既に追い込まれ、困り果てている・・・」(上記サイト)という感想は否めない。

村民に軍への協力を村長、助役、兵事主任、防衛隊長などを通じて命令していた。この状態を安仁屋名誉教授は「合囲地境」と説明しておられる。

証言以外では、結局被告側が「軍命はあった」とする唯一の理論的拠り所は安仁屋名誉教授の「沖縄=合囲地境」論なる聞きなれない概念しかなくなったのだ。

「合囲地境」とは戦争地域では「直接軍の命令がなくとも役所の指示でも全ては軍の命令だ」というまことに乱暴な説である。

この論からいけば「直接の軍命のある無しは問題ではない」という粗雑な主張になる。

日本軍の指示・命令、すべて梅澤・赤松隊長の指示・命令であったというべきである。

粗雑な理屈で「命令であったというべきである」と云わざるを得ないところに被告側の焦りが垣間見れる。

「合囲地境」ついては『「集団自決」 各紙なで斬り 朝日編』で詳しく述べた。

煩雑を承知で引用すると、

今朝の社説のタイトル「集団自決―軍は無関係というのか 」でも最近の朝日の弱気が現れている。(2007年3月31日朝日社説)

「集団自決」は「鉄の暴風」を降らしたと言われる圧倒的物量に勝る米軍の総攻撃を直前にした村民があまりにも脆弱な日本軍の守備隊の状況にパニックになった結果だと当日記は推察する。 

当然軍に無関係だとは言い切れない。

米軍の総攻撃を目前にパニックになって「集団自決」したとなると無関係とはいえないだろう。

朝日が言う「広義の関係」がここでも顔を出してくる。

「集団自決はすべて軍に強いられた」と言っているわけではない。

自決を強いられたとしか読めない」

軍隊が非戦闘員に武器を手渡すのは、自決命令を現実化したものだ」といった主張も裏返すと「軍命令は無くとも戦時中の行動は全て軍命令と同じ」だという理屈に支えられている。

だったら、貧弱な武器で島中を取り囲んだ米軍に決死で立ち向かおうとした梅沢、赤松の若き両司令官(座間味島と渡嘉敷島の)を「住民に集団自決の命令を下した極悪非道の男」として糾弾するいわれはないはずだ。

ましてや教科書に「集団自決」があった事はともかく「軍命令でやった」とは記載すべきではない。

この「直接の軍命令が無くとも命令と同じ」と言う理屈を最初に言い出したのは、安仁屋沖縄国際大学名誉教授である。

同氏は沖縄タイムス(2005年7月2日)の[戦後60年]/[「集団自決」を考える](18) /識者に聞く(1)/安仁屋政昭沖国大名誉教授・・・と言う特集記事で記者の質問に答えた次のように語っている。
 
http://www.okinawatimes.co.jp/sengo60/tokushu/jiketu
20050702.html

  -どのような状況下で起きたのか。

 「『集団自決』は日本軍と住民が混在していた極限状態で起きている。沖縄戦は、南西諸島が米軍によって制海権も制空権も完全に握られ、民政の機能しない戒厳令に似た『合囲地境』だった。その状況下では、駐留する日本軍の上官が全権を握り、すべてが軍の統制下にあった。地域住民への命令や指示は、たとえ市町村職員が伝えたとしてもすべて『軍命』として住民が受け取るような状況があった」 ・・・

                   *

>「地域住民への命令や指示は、たとえ市町村職員が伝えたとしてもすべて『軍命』」

・・・と言う、いわば「広義の軍命令」を言い出した安仁屋教授の理屈の根拠はどうやら『合囲地境』と言う聞きなれない言葉にあるらしい。

戦時中の沖縄を「戒厳令」状態と仮定しようとしたが2・26事件以来日本で戒厳令が引かれた例はない。

安仁屋教授はそこで日本の戒厳令においては、「臨戦地境 」と「合囲地境 」の2種類の戒厳地域区分が存在するということに着目した。

特に後者の「合囲地境 」 とは「敵に包囲されている、または攻撃を受けている地域で、一切の地方行政・司法事務が当該地域軍司令官の管掌となる」とあるのでこれを沖縄戦に適用しようと考えた。

だが、実際には日本では法制度上は存在してもこれが適用された例はない。

勿論「沖縄戦」にも「合囲地境」はしかれていない。

安仁屋教授個人が勝手に「合囲地境とみなした」に過ぎない。

この伝でいくと、沖縄だけではなく、1945年の日本列島全域、またソ連参戦後の樺太や千島列島は外形的には敵国に包囲され攻撃されているという合囲地境の条件を満たしており、樺太や千島で自決した住民も、いや日本国中で自決した人全てが日本軍の命令で死んだ事になる。

軍命令があった」という客観的証拠が無いとわかると、「合囲地境」なる概念を持ち出して、「直接軍命があったかどうかは問題ではない」、「広義の軍命」があったというに及んで「従軍慰安婦問題」と全く同じで、被告側の焦りを感じてしまう。

 ◆参考:「集団自決」 各紙なで斬り 朝日編

 

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2 コメント

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Unknown (sowjun)
2007-06-03 15:42:13
集団自決の問題かーー;
沖縄ってつけこもうと思えばいくらでもつけこまれるよなぁ。
俺ね、集団自決や戦争の事は正直どうでもいいと思ってる。歴史の歪曲は許せないから文句は言うが、正しく書き換えられたからどうこうするとかそんなつもりは無い。
歴史というのはあくまでも客観性を維持するべきだと思う。たしかに戦争体験者の意見や話は大事だだ、それはただの資料だ。それを、聞く側も話す側もわきまえなければならない。歴史は過去の教訓であり、未来を作る際の参考なのだ。
しかし、こういう輩はそれを使って、未来を潰そうとしている。俺はそれが許せない。参考や資料の域をはみ出して、新しい世代の思想や真理をそれによって捻じ曲げようとしている。あってはならぬことだ。なんとかここで、私達の世代でこれを終わらせなければ、私達の子や孫は、今までの日本人と同じ様にいわれの無い嘘の罪を背負わされる事になる。そんなのは絶対にあってはならん。

と、思うよ^^;
集団自決 (狼魔人)
2007-06-03 19:09:31
集団自決問題はただの歴史問題や戦争の問題ではありません。

日本軍、いや日本人の名誉が問われている問題です。

現在裁判で争われている論点は「二人の守備隊長が島民に軍命令を出して集団自決させた」の真偽の解明であり、

自決命令を出していないと言う原告が名誉回復を訴えている訴訟です。

彼等を誹謗・断罪したノーベル賞作家の為、マスコミのバッシングを受け、職場も、家庭も破壊され悲惨な人生を送りました。

最近の地元新聞の論調は「直接の軍命令有無は問題でない」、「広い意味で言えば、沖縄戦中の事件は全て日本軍の責任」と論点をすり変えてきています。

命令をしていないのに、無理やり広い意味でとらえて、現地の守備隊長を「集団自決を命じた極悪人」と断じる権利はノーベル賞作家にもないはず。

これは「従軍慰安婦」で広義の解釈で日本軍を極悪犯に仕立てたどこぞの国の主張と同じ構図です。

沖縄戦に於ける日本軍の「広義の責任」については集団自決問題とは別の土俵で論ずるべきと言うのが当日記の立場です。

裁判官が「広義の命令」なんてフザケタことを云わない限り、原告の名誉は回復されると思うのですが・・・。

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