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「人を食った」とは人を小ばかにした時良く聞く例えだが、そこに「肉」の一文字が入り「人の肉を食った」話となると只事ではない。「人肉食」は人間最悪のタブーで話題にすることさえ嫌悪する人もいる。
「人肉食」は今ではあまり聞かないが、「人食い人種」は昔のアフリカ冒険漫画等に良く登場した。
「人食い」というと、かつて未開地域と呼ばれる地域特有の文化と思われるかも知れない。
が、勿論未開地特有の文化ではない。
古代中国では、人肉は「両脚羊」つまり2本足の羊として普通に市場で売られていたという。
「史記」には、春秋時代の覇者、斉の桓公が、料理人の易牙に勧められて、易牙の子供の蒸し焼きを食う話が出てくる。
「世語」には、三国時代、魏の重臣として名高い程(ていいく)が、軍の備蓄食糧に「干した人肉」を混ぜたため、主君の曹操に嫌われたという話が残っている。
戦後も文化大革命の時代には、ライバルを襲って食べるという行為があったと言われている。
現代中国でも堕胎後の胎児を食材として使うこともあるという忌まわしい話がネット上を飛び廻っている。
中国だけではない。
他の国でも、飢饉が襲ったときには人肉で命を繋いだという話を聞く。
日本の記録では、秀吉が鳥取城を兵糧攻めした時、城の中では共食いが起こった伝えている。
天明飢饉の時も人肉食があったという記録がある。
子供の腕をかじり取るような凄惨なもので、女子供は共食いを恐れて外に出なくなったとも書かれている。
沖縄には人の肉を食ったという忌まわしい記録は無いが、ウチナ―ヤマト口(沖縄訛りの標準語)には随分乱暴な言葉がある。
例えば「たっくるす!」をウチナ―ヤマト口で気取って話すと「叩き殺す!」。
が、我が沖縄では「殺(くる)す」と言って相手をぶん殴っても殺意があったとは誰も思わない。
観光客が三面記事の「殺すと言って殴る」の見出しを見て殺人未遂事件と誤解した、と言った笑い話がよくあった。。
地元新聞の記者が加害者の吐いた「くるす!」をそのまま「殺す!」と漢字変換した記事はつい最近まで見られたのだ。
◇ ◇ ◇
昔々その地方のの市場では「人の肉」が売られていた。
季節が来るとその地方にやって来る「新参者の群れ」に町の男達は襲い掛かる。
海岸一体は凄惨な血の海と化する。
「ヒト狩」は春を告げる街の風物詩にさえなっていた。
「ヒトの肉いらんかー」とオバーたちが言っているのを聞いて、観光客はびっくりした。
大衆食堂では「ヒトそば」や「ヒトチャンプルー」が人気のメニューであった。
「ヒト」・・・正確には「ヒートゥ」とは沖縄では「イルカ」のこと。
沖縄北部の名護湾には毎年イルカの大群が押し寄せる。
漁師はそのイルカを捕り、オバーたちがイルカの肉を市場へ売りに行く。
最近名護でも「ヒト狩」の話はあまり聞かなくなった。
利口なヒト、いやヒートゥは名護湾を恐れてやさしいサーファーのいる九十九里浜に場所変えをしたのだろうか。
★蛇足1;沖縄方言では母音の「お(o)」は「う(u)」に変化する。
殺す・korosu → くるす・kurusu 方言では「殴る」と言う意。
たばこ(煙草)・tabako→たばく(方言)tabaku
蛇足2;海豚(イルカ)を何故ヒートゥと呼ぶかは良く分からない。
哺乳類の肉なので連想したのか。
なお、ヒートゥは正確には[fi-tu]で更に[f]が[p]に変化して
名護以北では「ピートゥ」と発音する。
(東京新聞 2006年3月1日)
海岸にイルカ70頭 九十九里浜、救助難航
九十九里浜の海岸に打ち上げられたイルカを救助するサーファーら=28日午後、千葉県一宮町で、本社ヘリ「おおづる」から
二十八日午前十一時五十五分ごろ、千葉県一宮町東浪見の九十九里浜で、次々に打ち上げられるイルカの群れをサーファーらが見つけた。打ち上げられたイルカは、最大約七十頭に上った。
水族館「鴨川シーワールド」(同県鴨川市)によると、イルカは「カズハゴンドウ」(体長約二メートル)という種類。サーファーやライフセーバーら約五十人が沖に戻そうとしたが、強風と高波などで救助作業は難航。日没後も作業が続き、大勢の人が心配そうに見守った。
プロサーファーの女性(36)は「海を見に来てイルカに気付いた。体が傷だらけで弱っている。作業はまったくはかどらない」と険しい表情。
現場を訪れた秋山章男・元東邦大教授(70)=海洋生物学=は「カズハゴンドウは大きな群れをつくって沖合で生活する。サメに襲われるなどしてパニックに陥り、方向感覚を失ったことなどが考えられる」と話している。
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