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二階国対委員長が中川政調会長の「核論議」を批判した。
中川氏と二階氏は同じ自民党員とは言いながらその中国に対する姿勢は与党対野党以上に乖離がある。
その二人が小泉内閣では産業経済省の前任・後任大臣だった。
その当時、産経大臣のポストは東シナ海ガス油田を巡って中国と緊迫関係にある重要なポストであった。
そしてこの二人は対中国に関して対極の政策を取った。
その状況を3月21日のエントリーで、その状況を次のように書いた。
◆二階大臣と「中国兵法書」
≪膠着状態の雰囲気の中で、先月日本の二階経済産業大臣が中国を訪問した。
小泉首相を始め誰も会ってくれない日本の閣僚に中国の温家宝首相は面会の栄誉を賜ったのだ。
温首相が日本の閣僚と会うのは久しぶりのことで、中国側の対応の変化をうかがわせた。
昨年7月、二階大臣の前任の経済産業大臣の中川昭一は、「中日間の中界線」の日本側海域で、日本の帝国石油に採掘権を与える決定をした。
東シナ海の情勢はたちまち一触即発の状態になった。
1月14日、二階大臣は日本の石油企業向けて、中国の顔色をうかがったのか、東シナ海海域における天然ガス採掘の許可はできないと前任者の発言を取り消した。
二階経産相はかつて、中国の江沢民・前国家主席の講話を刻んだ石碑を地元に建てようとした媚中派だ。
二階経産相の就任を中国が好感し、日本に歩み寄る可能性もある、と期待する向きも国内にはあった。
だが、その後行われた実務者協議でも中国は日本の開発中止要求を拒否した。
現在もガス田とガス田をつなぐパイプラインの敷設を完了させるなど、着々と開発を進めている。
二階大臣を無能な閣僚と判断した結果だ。
中国は兵法秘伝書「六韜」の教えを現代の外交交渉に忠実に再現して見せた。
手強いと見る小泉首相、中川前産経相そして麻生外務相には面会を拒否し、御し易しと見た媚中派の二階に面会の栄誉を与えた歓待した。
中国メディアの「Eastday.東方新報]は兵法書に忠実に、次のように関係閣僚を論評した。
≪小泉は「固執」、麻生は「無責任」、二階は「理知的」≫と。
ところで二階大臣って中国の大臣?≫
中川政調会長の「核論議発言」で慌てたのはアメリカと中国だと書いた。
日本の核保有を一番恐れるのは中国、その意を汲んだ媚中派二階が動いたのだ。
産業経済大臣の前任・後任の時の中国を巡る中川vs二階の確執は政調会長と国体委員長になっても続いている。
今朝の産経新聞は社説・コラムでこの問題を取り上げた。 力が入っている。
一方朝日新聞は安倍首相が議論を容認したことにいらだっている様子。(文末に記事転載)
◆産経新聞
平成18(2006)年11月7日[火]
■【主張】「核」論議 理解に苦しむ二階氏発言
自民党の中川昭一政調会長が核論議を提起していることが、野党だけでなく、与党内からも非難されている。
自民党の二階俊博国対委員長は5日、「誤解を招きかねない発言であり、重要な立場の人は慎むべきだ」と批判したうえで、「やがて任命権者の責任を問われる事態になりかねない」と述べた。これは理解に苦しむ発言といわなければならない。
中川氏は先月15日以来、「日本が核をもたずに北朝鮮にどういう対抗措置ができるのか真剣に議論しなければならない」「この時期にしなければいつするのか」と語っている。
北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対する日本の抑止力を論じようという中川氏の発言は当然そのものである。
二階氏はなぜ問題視するのか。国会対策上の問題ではない。日本の平和と安全をどう確保するか、それを考慮するのが責任ある政治家として問われていることを忘れてはなるまい。
ライス米国務長官が即座に「あらゆる抑止力で日本に対する安全保障を約束する」と表明し、中国も北朝鮮の核保有阻止のために強く圧力をかけたことは、中川氏の問題提起と無縁ではないだろう。
民主党の鳩山由紀夫幹事長は3日、核保有論議を容認した麻生太郎外相に対し、「世界中から核をなくす運動のトップリーダーとして動かなければならない日本の外相発言に心から怒りをもつ」と述べ、罷免を要求した。
だが、鳩山氏は党代表だった平成11年、西村真悟元防衛政務次官の核武装発言に関連、「議論すらいけないという発想もいかがか。非核三原則と対比しながら、日本はどういう防衛をすべきなのか、本質論をえぐる議論をしていきたい」と語ったのを、まさか忘れたのだろうか。
5日放映されたフジテレビ系の報道2001世論調査は「核保有について議論すべきだ」が51%で、「議論すべきでない」43%を上回った。国民の意見が奈辺にあるかを示している。
国会は核保有のメリット、デメリットを議論すべきだ。米国の核の傘が機能しているのか、日本の抑止力をどう考えるべきか、などを国政調査権を発動して検証することこそ、国権の最高機関の責務ではあるまいか。
◆産経抄 平成18(2006)年11月7日[火]
日曜日のNHK討論番組での、自民党の二階俊博国対委員長の発言には仰天した。中川昭一政調会長や麻生太郎外相が提起した核論議に対して、「任命権者の責任を問われる事態になりかねない」と、安倍晋三首相まで持ち出して“封殺”するかまえだ。
▼北朝鮮の核の脅威が現実のものとなり、海外では、日本の核武装の可能性が取りざたされているのに、国内では論議さえ許されない。このギャップはどこからくるのか。比較文化論が専門だった鯖田豊之さんは、かねて欧米諸国と日本の「平和観、戦争観のくいちがい」を指摘していた。
▼鯖田さんは、鎖国を例にとって説明する。徳川幕府は、イスパニア船やポルトガル船の来航を禁止すると同時に、国内で大船の建造を禁止した。本来なら海軍力を増強して、これらの船に備えなければならないはずなのに。
▼「相手がどうでるか考えないで、一方的宣言だけでことがかたづくとするこのような発想は、欧米諸国にはとうていみられないのではあるまいか」(『日本人の戦争観はなぜ「特異」なのか』主婦の友社)。なるほど「非核三原則」は、その最たるものだ。
▼日本の「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」の政策を、いつか核保有国が見習ってくれる。こんな幻想を持つ国は、確かに国際社会では、「特異」に違いない。夕刊フジの4コマ漫画「ヘナチョコおやじ」で、作者のしりあがり寿さんは先週、「核を論議しない」を加えて、もはや「非核4原則」だと風刺していた。
▼笑い事ではないが、幸いにも、きのうの小紙に載っていた世論調査によれば、「政治家は議論すべきか」の問いに50・8%が「はい」と答えている。国民の多くは、現実的な安全保障論議を求めているのだ。
朝日新聞
核保有論議、首相なお黙認姿勢
2006年11月06日21時58分
核保有論議の必要性を主張し続ける自民党の中川昭一政調会長に対して安倍首相が黙認する姿勢を変えない。与党からも自制を求める声があがるが、首相は6日、記者団に「非核三原則の方針について異を唱える人は誰もいない」と強調。「非核三原則を守る」とさえ言及すれば、議論すること自体はかまわないと事実上論議を容認した。野党からは首相の責任を問う声が出始めた。
中川氏は6日の名古屋市内での講演でも「批判をいただいているが、そこから議論が始まることもある」と発言。「前提条件があり、憲法を守る義務がある。非核三原則は現に存在している」としながらも、「米国や国連決議におんぶにだっこでいいのか。真剣に考えなければならないときに来ている」と語った。
中川氏や麻生外相の発言に対して、自民党では自制を求める声が出始めた。中川秀直幹事長も6日、埼玉県川口市内の講演で「首相の確固たる方針に反するかのような誤解を感じる人たちも一部いるのかもしれない」と指摘。二階俊博国対委員長は5日のNHK番組で「やがて任命権者の責任も問われるような事態になりかねない。発言を慎むべきだ」と首相の責任に言及した。
ただ首相は6日、「非核三原則を守っていくということについては、閣僚も党の幹部も意見は一致をしている」などと繰り返し、問題視しない考えを示した。
首相は1日に自民党本部で中川氏と意見交換をしたが、発言の自制は求めなかったことを記者団に明らかにしている。
なぜ、安倍首相は議論を容認するのか。もともと「首相は核問題の議論をタブー視しない」(内閣官房幹部)という点で、中川氏と近いという見方もある。
安倍首相は官房副長官時代の02年、講演で核兵器保有は憲法の禁ずるところではないと発言したとして野党の批判を受けた。このとき安倍氏は国会答弁で自衛のための必要最小限度内であれば、「核兵器、通常兵器を問わず、保有することは憲法の禁ずるところではない」としながらも、「その話をする前に、私は非核三原則の話をしている」などと釈明した。
野党も麻生外相の任命責任追及に加え、「安倍首相自身が自分の本音を中川さんにしゃべらせている」(社民党の又市征治幹事長)と首相批判を強めつつある。
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