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小池防衛相が続投を否定 情報漏洩で引責(01:11)
2007年08月25日01時11分
安倍首相は24日、訪問先のクアラルンプールで記者会見し、27日の内閣改造・自民党役員人事について、改革路線を継続し、地域活性化に配慮した布陣をとる考えを表明した。内閣改造では防衛省の事務次官人事をめぐって混乱を起こした小池防衛相の処遇が焦点の一つだが、小池氏は24日、イージス艦の情報流出事件の責任を取るとして留任を望まない考えを明らかにした。
首相は会見で「人事は帰国してから最終的に判断したい」としたうえで、内閣改造の基本方針として「日本は改革を進めていかなくては、いつかやっていけなくなる。新経済成長戦略をしっかり進めることが必要だ」と強調。さらに「参院選の結果で反省すべき点は反省しながら、地域の活性化にも力を入れたい。そうした点も考慮しながら人事を断行したい」と語った。
一方、インド訪問中の小池氏は24日、ニューデリーで同行記者団に、久間前防衛相の在任中に発覚したイージス艦情報流出事件に関連して「情報保全体制の新システムは作った。防衛省内で誰かきっちり責任を取ったかと言えば取っていない。私はこの点の責任を取りたい。きっちりした体制でやるためには人心を一新していただきたい。私は辞めると言っている」と述べ、防衛相留任の意思がないことを明らかにした。すでに安倍首相にも伝えたという。 (朝日新聞)
◇
「政治家が官僚をどう使いこなすか」、これは戦後の日本政治がやろうとして出来なかった大きなテーマ。
小池防衛大臣は、新任で女だと舐めてかかった巨大な官僚組織に二つの爆弾を残して自ら割腹した。
辞め際を誤って、石で追われるように辞任した赤城大臣とは大きな違いだ。
インドでの辞任発言の一日前、「人事騒動」の相手でいち早く辞任を決めていた守屋事務次官が記者会見で次のように発言していた。
「後任については話をしていただきたかったということに尽きる」
つまり自分の後任人事が混乱したことについては、「私の人事は大臣の判断に従うが」としながらも、
後任人事は慣例どおり「自分が決める」ということだ。
又守屋次官は沖縄の基地政策に長くかかわった経験から「私の後輩が仕事に取り組むことになると思うが、私の知見が必要であればいつでも協力したい」とも語っていた。
聞こえは良いが退任後も、何も知らない大臣より自分が乗り出して「院政」をしくとも取れる発言だ。
戦前の政治では軍隊という軍事官僚の暴走を大臣が抑え切れなかったことが全ての禍の元だった。
防衛省の「天皇」と言われた守屋次官の言葉に驕りを嗅ぎ取った小池大臣は、
「急に血迷って人事に手を付けたわけではない」と守屋次官の批判に応戦した。
更に小池大臣は、海上自衛隊のイージス艦中枢情報流出事件に触れ
「誰か責任を取ったのか。ただ漏れてしまったという形で、人ごとではいけない」と情報保全に関する不十分な対応が守屋氏を退任させる一因だったこと、返す刀で守屋次官を断じた。
「それぐらいの対応をしなければ、武器調達などについても日本への信頼感がないままで進められない」とした上で、首相官邸の対応について「9月1日からの(防衛省の)組織再編ということをどこまで本気に考えたかクエスチョンマークだ」とも語った。
この小池VS守屋のインド、日本と海を挟んだバトル発言を抜き出して整理してみよう。
守屋:「後任については話をしていただきたかったということに尽きる」
小池:「急に血迷って人事に手を付けたわけではない」
(海上自衛隊のイージス艦中枢情報流出事件に触れ)
小池;「誰か責任を取ったのか。ただ漏れてしまったという形で、人ごとではいけない」
小池:「それぐらいの対応をしなければ、武器調達などについても日本への信頼感がないままで進められない」とした上で、首相官邸の対応について「9月1日からの(防衛省の)組織再編ということをどこまで本気に考えたかクエスチョンマークだ」
なるほど、防衛省という特に情報を重視すべき官庁の情報漏えいという不祥事に、本来なら守屋次官か久間大臣だ引責字にすべきだったといいたかったわけだ。
情報漏えいは前任の久間大臣の時に発生したが、「しょうがない発言」で辞任したため情報漏えいの責任はうやむやになった。
そこで本来なら守屋次官が引責辞任すべきだった。
防衛省内部では
「防衛次官人事の不手際で留任が危うくなったとの観測が流れる中、自ら進んで辞める姿勢を印象づけ、交代させられても傷がつかないよう保身を図った」という囁きもあるようだが、
これは下衆の勘ぐりと言うものだろう。
誰も責任を取らない無責任体質の官庁に、身を持って一石を投じたと見るのが妥当だろう。
「責任の取り方の率先垂範」という爆弾のほかに小池大臣はもう一つの爆弾を防衛省にに残した。
人事問題について防衛省内の確執について
「私の責任ではない」と官僚が反抗したことを一蹴した。
小池大臣は二ヶ月足らずの在任中に防衛省に澱む次の二つの体質打破に自分の腹を切ることにより大きな一石を投じたことになる。
①情報防衛に対する無責任体質
②大臣への面従腹背体質
小池百合子は男でゴザル!(ん?)
◇
沖縄タイムス 2007年8月24日(金) 朝刊 2面
県のアセス反発を批判/防衛次官
【東京】防衛省の守屋武昌事務次官は二十三日の定例会見で、米軍普天間飛行場の代替施設建設に向けた環境影響評価(アセスメント)方法書の送付に県が反発していることについて、「名護市と相談した結果、V字案で合意し、前知事も了承した。それを合意していないと言うのはいかがなものか」と批判した。
一方、自身の後任人事が混乱したことについては、「私の人事は大臣の判断に従うが、後任については話をしていただきたかった」と述べ、自身に相談なく人事案を固めた小池百合子防衛相の対応に不快感を示した。
官邸で安倍晋三首相に会い、巻き返しを図ったと報道されたことには「私が総理に陳情を申し上げたことは一度もない」と“直談判”を否定。
「公務員生活の最後をこういう形で取りざたされ、世間をお騒がせした」と十一日間に及んだ混乱を振り返り、退官後について問われると「しばらくはゆっくり休みたい」と話した。
今後の沖縄の基地政策については「沖縄の問題は長い経緯がある。日米両政府で取り組んできて、その間、沖縄県側とも協議を重ねてきた。そういう延長戦でこの問題に取り組んでいくことが重要だ」と述べ、防衛省の重要課題として引き続き取り組む必要性を強調。
沖縄の基地政策に長くかかわった経験から「私の後輩が仕事に取り組むことになると思うが、私の知見が必要であればいつでも協力したい」とも語った。
同省の事務次官人事をめぐっては、七日に報道で自身の退任方針を知らされた守屋氏が反発するなど混迷。小池防衛相が推した警察庁出身の西川徹矢官房長の起用は見送られ、十七日になって防衛省生え抜きの増田好平人事教育局長を充てる人事が内定し決着した。
防衛次官人事の対立再燃 小池氏「血迷っていない」 (8月24日 01:34)
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