狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

平野長官の迷走の真意は?

2010-01-27 08:22:22 | 普天間移設

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名護市長選は「辺野古反対派」の勝利で、地元二紙や左翼ブログは「勝った、勝った、ひとまず安心」といった喜びの文字が躍っている。

だが、沖縄の実情を知る者なら「辺野古反対派市長」の誕生で、鳩山政府に安堵が訪れるとは微塵も考えていない。

むしろこれから続く混迷で普天間住民が危険に曝されたまま放置されるという現実に触れる論調は少ない、いやほとんど見ないのが不思議である。

やはり、彼等は「普天間基地の固定化」を基地反対運動のシンボルとして望んでいるのか。

基地反対運動のあきれた実態

彼等「辺野古反対派市長」の勝利による安堵とは裏腹に、更なる迷走が平野官房長官の発言で始まった。

普天間移設、法的決着も=官房長官が可能性に言及
 平野博文官房長官は26日午後の記者会見で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題について「(地元が)合意しなかったら物事が進まないということか。そこは十分検証したい。法律的にやれる場合もあるだろう」と述べ、移設先の自治体が受け入れに応じない場合は法的に決着させることも可能との見解を明らかにした。
 一方、鳩山由紀夫首相は同日夜、首相官邸で記者団に対し「名護市民、沖縄県民の理解も求めて最終的な結論を出すべきだ」と語り、地元の意向も踏まえて移設先を決定したいとの姿勢を示した。 
 平野長官は会見で「できる限り地元の皆さんの理解を得ながら決めていく」とも強調した。(2010/01/26-20:15)

                     ◇

本音と建前を使い分けるのが政治家であり、その発言から真意をかぎ分けるのが新聞記者の本分だと聞いたが、平野長官の発言は本音と建前どころか、それ以前の政治家として無定見なのかそれともバカ正直なのかの判断に苦慮するだろう。

何度もくり返すが国の安全保障は国の専管事項であり、一地方の首長選挙の結果に委ねるべきことではない。

その意味で、建前はともかく平野長官は一応正しいことを発言している。

平野長官は今一番鳩山首相に近い人物だと言われているが、鳩山首相がこの期に及んでも「民意を重く」と、平野長官と対立する発言をしているのは、首相には最後まで建前を言って「良い人」になって貰い、平野長官は本音を連発して「憎まれ役」を引き受けるという役割り分担をしているのであろうか。

だとしたら、平野長官は首相の言えない本音の部分を首を賭けて発言し、悪役に徹することで自分を官房長官に取り立ててくれた首相に恩返しをしているつもりなのだろう。

そうでないのなら平野長官はタダのバカと言うことになり、首相は自分の人を見る目の無さを反省し即刻平野氏を更迭すべきであろう。

通常政治家が「問題発言」で記者に真意を問い質された場合、弁解により問題点は薄くなるのが通常だが、平野長官の場合弁解すればするほど問題点が鮮明になっている。

平野発言を時系列で整理したのが次の記事。

平野官房長官の発言要旨=普天間移設問題
 平野博文官房長官が25、26両日の記者会見で、米軍普天間飛行場の移設問題に関して発言した主な内容は次の通り。
 【25日午前】
 -沖縄県名護市長選の結果が普天間飛行場の移設問題に与える影響は。
 
私は今、(政府・与党の)検討委員会(の委員長)という立場で、ゼロベースで移設先を検討している。そういう観点で言えば、(移設に反対する候補が当選したことは)一つの民意としてはあるだろうが、検討していく上においては、あまりそのことも斟酌(しんしゃく)してやらなければいけないという理由はないと思っている。
 【25日午後】
 -鳩山由紀夫首相は今月15日に、名護市民の思いを斟酌すると言っているが。
 
例えばどこかの市が反対だと言い、斟酌してしまうと、ではどこへ持っていくんですかという議論になってしまう。そういうことではなくて、一番最適で、一番県民の負担を軽減できるのはどこなのかを考えていく。
 【26日午前】
 -地元の合意を得られない段階でも、移設先を決めることがあり得るのか。
 合意しないと物事が進められないものなのか。必ず理解を求めていかないといけないテーマだと思っているが、それでなければ物事が進められないのかどうか。
 -地元の合意は得られなくても仕方がないということか。
 合意は(仕方がない)。理解は得られないといけないと思うが。
 【26日午後】
 
(報道は)合意は必要ないとか、そういう言い方での書きぶりだが、私の真意ではないところを書かれている気がする。地元の理解を求めながら決断をしていくということなので、十分含んでおいてほしい。
 -(移設先の)地元自治体には理解を求めるだけか。
 
できる限り地元の皆さんの理解を得ながら決めていく。地元を無視してという考え方は成り立たない。
 -「理解を得る」というのは分かりにくい。
 
非常に分かりやすい言葉ではないか。合意を得るとはどういう意味か、逆に。
 -地元が受け入れをオーソライズ(承認)するのが合意だが。
 
では合意しなかったら物事が進まないということか。
 -地元の合意がなければ現実的に難しいと思うが。
 そこは十分検証したい。法律的にやれる場合もあるだろう。いろんなケースがあると思う。
 -住民の意向とは別に、ここを(基地として)使えるかを考えるのか。
 全く使い物にならない所を(移設先と)言ってもしようがない。検討する土俵がないのに、住民の意向がどうのこうのと言えるのだろうか。
 【26日夜】
 -沖縄県選出の与党議員が「斟酌する理由はない」との発言に抗議するそうだが。
 
抗議とかうんぬんという話は聞いていない。会うことは否定するつもりはない。
 -こうした声が上がっていることについては。
 上がっているかどうかは、私は承知していない。(2010/01/26-22:44)

                                            ◇

平野氏の現在の立場は単に鳩山内閣の大番頭とも言える官房長官の重責にあるだけではなく、政府・与党の沖縄基地問題検討委員会の委員長を務める重要な立場でもある。

その人物が発言する「候補地を法律で実行」という文言であるシーンが脳裏を過ぎった。
 

名護知事選の二週間前の1月9日に平野長官は沖縄県知事を訪問している。

仲井真県知事との意見交換で、「(移設先決定で)知事のご決断ということでお願いするかもしれない」と述べ、県内移設の可能性を示唆している。

仲井真知事は元々「辺野古容認派」であったが、政権が変わったことやマスコミの「辺野古反対」の勢いに押されたのか「政府の判断に協力する」と微妙に発言が変化していた。

平野氏の「知事のご決断ということでお願いするかもしれない」との発言に、

知事は「そんな恐ろしいことを」と驚いた返事をしたことが地元紙には掲載されていた。

仮に政府が地元の反対を押し切って辺野古に決定しても、最終的には県知事の認可を仰がなければ法律的な実行は不可能である。

その時点(1月9日)で平野長官は政府が辺野古に決定することを想定し、(辺野古を許可する)決断を知事にほのめかしたのではないのか。

そしてその言葉の裏には「もし知事が許可しなかったら、立法化してでも実行するぞ」といった恫喝も含まれていたのではないか。

仮に知事が許可の決断をしたら、地元マスコミに袋叩きになることが予想され、知事は思わず「そんな恐ろしいこと」と口走ってしまったのではないか。

 

【おまけ】

ニュースで26日の国会答弁を見たが特に亀井金融相の答弁はひどいね。

閣僚好き勝手…答弁拒否したりヤジったり (1月27日 01:01)

森雅子人民党議員の「政治資金収支報告書に目を通すか」の質問に、

「私は優秀な秘書を信用して任せているから目を通さない」と答えていた。 この人物、国民の血税の収支報告書を見もしないで使いまくっていると国会で公言したのだ。

彼の弁に従えば、収支報告書をチェックする議員は「秘書が無能なので信用できずチェックせざるを得ない」ということになる。

だとしたら、目を通さない議員が普通で、目を通す議員がおかしいとでも言うのか。

ふざけるな! 国民の血税を何と心得ているのだ。

それだけ横柄な態度を国民の目に曝すなら、その百分の一でも小沢疑惑に苦言を呈してみよ!

ところがこの人物、小沢批判となると豹変し真逆の発言で、小沢べったりの態度、つまり小沢に媚びる発言をして、国民をバカ扱いしているもではないか。

亀井氏「国民の相当数、冷静な判断能力ない」 (1月26日 00:48)

民主役員会、小沢氏に説明求める声一切なし (1月25日 23:25)特集

亀井氏は、自分も叩けばほこりの出る身なので「収支報告書は見ない」と今の内に予防線を張っているのではないのか。

悪事が露見した時は、

「秘書に任かしてあったので、知らなかった」と。

民主党支持の国民もバカにされたものだ。

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