医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年4月2日)「解禁してはいけない混合診療」 多田智弘 武蔵浦和ただともはる胃腸科肛門科 より
3月15日日本経済新聞に「保健医療と保険外医療の組み合わせ(混合医療)の原則解禁を」という記事あった。また内閣府規制改革会議の最重要課題に「混合医療の在り方の見直し」があげられている。現在の制度では、保険で求められていない保険外診療が診療に加わった場合保険が適用されず、治療費全体が患者の自己負担となる。保険内診療5万円の3割負担に保険外治療3万円という場合45000円を払えばいいというわけではなく、全額8万円が自己負担になるのだ。混合医療賛成派の描くシナリオと、混合医療反対派の描くシナリオを比較してみよう。混合医療賛成派は、①保険適用はそのままで、保険外医療だけを自己負担とするもので総医療費8万円が45000で済み個人および国家にとって医療費の大幅削減となる、②利用者の多彩なニーズに答えられる、③赤字病院の経営改善となるという点を挙げます。この場合利用者とはお金持ちのことです。反対派は、①公的保険診療しか行わない病院は経営的、人的に完全に破綻する、②現在の差額ベットに明らかなようにお金のない人への差別が浸透する、③保険外診療を受けないと満足な医療が受けられないように誘導される。つまり医療格差が拡大しアメリカのような金持ちだけのための医療になる事は見え見えだという。筆者は結局混合医療には反対で、このような小泉元首相のような規制緩和策では「良質な医療を公平に供給する」という日本医療のよさが消滅するという危惧を抱いている。さてあなたはどう思いますか。
3月15日日本経済新聞に「保健医療と保険外医療の組み合わせ(混合医療)の原則解禁を」という記事あった。また内閣府規制改革会議の最重要課題に「混合医療の在り方の見直し」があげられている。現在の制度では、保険で求められていない保険外診療が診療に加わった場合保険が適用されず、治療費全体が患者の自己負担となる。保険内診療5万円の3割負担に保険外治療3万円という場合45000円を払えばいいというわけではなく、全額8万円が自己負担になるのだ。混合医療賛成派の描くシナリオと、混合医療反対派の描くシナリオを比較してみよう。混合医療賛成派は、①保険適用はそのままで、保険外医療だけを自己負担とするもので総医療費8万円が45000で済み個人および国家にとって医療費の大幅削減となる、②利用者の多彩なニーズに答えられる、③赤字病院の経営改善となるという点を挙げます。この場合利用者とはお金持ちのことです。反対派は、①公的保険診療しか行わない病院は経営的、人的に完全に破綻する、②現在の差額ベットに明らかなようにお金のない人への差別が浸透する、③保険外診療を受けないと満足な医療が受けられないように誘導される。つまり医療格差が拡大しアメリカのような金持ちだけのための医療になる事は見え見えだという。筆者は結局混合医療には反対で、このような小泉元首相のような規制緩和策では「良質な医療を公平に供給する」という日本医療のよさが消滅するという危惧を抱いている。さてあなたはどう思いますか。