ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

「日本国債の格付けなんて誰が信じるか」 亀井氏怪気炎

2010年02月14日 | 時事問題
朝日新聞 2010年2月14日0時47分
「外国に影響されるアホみたいな日本人多い」亀井金融相
 亀井静香金融相は12日の記者会見で、外資系格付け会社が日本の長期国債の格付け見通しを引き下げたことに関連して、「日本人は外国に影響されちゃう。アホみたいなのが多い」と述べ、格付けのあり方や、国民の受け止め方に不満を示した。4月から、金融相は格付け会社の監督権限を持つことになっている。
 亀井氏は「日本国債は90%国内で消化していて、外国で消化している話ではない」と指摘。その上で「国債の格付けに対して、実態に合っていないと注意喚起することも大事かもしれない。勝手に格付けを決めて、それで影響がでたって格付け会社が尻ぬぐいするわけじゃない」と批判した。

ごもっともです。サブプライムローンの格付けをAAAとして、世界金融危機を招いた欧米格付け会社の欺瞞は皆さんご承知のはず。投資会社の提灯持ちにすぎない無責任格付け会社のいうことなんか聞く必要はないというのは一理あるようです。

読書ノート 矢野絢也著 「黒い手帳ー裁判全記録」 講談社

2010年02月14日 | 書評
創価学会と公明党による、元公明党委員長矢野絢也氏の日記奪取事件 第2回

 矢野絢也著 「黒い手帳ー裁判全記録」という本を読むまで、公明党内部の内紛くらいかなと思っていたので、どちらにもあまり関心は無かった。しかし創価学会の池田名誉会長の天皇化が進行し、寄付と称する創価学会員から金品の収奪が凄まじいことは噂で聞いた。また各地にある創価学会の会館が高級ホテルかと思えるくらいに豪華な贅を尽くした姿を見て、おかしいなという違和感がふつふつと沸いてきた。池田名誉会長が世界各国の著名人に高額な金を払って「世紀の会談」をしているのをみて滑稽というより、なんという成り上がり根性かと軽蔑の念を催した。創価学会と公明党のことをしっかり理解するひとのために、本書を紹介しておきたい。
(つづく)

読書ノート 五十嵐敬喜・小川昭雄著 「道路をどうするか」 岩波新書

2010年02月14日 | 書評
道路利権集団による日本国食いつぶしを阻止する 第3回

 「公共事業は止まるか」岩波新書 2001年において、著者らはまたこう総括している。
2001年夏の参議院選挙を戦うためについに「ミスター公共事業」といわれた亀井政調会長のスタンドプレーで公共事業の見直しを実施しました。ところがその内容たるや、すでに停止している233件の事業の停止(5万件の事業数から)の追認に過ぎず、公共事業総額は減らさないとか、整備新幹線は費用は倍増するとか、IT特別枠を設けるなど公共事業は縮小するどころか、「国土交通省」という巨大な利権官庁の発足によってまします勢いづいているようだ。バブル崩壊で低迷した日本経済をひたすら公共事業で切り抜けようとしているようだ。公共事業費は45兆円であるので社会保障費はその半分にも満たない。2000年度の国と地方の公的債務総額は645兆円(2007年で1000兆円ともいわれる)つまりGNPの129%に達すると大蔵省は予測した。そして銀行の倒産に国税を注ぎ込んだように、日本道路公団、関空株式会社、本四架橋公団などの特殊法人の赤字総額は300兆円に達しておりこれに税金を投入しようとする動きもある。そして郵便貯金や年金などが財政投融資で融資した金が不良債権化しそうである。なお公共事業を止めようとする全国各地の運動が紹介されている。1:熊本県 川辺川ダム2:徳島県 吉野川可動堰3:首都圏 中央連絡自動車道4:農水省 土地改良事業5:牧の原 静岡空港6:東京都 都市巨大再開発(汐留、六本木、丸の内)7:島根県 中海干拓8:北海道 千歳川放水路計画

 そして本書は公共事業のなかでも最大の道路関係事業について、政官業の「鉄のトライアングル」に迫ってみようということである。2001年に成立した小泉内閣は道路改革に始めて手をつけようとして、道路公団民営化と道路特定財源の一般財源化を言い出した。ところが小泉内閣の本命は竹中平蔵氏と組んだ郵政民営化にあって、道路公団民営化は石原伸晃氏や猪瀬直樹氏に丸投げ状態で必ずしも政治的趣旨が徹底しなかった。道路公団民営化委員会の猪瀬氏が当時を振り返った書である、猪瀬直樹著 「 道路の権力」文春文庫(2006年)と猪瀬直樹著 「 道路の決着」小学館(2006年)から、道路公団民営化のいきさつを知る事が出来る。五十嵐氏はこの小泉流道路公団民営化について、改革の骨抜きを指摘するが後でその主張を見るとして、小泉改革のいきさつを次の2書から知る事が出来る。
(つづく)

月次自作漢詩 「江梅紅発」

2010年02月14日 | 漢詩・自由詩
林下凍禽凌雪霜     林下の凍禽 雪霜を凌ぎ

江村二月入新陽     江村二月 新陽に入る

繊繊緑柳含情装     繊繊たる緑柳 情を含んで装い
  
郁郁紅梅帯笑迎     郁郁たる紅梅 笑みを帯びて迎う

○●●○○●◎
○○●●●○◎
○○●●○○●
●●○○●●◎
(韻:七陽 七言絶句仄起式  平音は○、仄音は●、韻は◎)