ブログ 「ごまめの歯軋り」

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アフガンでの韓国人キリスト教集団拉致殺害事件にみる歴史の教訓

2007年07月26日 | 時事問題
asahi.com 2007年07月26日13時26分
日本のNGO緊張、現地に50人 アフガン拉致
 アフガニスタンで拉致された韓国人グループの1人が遺体で発見された。現地で活動する日本人NGOも少なくなく、東京の事務局は治安対策を再確認するなど、心配している。
 首都カブールを拠点に学校の再建事業などを行っているNGO「JEN」(東京都)は現在4人の日本人職員が現地にいるという。東京本部事務局は「現地では爆発、誘拐が起きており、治安状況は日々変化している。現地は外国人が出歩くだけで目立つ。韓国人グループのように二十数人という大人数で動くことは考えられない」と話す。
 外務省によると、6月現在でアフガニスタンには、政府関係者を含めて143人の邦人がおり、そのうち、NGO関係者は50人程度という。25日には、カブールなど5都市の危険情報について「退避勧告」へと危険度を引き上げた。カブールの日本大使館職員は、「在留邦人の間では、現時点では比較的冷静なとらえ方をされているようだ」と話す。

asahi.com 2007年07月26日10時34分
韓国政府、1人殺害を公式確認 アフガンに特使派遣
韓国大統領府の白鐘天(ペク・ジョンチョン)・統一外交安保政策室長は26日朝、アフガニスタンの武装勢力タリバーンによる韓国人23人の拉致事件について、「国民1人が拉致勢力の犠牲になり、悲痛な思いを禁じ得ない」とする声明を発表し、人質1人の殺害を公式に認めた。
 外交通商省によれば、東部ガズニ州で射殺された遺体が見つかっており、一行を引率していたペ・ヒョンギュ牧師(42)と確認したという

現地の民間人を殺害させるのは戦争の常套手段 民間人に罪がないのではなく、侵略の手先に使われているのが歴史の教訓
メディアの報じる記事の論調をみていると、まさに日本が中国で行った邦人保護の名目で中国への侵略戦争を拡大していった状況と酷似している。だれが考えても「無防備な民間人」を拉致殺害した凶悪なテロリストという図式にはめ込まれている。ところがこれを現地アフガニスタン反政府派から見れば、宗教布教を理由に不法に侵入したキリスト教徒が、戦争に介入してくる図式である。キリスト教でアフガンの人を幸せにしますなんてイスラム教徒が信じるわけはない。戦争当事者特に米国覇権主義者(軍需産業・エネルギー産業利益共同体、ブッシュが盟主)らは、復興とか何とか大きなお世話で民間人を現地に送り込んでいる。その人たちが鉄砲の流れ玉に当る確率はゼロではない。そこで民間人が殺害されればテロリストが殺したといって世論の非難をアフガン反政府軍へ向けさせるのは、戦争時の愛国世論形成の鉄則である。NGOだろうがNPOだろうが戦争中の現地軍隊にとって外国の侵略者に変りはない。戦争地域には民間人は出入りしてはいけない。無関係の中立ということはありえない。どちらかに組していることぐらいは認識するべきである。

朝鮮総連本部詐欺事件は北朝鮮経済封鎖の政冶問題である

2007年07月26日 | 時事問題
asahi.com 2007年07月25日21時41分
「詐欺被害者の実感わかない」 総連事件で土屋弁護士
 土屋弁護士は、総連側の不動産の所有権を移した手続きについて、「不幸にして目的を遂げず失敗に終わったとはいえ、決して不正なものではない」と主張。元公安調査庁長官で弁護士の緒方重威(しげたけ)容疑者(73)らが詐欺容疑で逮捕されたことについては「総連当局も、私自身も、現在のところ、緒方弁護士による詐欺の被害者であるという実感がわかない」としている。

国家とメディアが捏造した政治疑惑で、社会的に葬ることが目的
国家(時の政権)の捏造した疑惑事件はいままでに数多くあった。リクルート事件が最も有名である。リクルート側の買収の目的が不明の未公開株進呈事件で、問われるべきは未公開株を受け取った政治家のほうであった。鈴木宗男・佐藤外務省対ロ職員の北海道汚職事件もそうだ。罪名があまりにちゃちで本当はどこが悪いのか全く理解できなかった。つぎにホリエモン事件で、これは買収をかけられたフジテレビ側の旧勢力が国家に泣き付いた事件である。そして今回の朝鮮総連本部から朝銀負債取立てが目的なら粛々とやればいい問題で、詐欺事件をでっち上げ一気に朝鮮総連を潰そうとする国家意志が明確である。とにかく権力は潰したい相手を政治的に決めて、容疑は後付け、そして社会的に葬り去るためにメディアを使って毎日大量宣伝を行うのである。ゆめ権力には近づかないほうがいい。