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<リアル 高校硬式野球部 衝撃”裏実態”ルポ 8> 熱烈ファンですら知らない、2016夏の甲子園出場校の、裏に隠れた、知られたくない本当の実態

2016-08-19 22:16:42 | 高校 硬式野球部の真実

  鳥取県代表「境」(さかい)

 いきなりで失礼だが、県大会参加校、25。過疎県と言われがちな、鳥取県。しばらくぶりに、野球部員が62人にもなった境高校。県立で、特待生は呼べないし、呼ぶ気も無いし、カネも無い

 選手たちにとって、何かといると助かる、マネージャーも、20年振りにきた。

 甲子園への決勝は、「米子松陰」を過去最多の19点も取って快勝。

 だが、部員は県内の隅々から集まって来てはいるものの、常勝チームではない。

 太平洋戦争開始年の昭和16年、学校創立。硬式野球部は戦後の、昭和21年に創部され、甲子園には昭和27年に初出場。以来現在まで、8回出場。今大会は、9年ぶり。

 OBには、引退するまで350勝もあげ、元・阪急などで活躍した米田哲也がいる。

 監督は、県内の「米子東」で内野手。「米子工業」で16年間、保健体育のセンセをしながら、コーチ、部長、監督を務めたあと、5年前に「境」にフツ~に転任してきた坂口健一、46歳。

 県大会2回戦で、母校の「米子東」を、9回2死走者無しからの逆転勝ちで勝ち上がってきた。

 4回勝てば鳥取県では甲子園に出られるので、またぞろカネにあかした怪しい新設特待生校が、うじ虫のように湧いてくる危険性があるのが不気味だ。

 なお、蛇足ながら、甲子園出場校、全49校の、教師兼監督を調べたところ、保健体育と社会科の2科目以外いなかった

 遠征、合宿、大会などで時間と日にちが取られ、学校を開ける日が多く、休日も無いに等しく、それでも授業を・・・・・自由に出来る科目・・・・だそうだ。あまり、公けには出来ないそうだが・・・・・。

 

 島根県代表、「出雲」(いずも)

 島根は39校が、県大会に参加。出雲も、県立。もろ、初出場。なにしろ、去年まで11年連続、私立高校が甲子園行きの切符独占。

 それでも、今年のセンバツでは、「21世紀枠の候補校」に選ばれるほど。私学の壁を突き破りはじめた矢先の、めでたい初出場

 野球環境は、決して恵まれてはいない。グラウンドは、他のクラブと共用。室内練習場などという、ぜいたくな施設は、無い。出雲大社の神様に祈っても、無いモノは、新たに作らない。

 なにしろ、あ~た、ココ。県内有数の進学校。甲子園より、東京大学優先の気風。

 監督の植田悟は、45歳。このヒトも保健体育のセンセ。

 「江津工業」を皮切りに、「松江北」など、県内の高校で監督をしたのち、4年前に「出雲」へ転任・転校。

 決して、流れ優勝請負人ではなく、島根県教育委員会からのお達しによるもの。で、オリンピックの如く、就任4年で開花した。

 部員、全員で46人。むろん、全員が正真正銘の島根県人だ、出雲市内の中学校からの4人が、レギュラー入りしている。

 純粋に野球を楽しみながら、今も全員、甲子園と同時に、名門大学も狙っています

 

 山口県代表、「高川学園」

 高川(たかがわ)って、個人名。理事長が、高川准子。なもんで、そう命名した。

 元の校名は、「多々良学園」。この甲子園の大会で負けるまで監督をしていた藤村竜二(写真左下)の母校が、ソレ。

  23年前に、母校に社会科の教師として赴任。野球部の副部長や監督などをしていた2004年。

 防府市(ほうふし)にある中高一貫校を移転する計画があったのだが、ズサンな会計計画が発覚。経営破たんし、翌年、民事再生法が適用され、その翌年に経営者が高川に変わると言うなかでの、監督業。

 甲子園には、赴任する前に、たった1回、センバツに出ただけ。

 藤村、セオリーを選手に叩き込んだら、試合では基本的にノーサインが有名。選手の判断で、出塁させた。

 今年の部員、67人。だが、男子413人のうちの67人!6人に一人が、野球部員。

 

 県外からの特待生、レギュラークラスのうち11人。大阪、兵庫、滋賀、福岡、広島、京都から来て、主将は3年の大阪人。

 あとは、「高川中学校 野球部」からの繰り上がり。

 色々指導しながら、新体制とあったようで、昨年の12月に「3度目の監督就任」という、やったり、やめたり、やめさせられたり・・・・・・

 おまけに今年の6月。明らかに、新監督含みで「コーチ」として、元・ダイエーホークスの選手、若井基安、52歳がいきなり就任。

 選手の信頼とても厚かったとはいえ、藤村の内心は・・・・・・。

 あの、「常葉菊川」の森下知幸・前監督の様に隠さずに、選手には

 「甲子園に出て、負けるまで俺は監督をやる。出来れば、ベスト8まで行きたい。秋の国体にまで出て、辞める」

 67人は、一丸となって燃えた。

 「監督を、県大会で優勝して、胴上げしょうぜ!」

 6戦6勝して、甲子園行きを決めて胴上げ!

 なんとこれが、夏の大会、初出場となった。

 同じ胴上げ、同じ監督辞任でも、かの「常葉菊川」とは、天と地の差

 国体へは行けなかったが、藤村は公言通り辞任。

 コーチの若井基安が、監督に決まった。彼は、現役引退後、スカウトも経験しており、今後はさらに「特待生網」が発揮されることだろう。

 藤村の「ノーサイン戦法」は、山口県内では面白がられ、評価されており、おそらく、新天地でその才能を、再び開花させるのではないだろうか・・・・・。

 男気に燃えた人だから。

 < 8 終わり >

 

 

 


<リアル 高校硬式野球部 衝撃”裏実態”ルポ 7> 熱烈ファンですら知らない、2016夏の甲子園出場校の、裏に隠れた、知られたくない本当の実態

2016-08-19 06:56:01 | 高校 硬式野球部の真実


 18日、4強といわれる「ベスト4」が決まった。

 うち2校が、出場登録選手全員が、その県に縁もゆかりも無い、カネで釣り上げられてきたプロ軍団の「高知県代表 明徳義塾」と、「熊本県代表 秀岳館(しゅうがくかん)」になった。

 なんともはや、何でもありかよ・・・・・・・・・・

 NHKの視聴者からの、応援メッセージがラジオで読み上げられる。

 「県民の代表として、頑張って、是非とも優勝してください」

 馬鹿か! どこの県民がボールを打ってたり、投げたりしていると想っているんだよお!

 私の記事を読んでから、言ってくれよお~!

 まさに、「秘密の県民」ショー。

 「秀岳館」の監督、誰だか、知っていますか?

  (NHK 中継画面より)

 この人。ん?「鍛治舎 巧」(かじしゃ たくみ)?

 どこかで聞いた名前だって?

 そう、知る人ぞ知る、長年に渡って、甲子園で解説してた人。

 2014年、高優遇・好条件を提示され、知名度を乞われ、熊本へ「優勝請負人」として行っちゃった

 それまでは、放送席で、したり顔でうんちく述べていた

 むろん、特待生問題を黙認し、スルーするNHKだけに、鍛治舎も批判の「ひ」もクチにしなかった。だから、筋を曲げた訳では、確かに無い。

 ガッコ側、まあ、呼びも呼んだり、スカウト最稼動させて、かき集めた。大阪、京都、佐賀、福岡、沖縄、神奈川と広範囲。

 鍛治舎、舵とって、外人部隊船の指揮とって、今年のセンバツに出た。

 特待生の問題なんか、一言もいわなかった鍛治舎。言葉、巧みにこれからも、恥じも外聞も、節操のカケラも無く、外人部隊優遇環境で突き進む・・・。

 教員免許も無い。事務職員でもない。まさに「監督業」。

 いやはや、ホント、何でも有りかよ!

 

 

  大阪府代表、「履正社」

 関西圏内から4人、呼んでいる。

 テニス部や、サッカー部にも、特待生はいる、特待生いて当然の校内風土。

 監督の、岡田龍生(たつお)は、「桜宮」でコーチを経験したのち、29年前にココの監督に。やはり、彼もまた保健体育のセンセだ。

 T-岡田(オリックス)や、山田哲人(ヤクルト)ら、特待生を育てた。

 

 兵庫県代表、「市立尼崎」

 関西では、「尼崎」(あまがさき)を、ごく普通に、そこいら辺のおばちゃんでさえ「あま」と言う。

 なので、この市立の高校も、「いちあま」。んなもんで、ユニフォームにも漢字では無く「ICHIAMA」と染め抜かれているほど。

 市立だからというわけではないが、特待生ゼロ。

 過去に、ブンブン丸「池山隆寛」(現・楽天一軍打撃コーチ)らがおり、夏の大会にも出てるが、先行投資は一切ない。

 いちあま、の知名度、浸透度は深く、且つ、濃く、県内のあらゆる地域から有望選手が集まってきている。

 ココが、「県民の誇り」と言われりゃ、そやそやで、と答えるしかないほど県では親しまれている。

 総部員75人。出場選手登録18人のうち、2年生6人。今後も、地元甲子園の地に立つ可能性は大きい。

 監督の竹本修は、52歳。同時期に池山がヤクルトで脚光を浴びてた時期の、元プロ野球選手だ。知名度は正直低いが、熊本県出身の元・阪急の投手。地元じゃ、人気者。引退後に、比較的、他の試験よりラクな保健体育の教職試験に合格。

 いちあま、に赴任。あくまで、県の公務員。いったん監督を辞めたが、再び乞われて2年前から復職。

 福井県の5倍。滋賀県の3倍。強豪私立プロ校と、少子化による「連合公立校チーム」ひしめき合う兵庫県で、特待生を全国に取られまくるなか、152校の頂点に立つのでさえ、厚い壁。

 これまでは3~4回戦止まりだった「いちあま」が、今後どうなってゆくのか、楽しみだ。

 

 奈良県代表、「智弁学園」

 創部51年。正しくは「智辯」なのだが、「智弁」と表記されることが、圧倒的に多い。

 今年のセンバツ優勝校で、名門だが、総部員数、47人。わずか、と言い換えても良い。関西の他県から5人、レギュラーに入り、連覇のキーマンと言われた投手は兵庫県から引っ張ってきた。

 ここも名門、知名度深く、自ら「選考テスト」を受けにくる球児が多く、人数からしてレギュラーを手に入れやすいこともあり、その点でも人気は高い。

 それでも、倍率2・5倍のベンチ入りはかなわず、応援団の1員として声をアルプススタンドで枯らすだけで、この夏を終えてしまった3年生は跡を絶たない。

 それでなくとも、レギュラー枠に、2年生6人、輝ける1年生が1人いる。秋から、それだけで7人。

 監督の小坂将商(まさあき)自身が、智弁学園で甲子園に出て、ベスト4まで進んだ。

 10年前に母校の監督に就任。以来、春夏計8回の甲子園出場。連覇は今回ならなかったが、球児自身が、あと2人枠目指し、甲子園に出られるチャンス多し!

 自ら入りたがる環境、お分かりになるでしょう? 

 

 

 和歌山県代表、「市立和歌山」

 ココ、7年前まで「市立和歌山商業」の校名だった。それが、デザイン、美術、ビジネスと、総合校的な色合いに変えて、生徒を募集。全国的にも、「商業高校」の校名が消えていく時代の流れに、準じたカタチだ。

 甲子園には、すでに51年前に準優勝。今年ですでに、春夏合わせて10回目の出場を数える。真鍋忠嗣・監督のもと、「市尼崎」のような公立強豪校になっていった。

 ちなみに、元・阪神の藤田平もココの出身。で、真鍋の教えのもと、4年前に監督の座を継承した半田真一もココが母校。

 選手時代には叶わなかった甲子園には、コーチとしてスパイクを踏みしめた。監督になって、独り立ちしてからは、もう3回も行った。39校のなかで出場を争うとはいえ、やはり公立としては抜群に抜きん出ている。

 選手総勢、66人。レギュラー枠に、大阪から3人入っており、うち1人は主将に。

 大阪といっても、地続き隣県の志望者。

 カネ太鼓で、1本釣りされてゆく関西圏で、こういう流れも、確実に基盤としてあるのが面白い。球児や親だって、電車で通える範囲なら隣県にだって行かせる、通わせる。

 阪神、阪急など、私鉄がめっちゃ競合し、早朝から深夜まで安く早く行ける関西圏ならではだが、人間、カネだけで動くもんやおまへんでえ、鍛治舎巧はん! というところかいな。

 

 岡山県代表、「創志学園

 もろ私立の香り漂う校名。この校名では、まだたった6年の、実質新設校。校名を高名にするのは、手っ取り早く特待生を全国からかき集めてこい!という、創始者根性。

 部員、96人。レギュラー枠に、11人のプロがひしめき合う。

 松坂二世などとヨイショされたエースこそ岡山県内から獲ったが、ここでも関西圏からゴッソリ。 兵庫、大阪、広島、三重。主将は、兵庫県。

 その総力結集して、今夏、初出場を果たした。途中で夢破れたが、1,2年生、まだ5人いる。それも、控え投手2人がまだ2年生。センバツにも出てくる可能性はある。

 先程、この校名では、と書いたが、開校は今を去ること232年前の明治時代前の幕末期。「志信裁縫女学校」とした「ベル学園」が前身。

 創志学園と看板を立て替えても、看護科も普通科とともに併設している。

 監督は63歳の長沢宏行。

 甲子園のメッカ、兵庫県西宮市産まれ。

 しかし、最初監督になったのは、県内でソフトボール部。

 その後、13年前、鹿児島の神村学園へと流れ、センバツで準優勝。

 創志の創立とともに、岡山に、保健体育の教師として転任。ここで、3校目。翌年、早速、選抜初出場の実力を見せた。

 兵庫から鹿児島。そして、岡山に流れ、「優勝」への執念を見せる監督。このような「優勝請負人」もまた、確かにいる。

 

 広島県代表、「広島新庄

 207年も前に創立の、私立老舗校。しかし、200年近く、甲子園には縁が無かった。

 それが動き始めたのが、迫田守昭・現監督が2007年に乞われて好条件で整備され、就任してから。この迫田。広島商業の名監督として、高校野球ファンにはよく知られている人。

 社会人野球の「三菱自工広島」の監督として、都市対抗野球で優勝。その後、自身の母校、広島商業の監督になり、そして先程書いたように、「広島新庄」に移った。

 監督が良ければ、選手の能力も上がる。

 2014年のセンバツと、昨年の夏。夢にまで見た甲子園に、生徒を率いて行かせた。

 広島県内そのものに、良い選手がいることは、迫田が前任校で身に染みて知っていること。

 総部員、136人も集まり、レギュラー枠のうち、他県からは、山口県2人、宮崎県から1人だけ。広島県は、層が厚く、地元でチカラを伸ばそうと言う球児が比較的多い。

 迫田でなかったら、92校もいる広島県。出ることは、困難だった・・・・かも知れない。実兄の迫田穣成もまた、県内の「如水館」の監督をしている。

 優勝請負人の兄弟。勝ち方を知り、選手の起用法も見極める。プロの監督が、跳梁跋扈(ちょうりょう ばっこ)するのもまた、甲子園大会の真実だ。

 < 7 終わり >

 

 

 

 

 


<リアル 高校硬式野球部 衝撃”裏実態”ルポ 6> 熱烈ファンですら知らない、2016夏の甲子園出場校の、裏に隠れた、知られたくない本当の実態

2016-08-18 18:38:35 | 高校 硬式野球部の真実

 石川県代表、「星稜」

 校名に、ふりがなを付ける必要が無いほど、野球フアンには広く知られた名門校だ。それもこれも、松井秀喜という、稀代のバッターを輩出した歴史があるから。

 その松井は、野球人以前に、人として非の打ちどころが無い誠実な性格。ニューヨークの超高層高級マンションで、家族と悠々自適の生活を送っている。なにしろ、あ~た、メジャーリーグ時代の「年金」を、年ん千万円どころか、1億円近くもらっているのだから、働かなくてもすでに食べていける。

 あの石井一久ですら、「ボク、ホントは吉本興業に入って働かなくても、楽に食べていけるんです。メジャーの時の年金が振り込まれるんで」と言っていたんだから。

 

 コーチを経て、監督になって5年。「星稜」の現監督は、その松井より星稜で1年後輩の、林和成。

 もう、すでに春夏合わせて3回、甲子園に出ている。やはり、社会科の教師だ。ただし、地歴・公民が専門。

 総部員75人いるが、他都道府県からの特待生は、4人。東京、大阪、隣県の福井、富山から1人づつ。

 星稜の名に惹かれ、石川県内のあちことから良い選手が参集している。

 さらに言えば、星稜中学校の野球部繰り上がり4人もレギュラー入りしているし、エースの2年生は、松井の出身地の子。

 2年生だけでなく、レギュラーには1年生もおり、来年も顔を甲子園に出す可能性はある。

 

 福井県代表、「北陸」

 関西から6人、プロ待遇がレギュラー枠にいる

 監督の谷津田伸二は、東京都世田谷区生まれの、54歳。

 和歌山県の私立高校で監督をやって、2校目のココで4年目。学校職員だけに、いざとなれば創りやすい「実績」を手土産に「転任」も出来る。

 県全体で、わずか30校しか硬式野球部がなく、18人全員が特待生の、福井とは縁もゆかりも無いプロ群団「敦賀気比」との競り合い、他都道府県より甲子園にはるかに近い、まるで「1票の差」のような、その甘い座の奪い合いは続くだろう。

 

 滋賀県代表「近江」(おうみ)

 総部員数110人の、私立。その大所帯なかで、やはり関西地域から11人が、レギュラー枠にいる。とはいっても、関西と隣接しているので、やって来たプロたちは、さほど遠いとは感じないはず。日帰りで、実家で過ごせるのだから。

 創立は古く、176年も前。硬式野球部だけではなく、男子バレーボール部員や、柔道部員にも、「特待生」に準ずる扱いの生徒はいる。学業成績には?が付くが、戦績は良く、学校名を宣伝する役割は充分果たしている。

 なお、他の高校の「特待生」もそうだが、自分がその扱いであることを詳しく知っている生徒は、皆無と言って良い。

 自分が授業料や寮費を支払いには行かない。学校側は、すべて親と交渉・話し合って決めているし、中学校の時は野球部の監督や、リトル・リーグの監督と話しをつけており、生徒に「アソコへ行ったらどうだ? もう、話しがきてるんだ。お前さえ良けりゃ、決めるぞ」で、終わり。

 「必要経費」は、すでに支払われている。

 そのハナシが壊れると、翌年からの「ルート」が、ぎくしゃくし始め、切断される可能性も大きい。

 高校側にとって、交渉しやすいのは、田中稔大のように、母親だけしかおらず、なお且つ、パートなどで働いていて、生活に余裕の無い親のケース。

 目の前に「手付金」代わりに、100万円ほどの現ナマを差し出し、且つ、入学の諸費用、一切いりません。寮費も、御支払い戴かなくて結構です。ただし、息子さんは、関西から北海道に行って戴きますと。

 このルートは、当時、確立していた。

 さて、近江。監督の多賀章仁は、57歳。学校のある彦根市産まれだが、当時の名門平安高校へと、誘われた。

 近江の監督になったのは、27年前。今や、監督でありながら、副校長にもなっており、今後、他へ流れることは無い。

 すでに、春夏15回も合わせて出場。優勝を惜しくも逃したこともある。今後も、滋賀県全体で52校しかないこともあり、常連校になるであろう。

 

 京都府代表、「京都翔英」

 浅井敬由監督が、「仙台育英」のコーチや、「名古屋産業大」の監督などを経て、3校目の指揮をとるためにココに来たのは、昨年の12月。彼も、保健体育の先生。

 バッティング練習に時間の大半を置き、バットの芯にボールを当てさせることを主眼に置いた。この春には、66人の部員中、18人の中軸のなか、特待生12人を選抜。関西からの選手が多いなか、愛媛県から連れてきた子を、エースに据えた。

 859人の全校生徒のなか、66人もの部員。まだまだ野球の人気は、衰えを知らない。

<6 おわり>

 


<リアル 高校硬式野球部 衝撃”裏実態”ルポ 5> 「追記版」熱烈ファンですら知らない、2016夏の甲子園出場校の、裏に隠れた、知られたくない本当の実態

2016-08-18 13:32:49 | 高校 硬式野球部の真実

 1日、24時間。あっと言う間に、過ぎてゆく。

 

 リオ五輪の陰で、報道は少ないが、試合は長雨も無く、どんどん消化されていっており、あと数日で、優勝校が決まる運び。

 まずいなあ・・・・。

 以前、全国の、スポーツ紙誌ですら知らない、且つ、報じられていない野球事情を北から南へ書き綴っていて、関東で終わってしまった「古傷」があるからなあ・・・・・。

 回を重ねるごとに、検索数が減っていき、最後は10人足らず。

 そのために、遅筆も加わって、半日かける気にならなくなってきて・・・・・・。

 しかし、取材データは、ノートにびっしりと書き込んであるので、それが今回も生きている。

  

 さて、特待生の中でも、1校だけでなく、さまざまな高校から声を掛けられれば、一番「条件」の良いところを選ぶどころか、父親が出てきて、1万円でも高いようにと、釣り上げ交渉をする。

 かの、ダルビッシュが、当時そうだった。

 あくどすぎると悪評タラタラ。しかし、成績が、ソレを消し去った。プロ入りの際の条件に、決められた年数より早く、条件がまとまれば、メジャーリーグ入りも可能、という1文が添えられ、実行、強行された。

 ましてや、「監督業」「優勝請負人」ともなれば・・・・・・。

 静岡県代表、「常葉菊川」(とこはきくがわ)

 

 この高校が、県代表に決まった直後の、突然の「監督 辞任表明」。

 選手は、甲子園で戦える喜びも半減。

 「聞いてないよ~、監督う~」と、部員86人。

 だが、森下知幸・監督は、「7月31日付けで、ココを退職、監督を退任することは、すでに今年の春には決まっていたんです」と言い、「甲子園には行きません」とキッパリ。

  森下、内心ではまさか県大会で優勝するとは、思いもよらなかったようだ。胴上げをさせられた時(写真上の上)、自身は「送別」のつもりでいた。この笑顔のウラでは・・・・・。

 待遇は、事務職員。何が不満だったのか。8月1日から赴任するのは、県内の「御殿場西」。

 この、通称「御西」(ごにし)。近年は、1~2回戦で毎年敗退。だが、「特待生」を受け入れる体制は揃っている。

 実は「特進科」という名称の、そのものずばり「スポーツ特待生」を集める科を平成に入って、新設。すでに、プロ野球には、元ロッテの小野晋吾など3人を輩出した「実績」がある。

 森下自身38歳の時「日大三島」の監督に初就任。そこで夏の甲子園に出場させる。

 その腕をかわれ、10年前にココ「常葉菊川」へ。

 ここでも、翌年のセンバツで優勝。続いて、次の年の夏の大会で準優勝させる。

 条件次第で流れる、「優勝請負人」。まるで、プロ契約監督に等しい。

 「常葉菊川」は、甲子園には、緊急措置として、野球部副部長を「臨時監督」として向かわせる予定にした。

 だが、高野連が、それを認めず。

 仕方なくと言うか、森下は甲子園へ。

 選手たちは、「監督とのラストゲームを、1勝でも多く」などと表向きクチにしたが、内心は、複雑そのもの・・・・。

 やはり、初戦、1-6で簡単に敗退。監督のココロは、そこにあらずなのだから。

 この先は?の問いに、「学校へ帰ってから決める。まだ、分からない」と森下はうつむいて答えたが、もう心は決まっている。

 3校目の「特別待遇条件」は、菊川市をいとも簡単に去らせるほど、良い。

 選手だけではない、監督も「特待生」で、全国どこにでも流れて行くのです。

 あと数年後。「御殿場西」は、7年連続夏の大会出場を誇る「明徳義塾」や、やはり「カネで雇われたプロ軍団高校」の「秀岳館」のように、県内以外の特待生18人を率いて、森下は、甲子園に姿を現すかもしれない・・・・・・。

 実は、かつて我が母校にも、甲子園に部員を率いて戦った経験のある流れモンが赴任してきたことがある。

 といっても、公立。とりたててカネは、別枠で出せない。教員免許は、この男、持っていた。我が母校、あと1歩、悪くても3歩ぐらいで甲子園へ行けるくらいの、硬式野球部の、底力はある実力。

 そういうチームを、自分の指導力で引き上げ、共に甲子園のグラウンドに立つのが、男のロマン、タイプ。カネの問題じゃねえ! 男気よ!

 なんと、選手頑張り、出場決定戦まで勝ち上がり・・・・惜敗。

 森下ではないが、選手の素地さえ良ければ、監督の指導力でチームと選手の能力は、格段に上昇する

 ところが・・・・翌年。厳しい練習に耐えかねて、選手がいろんな理由つけてさぼり始めた。夏冬の特守、特打も逃げた。

 男のロマン、ガッタガタ。ロマン、ガマンの限界。

 監督、あきれ果てて転任していった。

 今? 夏休みは夏休み。母校グラウンドに、ユニフォーム1人も見えず。しっかり、休んでます。この私でも、あきれるくらいに・・・・・。

 

 山梨県代表「山梨学院

 ここも、18人中、11人が「特待生」。エースは、山は山でも、遠く山口県から来ている。総部員69人いるが、地元山梨のエースは・・・・いない。

 この高校、駅伝部やサッカー部にも、プロ待遇がいるほど、そこにチカラを校風として入れている。

 吉田洸二・監督も、生まれ育った長崎県の「清峰」監督時代には、春夏5回出場。センバツでは、優勝も果たした。

 3年前に、「山梨学院」に、呼ばれ、センバツにも出た。社会科教師の免状を手に、全国どこへでも行く可能性をひそめている。

 

 愛知県代表、「東邦」

 すでに今回で、夏の大会だけで17回目の出場しており、「名門」、はたまた「古豪」。

 伝統と、強さに惹かれ、入部志望者は多い。部員96人いるが、他県からのレギュラーは、隣県の岐阜県からたった1人だけ。

 監督の、森田泰弘も、ここが母校。すでに12年目の監督。

 愛知県出身者が、特待生で全国に取られても気にしない。かつては、鬼監督と選手におそれられた森田も、近年は1人1人に、ていねいに狙いを伝えている。

 生徒の資質も、確実に1年、また1年と変わりつつあるのだ。「時代」といえよう。

 

 岐阜県代表「中京」

 あの、永遠に語り継がれる、軟式野球部・松井大河投手の、1000球を超える延長戦の熱闘と、熱投。

 松井は、現在、大不調。「中京大学」準硬式野球部での登板の機会は無い。くわしくは、別稿を読んで戴きたい。

 この高校、軟式に特待のカネは使わないが、硬式ではいるいる、他県から13人もレギュラー入り。エースだって、鹿児島県からスカウト。総部員、121人もいる

 監督の、橋本哲也は、社会人野球の監督を経験して、母校のココに昨年就任。すぐ翌年甲子園は・・・やはり、指導力があるというほかない。

 

 三重県代表、「いなべ総合」

 校名からすると、もろ市立に思えるが、ココ、県立で、71人も部員いる。

 いなべ市にあり、エースと2番手投手、そして捕手の、計3人が隣県の愛知から。後援会の「尽力」か、3人がそれぞれ違う中学校からいなべ市へ。

 微妙な誘致。

 監督の尾崎英也。初の監督をした「四日市工業」では、25年間に、春夏で、計6度甲子園に生徒を連れて行った。

 いなべには、2校目。6年前に夏の大会に出て以来の今回。尾崎もまた、勝ち方を知っている、保健体育教師だ。

 

 富山県代表、「富山第一」

 私立だが、レギュラー全員、なんと!富山県内から集めた。総部員、73名だが、まあ、東西南北、くまなく中学校野球部や、リトルりーグからも、詳しい選手能力データを常日頃から収集。

 入学前年には、ここでも、選抜能力テストを実施して、良い選手を見定めていた。

 ヒトには余分なカネをかけないが、野球部専用の広いグラウンドや、屋内練習場。そのうえ、筋肉強化のためのトレーニングまで作り、選手全員に開放している。

 監督の、黒田学も、社会科の教師。県内の、魚津市の産まれ。同校コーチを経て、7年前から監督に。

 強けりゃいいってもんじゃない、とばかりに、選手全員に、グラウンドの草むしりや、施設の掃除を義務化させている。

 私立の野球校ながら、異彩を放っている。

 <5 終わり>

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 2023・3・31 緊急追記

 上記、優勝請負人・・・・であったはずの、森下知幸

 その力量を期待され,[御殿場西」へ

 あれから、7年

 途中敗退の連続

 甲子園には、程遠い

 部員数も減り、特待生も激減

 監督、クビ、かもなあ・・・・


<リアル 高校硬式野球部 衝撃”裏実態”ルポ 4> 熱烈ファンですら知らない、2016夏の甲子園出場校の、裏に隠れた、知られたくない本当の実態

2016-08-15 12:46:11 | 高校 硬式野球部の真実

 千葉県代表、「木更津総合」。

 NHKの、若手実況アナウンサーに、何度も「木更津商業」と言い間違えられた、あの高校だ。

 県内では強豪校として、球児によく知られている。野球部入りの志望者も、高校が木更津と、県内では遠方に位置しているのも関わらず、意外や多い。むろん、ココも事実上の「入部能力判断テスト」も何回にも分けて行なわれていて、内定出して早めに囲い込むし、県内外のリトル・シニアリーグにも、絶えず目を注いでいる。

 結果、千葉県全域から、レギュラークラスで12人。外人は、神奈川、埼玉、東京、静岡から計6人を集めた。総部員は、65人。

 監督の五島卓道は、岐阜県の産まれ育ち。「監督業」は、同じ千葉県内にある「暁星国際」で5年。熱心に「好条件待遇」で誘われて、ここ「木更津総合」に移った。すでに、17年目。夏には、今回で5回目の出場。

 好成績を挙げたら、また勧誘されて「特待生 監督」にと流れ流れ歩く監督業の道もある。まだ62歳。他人から見れば、もう62歳とも受け取られるかもしれないが・・・・・。

 勝ち続けてナンボは、球児がプロ入りをめざすキッカケにする以上に、監督業にこそ当てはまる

 

 東東京代表「関東一高」。

 総部員数は、93人。この高校、都内江戸川区にあるのだが、実は野球部の専用練習グラウンドは遠く離れた千葉県の白井市にあり、専用寮も、グラウンドに隣接して建っている。

 全員が寮に入っているわけではないが、規則上は、毎日、平日早朝には長時間電車に揺られてガッコに通学することに、なっている。帰って、練習にいそしむというタテマエ。

 去年までは、東京都東村山市の中学校から、越境超特待生で入学していた、あのオコエ瑠偉(現・楽天)も、キチンと通学していた・・・・とは、なかなか思えない。

 拠点は千葉県白井市。なもんで、レギュラーメンバーのうち、千葉県の中学からは5人もはいっている。さらに、まだ入学して数か月の、千葉県からの1年生2人のうち一人がが、捕手経験もある一塁手で、定位置をすぐさま先輩より奪取。2人を長年見続けてなければ、出来ない大胆決断だ。

 他に、神奈川と茨城から1人づつ特待生がいる。

 監督の米沢貴光は、江戸川区産まれ育ちの関東一高育ち。 事務職員として勤務しながら、まだ25歳の若さで監督になって、すでに16年。

 通学難も、レポート提出で間に合わせている強豪校もある。

 

 西東京代表「八王子」

 このような校名だが、私立。甲子園に行くために、あの「早稲田実業」と対戦。プロの評価はとても低いが、マスコミだけが騒いでいる清宮幸太郎を抑え込んだことで、一躍校名が知られることになった。

 監督の、安藤徳明は、八王子育ちではあるが、高校は当時の強豪校、桜美林へ。大学卒業後、なんと中学校の女子バスケット部の監督として町田市の堺中学校へ。

 野球の外野手の経験はあるが、大きいバスケボールを扱う経験は無かったのに、全国大会で優勝してしまった。八王子の硬式野球部の監督には、10年前に就任。保健体育の教諭歴は、そのまま生きた。

 「甲子園に行くのが、私の夢だった」という人。

 総部員は、76人。東京都のはずれということもあり、他県は神奈川県の中学から3人、レギュラークラス入り。それも、自宅から通えるところからきている。外人とは、いいにくい。

 他のスポーツでは、競泳の田中雅美や、柔道の小川直也などがいたが、野球には、ことさらには特別待遇のおカネかけてません

 

 埼玉県代表「花咲徳栄(とくはる)」

 もはや、あらゆるスポーツ競技で、全国レベルのこの高校。名前を知らないスポーツファンは、いないであろう。

 施設も含め、投資金額はハンパじゃない。

 部には、123人が在籍。エースの左腕の評価は高いが、彼も含め、埼玉県下のあらゆる地域から集めている。他県からは、東京、神奈川、群馬、千葉、そして大阪と、計8人。それぞれ、経済待遇条件は違うし、査定結果も毎年変わっている。落ちて、去った生徒もいると聞く。

 戦力になると見込んで獲ったのに、タダの一般生徒ならいらない、投資しない、カネかけられないというわけだ。私情は、はさまない

 投手は、5人。県大会5試合は、すべてコールド勝ち。県内では、敵なし。

 だが、甲子園では、ベスト8が最高。ここで15年、監督を務めている岩井隆。彼もまた、社会科の先生だ。保健体育もそうだが、他の大学入試必須科目と違い、試合や遠征の為に長期代休をとっても、生徒や親から問題視されないからといわれてる。

 

 神奈川県代表「横浜」

 横浜、と言えば、松坂大輔を筆頭に、プロ野球選手10数人を送り出したところ。

 もはや松坂、実力は2軍以下。5億円をドブに捨てたと言われているソフトバンク・ホークス。にしても、亭主が苦しんでいるのに、アメリカから決して「帰国」しない日本人、元女子アナ妻と子。事実上の別居、離婚へのルートをひた走っている。

 それほどの有望選手を、数多く育てた、ゲン、こと、渡辺元智(もとのり)が入団正式決定後受け取った「謝礼」は、かなりのモノと言われている。

 良くも悪くも君臨してきたゲンも、脳梗塞や腰痛などが重なり、「2018年の高校野球100回記念大会まで、監督をやりたい!」と言っていたが、師匠の小倉など、周囲に説得され、昨年71歳でやっと勇退。

 まるで、長嶋茂雄並みに、同高校の「名誉終身監督」を拝命し、自分のもとで、コーチや野球部長を長年続けてきた平田徹に、その座を譲った。 

 現在の部員、79人。エースは、千葉県から呼び、福島、長崎、東京、栃木、と、計8人が、チームの主軸になっている。平田のカラーが出てくるのは、数年後であろう。

 次回では、「流れもん 特待優勝請負人」に、さらに深く触れる

 ( 4 おわり )

 

 

 

 


<リアル 高校硬式野球部 衝撃”裏実態”ルポ 3> 熱烈ファンですら知らない、2016夏の甲子園出場校の、裏に隠れた、知られたくない本当の実態

2016-08-14 20:43:13 | 高校 硬式野球部の真実

 のっけから、衝撃的な事実を書こう。

 特待生に拍車を掛け、助けているのは、実はNHKなのだ

 かつて、中継のテレビ画面には、打席のたびに、選手の名前と、ポジションと学年と同時に、出身中学校も併記して出していた。

 それが、特待生が問題化され始めたとたん、消えた、文字消した。

 そして、汗と涙の美しい青春が、前面に取って代わって出てきたのだ。クサいものに、自らフタをして、すまし顔し、現在に至っている。

 なお、この問題、007年に世間の関心を集め、日本高校野球連盟も、無視できなくなり、やっと重い腰を上げた。

 忘れもしない、老舗結婚式場として有名な「明治記念館」で、月1回平均で検討会議が、「有識者」を集めて開かれた。

 が、この有識さんたち、ほぼ全員が特待生に自ら関わった人ばっかり!監督まで、数人いたもん!

 番記者以外に、傍聴参加し続けたのは、わたし1人。

 結果は、透けて見えていた。

 出てきた結論は、全廃ではなく、1学年3人まで許容。てえことは、トータル9人まで・・・のはず。

 ところが、「八戸学院光星」17人。それも、レギュラークラスで、だ。

 さらに、山梨県代表「山梨学院」11人。

 岐阜県代表「中京」13人。

 滋賀県代表「近江」11人。

 京都府代表「京都翔英」12人。

 岡山県代表「創志学園」11人。

 山口県代表「高川学園」11人。

 香川県代表「尽誠学園」13人。

 高知県代表の「明徳義塾」に至っては、18人全員、県外からの外人さん。

 熊本県代表の「秀岳館」も、18人全員、県外からの野球留学外人さん。

 宮崎県代表の「日南学園」も、11人もいる。

 レギュラー落ちを含めたら、この人数では収まりきれない。

 いったい、この現実を高野連は、消し去ったNHKは、どう感じているのであろうか?

 戦力、不均衡。いくら取り決め、有名無実とはいえさあ!

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 先程、甲子園で、劇的サヨナラ逆転劇があり、愛知県代表「東邦」が勝った。

 負けて涙を流していたのが、青森県代表の、あの「八戸学院光星」のレギュラー陣。

 そう、ベンチ入り18人中、17人が、他都道府県から招請した「外人部隊校」。

 「ウチは、勝つことがすべてなので」と、言葉少なにうなだれていた、仲井宗基・監督の、試合後の言葉が、いかにも外人部隊校らしい。教育とは、無縁の感情。

 愛知県なので、あとで書くが、「東邦」に、実は「外人」は1人しかいない

 えっ!?と想われる方は多いはず。実は「東邦」・・・・のくだりで、本当のことは、のちに書きます。名門ゆえに、もう大枚かけてまで、「外人」不要の実態を。

 

 さて、次は、茨城県代表の「常総学院」。

 ココが有名になったのは、かつて同県の公立校「取手二高」の、あの名物監督、木内幸男が監督として、強く乞われて転任してきてから。

 「俺さ、あんまり行きたかないんだよ。でもさあ、アソコの理事長さんが熱心なもんでねえ。給料?

おんなじだあ。な~んも変わらねえよ」と、病院で笑った。

 現監督の佐々木力は、その木内のもとで、取手二高時代に夏の甲子園に出た、教え子。木内の引退後、5年前から監督の座を引き継いだ。

 俗に言われた「木内イズム」。はたまた「木内マジック」。

 打て!投げろ!行け!という指示激烈型ではなく、選手に考えさせて、作戦を組み立てる、不思議なタイプ。

 で、試合で本人の持っている以上のチカラを次々と引き出させる手法。だから、マジック。なので、特待生は木内、好まなかった。

 「野球がさ、あの子たちのすべてじゃねえもん」とも言っていたほど。

 というのも、私、取手時代の木内や、甲子園優勝メンバーを取材。その後も、木内、並びに当時の石田投手の早稲田大学の苦悩時代までも、引き続き取材した。

 木内の采配で勝った石田。

 それだけに、早稲田特待生の石田の逃げたい心境も分かった。

 で、「常総学院」。確かに今年も、埼玉、東京、千葉、神奈川、から、18人中、8人がレギユラーにいるのだが、金銭と条件が大きくからんでいるかというと、少々疑問。

 実際、自分の意思で、「常総で自分のチカラを試したい」と希望して入学した生徒の声を多く聞いたほど。

 チアガールまでいた。「甲子園に出られるもん」

 もっとも、それ以前に事実上の「入団テスト」みたいなものが行われていて、部入りの判断材料になっている。結果、部員102人。

 

 次の、栃木県代表「作新学院」。

 その昔は、江川卓(すぐる)がいたことでも、有名。

 この高校も、群馬から1人レギュラー入りしているだけ。「入団テスト」も事実上行なわれており、栃木県内から続々と参加。

 現監督の小針崇弘もまた、栃木県生まれの作新学院入りの球児。

 有名な作新で野球やりたい!という選手があまたいるのだ。古豪や名門は、カネをさほど使わずとも、良い選手が集まってくる典型の高校と言える。総部員、99人。

 

 群馬県代表の「前橋育英」。

 総部員、60人。レギュラー陣のなかには、栃木県から1人だけ。

 あとは、県内のあらゆる地域から入部している。むろん、事実上の入部・入団テストは、前年の秋。事前の週末に何回かに分けてあるのだが、ここもと言っていいのだが、リトルリーグで頭角を現している球児を、部のOB達や関係者・後援者たちが、たえずチェックして、報告。

 支度金をさほど使わずとも、すくい上げ、選抜出来るシステムと、ルートが確立している。親も、寮住まいをさせてくれるうえ、県内ということで、安心。良い選手を比較的集めやすい。

 エースの争奪戦もたまにはあるが、カネを釣り上げられるよりは、自前で極力育てていこうという意識が高いと聞いた。

 監督の荒井直樹は、自身の母校である「日大藤沢」で3年、監督をしたのち、誘われてココに、コーチ入り。監督になって、14年。

 身分は、いつでも転任できる学校事務職員。条件や、待遇さえよければ「優勝請負人」の1人として、実績を上げるや、「移籍」する可能性はある。

 

 新潟県代表の「中越」。

 全部員90人、且つ、レギュラークラスは全員、県内の産まれ育ち。うち、高校のある長岡市の中学校から4人入っており、捕手で主将にもなっている。

 ココも、県内の選手情報をくまなく収集。大金はかけずに、誘いを掛ける。

 監督の本田仁哉は、産まれは新潟県だが、特待生で静岡の強豪校へ。

 保健体育の教師資格を得てからは、「中越」に腰を落ち着け、すでに16年。甲子園では、初戦敗退が多いが、だからといって、県外から「外人」を呼ぶまでして、創り上げた、部の「伝統」と「和」と「輪」を崩すまでしたくはない。

 創立201年も経つ、老舗私学の意識とプライドは揺るがない。古株のOBも、許さないという。

 

 

 次いで、長野県代表の「佐久長聖」。

 総部員数、あの青森の「八戸学院光星」と同じ、159人。

 で、レギュラークラスのなかで、主将の選手は大阪から。その他、群馬、東京、三重、神奈川など、計8人もいる。

 この高校、駅伝部、ゴルフ部、スケート部など、もう特待生ズラズラいる。競技戦績レベルも高い。だから、硬式野球部には、二けた以上の特待生を受け入れる余地が充分ある。

 なにしろ監督は、あのPL学園で選手も経験し、10年間にわたって、事実上の廃部になるまで監督を務めた藤原弘介。

 PLを退くと同時に、この佐久長聖に、社会科の教師として転じて4年。すでに、2度、甲子園に出場させている力量がある。

  栄光の輝ける優勝、是非とも欲しいのだろうなあ・・・・・・。学校も、全面的にバックアップしてくれるのだから。う~ん・・・・・・・う~ん・・・・・・。

 ( 3 おわり )


<リアル 高校硬式野球部 衝撃”裏実態”ルポ 2> 熱烈ファンですら知らない、2016夏の甲子園出場校の、裏に隠れた、知られたくない本当の実態

2016-08-14 13:48:28 | 高校 硬式野球部の真実

 連載2回めです。

 岩手県代表「盛岡大附属」。

 ココ、古くは女子高だった。やがて、男女共学となり、26年前に現在の校名になった。

 監督は、これまた社会科の先生でもある、関口清治。この高校が母校。自身も、甲子園に出場している。

 総部員数、116人。出場登録18人のなか、特待生12人。

 エースは兵庫。捕手は、福島。他は、神奈川6人をはじめ、大阪、千葉、など。

 

 秋田県代表「大曲(おおまがり)工業」。

 ココは、県立。バリバリの、公立。特待に回す、余裕はない、しない、1人もいない。

 それどころか、高校のある大曲市内の中学校の卒業生、18人中、7人もいる。自宅からの通学だ。あとは、ココで野球がしたいと、県内の各地から部員62人が集った。

 監督の阿部大樹も県内の産まれ育ちで、この高校の機械科の先生。大学を卒業後、ここに赴任し、23年間、野球部のコーチから監督へ。特待とは、生徒同様、無縁。

 冬ともなると、「かまくら」が簡単に出来るほど、グラウンドに雪が積もる。

 長靴をはいての、走り込みが主体の練習になるという。

 昨年の春のセンバツに、甲子園初出場。夏は初めて。地元の応援は髙かったのだが・・・・・。

 

 山形県代表「鶴岡東」。

 部員91人。出場登録のレギュラークラスのなか、特待外人、10人。

 やはり、大阪、兵庫、が8人と多く、残りが埼玉、新潟。

 関西が、リトルリーグ在籍時からスカウトの目に留まるなど、特待の草刈り場になっていることは、動かしようのない事実だ。

 監督の佐藤俊もまた、社会科の教諭。この高校の特待生は、いずれも昨年夏に同校が出た時には出られなかった。

 評価が特待8人全員、Aから、B、Cへと落ち、3年生にして這い上がってきた稀有な例だ。親は予想外の経済的苦労をしていたと聞く。

 

 宮城県代表の「東北」。

 ココは、あのダルビッシュが、超の付く、支払っただけの活躍をしてくれたトコ。

 現在の部員、101人。レギュラークラス中、8人が他県からはるばる来た、外人さん。

  監督の我妻は、営業マンを経て、11年前、同校のコーチ、そして監督に。公民科の先生でもある。

 

 福島県代表の「聖光学院」。

 県内でも、伊達市にあり、3・11の原発の被害は受けていない。

 部員133人もいるが、レギュラークラス18人のなか、11人の強力外人部隊だ。集めてきたところは、茨城、東京、兵庫、京都、愛知、大阪、神奈川、奈良と広範囲。

 甲子園への、県内出場常連校で、過去はベスト8止まり。

 だから、監督の斎藤智也は、8月12日。初戦で勝った後、こう公言している。

 「選手を、(保健体育の)教師と生徒ではなく、戦力として徹底的に見定めている」

 勝てば官軍、負ければ賊軍になるのかなあ、意識が・・・・・・・。う~ん・・・・・・

 そこに、「高校野球は、あくまで教育の一環」という、タテマエは、蹴散らされる

 (2回め おわり)


<リアル 高校硬式野球部 衝撃”裏実態”ルポ 1> 熱烈ファンですら知らない、2016夏の甲子園出場校が隠しまくる、知られたくない裏話

2016-08-14 11:50:30 | 高校 硬式野球部の真実

 「夏の甲子園大会」が、もうすでに、開幕して7日目が終わった。すでに、8日目に突入。

 かん高い声で、感動を盛り上げる実況放送。全国4000校あまりから勝ち上がってきた49校が・・・などとは言うが、文科省の学校統廃合強行の愚作や、少子化ゆえに、そうならざるを得なくなってしまった連合チームの「れ」も、廃部の「は」も、休部の「き」も、年々変わりゆく本当のことはクチにしない。

 10年一律、汗と涙の感動、一辺倒。現実や事実は、放送しない。

 ましてや、「特待生」のことや、「外人部隊」や「留学生部隊」のことなんか、クチが裂けても言わない

 それどころか、7日目のラジオでの、「木更津総合」対「唐津商業」の試合。

 いくら早口で急いで目の前の情報を伝えなければならない宿命があるとはいえ、実況アナ。

 何度も平気で「木更津商業」と言い、投手の投げた球種もウソを言ってのけ、2塁手と3塁手を間違うなど、いつもいつも、毎試合毎試合のミス。

 決して試合後、訂正や、プロのしゃべり手として、詫びるなり、謝罪もしないNHK実況アナの「低度」能力。恥ずべきことだ。ねつ造は、局自体が得意とはいえ・・・・。

 さて、この記事。優勝の行方を占うとか、大会屈指の好投手は、ど~たら、こ~たらという記事では無く、49校から見えてくる「高校 硬式野球部」に関わる陰部を指摘するので、7日間過ぎても、新鮮さは腐らないであろう。

さあ、まず、北北海道代表の「クラーク記念国際」。

 いじめ、内向的性格児など、他人と関わりたくない不登校児が、年々増え、それに対応して儲けようとかかる進学塾や、公的に無認可のフリースクールが林立する現実を見越して、広域通信制としてガッコ開校。「生徒」数、表向き1万人以上。通学が目に見えないだけに、収益の実態は分かりにくい、掴みにくい。捜査や査察が入ったら、あわてふためくはず。

 校長は、三浦雄一郎。元は、スキーヤー。雇われママならぬ、雇われ看板校長だ、

 商売人として背後にいる実質経営者社長の、その嗅覚と才覚には舌を巻く。

 高校卒業程度の学力を身に付けさせるのが目的とはいえ、今回、甲子園球場の応援には、生まれて初めて会う「生徒」たちが、即席合奏、声援を繰り広げた。

 硬式野球部を起ち上げて、3年目。監督は、佐々木啓司。儲からぬので閉校した駒大附属岩見沢で、春夏合わせて12回。部員を甲子園に引き連れて行った、勝ち方を知る実力者。

 いわば、優勝請負人

 通信教育で、硬式野球部の合同練習は不可能。総部員34人は、全日制で、佐々木と共に、寮で合宿生活。佐々木自身は、社会科教諭の資格を持っている。

 午前中だけ授業に出て、午後は日暮れまで、ひたすら練習漬け

 昨年、室内練習場は出来たが、グラウンドは、拓殖大学北海道短大のところを今も借りている。

 出場選手登録18人のなかで、外人部隊の特待生8人。大阪、京都、愛知、宮城、三重。なかには、本校のある深川市から遠~~く離れた、知床半島の羅臼からスカウトした2年生もいる。

 前回書いたが、非力な「連合チーム」が目に付く北北海道地区に拠点をおいて、比較的勝ち抜く容易さ。したたな計算が、透けて見える。

 だから甲子園に出られるというほど甘い世界ではないが、福井の敦賀気比(つるがけひ)に手法は似ている。

 それでも、このクラーク。初戦敗退。

 特待生が、すべて非や悪とは言わない。

 例えば、過疎地の羅臼から来て、寮住まいをしている子。そのスカウト網には驚くが、彼がもし引き揚げられなければ、その才能は陽の目をみることなく、野球人生が終わってしまう可能性もある。

 その点では、良い・・・・・のかも知れない。

 ただし、特待生の「査定」は、とても厳しい。家族や当人の笑顔は、ひとときで消え去る。

 特待生は、高校3年間、同じ優遇措置にはならない。採用している各校、微妙に差があるものの、たいがい1年ごとに査定される。

 「入学金」「諸雑費」「授業料」「寮費」などなど。AからDのランクの区分け。それは、各校とも、独自査定。

 大枚掛けて呼んだだけに、おめがね叶って、当初は全員がすべて免除のAー1の最上ランクで、おおむねスタート。

 だが、そこからは厳しく細かい査定がつきまとう。

 「野球に取り組む、基本姿勢」。さらに「煙草」「酒」「不純異性交遊」「遊び」「言動」、「試合も含めての、プレイの、一球一打に至るまでの査定」が、厳しく点数付けされ、B、Cランクにまで落ち、レギュラー落ちが決定せざるを得なくなると、もはや特待、特別待遇させるまでの意味は、学校側にとって、何もない。

 さらに、「ケガ」。それも、再起が難しい大ケガとなると、選手と両親を例え関西や過疎地で有ろうと電話で何回か話し合いの後に呼び、査定表を提示。

 退部、並びに必要と有れば、実家近くの懇意にしている私立高校へ、転入も考慮し、提案する。

 それだけでは無い。

 特待の、オモテには出ない契約書を提示し、免除していたはずの諸費用の返金、弁済を求める。

 取りようによって、この部分は、プロ野球以上に酷だ。確かに記載されてあり、喜びの中、親が納得してサイン、押印していたのだから、決して非合法ではない

 実は、こういう栄光の裏側というものを知ったのは、私が記者駆け出しの頃。

 実家から50メートルほどしか離れていない家の悪ガキとしか見えなかった子が、遠くの名門校に特待生として、引っ張られた。スカウト網のすごさだ。

 早くもレギュラーで、頭角を現し、甲子園出場をチームは決めた。ここまでは、順風満帆。

 だが、甲子園の試合で、ポロリ落球! それが決定的な敗因となった。

 帰校後、レギュラー落ち。100人を超える部員のなか、寮も出て、アパート暮らし。むろん、実家全額負担だ。それでも、這い上がろうと頑張っていた日々の中、肩と足首を負傷。

 もはや、普段の生活にも支障が出る始末。入院と、リハビリの費用がのしかかった。

 親が、高校に呼び出され、特急列車に乗って急きょ面談。転校を「強力に勧められ」、且つ、査定の結果、数百万円の返金を求められた。

 転校した高校も、私立。おまけに、タダの一生徒。

 数年後。帰郷した折りにその家の前を通ったら、表札が変わっていた。

 聞くと住人、この家を買ったという。

 球児の家族は、ひっそりとどこかでつましく暮らしていると、風の噂で聞いた。

 その後、甲子園で夏の大会も番記者として取材。野球名門校、強豪校にも訪ね、いわば学校にとって「負」の実情も取材を重ねて来ている。

 むろん、3年間、ひたすら栄光の日々を歩み、ドラフトにかかる投手などもいる。

 正式入団までは、野球部長や監督に、それなりのモノを包み、ひそかに渡すのが、常識化。いわば、球団の「必要経費」と見られている。

 入団が正式に決まれば、選手が監督に「お世話になりました」代わりに、それなりの額を包み渡す。この額は、まったく決まっていない。

 カネに汚い「優勝請負人」や「乞われて、各校を渡り歩く流れ者の監督」ともなれば、結構な金額となる。それは、強豪大学に特待生として、乞われていった高校生も同様だ。

 そんな監督は、甲子園近くの宿舎・旅館に手ぶらで訪ねて取材に行くと、こう言ってのける者もいた。

 「毎日、暑いんだからさあ、冷えて色の付いた水くらい、気を効かせて持ってこいよ! ダメなやつだなあ・・・・」

 さて、次の南北海道代表、「北海高校」。古豪と言われてる。

 部員数、89人。特待生は、出場登録選手18人中、5人。うち3人は、大阪から。残る2人は、高校の在る大都市・札幌から遠く離れた道東のさびれた港町の厚岸(あっけし)からスカウト。

 かくいう監督の、平川敦(おさむ)44歳もまた、厚岸よりさらに遠い根室から特待生投手として引っ張られ、評価通り、甲子園にも出た過去がある。

 

 青森県代表の「八戸(はちのへ)学院光星(こうせい)」。

 ここは、県内ではあの「青森山田」と並ぶ、「外人部隊活躍校」。

 総部員、159人。うち、出場登録18人のうち、県外中学から「留学」して来たのは、17人!

 エ-スは、群馬。捕手は、大阪。内野陣も、群馬、大阪、兵庫、東京、奈良、神奈川。控えも、東京や大阪からかき集めたチーム。

 むろん、特待Aと判定されて入学したものの、B、C、果てはDとされ、八戸を涙で去った球児もいると聞いた。

 関西からの特待が目に付くのは、監督の仲井宗基が、高校までを大阪で球児として暮したつてがあるから。仲井もまた、大学は東北福祉大に、乞われ引っ張られて活躍した過去を持つ。

 かつては、坂本勇人(現・巨人)もまた、兵庫県伊丹市から遠いココに呼ばれている。

 ( 1 終了)  

 

 


<リアル 高校硬式野球部 衝撃”厳状”ルポ> 2016夏の甲子園出場決定一番乗り! その沖縄県や、他都道府県で、書かれたくない「事実」と「有名人」

2016-07-23 14:19:21 | 高校 硬式野球部の真実

  リオ五輪競技が始まって間もなくの、8月7日開幕する「夏の甲子園大会」(写真左下)。

 その出場目指して、全国各地の球場で、試合が同時進行で、もっか熱く繰り広げられている。

 

 昨年の夏。「高校野球100年」の通しタイトルで、どこも報じていなかった硬式野球部の部員不足、相次ぐ廃部や休部。その結果の予選・大会不参加と、絶えず襲う、その危機。

 それを避けるために、遠く離れてはいるが、同じく部員不足のため、2~5校の硬式野球部が連合チームを臨時結成し、試合に臨んでいる”厳状”を、北から南に南下しながら書いた。

 部員0人でも、決して「廃部」「休部」にはしたくない、部員の熱い想い。加盟料が、年間わずか1万円で、高校としても払えるということもあるが

 だが、関東にやっとたどり着いた辺りで、検索数が減り始めたのを機会に、ストップ。

 今年7月に入って、その昨年の第一弾が再び多くのヒトに読まれ始めた

 そんな時、沖縄県で、例年同様、日本一早く、甲子園出場校が決定したとの報道がなされた。決勝戦で勝って優勝したのは、嘉手納(かでな)高

 そう、広~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~い米軍基地がある町の高校だ。

 今、だからといって、今日も政府はペテン師まがいの策を強行したが、ここで基地問題を書くつもりはない。

 それから本日までに、相次いで北北海道と他県から4校が出場決定した。

 先の沖縄県大会に出場出来たのは、63校。

 そう、”めでたく出場出来た”のが、63校あった、ということ。

 昨年夏のこの県大会で優勝し、甲子園に出た興南高校は、全部員数、146人もいる。しかし、ベンチ入り出来るのは、その中の20人だけ。

 あとは全部員、裏方や補助、観客席応援で声を枯らして3年目の夏を終える。

 だが・・・・・・部員、たった1名や、0人などで、廃部危機のさなかの硬式野球部がある。

 部員数が、1校あたり52・4人と全国トップといわれる沖縄県にでさえ数校あるのだ。

 県の最北端に位置する辺土名(へんとな)高校は、県大会にやっと3年振りに、この夏出場出来た。だが、実は2005年には、部員がたった1人。翌年には、すぐさま廃部危機に陥った。

 それからは、常に「廃部」「休部」にグラグラ揺れ続け、ついに2013年には部が無くなり、苦肉の策の「同好会」に名称変更。

 が、3年生2人が卒業し引退。残ったのが、たった3人、そして、たった1人に・・・・・。

 そこから、1年生2人、2年生3人で再生開始。

 監督や部員の熱心な勧誘が実り、今年の4月。一気に8人が「入会」してくれた。その内訳は、1年生6人、3年生2人。うち1人は、それまで「サッカー同好会」にいて、野球はまったく未経験の生徒。

 さらに、授業が終わると、アルバイトに行く生徒がおり、事前にいた3人も入れて、計11人に計算上はなり、「野球部」に格上げにはなったものの、そんな事実があり、11人全員でまともに練習出来るのは、月に1回か2回という”厳状”。

 さらに、6月19日の県大会1回戦の際の選手登録の時には、10人に減っていた・・・・・。

 相手校は、県立前原。

 頑張ったが、1回表に3点。3回表に5点。そして、ついに5回表に2点をダメ押しされ、その回で0-10のコールド負け。この夏の夢は散った。今後は、また再び分からない。

 今年の春季大会に引き続き、この夏も、部員不足で不参加となった県立伊良部。2005年には、たった1人。常に部員不足に悩まされてきた。

 なにしろ、2010年の段階で、全校生徒が、そもそもたった158人。おまけに、宮古島から船で島の桟橋まで15分かかり、さらに高校まで昇り歩く。通勤通学は、定期船に生徒や先生が揺られて行く高校。

 そのため、練習時間が限られる。なにしろ桟橋からの最終便出発時刻が、午後7時半。

 放課後のわずかな時間で練習をこなし、他校と戦わねばならなかった。

 マジに先生が、グラウンドに向かって毎日叫ぶ。

 「お~い! もう、そろそろ船が出るぞ~!!」

 2012年からは、宮古工業連合チームを臨時結成。伊良部、6人。宮古工業、7人。人数的には、合格。だが、試合となると、美里工業の1年生投手!相手に善戦したが、7回コールド負け。

 この先の部員不足との闘いは、果てしなく続く。

 大小の広さの違いはあれどすべてが島という、沖縄県独特の事情の中でも、中学校の段階で抜きん出て頭角を現す選手が、確実にいる。とりわけ投手に目立つ。

 ソレを「内地」の強豪校の特待生狙いのスカウトたちは決して見逃さない!

 昨年の夏の甲子園大会。沖縄県以外の出場校の、さらに選ばれた「選手出場登録」の中に、なんと46人もの沖縄県の中学出身者がいた。その殆んどが、中学時代、野球部主軸のエースだった。

 なかには、誘われて、自分のチカラを内地の強豪校や名門校で試してみたいという投手も、自主的にいるにはいたが・・・・・。

 んにしても、青田刈り。バンバン、バンバン、県内で栽培されている、さとうきびや菊のように刈り取られていく。

 特待生制度を肝心の高野連が甘受し続けるなか、寄付金かき集めた財力にモノ言わせて、いまだに横

 先日、あの「外人部隊校」敦賀気比(つるがけひ)が福井県大会の初戦で敗退した!と、大きく報じられた。

 昨年の記事で指摘したが、夏の大会の「出場選手登録」18人中、他県中学から熱烈条件勧誘されて入学した「外人」16人。

 それが、今年の春の大会では、17人になっていた。残りのたった1人は、同校中学野球部からの繰り上がり。

 報道でエースと書かれた、山崎颯一郎。彼の出身中学は、隣県の石川県加賀市である。ちなみに、敦賀気比に競り勝った高校は、2年前、少子化ゆえに統廃合で合併した高校だ。

 大金かけて・・・・効果なく墜ちておく。あの地元に見放された「青森山田」のような運命をたどるのではないだろうか。

 全国でも強豪とされる「日大文理」「浦和学院」「済美」は、いずれも敗退

 さらに、北北海道大会では、「クラーク記念国際」なる、深川市に建つ「通信制」の高校が、創部わずか3年目で、甲子園出場を決めた!と、まるで偉業達成のように無批判に報じられている。

 クラークとは、現・北海道大学にその昔赴任し、「少年よ、大志を抱け」という名言を吐いた・・・・とされる有名外国人の名前である。

 著作権とか、肖像権とか、確か無いはずなので、無料無断で、勝手に命名したのであろう。

 が、この高校。実は、この七夕前後に、東京都内にある文科省無認可スクールから、勝手に意図的に深川の本校通信制に大量編入させていた不正が発覚。

 今後、刑事事件に発展していく大問題を起こしている犯罪ガッコなのだ。

 だから、先に「無批判に」と書いた。

 さらに、この通信制のガッコの「校長」は、なんと、三浦雄一郎だった。そう、あの有名スキーヤーの爺さんだ。3年前、80歳でエベレストに登頂成功と騒がれた、あの爺さん。安倍晋三に祝福されて、御満悦の表情を浮かべた、あの野心に満ち満ちた、あの総白髪の爺さんだ

 ところが、正しくは違う。成功は、していない。スポンサー付きのビッグプロジェクトで、大勢の登山スタッフは「もしも」のことを考えて、参勤交代か、大名行列のごとく、爺さんは乳母日傘で守られて登った挙句、下山は自力でまったくしていない。

 なんと、「健康面」と、三浦老人の「体力」を考慮。ヘリコプターをチャーターし、すぐ下山。それで、「成功!!!!!とさかんに宣伝。登山とは、登る時より、下山が危険で重要とはよく言われること。

 自力下山を放棄して、成功とはとてもいえない。それで、掛けた費用、約1億5000万円。「80歳で」という「冠欲しさ」に、だ。

 そんな名誉欲しさの、マスコミによく顔を出す83歳の爺さんが、新千歳空港から数時間かかる校舎の校長室に常勤・在室しているであろうか・・・・・・。「人寄せパンダの、雇われマダム校長なんで・・・」という苦しい言い訳は、もはや通用しない。今後の捜査と処分を待ちたい。

 あの3年前。前後して、日本人女性登山家の、河野千鶴子、66歳がヒマラヤの高峰、ダウラギリで消息を絶ち、遭難死が確実視された。

 爺さんへの喜び一辺倒の渦の中、河野千鶴子・死亡の報道は、ゴミの如く、吹き飛ばされ、かき消された。命の軽重と、「創られた登山成功」。むなしい想いだけが、今も残っている。

 日本の大マスコミは、年齢でコトの軽重と報道価値を即断する傾向がある。

  こんな見るからに乳房の大きさ、たわわさを強調したとしか思えない写真を撮らせたギャルがいる。

 女子球児でも、甲子園の観客席で、ポンポンを振る応援団女子高生でもない。

 この子も、登山家・・・・らしい。

 名前は、南谷真鈴(みなみや まりん)。AO入試でもぐり込んだ早稲田大学に籍を置く、帰国子女の19歳だそうだ。

 この子が、エベレストなど、7つもの世界的に高い山への登山に成功した・・・・とのフレコミ。で、記者会見。「19歳では、日本人初」だそうな。

 スポンサーがいなけりゃ、大学の講義、通学さぼってまで、そんなにおいそれと行けねえだろうが?と想って検索すると、ユニクロがバックに付いていた。

 どうやら、「真鈴ちゃん仕様の登山服」を大々的に売り込む算段らしい。

 出てきたこの子。下山してすぐ帰国したとのフレコミなのに、顔にまったく雪焼けも無く、皮膚の荒れもない。

 あれれ~?

 長い髪をきれいに、クルリンコとカール。おまけに爪の先にも着色お化粧施しまくり。

 ホンマかいな?

 登山訓練は、登山じゃない。スポーツジムに通い、専用特別トレーナーの相談のもとに、急傾斜掛けた歩行マシンに乗り、ン十キロの物を背負って、時には6時間ぐらい歩いているんだそうな。

 はあ????

 田部井淳子の時代とは違うとはいえ、クビ傾げてしまった。

 おそらく、19歳のこの豊乳をもってして、しばし、グラビアを飾るんであろう・・・・・。

 さて、クラークやら、マリンやら。本題からそれてしまったので、戻りましょう。

 各高校も、強豪校でない限り、部費はいずれも乏しい。今沖縄県大会。試合の抽選決定会場に金銭的に行けなくて、代理人に抽選してもらった高校が、なんと、選手宣誓に当選してしまったという、笑えない事実もある。

 「南部農林」と、「南部商業」は、今春の大会に「連合チーム」で出場していた

 同じ名称は「南部」。んだから近いと思うでしょ?

 しかし、南部商業は八重瀬町にあり、南部農林は豊見城市にある。

 その南部商業の部員は、全10人。併設されている「県立やえせ高等支援学校」から1人、練習に参加している選手がいる。県大会に一緒に参加させたいのだが、この「支援学校」は、高野連に加盟していないため、出場出来ない。おまけに、部員1人では・・・・・・。

 今県大会では、10人で出場出来たものの、0-10。6回コールド負け。

 一方の、南部農林。部員を手を尽くしてかき集めて臨んだものの、「那覇工業」に、0-12。5回コールド負け。ここ数年、ずっとコールド負け続き。

 だが、勝った那覇工業でさえ、かつては部員不足で、出場出来なかったのだ。

 部員が9人前後では、やはり取材してみると、連係守備プレーの練習が出来ないため、試合で次々とその危うさが露呈してしまうのだという。いとも簡単に後逸と、捕球ミスの危険性が見られた。

 今後も、やっと人数だけは揃えたものの、この窮状は、県下、どの球場でも観られることになるであろう

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 したり顔の読者は、読後、言うかもしれない。

 「それは、沖縄県だからでしょう?」と。

 では、大都会が控える、神奈川県大会の実例を示そう。

 全国でも有数・最大の参加校を例年誇るこの神奈川県だが、この夏の県大会では、188校が出場申請していたが、フタをあけたら、さらに2校が辞退。

 「鶴見総合」の部員0人などを筆頭に、「田奈」「厚木清南」など、計4校が参加したくても出来ず。試合前に、負ける前に涙を流した。

 来年の夏は、さらに増えそうだ。

 そして、連合チームが2つ。

 「高浜」「土井」連合は、1回戦で、0-10の、コールド負け。こら、怒~るど!も、その頑張りの姿を見てると言えません。

 さらに、4校連合も出場。

 「永谷」「釜利谷」「三浦臨海」、そして「横須賀明光」。

 監督は、数少ない合同練習の際に、グラウンドを貸していた影響か、「永谷」の監督が選ばれた。主将は、「横須賀明光」の川西クンに決定。

 なんと全出場登録選手、10人。4校の監督やコーチの総数より少ない。

 大会直前には、監督、ヘッドコーチ、そしてポジション別コーチらも全員参加して、連係プレーを訓練。選手のカラダに覚えこませたという。

 以前は、この4校に加え、今大会部員不足で大会不参加の「田奈」が加わり、5校連合で試合に出たこともあっ田奈と。

 この時は、5校で全12人。で・・・・・・散った・・・・・・。

 さらに、2014年の県大会。「鶴見総合」「田奈」「釜利谷」、そして「三浦臨海」の4校連合で臨んだこともある。

 2016年の夏、1回戦。わずか! 0-2で敗戦。

 惜しい、いいいいいいいいいいい!

 みんな、各校、ユニフォ-ムむろん違います。観客は、理解するまで、ちょいと時間がかかりますが、応援の声は判官びいきの影響か、途絶えることはありませんでした。

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 さらに、もうひとつ。昨年の夏に、県立4校連合チームがいて、ひそかな脚光を浴びた「兵庫県大会」を見てみよう。

 この夏は、162チーム、163校が参加して、目下雨にたたられ、順延が響く中、熱戦が、あの軟式の延延延延、えんえんと続いた延長戦で全国的に名を知られることになった「明石 トーカロ球場」も使われ、熱戦が繰り広げられている真っ最中。

 あれ? 162の、163?

 そうです。2校連合チームがあるのです

 高校統合になった、かつての強豪チーム、神戸市立神港。俗に言う「市神港」と、「神港橘」がくっ付いた。

 名門の東洋大姫路が負けて去る中、この連合。ハンパなく、強い!

 初戦は、猛攻欲しいままに、11-2で、大勝。

 続く、試合も9-1で、7回、コールド勝ち。

 もっか、次戦を待ち構えているところ。もし、この連合が優勝でもしたもんなら、面白いことになりそうだ。

 また、神戸学院大学附属、地元では「神院大附属」と呼ばれている高校がある。

 なんと、ココの軟式野球部は、2度も全国大会に出たほどの強豪校。でも、硬式は公式にも無かった。

 昨年の秋から、「硬式で戦いたい」との選手からの希望が多く、ボールを持ち替えて練習開始。中学校時代に硬式を経験していた選手の方が多く、仕方なく軟式をやっていたとのホンネも飛びだした。

 でも、これからも軟式でやっていきたいという選手もいたが・・・・今年元旦付けで、硬式野球部として、高野連に正式申請。

 その軟式にこだわる2人が、部を去った。

 そして臨んだ、今年の夏の、初めての硬式野球県大会。

 0-7で負けた。

 しかし、晴れ晴れとした表情。硬式で今後も続ける決意は、変わらないという。

 昨年の軟式の記事で、あんな劇的延長と熱闘&熱投が続いても、部は減りはしても、増えはしていないと書いた。

 ここ、神戸という大都会でも、御多分にもれず・・・である。う~ん・・・・・・・。

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 最期に、やっぱり、デッカイどう、広いどう、北海道、の今年の夏の「連合チーム」のことに、触れておこう。

 まあ、あるあるあるある、である。

 「士幌・新得・幕別」

 「斜里・常呂(ところ)・佐呂間」

 「夕張・月形・奈井江・深川東」

 「小清水・津別・常呂清里」

 「阿寒・新得・羅臼」

 「釧路東・白糠」

 「留辺蘂(るべしべ)・湧別・訓子府(くんねっぷ)」

 すべて、初戦や、途中大敗。

 北海道出身者や、何度も旅したことのある読者ならば、いかに互いの高校が遠距離か、身をもってお分かりになるはず。

 鳥越”オンナ狂い”俊太郎でさえ腰引く、あの「昭和のモテ俳優、火野正平」なら、自転車をひ~は~、ただ今、道内を漕いでいるんで、その事実に驚くかもしれない。

 だから、合同練習も、これまで挙げた全国各地の高校や地域より、かなわないことも。

 今後は、ますます連合や廃部が増えることはあっても、減ることはまず、無い。

 少子化と過疎で高校が統合や、減る傾向の中、過疎の深川市からなら、高校おったてりゃ、甲子園に出やすい、勝ちやすい。校名を、一気に知られ、売り出すことが出来るはず!と、狙ったのだろう。

 その前に、「通信制」を隠れみのに、ずいぶん大量のタレント、有名人を「入学」させて、通学させずに、高校卒業資格をプレゼントして、布石を積み上げた。「青森山田」方式に学んだ。

 ねえ、「クラーク記念国際」なる名前の、問題校さん。

 それでなくとも、試合出場選手登録した18人のうち、7人が投手を中心に、関西や中部圏から集めた「外人部隊校」。

 なにしろ、同じ市内にある「深川東高校」が、連合チームに名を連ねていることからも、”厳実”と、したたかでずる賢い設立戦略背景が透けて見えてくる。

 この夏、福井県大会の初戦で敗退した、かの「敦賀気比」も当初、その狙いで設立。見事に、狙いはココまでは当たった!

 例え「外人部隊」と指摘されようとも・・・・・。

 クラークは、今後の狙いと戦略と未通しが暗~くなるのか、三浦雄一郎がどうなるのか、人生の晩年を滑り落ちてしまった結果となるのか、捜査の進展具合とともに、しばらく冷静に見つめていきたい