女子ワールドカップ決勝戦、残念でした。
結果は惨敗だったですが、あのアメリカから2点も取れたんですから、頑張りました。
最初の15分でしたね、何があったのか、陽が当たっていたせいもあるのでしょうか。
巌流島の小次郎のようでした。
結果、引き立て役になってしまったのが悔しいです。
なでしこジャパンのみなさん、お疲れ様でした。
さて、先週の土曜日、演劇の公演を観に行きました。
KEWA JAP公演、『走れ! オセーロ』、です。
会場は、高山別院庫裏ホールです。
夜、7時からの公演を観劇しました。
客席には、120名ほどのお客様が入ったそうで、たいへん賑わっていました。
舞台には黒のパンチがひいてあり、後は大黒を使い、タッパが低いこともあり引き締まった感がありました。
舞台装置はカラーの箱が積み上げてあるだけのシンプルなものですが、時間空間を自由に超える話だけに、効果的だったと思います。
6人の役者は個性的で、かつ役にはまっていたため、魅力的にみえました。
時に歌あり踊りあり、照明も音響も的確に効果をあげていました。
作品の印象なのですが・・・
これはあくまでも私個人の感想なのでとお断りしてから、記します。
劇の途中、主人公とトレーナーの二人芝居の場面があります。
即興劇のようなコントで、公演中、観客に一番うけていました。
大いに笑いを取れた場面でした。
ですが、私は、少しですが焦れてしまいました。
はやく話を進めてほしいと。
あの場面が典型的なのですが、ある意味、お客様を選ぶ芝居になっていたかもしれません。
劇の構造は、一人語りが中心で、それにいくつかのエピソードが重なって進行していくスタイルです。
話は簡単にいって、ある若い男がマラソン大会に出場する話です。
各エピソードとは・・・(一度観ただけなので、間違っていたらごめんなさい)
女性を好きになりランナーになったエピソード。その女性がDVの妹の家に居候になっているエピソード。駅伝で色男にトリックをしかけられ負けたため、その男がライバルになるエピソード。その色男と情婦のエピソード。カルトの信者がテロを起こすエピソード。走りを強化するための、コーチとのエピソード、等・・・。
それらが同時に進行していき、劇終盤のマラソン大会で大団円を迎えるわけです。
最初の30分はとても面白く、どんなものをこれから見せてもらえるのかと、期待しつつ観ていました。
しかし後半、いくつかのエピソードが思わせぶりで終わってしまい、物語が、言葉は悪いですが、中途半端で完結してしまった、感じがありました。
この物語はどこに着地点があるのか。
それは、走ることがメインテーマになっていますが、ゴールが見えないままで、作品が終わってしまった印象があります。
ただ考えるに、作者は、最初からそれを求めていない、というか、描こうとしていなかったのかもしれないということです。l
物語としての完成度よりも、作品全体のイメージを優先させたとでもいうのでしょうか。
一つ一つのエピソードを深めるのではなく、あくまでもさわりのままで混成し転がしていくのを見せたかったのかと。
特徴的なのはセリフで、リアルな会話を排除し、物語の進行よりも言葉遊びを優先させているところにも、お客様の感性を刺激し、翻弄することを主な目的として作られた作品であったといえるのではないでしょうか。
作品全体の雰囲気を堪能してもらう作品だったのでしょう。
そういう点では、若い人たちには、刺激的で魅力的な作品として大いにアピールしたと思います。
最初にも書きましたが、作品が始まり、しばらくはワクワクしながら観ていました。
それは、他では観ることのできない芝居が始まった気がしたからです。
しかも、照明、音響、役者の演技が一体となって、一場面ごと的確に表現されていました。
そういう点では、よく演出されていると感心しました。
それだけに、後半、話を纏める段になってくると、厳しくいえば、あくまでも私はそう感じたということですが、とってつけた感じが出てしまったように思いました。
特に、重要人物である、作品の裏テーマのカギを握る人物の描写が弱い、のが気になりました。
それは、しっかりと背景を描いていないことによるもので、それだと、演じる役者も困っていたのではないかと、勘繰ってしまうのです。
形を決めてくれれば良いのだ、ということもあると思います。
特に、映像を重視する演出ではそうなるでしょう。
ですから、しつこいようですが、あくまでも私という、物語の構成に拘る種類の観客から観た場合の感想なのです。
もういちど書きますが、若い観客にはうけていました。
皮肉でも何でもありません。
そういう点からでも、作り続けてほしいです。
頼まれてもいないのに、書きたいことを書いてしまいました。
作者がこれを読むかどうかもわかりません。
ただ、作り手でもある私がいつも思っているのは、この地では、作品は作りっぱなしで終わってしまうのが残念なのです。
反応がないのです。
ねぎらいの言葉はありますが、次ぎに繋がってくれるような感想はあまりありません。
ですので、書かせてもらいました。
関係者の皆さん、お疲れ様でした。
そして、これを読んで気に障ったら許してください。
実は期待しておりました、書いてもらえれば嬉しいと思い。
そうなんですよね、この地ではという言葉が的確なのかわかりませんが、やりっ放し感があるのは、再演が無い(難しい)ということもありますが、劇団としてそういうスタンスがない、ということもあるでしょうけれど。
とはいえ、今回はあえてアンケートを取らなかったのは耳を塞ぐつもりではなく次につながるような意見をアンケートに頼らずに自力で感じ取ろうとしたから、というのもあります。
勿論、役者には労いは必要ですから、やっぱり一夜限りの甘い言葉(アンケートの労い文)であっても、あっても良かったかな、と思わなくもありませんが。
さて、批評をありがとうございました。
気に障るどころかさすがに観ていらっしゃるな、と思いましたし、重く受け止めております。
特に後半が...という点は確かにそうかもしれません。
実は芝居が出来上がってくればくるほど後半部分が足りない感が強まっていたことは否めないのです。
ラストまでの流れが最初にに書いたものと違った、というところもありますがやはり書き込みが弱かったのだと思います。
一番のハイライト場面...の割にあっという間に終焉を迎えた感じはあるでしょうし、物足りなさを感じた方は多いかもしれません。
役者にもそこは申し訳ないな、と思ってます。
しかしながら誤解してほしくないのは決して中身のない薄っぺらい、イメージ先行のただ面白ければそれで良しのものを作りたかったのではないということです。
漫画でいうと連載ものではなく単発読み切りくらいの長さに納めたかった、という事もあり、そこに思いつくままアイデアを詰め込んだ割に、煮詰めたりなかった結果、薄味になった...のだと思います。
その点はまだまだ足りないところなんでしょうねきっと。
正直、事務的な部分も含めゼロから作り上げた経験がなかったのでかなりキツく、演出だけに専念していられない状況に「これで引退でいいや」なんて思ったこともあるのですが、ここで終われない、もっとこのスタイルを突き詰めていかねば、という想いが今はじわじわとあります。
若くて無謀な年齢ではないので先のことはわかりませんが、今回のことを糧に、次へつなげたいと思う気持ちだけはあるので、また今後ともご指導願います。
貴重なご意見をありがとうございました。
そういう風にいってくださると、迷いながらも書いた私も、甲斐があったと嬉しく思います。
芝居がしっかり創られていますから、観る側も、しっかりと観させてもらいます。
ある意味、真剣勝負のようなところもありまして、辛く評してしまった、のかもしれません。
ですけれど、良いものを観させてもらえた、という思いは強いです。
単純に感想を訊かれ、「面白かったか?」と言われれば、「面白かったよ」、と即答します。
ですけれど、これが、本文にも記しましたが、次ぎに繋がる感想になるかというと無理だと思います。
話は変わりますが、10年ほど前に、岐阜の劇団『ラッキーキャッツ』の、題名は忘れましたが、臓器移植をテーマにした芝居を観ました。
このときは、観劇中ドキドキしてしまいました。
作者はどこまで描くのだ、と。
それは、生命倫理に関して自分の立場を提示しなければならないからです。
期待しました。
ですが、結局は、テーマの周りを周回しただけで終わった感がありました。
とても残念だった、という印象があります。
こんかいも、テーマは深刻ではありませんが、スタイルに斬新なものを感じたのです。
これは、いけるかも・・・。
結果は、本文に記させてもらいました。
そういうわけで、次回も楽しみにしています。
そして、また観客という立場で参加させてもらいます。
ありがとうございました。
ピリッとスパイスの効いた辛口...のようで繰り返し読んでみると実はほんのり甘い、と感じました
それらも含めてポジティブに捉えさせてもらいますm(__)m
一言だけ言い訳ではありませんが補足すると、自身でも書き込み不足感が否めないとはいえ、そこに狙いはあったりするのです(成功したかどうかはともかく)
カタルシスを感じたい人にとっては物足りないかもしれませんし、結論を求める人にとっても同じでしょう。
それをあえて外し(kenさんも書かれたように)想像力を刺激し、語感や感性を刺激する、そういう芝居をまずやりたかったのです。
そこから観た方それぞれがふと我に返った時に「走る...か」みたいな感じで何かを考えてみるというのもそれはそれで楽しいかな、と
丸投げではなくそんな風にイメージを重ねることによって着地点を示さない芝居をやろうとしたわけです
まぁそれがうまく行ったかどうかはともかく、やはり「次につなげる」何かをこのスタイルでやっていくこと、それが大事なのかもしれませんね
またどうぞ宜しくお願いします☆長々と重ねてすみませんでした
それはオリジナルであり、個性でもあるわけですから、それに合わないという観客が現れても、かまわないものだと考えます。
目指してください。
かくいう私も、オリジナルを目指そうと刺激を受けました。