昨日の日曜日、劇団太陽演劇公演『ゴーストアクターズ』を観てきました。
午前11時からの回です。
今回の太陽公演は、高山別院庫裏ホールにおいてなのですが、土曜日夜、日曜日昼、夕方と、計3回の公演がありました。
普通、別院において公演する場合、2回がいいところなのですが、3回行うということはそれだけ集客に自信があったということです。
実際、土曜日の夜の公演は超満員だったそうです。
私が観た日曜日一回目の公演も、用意された客席の9割ほど埋まっていましたから、70~80名ほど入ったと思います。
合計で300名ほどのお客さんに観劇いただけたのではないでしょうか。
ひとつには、主宰者である、ユーイチさんの知名度もあるかもしれません。
私は開場10分前に到着しましたが、後ろにならんでいた年配のご婦人たちが、「信長なんちゃらという映画に出てるんやもな~、俳優さんやで・・・」と話されていて、あきらかに、ユーイチさん目当てに来られていました。
ちなみに、私よりさきに待っていたお客さんは2名いたのですが、そのうちの一人が、ユーイチさんの奥様でした。
作品の感想に入りますが、いつものように、あくまでも私個人がそう感じたというものです。
しかも、求められてもいないのに、勝手に記しますことをお許しください。
さて舞台は、町役場の、もしくは公民館の事務所のようでして、壁で囲い込んで、簡潔ですがリアルに造られていました。
はなしは・・・町おこしのためにお化け屋敷を始めるにあたり、評論家の方のお墨付きをもらいたいので、お化け役の方々が装い、到着するのを待っている、というものです。
そこに、主催である町役場の職員の家にあった、土から掘り出した家宝を、亡くなってからも探している武者と、どろぼうが探しに来て、という3つの話が絡み合って進んでいきます。
そして評論家が到着してから、いかにお化け屋敷を盛り上げるかとなり、お化け役のそれぞれの特長を生かした業が披露され、オチへと向かいます。
記憶を頼りに文字に書き起こすと上記のようになりますが、実際の舞台では、話の進行はそれほど重要ではなく、段取り通りに運ばないトラブルと、すれ違いから、もしくは勘違いから生じる、喜劇的な場面を見せつづけます。
ネタともいうべき設定は、よくできていたと感心します。
例えば、お化け役の一人だけ完全な衣装があったり、チョー軽い泥棒がそのフットワークの軽さでいつのまにか仲間になり問題を解決していったり、何度も笑わされました。
途中、歌ありダンスあり、ストーリーが進まないだけに、飽きさせないように工夫されて作られていました。
役者も気合いが入っていて、それぞれの個性が活かされていたと思います。
特に、誰もが評価すると思いますが、『小豆洗い』は、秀逸でしたでしょう。
「女を捨ててますね」、と声をかけられると思います。
それともう一人、個人的なことを記させてもらいますが、タカヨちゃん(あえて名前を書きますが)は声があいかわらず素晴らしいです。
演技がハッキリしているうえに、キレがでてきましたし、観ていて嬉しかったです。
さて、欲をいえばということですが、幽霊の見せ方にもう少し工夫があればと、思ってしまいました。
印象としては、なんてことない出方、といったところです。
それが狙いであったかもしれませんし、あくまでも私はそう感じたということです。
もう一つは、クライマックスともいうべき、幽霊役の方々の持ちネタ披露のシーンです。
なぜに、壁の奥に入ってしまって、音声だけの処理にしてしまったのか。
ひょっとすると、そこまで作れなかったのと、勘繰ってしまいます。
もっとも、それまでに十分見せているので、くどくなると思ったのかもしれませんが。
そういう点では、ストーリーがあってないような話なので、途中、飛騨弁で言うならば、「あぐんだ」的なところはありました。
1時間15分という時間を考えるならば、台本の段階での、途中での一展開が必要だったのではと考えます。
以上、思いつくままに記してきましたが、作品は十分楽しませてもらいました。
最初にも書きましたが、よく練られていますし、よく演出されていると感心いたしました。
2年ぶりの公演だということですが、これからも作り続けてほしいと思いました。
関係者の皆さん、お疲れ様でした。
観させていただき、ありがとうございました。