団塊世代おじさんの日常生活

夏 日本で二番目に気温が高く、陶器と虎渓山と修道院で知られる多治見市の出身です。

悲しみを突き抜けて、 「ありがとう、バンザイ」と心の中で叫んでいた。

2017-11-19 06:04:05 | 日記
 中日新聞の「くらしの作文」という読者投稿欄に、74歳の主婦の方が投稿されていました。
タイトルは「携帯電話」です。



 3年後の東京オリンピックで使う金メダルは、使用済みの携帯電話などを集めて作られることをテレビで見た。

 私は思い出の言葉がいっぱい詰まっている、今でも捨てられない携帯電話がある。

 主人は70代で肺気腫になり、呼吸困難で2度も危篤状態になった。
それでも乗り切ることができ、あの時の主人の強さに家族で感動した。

 そのうち、小さな声しか出せなくなり、用事はすべて携帯電話を使うことにした。
草取りや洗濯をしていると「ちょっと頼む」、トイレからも「ちょっと頼む」の一言で急ぐ私。
主人の命をつなぐ大事な通信機器となった。

 主人の2度のあの苦しみを見てきた私と家族は、いつかは必ず訪れる別れの時が、
どうぞ穏やかでありますように、と祈り続けてきた。

 昨年6月11日、いつもとなんら変わらない朝、
二人でしゃべっていたとき、主人のうつろな目に気づき
慌てて横にしてやると、苦しむこともなく、
眠るような最期で、まるでドラマのようだった。

 慌ただしく過ぎ行く通夜、告別式。
主人の遺影を見上げた私は、悲しみを突き抜けて、
「ありがとう、バンザイ」と心の中で叫んでいた。

 今の私は、この携帯電話を金メダルに変えて、主人の首にかけてあげたい。

 以上です。


 奥様の思い描かれたように、ご主人が苦しむこともなく、
穏やかに眠るような最期であってよかったと思いました。
ご主人の命をつないだ携帯電話を捨てるのは、無理ではないかと思いました。

 







テレサ・テン 別れの予感、つぐない、愛人、時の流れに身をまかせ
コメント (10)
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