あるニヒリストの思考

日々の思いを綴る

日本人は幼児なのか。(日本、滅びの国へ(その7))

2022-12-17 10:41:31 | 思想
ロシアがウクライナを侵攻し、北朝鮮の弾道ミサイルが日本近海に落下するのを見て、岸田総理をはじめとして自民党の国会議員が「敵基地攻撃能力を持たなければいけない、敵基地攻撃能力を持って、敵が日本を攻める前にそこをたたけばよい。また、敵基地攻撃能力を持てば、うかつに攻められない。その装備のために軍事費を増やさなければならない。」と言うと、国民の大半は賛成に回った。しかし、日本が一つの敵基地を先制攻撃してそこを破壊すれば、敵国は復讐に燃えて、あらゆる手段を駆使して、日本を攻めるだろう。それは、太平洋戦争で、日本がアメリカの真珠湾軍港を先制攻撃したつけが、広島・長崎の核攻撃による破壊、特攻隊による自己犠牲、そして、みじめな敗戦であったことからも理解できる。また、敵基地攻撃能力を持てばうかつに攻められないか。そのようなことはない。核は持たない国は容易に核を持つ国によって攻められる。アフガニスタン、イラク、ウクライナを見ればよい。では、日本は核を持てばよいのか。日本が核を持てば、第二次世界大戦で、日本に侵略されたアジア諸国は過去の亡霊のよみがえりを警戒して、敵視政策をとるだろう。また、日本を隷属化して操っているアメリカが、日本が同等になるとして許さないだろう。そして、国連憲章で、敵国条項の対象国になっている日本は、いかなる国から敵基地攻撃能力・核保有を理由に攻められても、文句が言えないことになっている。だから、敵基地攻撃能力を持つこと、そして、軍事費を増やすことは、マイナスでしかない。軍事費を増やして敵基地攻撃能力を持てば攻められない国になるという考えは幻想でしかない。幼児の発想である。さて、それではどうすれば良いのか。言うまでもなく、したたかな外交政策である。一つの大国に頼ることなく、八方美人にふるまうことである。東南アジアの国々がそうしているではないか。日本よりも軍事力が劣っているが、一国に偏らず、したたかな外交政策で乗り切り、戦争を仕掛けられたことは一度もない。


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