おじさんの映画三昧

旧作を含めほぼ毎日映画を見ております。
それらの映画評(ほとんど感想文ですが)を掲載していきます。

逃亡地帯

2024-06-17 07:07:27 | 映画
「逃亡地帯」 1966年 アメリカ


監督 アーサー・ペン
出演 マーロン・ブランド ジェーン・フォンダ
   ロバート・レッドフォード

ストーリー
石油成金が牛耳る、週末ごとの派手なパーティや子供たちの乱痴気騒ぎが日常化している退廃的な町に、この町の出身者でもある脱獄囚のババー(ロバート・レッドフォード)が戻ってくる。
たちまち始まる人間狩りはまるで血に飢えた狼のようだった。
暴動を必死で止める保安官のカルダー(マーロン・ブランド)の努力も空しく、抑えられていた感情が爆発し、地獄絵図が繰り広げられる。
その中で、ババーの妻アンナ(ジェーン・フォンダ)の魅力に取り付かれた石油成金の息子は、爆発でとんだタイヤの下敷きとなって死に、逮捕されたババーは保安官事務所の前で突然飛び出してきた男に射殺される。
翌朝、死の町のような人気の絶えた通りをカルダー夫妻が去っていき、同時に二人の男を失ったアンナが気の抜けたようにしゃがみ込んでいた。


寸評
私が最初にアメリカ映画はすごいと思った作品である。
かつてはどこにでもあった駅前の映画館でしか映画を見たことがなかった頃、初めて一人でロードショー館に見に行った。
やけにふわっとしたエンジ色の椅子だったことを覚えている。
自分が見てきた圧倒的多数のプログラムピクチャとは違った雰囲気の映画だった。
そう思ったのは、70ミリ映画のせいだけではなかったと思う。
何よりも画面がかもし出す匂いが違うと感じたものだった。
スクリーンから燃えさかるタイヤがこちらに向かってきたシーンは衝撃的だった。
今まで自分が見てきた映画とは明らかに違う映画がそこにあった。
マーロン・ブランドを初めて知ってファンになったのもこの映画がきっかけである。
その後しばらくの間は洋画ばかり見ていたが、そうなるきっかけもこの作品だったのだ。

あまり俳優さんに興味を持たないで洋画を見ていたが、この作品ぐらいからすごい俳優さんがいるものだと感じてきたと思う。
ジェーン・フォンダを後日知って、逃亡地帯に出ていた素敵な女優さんが彼女だったことを再確認したような気がする。
この作品でも、彼女はいいです!
ロバート・レッドフォードの日本初登場作品だと思う。
ババーという脱獄囚役だが、感じのいい、ついてない男のイメージを演じている。
「明日に向かって撃て!」のパンフレットを見て、サンダンス・キッド役の素敵な彼がババーだった事を思い出した。
アーサー・ペンはアメリカン・ニューシネマの代表作「俺たちに明日はない」を撮っているのだが、僕は本作を
アメリカン・ニューシネマの先駆け作品と思っていて、「俺たちに明日はない」よりも評価している。