最近はあまり釣行記を書いてないな。遠征はしていないけれど丹沢を歩いたり、夏は欠かせない‘食べる釣り‘キス釣りに行ったり。工房仕事の合間を縫うように楽しむ夏。キスの天ぷらにビール、最高でしょ。
昨日も丹沢へ。ひとりでのんびり山や溪を歩き、ヤマメやイワナに存分に遊んでもらった。



まずは昨日おろしたばかりの60ストレート、アマゴを結ぶ。皆さんにお届けするにはほんの僅かだけれど不出来が見つかったので、自分用にさせてもらった。不出来を見つけちゃったんだから仕方ないな、まいったなと独りごちながらボックスにしまった。
1本増やせたぜ、ふっふっふ。


特にヤマメたちが元気だった。

60ストレートからソリスト50MD2へとローテした。得手が異なるこの両者、いくらか早く強い釣りから柔らかい釣りへと切り変えた。水とケンカしないこと。仲良くすること。どなたかにMDを使いこなすコツを聞かれるたびに、そう答えるようにしている。

とある流れ込みでは季節の移り変わりを感じた。日差しはまだ真夏そのものだ。少し歩けば汗が噴き出るほど蒸し暑いけれど、水の中はもう秋なんだと、イワナたちが教えてくれた。
ここで50MD2からソリスト40DDにチェンジ。狙い通り立て続けにイワナがヒットした。

40DDに変えてからもヤマメたちはよく顔を出してくれた。スーっと追ってきて、迷ったような素振りから思い切って食らいつくイワナは実に可愛い。比べるとミノーへアタックする早さ、強さがヤマメの魅力、この一瞬にこそヤマメのそれが凝縮されているように思う。


満足したので昼過ぎには早々に退溪した。

どうしてか、この日はいつもより足腰が疲れた。
強い日差しに浮かび上がる白い砂に横になって、流れに身を浸した。ああもういっそのこと、このままずっと夏が続けばいいのに。
流れ込みや淵を埋め尽くした砂、砂、砂。まるで海岸のよう。健全な流れだったらこの大量の砂も徐々に押し流され、いつかきっと海へとたどり着く。そして湘南だったり、大磯あたりの海岸を形作るはずだったのだ。
波の浸食で痩せ、失われつつあるこのあたりの海岸は砂をどこかから買ってきて、補充していると聞いた。かわりに山の中の溪で溢れる、行き場を失った砂たちもある。砂防の名のもとに作るだけ作った、けれど誰も浚渫など面倒なことはしないから溢れていくばかり。
ここにはサザンも浮き輪も夏を楽しむ人々の歓声もビキニも何にもない。砂たちが嬌声とともに第二の人生を謳歌することは、たぶんない。せっかく白い砂に生まれてきたのに。いくらか不憫な気もするけれど、静寂の中でひっそりと、ただ溢れてゆくのも悪くないんじゃないかな、そんな気もした。それにただ静寂ってわけじゃない。夏にはセミたちでうるさいぐらいだし、たまには釣り人がやってきて、足跡を残したりもする。寝転がる輩だっている。決してひとりじゃない。
しばし寝転んで目を閉じた。うん、人でいっぱいの海も夏らしくていいけれど、俺はやっぱりこっちだな。ああ無性にビールが飲みたいぞ。

タックル
ロッド:レヴェルトラウト5.0MT(2017ver)
2000番にナイロン5lb、のち4lb
ミノー:ソリスト40DD、50MD2、60ストレートほか
Photo&Report by 小平
昨日も丹沢へ。ひとりでのんびり山や溪を歩き、ヤマメやイワナに存分に遊んでもらった。



まずは昨日おろしたばかりの60ストレート、アマゴを結ぶ。皆さんにお届けするにはほんの僅かだけれど不出来が見つかったので、自分用にさせてもらった。不出来を見つけちゃったんだから仕方ないな、まいったなと独りごちながらボックスにしまった。
1本増やせたぜ、ふっふっふ。


特にヤマメたちが元気だった。

60ストレートからソリスト50MD2へとローテした。得手が異なるこの両者、いくらか早く強い釣りから柔らかい釣りへと切り変えた。水とケンカしないこと。仲良くすること。どなたかにMDを使いこなすコツを聞かれるたびに、そう答えるようにしている。

とある流れ込みでは季節の移り変わりを感じた。日差しはまだ真夏そのものだ。少し歩けば汗が噴き出るほど蒸し暑いけれど、水の中はもう秋なんだと、イワナたちが教えてくれた。
ここで50MD2からソリスト40DDにチェンジ。狙い通り立て続けにイワナがヒットした。

40DDに変えてからもヤマメたちはよく顔を出してくれた。スーっと追ってきて、迷ったような素振りから思い切って食らいつくイワナは実に可愛い。比べるとミノーへアタックする早さ、強さがヤマメの魅力、この一瞬にこそヤマメのそれが凝縮されているように思う。


満足したので昼過ぎには早々に退溪した。

どうしてか、この日はいつもより足腰が疲れた。
強い日差しに浮かび上がる白い砂に横になって、流れに身を浸した。ああもういっそのこと、このままずっと夏が続けばいいのに。
流れ込みや淵を埋め尽くした砂、砂、砂。まるで海岸のよう。健全な流れだったらこの大量の砂も徐々に押し流され、いつかきっと海へとたどり着く。そして湘南だったり、大磯あたりの海岸を形作るはずだったのだ。
波の浸食で痩せ、失われつつあるこのあたりの海岸は砂をどこかから買ってきて、補充していると聞いた。かわりに山の中の溪で溢れる、行き場を失った砂たちもある。砂防の名のもとに作るだけ作った、けれど誰も浚渫など面倒なことはしないから溢れていくばかり。
ここにはサザンも浮き輪も夏を楽しむ人々の歓声もビキニも何にもない。砂たちが嬌声とともに第二の人生を謳歌することは、たぶんない。せっかく白い砂に生まれてきたのに。いくらか不憫な気もするけれど、静寂の中でひっそりと、ただ溢れてゆくのも悪くないんじゃないかな、そんな気もした。それにただ静寂ってわけじゃない。夏にはセミたちでうるさいぐらいだし、たまには釣り人がやってきて、足跡を残したりもする。寝転がる輩だっている。決してひとりじゃない。
しばし寝転んで目を閉じた。うん、人でいっぱいの海も夏らしくていいけれど、俺はやっぱりこっちだな。ああ無性にビールが飲みたいぞ。

タックル
ロッド:レヴェルトラウト5.0MT(2017ver)
2000番にナイロン5lb、のち4lb
ミノー:ソリスト40DD、50MD2、60ストレートほか
Photo&Report by 小平