ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

せっかちという性分

2017-03-26 18:56:35 | 日記
せっかちというのはつくづく損な性分だと思う。ネットの通販サイトで、
何かを注文したとしよう。その瞬間から、私は注文した商品が届くのを
心待ちにし始め、三日目ともなると、もう待ちきれなくなってくる。国
内の通販会社アマゾンの場合は、だいたい注文した翌日に届くことが多い
から、この会社は(パッケージングが多少仰々しいことを除けば)わりあ
い私の性分に合っている。それでもこの会社は、商品が届く日数を今より
もさらに短縮化しようとしているようだから、世の中には、私のような
せっかちがきっと少なくないのだろう。

アマゾンの配送の迅速さに比べると、中国の通販会社の配送スピードはス
ローモーに過ぎるように思える。毎回、注文するたびに焦(じ)らされて
腹立たしい思いをするので、この通販会社を利用するのはもう止めにしよ
うと思うのだが、いかんせん「商品の安価さ」という魅力には抗(あら
が)えない。たとえば、電子文房具の一つとして私が常々愛用するタブ
レットなどは、アマゾンの半額ぐらいの価格で購入できるのである。

今回、私が中国の通販サイトGearbestで「add to cart」のボタンをポチっ
たのは、3月21日のことだった。「出荷予定日」が3月23~24日となっ
ていたので、3月25~26日には届くだろうと踏んだ。ところが、である。
25日になったので、国内配送業者のサイトを開き、(1時間おきに!)自
分の伝票番号を入力して確認しても「伝票番号未登録」と出るばかりであ
る。商品がまだこの配送業者まで届いていないのだ。Gearbestのサイトを
開き、「View Tracking Message」をクリックすると、「3 25 14:* *
**」という表示が出た。中国語なのでちんぷんかんぷんだが、3月25日
の14時頃に中国の税関を通過したということだろう。これでは25日に日
本国内の配送業者に届くわけがない。運送業者のHPを当たっても、この商
品の現在の配送状況が分かるわけがない。この時刻には、私が首を長くして
待ち続ける当の現物は、(たぶん)飛行機の荷物室の中なのだから。

3月26日。つまり今日である。まだ国内配送業者のサイトに表示された
「伝票番号未登録」の状態に変化は見られない。まだ業者の手に渡らない
のか。それとも、日曜日なので、パソコンに情報を入力する担当者が、会
社を休んでいるのか?彼/彼女は情報の入力を、27日の月曜日に行うつも
りなのか?この担当者は、利用者の苦悩などそっちのけで、家族旅行に現を
抜かしているのではないか?今頃は、子供たちと一緒に、遊園地のアトラ
クションを楽しんだりしているのではないか? Oh my God!!!!!!

で、おまえは何を注文したのか、ですって?そんなに首を長くして、一体
おまえは何を待っているのか、ですって? 

はい、お察しの通り、タブレットです。「え、タブレットはつい最近、
買ったばかりじゃないのか。『理想の文房具』が見つかった、なんて言っ
て、喜んでいたんじゃないのか?あれからまだ2週間しか経っていない
ぞ!」
はい、はい。まあ、そうおっしゃらないでください。たしかに、あの時は
そう思ったのです。でも、安物はやはり何かと不満が出てくるものです
ね。今度はその不満点を解消するために、無理をして少し奮発したのです
よ。今度こそ本物の『理想の文房具』に出会えるはずです。まあ、そのあ
たりの、実際の使用感についてはですね、現物が届いてからご報告しま
す。え? そんなことはどうでもいい、ですって? そんなこと、言わない
でくださいな。これは私にはとても重要なことなのですから。
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森友問題 何が名誉毀損なのか

2017-03-25 11:50:10 | 日記
「森友学園の籠池理事長は安倍総理を侮辱した。」
自民党の竹下亘氏が放ったこの言葉は、次の意味に解すればその真意は
理解できる。「籠池理事長は、安倍総理の名誉を傷つけた。」
竹下氏はきっとそう言いたかったのだろう。籠池理事長の「安倍首相か
ら100万円の寄付金を頂戴した」という発言は、たしかに安倍首相の評
判を損なうものとして作用した。ではなぜ、そういうことになったの
か。

その理由は、籠池理事長が自分の窮地を脱するために、この発言を用い
たからである。籠池理事長は、小学校の設置に関する認可申請を取り下
げざるを得ない窮地に追い込まれていた。小学校の設立に安倍首相が積
極的に関与している、という事実を公にすれば、認可を下す官僚機構が
これを重く見て首相の意向を忖度し、その結果、自分は認可申請を取り
下げずに済むようになるかも知れない。籠池理事長はそう考えて、「寄
付金」云々の発言を行ったようだ。

しかし、政権サイドからすれば、一国の首相が一個人の私利私欲のため
に動くなど、あってはならないことである。首相が動くとすれば、それ
はあくまでも「公益」のためでなくてはならない。一国の首相が個人的
な関係によって、それもあろうことか、アブナイ極右思想を媒介にした
思想的関係によって、一民間人の私的事業に積極的に関与したとなれば、
首相の名誉も権威も著しく損なわれ、政敵にとって恰好の攻撃材料にな
る。これはなんとしても防がねば、と竹下氏は考えたのだろう。

政敵からの攻撃を防ぐために、官邸サイドがとったのは、籠池理事長の
発言を真っ向から否定し、寄付金の授受という事実そのものを無かった
ことにするという戦略である。首相夫人という制御不能のリスク要因を
抱えるなか、この戦略がどこまで功を奏するか、今後の展開が見もので
ある。
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証人喚問 祭りのあとのポスト真実

2017-03-24 17:22:27 | 日記
最近はボケたせいか、日本語の言葉の意味が理解できなくなってきた。
たとえば「侮辱」とは、どういう意味の言葉なのだろう。自民党の竹下
亘国対委員長が、森友学園の籠池理事長の国会招致を検討する考えを明
らかにした。籠池氏が安倍首相側から100万円の寄付を受けたと発言し
たことを受け、「これは総理に対する侮辱だ。(籠池氏に直接)たださ
なきゃいけない」と述べたというのだ。

「安倍首相から100万円の寄付を受けた」と言ったことが、なぜ「総理
に対する侮辱」に当たるのか?竹下氏の発言をテレビのニュースで知っ
た時、私は唖然としてしまった。「侮辱」とは、どういう意味の言葉な
のだろう?電子辞書で調べてみると、「侮辱」とは、「あなどり、はず
かしめること」とある。今風の言い方をすれば、「ディスる」というこ
とだろう。籠池氏の発言は、なぜ安倍首相をディスったことになるの
か。「総理の寄付にしては、金額があまりに少なすぎる。総理がケチで
あるように印象操作を行った。けしからん!」ということなのだろうか。
そうでないとしたら、「総理が彼ら極右の軍国主義者連中とつるんでい
るように印象操作を行った。けしからん!総理が親しくしているのは、
そういうアナクロのおかしな連中ではない」ということなのだろうか。

また、国会招致の目的も、私にはイマイチ理解できない。竹下氏が言っ
た「ただす」とは、どういう意味なのか。「ただす」とは、ふつうは
「質問する」という意味だが、ここでは「改めさせる」つまり「発言を
撤回させる」という意味でつかわれているように思える。あるいは、
「ホントにそういう印象操作の意図があったのか?」と籠池氏を厳しく
追及し、精神的苦痛を与えて、懲罰的な意味で彼を懲らしめる、という
ニュアンスも込められているように思える。

ともあれ、籠池氏は参考人としてではなく、(偽証罪を伴う)証人とし
て国会に喚問された。長時間、尋問の席に立たされた籠池氏は、苦痛を
感じる風もなく、むしろ飄々と、この場を楽しんでいるようにさえ見え
た。

案の定、真実は明らかにならなかった。寄付金の授受は密室での二人だ
けのやり取りであり、領収書などの物証も残されていないから、「寄付
金の授受があった」とする籠池氏の主張が真実であるかどうかは、判別
のしようがない。安倍首相サイドの狙い通りの展開になったわけだが、
質疑に応じる籠池氏は、堂々とした態度で、とても虚偽を述べているよ
うには、私には見えなかった。

これでは分が悪い、と見たためだろう、安倍首相サイドはさっそく明恵
夫人の名前で反論のコメントを出したが、この余計な反撃は、かえって
安倍首相サイドの旗色を悪くした感がある。具体的に見てみよう。コメ
ントは次の文章で始まっている。「私は、籠池さんに100万円の寄付金
をお渡ししたことも、講演料を頂いたこともありません。」
これは明恵夫人の主張を端的に述べたものだが、この主張を具体的に裏
付け補強するはずの続きの文章が、なんともあやふやなのである。「私
は、講演などの際に、秘書に席を外してほしいというようなことは言い
ませんし、そのようなことは行いません」と明恵夫人は述べている。で
は、(寄付金の授受があったとされる)肝心の当日はどうだったのか。
当日も、それまでと同様、そのようなことは行わなかったのか。「この
日も、そのようなことを行っていない旨、秘書2名にも確認しました」
と明恵夫人は言う。あれれ?「行っていない」ではなく、「行っていな
い旨、秘書に確認した」というのが、夫人の回答なのである。「秘書に
確認した」ことがホントであるかどうか、ということになれば、これは
内輪話と同じで、仲間内での口裏合わせによってどうにでもなることで
ある。そんな言い草が事実の真偽を判定する客観的な証拠になり得ない
ことは、火を見るよりも明らかである。

今は「ポスト真実の時代」であると言われる。虚偽が「もう一つの真実」
として、公然とまかり通る。アメリカのトランプ政権がこの風潮に火
をつけたが、安倍首相もこのアメリカ流のやり口を真似たわけではない
だろう。明恵夫人のコメントを代筆した官邸のライターは、「私が言っ
ていることは、事実ではありません。もう一つの真実です」と言いたい
ようだ。こんな言い訳がどこまで通用するのか、それも見物である。
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共謀罪改正案 その問題点

2017-03-22 18:01:17 | 日記
U太 「どうもよく分からないんだ。こんど政府が提出する共謀罪の改正
案、ええと、組織犯罪処罰法の改正案だっけ、名前はどうでもいいけ
ど、これに野党が反対しているよね。まあ、反対するのが野党の仕事み
たいなものだから、それはいいんだけど、分からないのは、反対する理
由なんだな。いったい野党はどういう理由で、この法案に反対するのだ
ろう」

U次郎「分からないときは、新聞を読むといいよ。とくに社説はね、そ
のあたりを要領よくまとめているから」

U太 「それじゃあ、この日経の社説なんだけど、こんなふうに書いているよ。
ええと、『政府は組織犯罪処罰法の改正案を閣議決定した。テロや組織的な
犯罪を、実行される前の計画段階で処罰できる「テロ等準備罪」を新設するの
が目的だ。いまの国会での成立を目指す。』とね。テロや組織的な犯罪を取り
締まる法律の、どこがいけないというのだろう?」

U次郎「それは、この法律が、テロや組織的な犯罪を、『実行される前の計
画段階で処罰できる』ようにするからじゃないのかな。東京新聞はこう書
いている。ちょっと長いけど、まあ聞いてくれ。『盗みを働こうと
企(たくら)む二人組がいたとしよう。だが、人間というのは犯罪を共謀
したからといって、必ず実行に移すとは限らない。現場を下見に行ったと
しても、良心が働いて「やっぱり悪いことだからやめよう」と断念する、
そんなことはいくらでもある。
  共謀罪が恐ろしいのは、話し合い合意するだけで罰せられることだ。
この二人組の場合は共謀し、下見をした段階で処罰される。そんな法案
なのだ。何も盗んではいないのに…。』」

U太 「なるほど。我々は聖人君子ではないから、良からぬことをよく考
えるよね」

U次郎「ストーカーとか、女の子の下着を盗むとか、だな」

U太 「もちろん、考えるだけで、そんなことは、実際にはしないけど。共
謀もしないし」

U次郎「そんなことをしたら、逮捕されて、ブタ箱にぶち込まれる。そ
れが分かっているから、フツーの人間なら、実行には移さない。でも
今度は、共謀した場合には、実行に移す前の計画段階で逮捕されるん
だ。そうなったら、どういうことになるのだろう?」

U太 「考えただけで実行しなければ、どうせ分かりっこないさ」

U次郎「いや、そうなれば、警察は計画段階で捕まえようとするから、
メールやLINEでのやり取りを、事細かにチェックするようになるだろう。
もちろんブログも恰好の監視対象だ。ブログで総理大臣の悪口を言っ
たりしたら、『国家転覆を計画した』とされて、ブタ箱行きになるか
も知れない。ブログの読者も共謀の相手だと見なされる」

U太「恐ろしい監視社会だ。オーウェルの近未来小説みたいで、気味が悪いな」

U次郎「東京新聞はこんなことも書いている。『専門家によれば、英米法系の
国ではかつて、共謀罪が労働組合や市民運動の弾圧に使われたという。市民
団体の何かの計画が共謀罪に問われたら…。全員のスマートフォンやパソコン
が押収され一網打尽となってしまう。もはや悪夢というべきである』とね」

U太 「ああ、そういうことか。それで分かったよ。民進党とかの野党は、
市民運動や労働組合を支持母体にしているからね。自分たちの根っこに
なっているそういう団体や運動を、政権側の弾圧から守ろうとしている
のだろう」

U次郎「とくに共産党は、その昔、治安維持法によって弾圧され、痛めつ
けられた歴史がある。だからこの法案には神経を尖らせるんだ。この法案
は、かつての治安維持法と変わらないと考えているからな」

U太 「市民運動の活動家が一般市民なのか、プロ市民なのか、よく分から
ないけど、警察がそういう人たちを捕まえて拷問にかけるなんて、考え過
ぎじゃないかな。戦前じゃないんだし」

U次郎「もちろん、今は野党にも、それを支える市民運動にも、政権を転覆する
だけの力はない。力のない現状では、市民運動なんて、政府は余裕で黙認し
ていられるさ。その余裕がなくなってきたら、政府のことだ、何をし始めるか
分からないけど」

U太 「いよいよの時になったら、政府がこれを持ち出す。対抗する野党
はこれを恐れる。政権側の『伝家の宝刀』になるのかな」

U次郎「与野党のバランスが変わって、勢力が拮抗する。いつそうなる
か分からないからな」

U太 「野党の心配が杞憂に終わらないことを祈るよ。与党がこの『伝家
の宝刀』を抜いて、世の中が監視社会になるのは困るけど」

U次郎「そうなったら、『ささやんの天邪鬼』が読めなくなるのは確か
だな」

U太「そんなことはどうでもいいけど・・・」
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対話  証人喚問の闇へ

2017-03-21 11:06:20 | 日記
U太 「森友学園の籠池理事長、国会の証人喚問がもうすぐだね」

U次郎「3月23日だったかな」

U太 「何が飛び出すか、楽しみだね」

U次郎「さあ、どうだろう」

U太 「安倍首相が森友学園に100万円寄付していたかどうかが、これで
はっきりする。証人喚問となると、嘘が許されないからね、安倍首相が
100万円寄付したかどうかがはっきりするよ。成り行き次第では、安倍首
相の首が飛ぶことも、あるんじゃないかな。
100万円のことを暴露したのは、籠池理事長にすれば、しっぺ返しのつも
りなんだろうね、信頼していた安倍さんが自分を裏切ったから」

U次郎「切り捨てられたトカゲのしっぽが、窮鼠になって噛み付いたとい
うところか」

U太 「ホント、窮鼠猫を噛むだね。支持者を見捨てて窮鼠にした付け
は、小さくなかったということだ」

U次郎「でも、領収証はないんだろう。ちゃんとした物証がなければ、金
銭の授受の証明はできない。この件は水掛け論に終わるだけだ。それに、
安倍さんが寄付していたことが仮に証明できたとしても、安倍さんは法律
に違反したことにはならないから、どっちにしても安泰だよ。」

U太 「しょせんネズミはネズミ。ネコにはかなわないということか」

U次郎「100万円の暴露にはしっぺ返しの意図があると言ったけど、それを
暴露したことで、籠池理事長はかえって安倍さんを助けてしまった面もあ
るんだ」

U太 「どういうこと?」

U次郎「明らかにしなければならないもともとの問題は、国有地の売買に
不正はなかったか、そこに政治家の働きかけはなかったか、ということ
だった。それが、100万円についてのあの籠池発言で、問題は『安倍首相
は森友学園に100万円寄付したかどうか』というちっぽけな問題にすり替
わってしまった。このちっぽけな問題に対してなら、安倍首相は『法律に
違反することはやっていない』と主張できるから、籠池発言によって問題
がすり替わったことは、安倍さんにとっては、助け舟と同じなんだ」

U太 「なるほどね。だから自民党は、籠池理事長の証人喚問に積極的だっ
たんだな」

U次郎「安倍さん以外の政治家たちの中にも、これで助かったとホッとして
いる人はいるんじゃないか」

U太 「今度の証人喚問がそういうものだとしたら、面白いショーにはな
りそうもないね。ガッカリだな」

U次郎「なにしろ野党がいまいち力不足だからな」

U太 「一強多弱か。落ち着く先はいつも同じだね。野党に頑張ってもら
わないと、国会が面白くならない」

U次郎「おいおい、国会はワイドショーの舞台とは違うんだ。でも、ま
あ、今の野党はたしかに力不足で物足りない。相手が稲田防衛相ぐらいな
らちょうどいいけど、安倍さんが相手ではとても歯が立たない」

U太 「歯がゆいね」

U次郎「歯亡び舌存すという言葉もある。もう少し生暖かく見守ろうじゃ
ないか」
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