ささやんの週刊X曜日

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

WHに見る原発の未来

2017-03-30 14:15:07 | 日記
東芝の米子会社WHが経営破綻した。WHは原発の建設事業をすすめる企業
だが、(原発の建設という)その事業内容が巨額の赤字を生み出すとした
ら、今後の原発事業の、その未来はどういうことになるのだろうか。

今後、原発を建設する企業は現れず、したがって原発の新しい施設は建設
できなくなる。そうなれば、原発によって従来通り電力をまかなうには、
既存の原発施設をそのまま(老朽化したまま)稼働させねばならないこと
になるだろう。

老朽化した原発施設は、それだけ事故のリスクも高くなる。リスクを低減
させるには、(WHが迫られたような)メンテナンスのための大きなコス
ト負担が欠かせず、その費用負担は消費者にまわされることになる。そう
なれば、原発の電力はもはや安価なものではなくなり、電力自由化の流れ
のなかで、原発事業そのものが淘汰の憂き目を見ることになるだろう。

そもそも原発建設事業は、なぜ巨額の赤字を生み出すに至ったのかーー。
WHが経営破綻した、その原因をググってみた。

各メディアがあげるのは、2011年に起きたフクシマ原発事故の影響であ
る。事故が起こってから、規制が強化され、安全対策の負担が増えるとと
もに、工事の遅延もあって、人件費が予想外にふくれあがったのである。

日本で起こった原発事故が、アメリカの原発事業の、その経営内容に大き
な影響を与える。これは意外な展開だが、原発事故はそれだけ深刻なダ
メージを広範囲に与えるということだろう。

原発事業を今後待ち受けているのは、泥沼のような悪循環である。原発新
施設の建設中止、老朽化した原発の増加、原発事故の増加、メンテナンス
費用の増大、原発電力価格の上昇、原発事業の経営悪化、・・・・・・。

こうして今後、原発そのものが中止への斜陽の成り行きを辿るとしたら、
そこに至る浮沈こもごもの経緯は、黎明期に特有の、試行錯誤のプロセス
だったことになる。フクシマの犠牲者たちも、望ましい未来への避けがた
い人柱だったと考えれば、すこしは浮かばれるだろうか。

コメント
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