きのうリハビリ・デイサに行ったら、
女子トレーナーのB子さんがこんなふうにつぶやいた。
「あしたはクリスマス・イブかぁ。あ〜あ、あたしは今年もイブぼっちだわ」
そして、
「Cさんちに行っちゃおうかしら」とも。
Cさんは36歳の男子スタッフで、1ヶ月前に結婚したばかり。
出産のため、このデイサを辞めたA子さんの後任として、
数ヶ月前に他の系列店からこのデイサに回されてきた。
新入りではあるものの、ベテランの生活相談員である。
「新婚さんの家に行くのはまずいんじゃないか」
私が言うと、
「それはわかっているけど。でもねえ・・・」
私にはB子さんの気持ちが解らないではない。
B子さんはきっと寂しいのだ。
その寂しさは、どうやら「クリスマス・イブは恋人と過ごす」という
最近の風潮から来ているらしい。
この風潮は、「クリスマス・イブは恋人と過ごすべし」という
強迫観念となって、
多くの「ぼっち」たちを悩ませているらしいのだ。
私はといえば、妻との生活も早40年。
毎日が変哲もない日常の繰り返しで、
ハレもケもあったものではない。
のみならず、最近はコミュニケーション上の齟齬が目立ち、
孤独を感じることが多くなってきた。
「あなたがもし孤独を恐れるのならば、結婚すべきではない。」
ロシアの作家チェーホフはそう言ったというが、
この箴言を身をもって実感している天邪鬼爺のこの頃である。
Cさんは何年後に、この言葉を実感するだろうか。