一人の髪の毛の長い背の高い細身の女性が机に座り、ノートパソコンを叩いています。
彼女の名はレイカ(31)・・・とある雑誌の取材記者です。
「えー、それでは、タケルさん、夜の日本学「先人考察(女性編)」・・・お願いします。今日は誰について語ってくれるんですか?」
と、レイカはノートパソコンを叩きながら、赤縁のメガネを手で直し、こちらを見つめます。
「うん。そうだな・・・以前、紫式部さんについて書いたんだけど・・・今日はその作品「源氏物語」を見ていこう」
「もちろん、今日一回と言うだけでなく、着想が進んだら、また見ていく・・・とにかくどこまでも追求していきたい題材だからね」
と、タケルは話し始めます・・・。
さて、今日の「夜の日本学」はじまり、はじまりー・・・・。
「まず、この「源氏物語」は誰の為にどんな目的があって書かれたか・・・それを明確にしておこう。レイカちゃん、通説を説明してくれるかな」
と、タケルは言葉にする。
「はい。通説として言われているのは、当時の一条天皇には、当時の摂政・関白を務めた藤原道隆の娘定子が皇后でした」
「この定子は、一条天皇より四歳年上で、美しいだけでなく、あらゆる文化的才能を身につけていました。この定子のサロンにあの清少納言がいたんですね」
と、レイカ。
「清少納言の「枕草子」は、文学好きな一条天皇を喜ばす為に書かれたとも言われているね」
と、タケル。
「そうなんです。そして、一条天皇はこの定子を殊の外に気に入り、そのサロンに入り浸るんですが、一方で当時の有力者になりつつあった」
「藤原道長がその娘、彰子を後宮に入れています。道長とすれば、この彰子を一条天皇に気に入ってもらい、その子を作ってもらいたい」
「しかし、当の彰子はまだ、12歳でまだ、子供と言ってもいい年齢で、一条天皇も、そういう目で見ていたようです」
と、レイカ。
「道長からすれば、自身が政権を奪取した暁には、この彰子に一条天皇の子をもうけてもらって、政権の安定化を図りたい・・・」
「しかし、当の彰子はまだ子供、一条天皇も、そういう目でしか彰子を見ていないから、お気に入りの定子のところへ入り浸り」
「なかなか、彰子の元には訪れない・・・彰子の子供っぽさ、その彰子の元に、なかなか訪れない一条天皇、と言う2大ネガティブに遭遇した」
「藤原道長が考えた、それをポジティブに変える方策こそ・・・紫式部に「源氏物語」を書かせ、文学好きな一条天皇の前で、朗読の上手い女に朗読させ」
「ま、現代で言う、朝のテレビ小説的に・・・一条天皇をその物語のファンにさせちまおうと言うのが、道長の第一の作戦だったと思うね」
と、タケル。
「なるほど・・・まずは彰子の部屋に一条天皇が通う策を成したと言う事ですね?」
と、レイカ。
「もちろん、「源氏物語」を道長がプロデュースしたわけじゃない。多分、旦那に早くに死に別れた紫式部が、暇にまかせて「オトコとオンナの物語」を」
「書いていたのだろう。それを他人に見せ、その反応を楽しんでいた噂は千里を走り、道長の元に「面白い「オトコとオンナの物語」を書く女性がいます」」
「という情報としてもたらされた・・・定子が「清少納言」の「枕草子」で一条天皇を釣っているのを見ている道長は「これだ」と言うことで」
「そのオンナを一条天皇を釣る「餌」とする事を思いついた・・・そう考えるのが自然だね」
と、タケル。
「じゃあ、紫式部は初めから「清少納言」をライバル視していたんですね。だから、日記に清少納言の悪口が書いてある・・・謎が解けました」
「清少納言は、紫式部に関して口を開いていないばかりか、気にも止めていない風情。当たり前ですよね、だって彼女は好きに思ったことを「枕草子」に」
「書いていただけで・・・清少納言は「知恵者」の「純思考者」の賢い女性ですもんね」
と、レイカ。
「そ。ここに「枕草子」と「源氏物語」の構造的本質的違いがある。「枕草子」はそれこそ、清少納言が思ったことを素直に綴ったエッセイそのものだ」
「誰かに見せると言う意図がはじめに有りき、と言うより、「思ったことを書き留めたい」と言う清少納言の意図が最初にある」
「しかし、「源氏物語」は、最初から一条天皇を喜ばせる意図を持って書き出されている。だから、男女の恋愛物語なんだよ」
「もちろん、日本人の最高のしあわせ物語が「玉藻成す」と言うことは、それこそ奈良時代、柿本人麻呂が働いていた宮中だから、皆当然の如く知っていただろう」
と、タケル。
「なるほど・・・一条天皇に「朝のテレビ小説」のように、聞かせる為に、その意図を持って「源氏物語」は書かれた・・・」
「この前提が出来ると、なぜ、源氏物語の主人公に抱かれた女達がしあわせになれないか・・・そのからくりがわかってきますね?」
と、レイカ。
「ほう。それはどういうこと?」
と、タケル。
「「二人はしあわせに暮らしましたとさ、めでたしめでたし」となったら、お伽話は終わりじゃないですか。だから、一条天皇に次の話を期待させたいうちは」
「物語は終われないわけだから、光源氏に抱かれた女性達は皆、不幸にするしかなかった・・・そういう事です」
と、レイカ。
「なるほど・・・それは確かにそうだろうね」
と、タケル。
「さらに言えば・・・光源氏は常に強引にレイプしているし、さらには「僕の言う事、する事は誰も止められない。天皇自身、僕を愛しているからさ」と」
「ある種、傲慢とも言える物言いをしていますが・・・これも書き手の女性の目から見れば当然の事で、光源氏をそういう存在にしておけば」
「女性達は、何もしなくても、何も考えなくても・・・光源氏にエッチしてもらえる・・・すべての罪は光源氏が被り、女達に罪はないようにしている」
「つまり、この物語は、一条天皇に「朝のテレビ小説」的に興味を持ってもらい、彰子の部屋にお出まし願うと言う意図を最初に持って描かれた物語ですが」
「実は・・・その奥にもうひとつの理由が隠されているんです」
と、レイカ。
「ほう、今日は冴え渡っているね、レイカちゃん・・・じゃあ、そのもうひとつの理由を聞かせてもらおう」
と、タケル。
「それこそ、ズバリ、彰子の大人の女性化を狙ったんです・・・オトコとオンナがどのような経緯でエッチに到達するか」
「・・・その様々な物語を彰子に聞かす事によって・・・彰子だって女性・・・ある時から、子宮でその物語を聞くようになったでしょう」
「美しい光るの君が、時に妖艶に、時にロマンチックに、時に強引に美しい女性、美しくない女性にも情を感じ、抱いていく物語」
「・・・彰子はいつの間にか「濡れる」と言う体験を、その物語を聞くうち体験したはずです・・・大人の女性化の第一歩です」
と、レイカ。
「なるほど・・・確かにそれはあっただろうね・・・」
と、タケル。
「しかも、彼女は、その強引だけど、美しい容貌を持つ光源氏を、いつもやさしくしてくれる一条天皇の中に見始めたはずです」
「考えて見れば一条天皇は臣籍降下した光源氏より、上位の天皇そのものです」
「・・・もちろん、光源氏が臣籍降下した理由は、有力な後ろ盾を亡くした光源氏が宮家を保つのは無理と言う父親の判断ですが」
「・・・もしかしたら、一条天皇を光源氏より尊い存在として、彰子に思わせる為に、藤原道長と紫式部が協議して、そういうカタチにしたのかもしれませんね・・・」
「これは道長の意図・・・それを紫式部がカタチにしただけだろうと思います」
と、レイカ。
「なるほど・・・レイカちゃんの中では、「源氏物語」のプロデューサーは藤原道長で、それをカタチにする作家が紫式部と言う役割分担と見ているんだね」
と、タケル。
「紫式部は、一度結婚しただけで・・・しかも、普通12歳くらいから16歳くらいまでに結婚するのが普通の世の中で、紫式部が結婚したのは26,7歳」
「しかも相手は50近いおっさんです。要はもらい手が無かった。「源氏物語」を読むとわかりますが、美しい女性は美しいと素直に書いてあるのに比べ」
「醜い女性の形容詞が多彩です。末摘花なんて「鼻は象のようで先端が曲がっている」しかも「痩せて背中の骨が浮き出ている」なんて言われている」
「要は貧乏と言う事を言いたいんですね。空蝉もまあ、ブスだと書かれている。また、花散里なんて「髪の毛が薄い」なんて書かれていて」
「「髪は女の命」とまで言われた平安時代にあって、ある意味、最強の不美人表現でしょう」
と、レイカ。
「その話・・・僕も最近まで下膨れの顔で不美人だったから、わかるけど、僕はこの「源氏物語」を読んだ時に、末摘花を光源氏に抱かせたり」
「空蝉が光源氏の「忘れられない女性」にされていたり、花散里が紫の上に相談を受けるくらい慕われていたと表現をしているところから」
「紫式部は相当な不美人だったんだろうなって思ったよ。だって、紫の上こそ、紫式部が自身を投影しているキャラにして、自身の分身そのものだろ?」
「その紫の上に光源氏の妻と言う最高の役割を与えているわけだから、彼女は自分自身の幻影を光源氏に娶らせて、遊んでいたんだよ」
「・・・そこでリアルライフで獲得出来なかったしあわせを得ようとしたんじゃない?」
と、タケル。
「わたしも、ズバリ、そう思っています。下らない作家遊び・・・それだけ紫式部のリアルライフは悲惨だった・・・オトコには殆ど相手にしてもらえなかった」
「そういう中年女性の悲しい妄想・・・が透けて見えてきますね・・・なんか、すっごく嫌、そういうの・・・」
と、レイカちゃん。
「わたし、女性だから、わかりますけど、不美人な女性は不美人に厳しいんです。この日本には不美人ヒエラルキーが厳然たる事実として存在しています」
「例えば、女性同士では、こんな理不尽な判断がなされていたりするんです」
「・・・「あなたはこれくらいブサイクなんだから、ブサイク1級ね。そのブサイク1級のあなたは、ブサイク5級止まりのわたしより下なの」」
「「だから、わたしの見初めた、あのオトコにあなたは絶対に手を出してはいけないの」・・・と言う意識がブサイク女性の間で一般的に持たれているんです」
と、レイカ。
「へー、そうなんだ・・・それは知らなかったな・・・」
と、タケル。
「だから、そういう不美人な女性の中には当然「美しい男女万能説」があります。つまり、美しければ、そういう男女は何をやっても構わない」
「・・・つまり、最初に戻りますが、なぜ、光源氏が何をやっても許されると考えているかと言うと、この不美人の中にある」
「「美しい男女万能説」に拠っているんです。そこからも、作者の紫式部が不美人であったと言う事が証明出来ると思います」
と、レイカ。
「なるほど・・・さすが同じ女性だけあって見方が僕より一段も二段も上だ」
と、タケル。
「それに決定的なのは・・・「紫式部日記」に「藤原道長が夜来て戸を叩いた。だけど、わたしは朝まで戸を開けてやらなかった」と自慢げに書いているところですね」
「つまり、裏を返せば、そういう事が紫式部の人生には、ずーーーーーーーーーーーーーーーーっと無かったからこそ、そういう事が一度でもあったことが」
「紫式部としては嬉しくて嬉しくて・・・思わず自慢せずにはいられなかったんでしょうね」
と、レイカ。
「そう考えてくると、紫式部って、単に男性にモテない、外見的にも不美人な女性だったから、外にもあまり出られず・・・家で悶々と妄想するうちに」
「それを男女の物語として書き出して・・・男性に人気の無い彼女だからこそ、不美人な女性には人気で・・・それでいろいろ書いて皆に見せている内に」
「噂が藤原道長の元に届き、お互い利用しあった・・・そういう話なんだ。要は紫式部は外見的に「ローポテンシャルコミュニティ」の長になる」
「単なる寂しがり屋の不美人なおばさんだったんだね・・・ほら、今でもいるだろ?女子には人気のある、おしゃべりな不美人の中年のおばさん」
「・・・それが紫式部の本当のビジュアル的なイメージなんだね・・・」
と、タケル。
「つまり、普段から女子会を頻繁に開いていたブサイクな中年おばさんの妄想趣味が「源氏物語」に結実したんです」
と、レイカ。
「でもさ・・・じゃあ、そんな家の中で悶々としてるおばさんが何故にあんなに面白い男女のネタを、あんなにたくさん、思いつくことが出来たの?それは不思議じゃない?」
「デートすら、あまりしたことのない女性が・・・確かせっかく結婚した相手も2,3年で死んじゃうんだよね?」
と、タケル。
「ええ、結婚生活は3年余りだったと言われています。わたしが、藤原道長がプロデューサーで、書き手が紫式部と言ってるのは、まさにそのことなんです」
と、レイカ。
「え?どういうこと?」
と、タケル。
「それだけの男女のネタを持っていて、紫式部に提供出来たのは、もちろん、紫式部の夫などではありません」
「誰もが手をつけなかった醜女の紫式部を奥さんにするくらいですからね」
「・・・もちろん、すでに何人もの奥さんをその男性は持っていたけど、それ程モテる男性ではなかったのは紫式部を奥さんにしているところからもわかる」
「だって、美学が無いでしょう?醜女を周囲に侍らせるなんて・・・」
と、レイカ。
「うん、まあ、それは言えるだろうね」
と、タケル。
「つまり、これだけの男女の秘め事を情報として提供出来たのは、たったひとり・・・当時、今在原業平と言われた藤原道長その人しか考えられないでしょう?」
と、レイカ。
「そうか・・・「灯台下暗し」でその事を忘れていた・・・確かに実力者、藤原道長なら、多くの女性を籠絡してきただろうからね・・・」
と、タケル。
「藤原道長がかつての自分の秘め事を、学だけはあるけど、何の経験もない、妄想を物語にすることしか楽しみも無ければ、能もない不美人な女に語って聞かせたんですよ」
「そして、それらの膨大な情報にうっとりした紫式部は、それを自身の持つ仏教的知識と美学、女性としての美意識にて再構築し、子供の彰子が大人の女性に成熟する」
「目的を持って・・・ある意味、彰子専用のレディスコミックとして編まれたのが「源氏物語」なんですよ。もちろん、彰子はそれを聞いていく過程で」
「一条天皇を光源氏に見立ててオナニーも経験しているでしょう。もちろん、そこまで来れば一条天皇を男性としても意識するはずですから」
「彰子は、一人の女性として匂い立つような官能の炎に燃え、一条天皇を見るようになりますから、自然、その大人の女の官能を身につけた彰子に」
「一条天皇は気付き・・・彼女を抱き、子を成した・・・そういう意味で言えば、「源氏物語」は何の事は無い彰子専用のレディコミだったんですよ・・・」
と、レイカ。
「なるほど・・・同じ女性の事だけに、ビビットにその状況を語るねー、レイカちゃん」
と、タケル。
「実際、彰子は、20歳の時・・・まあ、入内して8年目ですけど、第二皇子・敦成親王(後一条天皇)を産み、翌年、敦良親王(後朱雀天皇)を産んでいます」
と、レイカ。
「・・・ということはさ、レイカちゃん。源氏物語と言えば、その昔から、「主題はあるのか?あるとすれば何か?」という論議が様々あるけど」
「・・・今のレイカちゃんの文脈から言ってどんなだと思ってる?」
と、タケル。
「「源氏物語」の主題ですか?それは簡単ですよ」
「「ひとりの少女を発情する官能的な大人の女性に教育する書・・・大人の仏教的美学と大人の女性の嗜みもちゃんと教育するもの」です」
と、レイカ。
「・・・と言う事は最後に聞くけど、この「源氏物語」は複数作家説があるけど、その真偽の程はどう?」
と、タケル。
「タケルさんが普段言ってるじゃないですか・・・聖徳太子複数説なんて低能で馬鹿な「知識者」の「俺偉い病」レベルのいわゆる「思考停止者」な学者が」
「「知識者」のおごりで、「知恵者」の素晴らしさも理解出来ずに「知恵者」=「純思考者」の手柄を単に横取りしようとして」
「「知識者」の手柄にしようとしているに過ぎないって。「燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らんや」そのものだ、恥を知れって・・・」
と、レイカ。
「そうだったね」
と、タケル。
「「源氏物語」の場合もそうです。わたし的には、彰子が入内して8年目に子供を生みますから・・・その8年間でどこまで紫式部が「源氏物語」を書いたか」
「・・・それを知りたいですけど・・・彰子が第二子を生んだあたりで、プライドの高い紫式部は自分の役目を終えた事を悟ったと思います」
と、レイカ。
「なぜ、レイカちゃんは、紫式部がプライドが高いと?」
と、タケル。
「彼女は自分の容姿の事には一切触れていませんから・・・それだけ、プライドも高かった・・・」
「作家の中には、「俺、ブサイクだからな」って書くことで読者の心を掴む手法を取る男性だってたくさんいるじゃないですか?」
「でも、そういう男性は決まってイケメンだったり、「純思考者」の「知恵者」だったりするんです。だって本を売るためなら、なんだってするでしょう?作家って」
と、レイカ。
「そうだね。僕も自分の顔が下膨れだった事は写真をブログに出している瞬間にバラしているからね。もっともそれは将来解消する気があって」
「ビフォー・アフター的にその写真を使えれば読者的にも面白いかなって思ってしたことなんだけどね」
と、タケル。
「タケルさんは、人間性が果てしなくデカイから、そう思えるんですよ」
「それに対して紫式部は、デートの経験すら無いんじゃないかってくらい、人間性が小さく弱い存在です」
「だから、家にいるしか無くてある意味、妄想力が進んだ結果が「源氏物語」に結実したんです。だから、プライドだけは断然高かったと言えるんです」
と、レイカ。
「だから、彼女は彰子が第二子を生んで程なく、宮廷生活から離れ、出家したんじゃないでしょうか?」
「それでも、周囲はこの女性が「源氏物語」の作者であることを知っていた・・・だから、周囲から、リクエストされるうち、紫式部も思い直して」
「場所を変えて、残りの「源氏物語」・・・特に「宇治十帖」あたりは、なんとなく抹香臭いイメージがありますから、出家後の寺で書いてたんじゃないでしょうか」
と、レイカ。
「もちろん、こういうネガティブな言い方をするのは、「源氏物語」が素晴らしい美意識に彩られ世界的評価を受けている素晴らしい作品だから」
「その事に敬意を持ちつつ、だからと言って遠ざけるのではなく最も身近に感じて欲しいから、あえて言うのであって」
「そこはお汲み置きくださいね、タケルさん」
と、レイカ。
「もちろん、それは、わかっているさ。相手は懐の深い世界的評価も高い「源氏物語」だ。それくらい許してくれるよ」
と、タケル。
「しかし・・・やっぱり、女性の事は女性に聞くもんだね・・・今日一日で「源氏物語」について、いろいろな事がわかったよ」
「ありがとう、レイカちゃん」
と、タケル。
「どういたしまして・・・いつものタケルさんへの恩返しです、今日は」
と、レイカは目の笑う、いい笑顔でタケルを見た。
「さ、仕事はこれくらいにして、飲み行こうか、「知恵者」のレイカちゃん」
と、笑顔で立ち上がるタケルでした。
「はい。もちろん、お供しますわ」
とレイカは立ち上がり、赤縁のメガネを取り、髪を解いた。
(おしまい)
なるほど・・・今日は「源氏物語」についていろいろ勉強しちゃったような感じですね。
そういう意味では、「源氏物語」は少女教育様のレディコミだった・・・はすごい卓見だと思います。
いやあ、女性の事は女性に聞くもんですね。
ではでは。