亡き世子の息子ウォンソンに毒を盛った犯人を探し出す出そうとする王妃だが、脅されてウォンソンにいたずらをした女官も計画の全貌は分からないのだ。
息子の命を守りたい世子の妻は「宮廷を出たい」と王妃に泣きつき、王妃自身も「世子に外部の薬を飲ませるように手配したのは王妃では」と疑い晴らすべく、いわゆる聴聞会に出なければならない。
しかし、この王妃、四面楚歌のような状況でも一歩も引かない。お抱え医師たちが「外部の薬」と王妃の手引きを非難するものの、「薬は世子の妻から貰った物」と自分は全く関わっていないと強気の発言だ。
息子ウォンソンを守りたいと、外に出たいという彼女を一周回って守るべく、彼女を悪者に仕立て上げる作戦だと分かってはいても、その圧に圧倒される。
更に王妃の息子たちが気に入らない大妃に対抗すべく、敢えて「世子選別大会(!)」を開く事を望む王妃。
直系で継承されるはずの王位。それが難しい時に実力のある者を選ぶという目的の「世子選別大会(!)」。
これまでは、本来の目的とはかけ離れ、直系の継承を阻止すべく、意図的に開催されていた「世子選別大会(!)」を、王妃は「自分の息子たちの実力を見せ、その力で世子の立場を勝ち取って欲しい」とソンナム大君にその思いを伝えるのだ。王妃と大妃のパワーに押されがちな息子たちの奮起する姿が見られるんだろうか・・・
持ち前の利発さで本命にも思えるポゴム君は、なんと自ら大妃に自分のポテンシャルの高さとやる気をプレゼンするのだ。
王主催で始まった「世子選別大会(!)」は、数日間をかけて野山を走り、矢を放ち、その後は王が各自に与えた人物を探し出してくるという、それぞれミッションをクリアするというスタイル。後方支援の母親たちのあれやこれやの画策がヒートアップしないよう王妃は母親たちの刺繡の会を開いて静かに見守ろうとするのだが、そんな平和な選抜大会になるわけがない。皇子同士があれやこれやの鍔迫り合いをやりあうのはまだかわいいものだが、なんと王がもしもの時の為に送り込んだ護衛達がいなければソンナム君が命を狙われたであろう襲撃が起こる。
王は当然後ろで糸を引いていると思われる貴人の父親を呼びつけるものの、確たる証拠は現場に残された矢のみ。選抜大会中に事を大きくすれば、選抜大会の正当性も疑われると、逆切れとも思われる理由付けで、選択肢を潰された王は疑惑追及の手を緩めるしかないのだが、「王妃としてでなく、母として原因究明します」と王が止めるのも聞かずに動き出すのは王妃。
結局、貴人の父親は自分の孫に優位になるようにソンナム君を邪魔しようとしただけで、それに乗っかり「必殺!」という指令を出していたのはなんとソンナム君の祖母でもある大妃だったことが分かる。
嫁姑争いと権力争いが合体すると孫の命さえも殺める選択をする大妃の恐ろしさもさることながら、煎じれば毒薬になる花を大妃に献上する王妃も負けていない。この二人の間には「やられたらやり返す」というルールしかないのだ。
****
王がソンナム君とボコム君に出したミッションは、かつて自分と同じ情熱を抱いていた仲間を再び宮廷に連れ戻す事。王となり立場が変わってしまったことで彼と袂を分かつ事になってしまったが、世子の隣には彼がいるべきという判断をした王。母である大妃の振舞いに悩まされながらも、王の座に就き、苦労している事が良くわかる。
****
王妃VS大妃の迫力がとにかく凄く、世子になりたい皇子たちの印象が薄くなりがちなのが残念だ。