銀行に勤務するハンスは、転勤で故郷の済州島に20年ぶりに戻ってくる。学生時代、背も高く、スポーツも出来、いわゆるイケている男子高校生だった彼。
20年後の今、プロゴルファーを目指す娘と妻はアメリカにおり、彼は逆単身赴任の夫として韓国に残り、友人たちにまでお金を借りて二人に送金する日々だ。
娘の成功のためにすべてをかけてきたものの、なかなか目は出ず、妻と娘はゴルフを辞めて帰国したがっており、彼に残ったのは借金のみ。そんな状態で故郷に戻る彼は、高校時代、自分を好きでいてくれたウンヒが手広く商売をしている姿を見て、まぶしく思う。
家庭の事情で高校を中退し、ひたすら仕事だけを頑張ってきたウンヒにとっては、ハンスと過ごした高校時代がまぶしい思い出だったのだ。あの思い出だけがあれば元気で生きていける・・・そんな風にして、結婚もせずに地道に働いて手にした今の仕事。そんなところにスーツを着た銀行員のハンスが戻ってきたのだ。「私の初恋!」とサバサバとした様子で声をかけるものの、心の中では、あの当時のことを思い出さずにはいられない。
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ハンスとウンヒ、この二人の姿を見ているとユーミンの@卒業写真を思い出してしまう。
ウンヒにとってハンスは「あなたは私の青春そのもの」であり、ハンスにとっては「人込みに流されて変わっていく俺を、遠くで叱ってほしい人」がウンヒのようだ。
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ハンスのように家族を海外に送り出し、自分は一人韓国に残る父親(キロギアッパ)が幸せいっぱいに描かれるドラマは見たことがない。どのドラマも、一人韓国に残る父親はどこか寂しく切ない。キロギは雁という意味。渡り鳥のようにさすらって苦労の絶えない生活だから・・・ということからキロギアッパと呼ばれるとの事。
済州島を舞台にしたこのドラマは、出演者がほぼ全員主演級という破格のキャスティングでオムニバス形式でドラマは進むとの事。