一枚のはがきを受け取って、その知らせにショックを覚え、涙した。親しい友人の死。父親を幼くして失くし、苦学生としてそれでも東大の博士号を取得した友人。わたしは彼を30年以上前から知っていた。彼がうつのときにわたしは一冊の本を送ったらしいがそれすら覚えてないくらいわたしたちは長いこと交流がなかった。私が癌で入院したとき、友人グループの中でひとり見慣れないメールアドレスの人が私をいたわる優しいメッセージをくれた。ところであなたはどなたですか?と聞いたらその友人だったのだ。わたしは彼をある英会話のグループで知っており、家に遊びに行ったこともあるのに、彼が東大で博士号をとったことも教職にあったことも覚えていなかった。または最初から知らなかった。それだけ私にとって彼は単なる知人に近い友人だった。
彼の短いけど優しい一言が誠実に感じられ、その一言のためにメールを交換する友人に発展した。友人はなんでも知っていて、たとえばなぜ水の色は緑なの?と聞くと彼はA42枚ぐらいの説明を書いてくれる。私の数行のメールに対して彼はいつもぎっしり書いてくれる。デジカメ写真をよく送ってくれたので私も影響を受けて、デジカメを買い、それが私の生活に大きな影響を与えた。
最近わたしは猫の動画を撮るのに夢中になったり他のことに夢中になったりして、彼にあまりメールを書かなくなった。それまでは色々なことを書いて、自分にとっては悩みの相談相手であり、愚痴を聞いてもらう相手であり、知的な刺激を受ける相手であった。いつもそばにいてくれると思っていた友人がこの世に存在していないと思うととても寂しい。メールを送ったらすぐ返事をくれそうなそんな気がしてしょうがない。
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