Creating yourself

「自分発見の旅から自分創造の旅へ」  

芸術の秋

2006-10-30 20:40:01 | 日記
この秋、気にいりのマッサージ屋さんが引っ越していき、愕然としていた自分は、休みといえばゴロゴロ韓ドラを見るか、家の掃除をしているかの怠惰な日々を過ごしていた。そんな私も秋らしい、4つのイヴェントの招待を受けた。

ウィーン・アルカディア・ピアノ四重奏団のコンサート。ウィーンフィルの第1ヴァイオリン奏者のエーリッヒ・シャゲレルの演奏はぴか一。プロの奏者に対してうまいというのはお門違いだろうが、艶のあるヴァイオリンの音色とその響き渡る音量はほれぼれするほどだ。室内楽は眠くなるので好んで行くほうではなく、今回は招待されたから行ったものの、四重奏団でモーツァルトの交響曲第40番を弾くというのは、またずいぶん大胆なという感じだったが、王子ホールという小さな会場では十分音が出ていた。

某有名大学病院の内科部長をしている川上先生のカンツォーネのコンサート。本院から調布の分院に移されたのに、実に多くの患者さんが皆調布までついて行ったそうな。3時間も4時間も待たされても、この先生は人気者で誰一人文句なく待ちつづけるそうだ。その先生の趣味がカンツォーネ。趣味といってもプロ級。のびやかでやさしい声はパット・ブーンを思い出す。世の中には一人で複数の才能を持っている人がいるが、神様は才能に関しては人間を不公平に作ったものだと思う。

韓国語によるライオンキングのミュージカル。韓国での披露の前の試演会ということだったが、なかなか素晴らしかった。なんたって舞台装置がよくできている。砂漠の中を駆け抜ける場面なんか臨場感あり感動もの。子どものシンバはかわいらしく、大人のシンバはかっこいい。”アムドオプソ?”“トウォジュセヨ”父親が死んで誰か助けてと叫ぶ子どもシンバの悲痛な叫び声にはうるうるっときた。

ベルギー王立美術館展
ルーベンスといえばフランダースの犬。ベルギーといえばチョコレート。もののついでにアントワープに立ち寄ったことがある。日本語を話し徴兵制度のために台湾で東洋医学の勉強をしているところを一時帰国している学生に出会った。自分のうちの自転車を貸してくれ、一日中公園や博物館を案内してもらった。仲の良いご両親は二人で自転車に乗って広い公園を駆け巡るのだとか。もう20年も前のことだが今ごろどうしているのだろう。
どうも絵画はぼうっとしてみてもよくわからない。今度行くときは解説を聞くことにしよう。





スズメに思う

2006-10-16 19:33:08 | 人生
いつものように階段を上がって、地下鉄のホームに着くや弱ったスズメが足元にちょこんとたたずんでいる。スズメは元気に飛んでるかぴょんぴょん飛び跳ねているのしか見たことがないから、人ごみの多い階段の上がり口でじっと動けずにいるのは、なんだかすごくいたましい気がした。駅員さんに踏まれないようどこかにのけてあげてと言って電車に乗ったが、私はいつの間にかいろんな生き物が好きになってることにあらためて気づいた。

娘が生まれて15年の間に色々な生き物を飼う経験をした。インコ3羽、ザリガニ数匹、めだか、ハムスター、そして今も大切な家族の犬1匹と猫2匹。生まれた田舎には羊や牛や犬がいた時期があったが、あまり可愛がった覚えがない。動物が好きという意識がなく大人になっていた。鳥だって、ハムスターだって初めて触るのはこわかったし、ザリガニだってお箸でしか触れたことがない。猫だって子猫は可愛いけど、大きくなっても可愛いと思えるか心配だったくらいだ。飼っているうちに愛情がわいてきたのだ。

この年になると飛べないスズメにも自分の人生を重ねる。生けるものはいつか死ぬ運命にあるのだが、スズメ一羽が人に踏まれずにせめて静かに逝けますようにと思った。

猫にひっかかれた壁紙をはがし、新しい壁紙を貼りながら、思わぬところにはがれた跡を見つけた。前飼っていたインコのピピがつついた跡だ。なつかしくいとおしくなった。そこは貼らずにそのままにしておこう。ピピがいたしるしに。