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ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

トランプ氏と同じ

2025-07-01 08:13:42 | 我が国の教育行政と学校の抱える問題

「将棋より麻雀?」6月21日
 書評欄に、作家佐藤優氏による『「老いの思考法」山極寿一著 文藝春秋』についての書評が掲載されていました。その中に気になる記述がありました。『類人猿は自分と相手の2者間で交渉する際に相手の考えを読むことができますが、人間は3者間、4者間の社会交渉でそれぞれが何を考えているかを推し量ることができます』という記述です。
 この記述を読み、正直少しがっかりしました。私は類人猿に近いのではないか、と思ったからです。私は将棋が趣味です。自分ではやりませんが、新聞の囲碁欄にも目を通します。ですが、マージャンは大嫌いです。誘われたことはありますが、断固として断りました。理由はというと、自分以外の3人の相手について心を読まなければならないのが鬱陶しいのです。混乱してしまいますし、落ち着いてじっくり考えることができないのです。
 その点、将棋はたった一人の相手の心だけを読めばいいのです。楽ですし、深く掘り下げることができます。スポーツでも同じです。バレーボールは好きではありません。12人が一つのコートで同時に動く、やはり混乱してしまうのです。中高と部活は卓球部でした。1対1で向かい合う方が性に合っています。教員になってからも、新たに馴染んだのはバドミントンと軟式テニスでした。やはり1対1です。
 つまり私は4者間の社会交渉は苦手な類人猿型の人間なのだと思い、遅れた人間であるような気がしてしまったのです。まあそれはともかく、学校教育では、類人猿型ではなく、大勢の人々と同時に関係性をもつことができるタイプを目指すべきであることは言うまでもありません。
 特にネットを通じた交流が多くなり、自分と同じタイプの「仲間」都の交流ばかりが増えていく現在、意図的に大勢の人の心を読んで行動できる能力は大事です。一時期、学校教育に囲碁を取り入れるという取り組みが注目を浴びたことがありました。もちろんそれも悪くはありませんが、大勢の、ということを考えると麻雀の方が望ましいのではないでしょうか。
 また、読書や映画やドラマの鑑賞も効果がありそうです。スポーツも大勢が同時に動くもの、ラグビーやサッカー、バスケットなどが有望ということになります。と、ここまで書いてきて何かおかしいという思いも湧いてきます。広く浅く型ではなく狭いけど深い洞察をするタイプの人間も必要なはずですから。ただ、差別的な意味ではなく、類人猿型の子供にも、その逆の型の子供にも、今の自分に足りないものを身につけさえるための意図的な選択肢の提示という視点で考えてみることはあってもよいと思います。
 ところで、多国間の協議を嫌い、二国間のディールを好むトランプ氏、典型的な類人猿型なのでしょうか。私は彼とは反対のタイプでいたいのですが。

 

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