わくわく活動日記

山本ゆきこ~子どもこそ未来

金沢市営水力発電所現地視察ー小水力発電の可能性探る

2011-08-18 23:52:27 | 市議会
 8月16日、社民党議員団で金沢市営水力発電所の現地視察を行いました。
 金沢市は、5か所の水力発電所を設けて、全国で唯一水力発電事業を行い、4万戸分の家庭で使用する電力を発電しています。

 午前中は、市内での小水力発電可能地域についての案を検討し、午後1時半から5時半ころまで、企業局職員の案内で現地視察を行いました。
 今回は、犀川上流の内川水系のダムや発電所を視察しました。
 上流には、「オロロ」といわれるアブの一種が多発しているとのことで、長袖、長ズボンの作業服、長靴という完全武装で出かけました。

 三口新町にある発電管理センターで説明を受けてから、内川の上流から下流に向かい、新内川第二発電所(取水口も)、内川ダム、新内川発電所、新内川ダムの順に視察しました。

 内川の上流、菊水の取水口付近は、山を境に河内村や鶴来町と接するような位置にあります。噂の「オロロ」が大量発生していました。車の周りを包み込むように勢いです。車から出ると、オロロが車内に入る恐れがあることから、下車することは断念しました。この取水口から3,500mの導水路で100mの落差を利用した新内川第二発電所があります。(写真)最大出力3000kw、約4,000戸分の発電量です。

 その下流にあるのが、多目的ダムの内川ダムです。
 さらに下流に新内川発電所と新内川ダムがあります。新内川発電所は、内川ダムから取水し、1,850mの導水路、113mの落差を利用し、最大出力は7,400kwです。発電所内のタービンの軸が激しく回転している様子を視察しました。

 さらに下流の平沢(ひらそ)川砂防ダムは県の管轄です。満々と水をたたえている平沢川ダム貯水池の有効利用について検討されてもいいように考えますが、県の管轄ということで詳細は不明です。

 企業局としては、新たな小水力発電に取り組むには、費用対効果とスケールメリットが課題であるとのことでした。再生エネ法により全量固定価格買い取り(ランニングコスト)が実現しても、初期投資費用(イニシャルコスト)が高いハードルとなっています。

 岐阜県や富山県は包蔵水力も高いことから、小水力発電が大変進んでいます。富山県砺波市に庄川合口発電所が10日に発電開始し、現在、15か所で小水力発電が運転中、7か所で建設中ということです。庄川合口発電所は、土地改良組合が保有し、総工費3.6憶円の半分は経産省の補助金利用。水利権取得など事務手続きが煩雑なため、富山県は岐阜県とともに国に手続きの簡素化などを要望する考えで、富山市は水力発電の特区申請ができないか検討しているとの報道があります。