新米ガイドの朱美ちゃんと妻。朱美ちゃんも良い奥さんになっているんでしょうね。
観光船の窓からウミネコにパンを投げるスベルべです。頭も若かったなー。
「冬の岩手路の旅」(その3終わり)
翌朝、再び佐々木運転手、朱美ちゃんとの旅がスタートした。
コースの最初は、観光船による浄土ヶ浜巡り。
再び驚きのスタート。なんと314人乗りの観光船の客は、また私達二人のみ乗せて岸壁を離れたのである。
乗客二人に船員四人。クイーンエリザベスの旅もかくやの観光旅行である。
船に付いて飛ぶ、餌付けされたウミネコには、四人分のパンをサービスした。
遠野市の民話の里では、私達四人だけのために、お出まし願ったと思われるお婆さんの、
民話を聞きながら囲炉裏端での昼食となった。
平泉の中尊寺にはさすがに、他の観光客もいたが、金色堂の中は又も二人だけだった。
そして夕方、今夜の宿は南花巻温泉と告げると、佐々木運転手は会社に連絡すると、小声で言っていた。
その結果なんと「宿まで送らせて頂きます。」との事。
なんと最後は観光バスをタクシー代わりにしてしまったのである。少し二人との別れがつらかった。
翌日の、宮沢賢治記念館見学も、客は私達の他は一組のみ。
岩手地方は、この時期としては久し振りの大雪だったとの事でもあった。
結婚二十五周年でもあった、勤続三十五年の旅は、面白くそして少し淋しい東北旅行にはなったが、
東北の人情と食べ物の旨さに触れ、一生の思い出となる旅だった。
新米ガイドの朱美ちゃんに代わって一言。「岩手に一度おいでんせ。」
(終わり)
(あの忌まわしい東北大震災のためにほろ苦い思い出になってしまいました。)