めったにない冬の客に重い腰を上げたかのようなおばーちゃん
遠野の昔話を聞かせてくださいます。ここでも聴衆は4人なんですから。
冬の岩手路の旅(その2)
新米ガイドの朱美ちゃんは、一生懸命にメモを見ながら手抜き無しで説明してくれる。
でも、「右てをご覧下さい。右に見えてきますのは」とガイドしてくれるのだが、実は自分から見ての右。
私達から見ると左だと言うご愛嬌。そんな初々しさも嬉しい。
二人のためにだけ、民謡も披露してくれる。
佐々木運転手は、無理の無いスムーズな運転をしてくれる。
東北人らしい純朴二人と快適な、でも少し照れくさいバスの旅となった。
観光地、旅館も同じ事。龍泉洞と言う鍾乳洞に入ると何やらにぎやかな声。
誰か先客がいると喜んだのだが、なんとこれは無人の説明放送の声だった。
さすがに二人では気持ちの良いものではなかった。
そそくさと、予定所要予定時間の半分程で回り終えてしまった。
浄土ヶ浜のホテルに入る直前、二人は遠慮がちに言った。
「明日も私達のバスに乗っていただきます。」私達に不満など有ろう筈もないが、
又二人だけと思うと少し気が重い。
宿に着き桧風呂に入ると言って、張り切って出かけた妻は、誰も居ず怖かったと早々に引き上げてきた。
(続く)