言葉の丁寧さや配慮はどの世界でも最重要ではないかと思います。
昨日の朝日新聞天声人語より
2008年11月5日(水)付
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「がん闘病を体験したエッセイスト岸本葉子さんによれば、
医師の説明を聞くときはペンと紙が大切らしい。
聞きながらメモをとっていく。
難しい専門用語が分からないときは、
ペンを持つ手が止まる
▼止まることで、言葉が理解できていないと自分で分かる。
医師も気づく。だから聞き直せるし、医師の方から丁寧に
かみ砕いてくれることもあるそうだ。
先ごろ東京であった「あたたかい医療と言葉の力」
というシンポジウムでお聞きした
▼患者と医師の会話は多くの場合、不安の中ではじまる。
緊張もある。「白衣高血圧」と言って、
白衣を見るだけで血圧の上がる人もいる。
そのうえ弱る気持ちを抱えていれば、メモを心がけたにしても、
難語の理解は楽ではない
▼そうした言葉の壁を低くできないかと、
平易に言い換える取り組みが進んでいる。
国立国語研究所の委員会が、まず57語についてまとめた。
「浸潤」は「がんがまわりに広がること」、
「寛解」は「症状が落ち着いて安定した状態」など例が並ぶ
▼カタカナ語も多い。それらを読んで、
わが無知と誤解もずいぶん正された。
そして「願わくば」と思った。分かりやすくなった言葉が、
医師の心の温かみを乗せていてほしいものだ
▼亡くなった臨床心理学者の河合隼雄さんは
「病に対する最大の処方は希望である」という言葉が好きだった。
医療現場の多忙は知りつつ、胸にたたんでほしい至言と思う。
温かみに裏打ちされたとき、医師の言葉は「わかりやすさ」を超えて、
患者をささえる「力」となるのに違いない。」
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昨日の朝日新聞天声人語より
2008年11月5日(水)付
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「がん闘病を体験したエッセイスト岸本葉子さんによれば、
医師の説明を聞くときはペンと紙が大切らしい。
聞きながらメモをとっていく。
難しい専門用語が分からないときは、
ペンを持つ手が止まる
▼止まることで、言葉が理解できていないと自分で分かる。
医師も気づく。だから聞き直せるし、医師の方から丁寧に
かみ砕いてくれることもあるそうだ。
先ごろ東京であった「あたたかい医療と言葉の力」
というシンポジウムでお聞きした
▼患者と医師の会話は多くの場合、不安の中ではじまる。
緊張もある。「白衣高血圧」と言って、
白衣を見るだけで血圧の上がる人もいる。
そのうえ弱る気持ちを抱えていれば、メモを心がけたにしても、
難語の理解は楽ではない
▼そうした言葉の壁を低くできないかと、
平易に言い換える取り組みが進んでいる。
国立国語研究所の委員会が、まず57語についてまとめた。
「浸潤」は「がんがまわりに広がること」、
「寛解」は「症状が落ち着いて安定した状態」など例が並ぶ
▼カタカナ語も多い。それらを読んで、
わが無知と誤解もずいぶん正された。
そして「願わくば」と思った。分かりやすくなった言葉が、
医師の心の温かみを乗せていてほしいものだ
▼亡くなった臨床心理学者の河合隼雄さんは
「病に対する最大の処方は希望である」という言葉が好きだった。
医療現場の多忙は知りつつ、胸にたたんでほしい至言と思う。
温かみに裏打ちされたとき、医師の言葉は「わかりやすさ」を超えて、
患者をささえる「力」となるのに違いない。」
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