横浜映画サークル

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メンバーが選ぶ2022年前半に観た映画で良かった、又は印象的な作品(2/3)

2022-07-11 23:23:12 | メンバーが選ぶ良かった、又は印象的な映画

(1/3)の続き。

O.Aさん

2022年前半の印象的な映画の

1本目『余命10(2022年3月4日公開)監督:藤井道人

出演は小松菜奈と坂口健太郎。2007年に刊行された小坂流加原作の同名小説の映画化

原作者の小坂流加は2017年2月に他界している。享年38。主人公(小松菜奈)は、原作者の小坂流加とほぼ同一キャラクター。自伝的な小説です。

映画は、原作では2000年代だった設定を2011年から2021年の激動の10年間に変更しています。開幕早々に2011年である旨が表記されます。観客はどう考えてもこの10年間(震災に始まりコロナ禍で終わる)世相を反映してくると思って鑑賞しますが、本編では全く時代を映す出来後は描かれませ。世間の出来事とは関係なく二人の男女の話に終始します。これなら原作から時代設定を変える必要はなかったのでは?と疑問に思ってしまいします。

余命10年』というタイトルから話の結末は大半の人が予測できてしまうし、このタイトルで観に来る観客層も限定されます。『新聞記者』や『ヤクザと家族 The Family』といった社会派の作品が続いた藤井監督なのでこの映画への起用は意外な気もしますが、過去に『青の帰り道』という青春映画も撮っているので、このジャンルも得意な分野なのかもしれない

(下の画像は左に主人公役小松菜奈、右は相手役の坂口健太郎)

画像出典:SPICE小松菜奈と坂口健太郎による“10年間”の日常、抱き合い涙を流す場面も 映画『余命10年』から劇中カットを一挙解禁 (C)2022映画「余命10年」製作委員会 https://spice.eplus.jp/articles/295713 (閲覧2022/7/10)

 

2本目『ハケンアニメ!(2022年5月20日公開)監督:吉野耕平

辻村深月の『ハケンアニメ!』の映画化。原作が話題になった時から「派遣アニメ」だと勘違いしている人が大勢いましたが『覇権アニメ』が正解。と言って『覇権アニメ』という言葉自体が一般的ではないので、このタイトルが原因で興行収入が低調だったのではという意見が出ています。しかし、鑑賞した人の評判は良いので、本当の勿体ない作品でした。原作では文字でしか表現されない劇中アニメを実際に映像化しているのだから相当に手間を掛けているのでこの映画が「ハケンエイガ」になれなかったのは皮肉なものです。因にこの時期の「ハケンエイガ」は『シン・ウルトラマン』でした。アニメファンに訴える内容と思いきや同時期公開の『映画 五等分の花嫁 』にアニメ客を持っていかれたと分析する業界人もいました。映画の出来は本当にいいです。

(下の画像は主な出演者)

画像出典:映画.com「ハケンアニメ!」https://eiga.com/movie/96179/ (閲覧2022/7/10)

3本目『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版(6月17日公開)監督:西谷弘

世界一有名な名探偵シャーロック・ホームズを日本に舞台を移しての映画化。「バスカヴィル家の犬」は過去に何度も映像化されています。原作を読み返して鑑賞してきました。ハッキリ言ってこの「バスカヴィル家の犬」はミステリーとしてのストーリーはかなり弱いです。むしろこの小説の肝は巨大な犬の描写で、しかも口から火を吐く魔犬という設定になっています。ここが最大の売りで、過去の映像化を「魔犬」をどう映像化するかが最大のポイント。なので、どちらといえばこれはモンスター映画の部類に入ります。ところが、この日本版は「魔犬」の映像化が過去最低の出来になっています。現代風にブラッシュアップしたと言えば聞こえは良いですが、原作ファンは肩透かしを食う出来になっています。しかも、ラストに原作にない展開が用意されており、これも恐らく多くの原作ファンには不評だと思います。ただし、ディーン・フジオカのホームズと岩田剛典のワトソンコンビは良かったです。役者陣には非はないです。脚本に原因があると思います。調べてみると脚本の東山狭は、監督である西谷弘の変名だそうです。

(下の画像は資産家から娘の誘拐未遂事件犯人の捜査を依頼された探偵役のディーン・フジオカ左と岩田剛典。資産家は依頼後すぐに謎の死を遂げる)

画像出典:MOVIE NALKER PRESS映画『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版』(c)2022「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」製作委員会https://moviewalker.jp/mv75320/  (閲覧2022/7/10)

3本とも小説の映画化でしたが、やはり小説と映画は別ものと考えていた方がよいようです

 

H.Oさん

ドキュメンタリ映画で、『フェルナンド・ボテロ 豊満な人生』が、よかったです

解説・予告編:https://eiga.com/movie/96228/

ボテロは、コロンビアのピカソと呼ばれている90歳近い画家で、まだ生存している画家の中で、世界で最も有名な画家のようです。

先日まで渋谷の文化村で彼の展覧会があり、一緒に上映されていたので見ました。

展覧会案内:https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/22_botero/

無名な画家から、生存する画家の中で最も有名な画家に上り詰めた半生が描かれていて、どうして、この独特の表現になった訳や、ブレない生き様は、格好よかったですね。映画を観てから絵画鑑賞は、一層楽しめますね

(下の画像左はフェルナンド・ボテロ本人。画像右は展覧会パンフレット)

画像出典左と右:TRAICY日本国内で26年ぶりの大規模展『ボテロ展 ふくよかな魔法』Bunkamura ザ・ミュージアムにて2022年4月29日(金・祝)~7月3日(日)開催決定! http://release.traicy.com/posts/20211130308068/ (閲覧2022/7/9)

 

S.Tさん

1番目『雨あがる(2000日本 監督小泉堯史、脚本黒澤明)

さわやかさ、痛快さがあるので、1度観て時が経ってから再び2回目、3回目と観てしまいます。毎回心に残る場面が新たに追加されていきますので、いい映画はこういう映画を言うのかなと思います。

ストーリ:長雨のために川を渡ることができず、近くの安宿に多くの貧しい旅人が、水が引くのを待つ何日かの出来事を描く。旅人の中に剣の達人でありながら人が善すぎて主君などとうまくいかずに旅に出ることになった貧しい主人公夫妻がいる。宿の旅人たちが長雨で持ち金が乏しくなり食べるのにも困っている状態を見かねた主人公はやむを得ず近くの剣術道場に行き賭け試合をして勝ち、得た金で旅人たちの飲食に充て、皆に感謝される。

主人公は侍の果し合いに遭遇し、割って入り止めると、地元の城主がその話を聞き主人公に仕官しないかと持ち掛ける。あとは見てのお楽しみ。

感想:3回目に見たときには次の場面が特に心に残る場面になりました。宿の中で、隅の方にいつもいた女性で、一人だけで誰とも会話することがなかったが、主人公の妻が、雨が上がり、宿から旅立つと聞き、2階から急いで降りてきて初めて話しかける場面、「ご新造さん、これは煙草の灰ですけど、つばで練って草鞋(わらじ)とこすれて痛くなった足のところに塗ると楽になりますよ」と。この女性は体を売ってずっと一人で生きてきたことはわかるが、それ以上は映画からはわからない。主人公とその妻に何かをしてあげたいという思いの、この女性ができる精一杯のことがこの煙草の灰だったのだろうと思う。人から親切にされたことがなかったであろうこの女性の人生が見えるように思い、ジンと来る場面だった

雨あがる』は黒澤明が脚本を書き、映画製作前に亡くなってしまいましたが、黒澤作品の最高傑作と思う『7人の侍』のような活劇場面はないのですが、観るたびに魅力が増し『7人の侍』とは別の庶民を描く視点で傑作映画ではないかと思うようになり、今回ベスト作品にしました。

(下の画像左は安宿の貧しい旅人たち。中央に主人公役寺尾聰がいる。画像右は終盤の雨が上がり川を渡った主人公夫妻、後ろは妻役の宮崎美子)

画像出典:椿の庭 | 映画 | WOWOWオンライン:写真界の巨匠・上田義彦が富司純子とシム・ウンギョンを主演に迎えて初の映画監督に挑んだ人間ドラマ。亡き夫や娘たちとの思い出が詰まった家を守る女性の人間模様を綴る。https://www.wowow.co.jp/detail/176589/-/01 (2022/7/2閲覧)

2番目『椿の庭(2021日本 監督上田義彦)

人生に後ろ向きの感じで好きなタイプの内容ではないが、じっくり描き上げる文芸作品のような重厚さがあるので取り上げました。四季を感じ取ることができる椿のある庭を持つ古い家で、主人公は若いころを思い起こしながら、思い出の中に生きている。人生はむなしく、消え去っていくものだと描き上げているように思う。多くの人がこのような人生を送るのかもしれない、私自身もそうかもしれないと思いました。とてもテンポがゆっくりで、刺激的な場面はなく、映画作者の意図がこのテンポの遅さに表されているように思う。人生はいろいろの出来事の中でいつの間にか時が流れ、消えて行ってしまうと。

予告編1分44秒:https://www.youtube.com/watch?v=pWXGldp0sHI 

(下の画像は中央に主人公役富司純子、右に孫娘役シム・ウンギョンが椿のある庭に面した縁側での場面。主人公は凛とした女性。左上に椿の枝が見える)

画像出典:椿の庭 | 映画 | WOWOWオンライン:写真界の巨匠・上田義彦が富司純子とシム・ウンギョンを主演に迎えて初の映画監督に挑んだ人間ドラマ。亡き夫や娘たちとの思い出が詰まった家を守る女性の人間模様を綴る。https://www.wowow.co.jp/detail/176589/-/01 (2022/7/2閲覧)

3番目『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2022米 監督コリン・トレヴォロウ  原題Jurassic World: Dominion直訳ジュラシック・ワールド:土地所有権)

これから観たい作品:7月末から日本公開。二子玉川109シネマズの6000円のVIP席で観ようと思っています。現在ほとんどの時間を困難な仕事に集中しているので旅行へ行くでもなく、豪勢な食事をするでもなく、このVIP席は唯一の贅沢です。VIP席については本ブログの表題「二子玉川109シネマズ、グランド・エグゼクティブシート6,000円行ってきました」

https://blog.goo.ne.jp/yokohamaeigasa/e/83338afd3cfa0dadc70db3ca034fd548  を参照してください。

このシリーズは欠かさず見て、毎回期待を裏切らない迫力のある恐竜の世界を見せてくれるので、楽しみにしています。

予告編2分4秒:https://www.youtube.com/watch?v=xlxrUahdSDE

(下の画像は雪の森林の中にいる恐竜。前作でカナダの森林に多くの恐竜が逃げ出したので、私はカナダの森林と思う)

画像出典:CNN「ジュラシック・ワールド」新作、初週の北米興収は190億円。「ジュラシック・ワールド」新作が好調な滑り出し/Universal Pictures https://www.cnn.co.jp/showbiz/35188862.html (閲覧2022/7/2)

(3/3)へ続く。

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