映画鑑賞大学ノートが6冊になり、その中から今回は10作品を掲載しました。題名左のAAA~Cは映画の良かったものをAにしてランク付けしていますが、観た時の雰囲気で記していて、厳密なものではありません。題名の次の年数は特記なければ日本公開年、国名は製作国。ネタバレも含みますのでご了承ください。以下ノート抜粋。
AAA`『レイジング・ブル』(1981米 監督マーティン・スコセッシ 主デ・ニーロ 原題:RAGING BULL G訳:激怒した雄牛)
登場人物が、それぞれ魅力的で(特に妻,弟)自然な演技。音楽,ラストのテロップ(「そこでパリサイ人達は~」)も効果的。ロバートの試合のシーン、パブの経営者になった主の姿を映くシーンなど、非常にいい。主とその妻はSEXYでエロティック。天才と呼ばれた男の栄光と崩壊を描いている。
(下画像左:ボクシング場面、右に主人公役デ・ニーロ、実在のプロボクサーの自伝作品。画像右:妻役のキャシー・モリアーティ)
画像出典左:洋画専門チャンネルザ・シネマ スコセッシ&デ・ニーロ。名コンビが『レイジング・ブル』でなし遂げたこと。https://www.thecinema.jp/article/1005 閲覧2025/4/14 画像出典右:allcinema キャシー・モリアーティ https://www.allcinema.net/person/48147 閲覧2025/4/14
AAA’『ダーク・ハーフ』(米公開1993日本公開2017年 監督 ジョージ・A・ロメロ 原作:S.キング 原題:The Dark Half)
まとまりのあるストーリー展開。主人公である作家の精神性をポイントとして描かれた映画。殺し、脳解剖のシーンのリアルな気味悪さ。鳥、動物を使う上手さ。子供の表情、セリフの巧みさなど、文句なく面白い。
(下画像左:二つの人格を持つに至る主人公。主人公は少年の時に激しい頭痛で脳の開頭手術を受ける。医者は脳に目玉や歯などが埋もれているのを見つけ、それが原因として取り除いた。医者は主人公の母の妊娠時を担当しており胎内で双子の所見があったので、一方が脳の中で成長したのだろうと理解した。主人公の頭痛はなくなり、時が経って大人になる。主人公に別の人格が頭をもたげてくる。画像右:鳥が激しく飛び回る場面)
画像出典左と右:【映画レビュー】『ダーク・ハーフ』1993年 https://torizoubirdbrain.hatenablog.com/entry/2021/01/09/000000 閲覧2025/4/14
AA’『青い凧』(1994中国 監督 田壮壮(ティエン・チュアンチュアン) 原題:藍風箏)
見ていて疲れる映画。しかし、人間におけるリアリティー、情に対する描き方は秀逸。
(下画像:窓から外を見ている母と子が主人公。子は父親と青い色の凧を揚げるのが大好きだった。1950年代から1960年代にかけての波乱の中国を舞台に母子の人生が描かれる)
画像出典:Amazon青い凧【字幕ワイド版】[VHS]表紙 閲覧2025/4/14
AA’『何かいいことないか子猫ちゃん』(1965英仏米、監督クライヴ・ドナー、脚本ウッディ・アレン、出演ピーター・セラーズ,テイタム・オニール,ロミ・シュナイダー 原題: What's New, Pussycat? G訳:プッシーキャットさん、何か新しいことある?)
シュナイダーが美しい。軽いノリであるがリズムとテンポが良く、映画展開も早く、美しいので見ていて飽きることがない。リラックスして見れる映画。
(下画像:[DVD]表紙の長髪ピーター・セラーズとロミ・シュナイダー)
画像出典:Amazon:What's New Pussycat [DVD]表紙 閲覧2025/4/14
AA『獅子座』(1959制作1990日本公開仏 監督:エリック・ロメール監督デビュー作 原題:LE SIGNE DU LION G訳:獅子座)
人間の本性をラストに至るまで、セリフとその行動でシビアに描いてはいるが、裏づけのあるモノなので納得できる。主人公が余りにも情けなく、見ているのが嫌になる程。ラストの浮浪者はいい。
(下画像左:伯母の遺産をあてに、借金で遊びまわる獅子座生まれの主人公男性。遺産は遺言で主人公に来ない。借金に追われ主人公は貧乏のどん底に。画像右:万引きで捕まり「働け!」と店主に袋叩きにされているところを浮浪者に助けられる。浮浪者の台車に乗せられている主人公。キネマ旬報によれば「同じ年に製作された『勝手にしやがれ』や『大人は判ってくれない』と並ぶヌーヴェル・ヴァーグの記念碑的作品」)
画像出典左: Amebaゴダール、トリュフォー、活躍の影で黙殺された傑作 獅子座(‘59)https://ameblo.jp/pyscipks/entry-12623961649.html 閲覧2025/4/15 画像出典右: ネガティブ小屋の映画廃人たち、処置なし 働け!『獅子座』 73点 http://natsukusa919.blog19.fc2.com/blog-entry-184.html 閲覧2025/4/15
A『黄落(こうらく)』(1998市原悦子ドラマスペシャル、演出:深町幸男、音楽:福井俊、原作:佐江衆一、主演愛川欽也,市原悦子,西村晃)
落ち着いてみることのできる渋線ドラマ。音楽が良く、映像が一つ一つ美しい。西村と愛川が特にいい味を醸し出している。
(下画像:中央に高齢の父役西村晃、作品公開の前に他界。左右に息子夫婦役愛川欽也と市原悦子、中央に孫役。パンフレットには「介護をめぐる三世代家族が織りなす葛藤。愛と希望そして出発ー。名優:西村晃,渾身の演技・遺作」とある)
画像出典:シネマ係長の秘密基地 黄落https://ameblo.jp/kotokailove/entry-12701518387.html 閲覧2025/4/15
A『惨殺の斧~悪い子のサンタクロース:悪魔のサンタクロース 惨殺の斧』(1984米 監督チャールズ・E・セリアー・Jr 原題:Silent Night, Deadly Night G訳:静かな夜,死の夜)
主人公、格好いい。恐さという点でも標準以上だが、主の精神面を重視した為、ストーリーにリアルさが加えられたエロティックなお遊びシーンもちゃんと作っており、又、子供と恐怖感を結び付けている点がいい。大人の勝手な行動により傷つけられた主のトラウマから生まれた悲劇。
(下画像左:病院の祖父を見舞った帰り道、サンタクロース姿の強盗に両親が惨殺されるのを隠れて見る少年時代の主。画像中左:孤児となって孤児院で虐待を受け続ける主。画像中右:大人になった格好いい主。画像右:玩具屋に就職すると無理やりサンタクロースの衣装を着せられ悲しそうな主、その姿のまま「社会のクズ」を殺し始める)
画像出典左:大爆笑シーンはどこでしょう? 悪魔のサンタクロース 惨殺の斧 https://ameblo.jp/dougadaisuki0/entry-12860725122.html 閲覧2025/4/16 画像出典中左と右:つらい…つらすぎる…神も仏もあったもんじゃない胸糞絶望クリスマス「悪魔のサンタクロース/惨殺の斧」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(593日目) https://note.com/shibusan_3/n/n9325fc659a9f 閲覧2025/4/16 画像出典中右:@niftyココログ 斧マニア 悪魔のサンタクロース http://isikari.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/post_ded8.html 閲覧2025/4/16
B『エンブリヨ』(1977米 監督ラルフ・ネルソン:本作に似た内容の“アルジャーノンに花束を”を映画化した監督 原題:Embryo G訳:胚)
難しく、シビアなストーリーであり、深く考えさせられる映画。ホラー映画としては、精神的な恐怖感が強く、たのしめるモノとは程遠い。種の保存、生命、人間の神秘性を感じさせる。主が余りにも揃い過ぎて(美,才能,知能)少しつまらない気も~。
(下画像左:成長ホルモン剤の研究をしている主人公が事故死の犬から胎児を人工子宮に移す場面。人工子宮内で犬の胎児は急成長し高い知性を持った。画像右:自殺未遂の妊娠女性からの胎児を入手、人工子宮容器で犬と同様に育て、急成長した女性主人公。女性は美、才能、知能を備えていた)
画像出典左:Amazonエンブリヨ - Embryo –DVD表紙、トリミング。閲覧2025/4/16 画像出典右:『エンブリヨ』 予告編 https://www.youtube.com/watch?v=yNDD3gXFArA 閲覧2025/4/16
C『カーフュー 戦慄の脱獄囚』(1989米 監督ゲイリー・ウィニック 原題:Curfew G訳:門限)
弟は知恵遅れの様で少し恐い。殺人の繰返しは、ショッキングだ。魅力的な人物は、全く出てこないが、シビアな映画。
(下画像:映画ポスター。少女惨殺で死刑囚兄弟が脱獄。有罪にした関係者や裁判官を次々惨殺。検事宅では一家全員を監禁。帰ってきた検事の娘は、殺人鬼兄弟に死闘を挑む)
画像出典:映画ナタリー カーフュー ~戦慄の脱獄囚~ https://natalie.mu/eiga/film/806926 閲覧2025/4/16
C悪魔の餌食(1979米 監督メイル・ザルチ 原題Day of The Woman/I Spit On Your Grave G訳:女の日/あなたの墓に唾を吐きます)
主がとてもSEXY。レイプシーンが残忍だったせいか、復讐シーンでは十分スッキリさせられる。男の嫌な部分をすべて取り入れ、血祭りにした様な映画。
(下画像:DVDの表紙には「八つ裂きにしても飽きたらぬ奴ら!地獄に堕ちろ!!」)
画像出典:Rakuten 悪魔のえじきCD/DVD 閲覧2025/4/16
以上です。