横浜映画サークル

サークルメンバーの交流ブログです。

メンバーの鑑賞感想や映画情報など気軽に記述しています。

メンバーが選ぶ2015年後半に観た映画で良かった、又は印象的な作品(その2)

2016-01-13 21:05:09 | メンバーが選ぶ良かった、又は印象的な映画

メンバーが選ぶ2015年後半に観た映画で良かった、又は印象的な作品(その1)」の続き。(ブログの制限文字数を超えたので分けました。)

Mさん

きみはいい子』(2015日本)

東京の名画座で「高良健吾」特集の2本立てで『軽蔑』と同時に鑑賞した1本です。真面目だがクラスの問題に正面から向き合えない新米教師(高良健吾)、幼い頃に受けた暴力がトラウマになり、自分の子どもを傷つけてしまう母親(尾野真千子)など、子どもたちやそれに関わる大人たちが抱える現代社会の問題を通して、人が人を愛することの大切さを描き出す。庶民的な母親として演じている池脇千鶴がいい感じです。一部、 児童役の子達にリアルにインタビューするシーンが違和感なくはまっていました。

(下の画像左は新米教師の岡野〔高良健吾〕、右は母親水木〔尾野真千子〕とその子供あやね〔三宅希空〕)

 

画像出典左:Motion Gallery映画『そこのみにて光輝く』の呉美保監督最新作『きみはいい子』劇場公開プロジェクトhttps://motion-gallery.net/projects/KimihaIiko (2015/1/13閲覧) 画像出典右:SANSPO.COM(c)2015「きみはいい子」製作委員会http://www.sanspo.com/geino/photos/20151031/geo15103105010010-p6.html (2015/1/13閲覧)

キングスマン』(2015英国,原題:Kingsman: The Secret Service

どの国にも属さない世界最強のスパイ機関キングスマン』の活躍と亡き父の後を継いでキングスマンのスパイとなる道を選んだ青年の成長を、ユーモアを交えて描いた作品。007シリーズのオマージュが随所に散りばめられた作品でした。殺人シーンがチョット残酷なのが今風なのかな。(下の画像左はロンドンの拠点である高級紳士服店Kingsmanの前の主人公ハリー〔コリン・ファース〕 ベテランスパイ,コードネーム「ガラハッド」。画像右は「ガラハット」左からスカウトを受ける青年“エグジー”〔タロン・エガートン〕右、鏡に映っている場面)

 

画像出典左:ブラヴォー!キングスマン Kingsman: the Secret Service 鑑賞http://lenechen-lenechen.blogspot.jp/2015/07/kingsman-secret-service.html(2015/1/13閲覧) 画像出典右:映画「キングスマン」予告編https://www.youtube.com/watch?v=pvNo9ppccLQ(2015/1/13閲覧)

スター・ウォーズ/フォースの覚醒』((2015米国、原題:STAR WARS: THE FORCE AWAKENS)

近所の映画館で4Dの上映が出来るようになり、最初の作品がこれでしたので早速、出かけました。4Dを堪能するため、吹き替え版を観たがヒロインのレイ役の吹き替えは違和感があり残念でした。D上映により、宇宙船酔いするほど効果がありました。また、閃光、座席下からの刺激、顔を掠める風、画面全面からの霧の効果はこの作品をより楽しめるアトラクションでした。今後、値段は高いが作品を選んで、又、チャレンジしたいと思います。(画像など、前述のUさんの『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を参照してください)

Aさん

今回観た中で断トツの一本、それは『クリード チャンプを継ぐ男』(2015米国。ライアン・クーグラー監督、マイケル・B・ジョーダン主演。原題:Creed)だ。

先ず、この映画の製作を許諾し、出演したシルヴェスタ・スタローンに敬意を表したい。彼は若い才能にすべてを委ね、自らが生み出した傑作シリーズの完結の後に続く、更なる飛躍を見守った。彼は始め、この続編のような一本を断ったが、若い監督の熱意と才能に押されて製作を許諾したという。そして映画では終始主役を引き立てる渋い演技に徹し、脚本にも監督にもその名を表していない。すべて任せたのだ。なかなかできることではない素晴らしい決断だ。

宿敵であり親友だった亡きアポロ・クリードの息子アドニスをチャンプに育て上げる老トレーナー、ロッキー。チャンプを目指す理由はやや希薄だが、悩みつつ成長するこのアドニスの描き方が良い。インテリジェンスあふれるアドニスが心も体も逞しくなり、老いや病気と闘うロッキーと共に夢を追いかける姿は、万人に共感を与えるに違いない。

本作では、「ロッキー」で感じたフィラデルフィアの下町の独特な匂いと、音楽も含め今の時代ならではのクールな画面作りが融合していて見事。もちろん、本格的なボクシング・シーンも素晴らしい。そしてラスト、かつてトレーニングで駆け上ったフィラデルフィア美術館前の階段を二人でゆっくり上るシーン、息を切らせるロッキーを支えるアドニス。上りきったそこから見える街の景色がたまらなく爽快だった。

私は映画を監督で観るタイプなので、この監督の前作(主演もマイケル・B・ジョーダン)、黒人青年が警察官によって撃たれて死亡した事件を扱った『フルートベール駅で』(2014米国、原題:FRUITVALE STATION)も是非観てみたい。

(下の画像左は、宿敵アポロの息子アドニス〔M.B.ジョーダン〕を教える老いたロッキー〔S.スタローン〕。右はボクシング・シーン、向こう側がアドニス)

 

画像出典左:Cinema A La Carte『クリード チャンプを継ぐ男』感想、人生の挑戦者へ捧ぐ魂が震えるカンフル剤!ロッキー』新たな境地へ(C)2015 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. AND WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. http://www.cinemawith-alc.com/(2015/1/13閲覧)画像出典右:映画『クリード チャンプを継ぐ男』特別映像https://www.youtube.com/watch?v=PTus3v30iDE (2015/1/13閲覧)

(下の画像は『フルートベール駅で』のサンフランシスコのフルートベール駅でオスカー〔M.B.ジョーダン〕が白人警官に首をつかまれている場面。)

画像出典:<映画評>銃殺された黒人青年の最後の1日を描く『フルートベール駅で』http://thepage.jp/detail/20140320-00000002-wordleaf(2016/1/22閲覧)

Kさん

ひつじのショーン~バック ・トゥ・ザ・ホーム~』(2015英仏、原題:SHAUN THE SHEEP THE MOVIE)

ストーリーはおおよそ次の通り:暴走したトレーラーにのせられた牧場主を探しに街へ行った羊のショーンたち。なんとカリスマ美容師となった牧場主記憶喪失になり、訪ねてきたショーンたちを追い払う始末。動物捕獲員の追跡をかわし、ショーンたちは無事牧場主を連れ戻す。また今までのような平和な牧場生活は始まる。でも、以前と同じ決まりきった朝ではなく、牧場主、犬のビッツアー、羊たちはお互いの存在を大事におもえる新鮮な朝を迎えるのでした。めでたし、めでたし。

この物語の冒頭の写真で、若い頃の牧場主の両腕に幼いショーンとビッツアー(下の画像左)が抱えられていました。この3者の結びつきの深さが、この物語にとってなくてはならないものなのです。記憶喪失となった牧場主に追い払われ、失意に沈むショーンの姿にもうなずけます。

あと、CG全盛のなか、クレイアニメは新鮮です。物語も面白、暖かですが、羊たちが人間に変装するために着たセーターの糸がどんどん解けていく様はアニメならではの温かさを感じます。今回の制作現場では1日に3秒分の場面を撮影するという目標で、1週間で2分半、完成までは9ヶ月で完成させたそうです。(制作期間が短いのは18~25の各制作現場での1日3秒の目標とのことです)。あと、この映画は、イギリスが舞台ですが、誰一人英語を話しません。そこで、字幕読む必要がなく目も疲れません。続編ができたら是非とも観に行きたい思っています。

(下の画像左はショーンが昔を懐かしむときに見ていた写真。ショーン〔頭に白い毛〕とビッツアー〔青い帽子〕が牧場主に抱えられている。画像右は現在で変化がわかる。牧場主は干草用フォークを持っている。ショーンは頭の白い毛でわかる。)

 

画像出典左:かわいすぎる!「ひつじのショーン」の赤ちゃん写真を独占入手http://natalie.mu/eiga/news/141578(2016/1/22閲覧)画像出典右:ハワイ島ヒロ・シネマライフ[映画紹介] "Shaun the Sheep Movie"(邦題『ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~』)http://d.hatena.ne.jp/doiyumifilm/20150928/1443464933(2016/1/22閲覧)

(下の画像左は、牧場主が羊の毛をバリカンで刈る技術で、髪の毛を刈るカリスマ美容師になっている看板を見つけたショーンたち。画像右は牧場主を牧場に連れて帰るために、変装した羊たち。さあどうなるか。大人も十分楽しめます。)

 

画像出典左:Time Warp『ウォレスとグルミット』のアニメスタジオ最新作『映画 ひつじのショーン〜バック・トゥ・ザ・ホーム〜』初日決定©2014AardmanAnimationsLimitedandStudiocanalS.Ahttp://timewarp.jp/movie/2015/02/06/68691/ (2016/1/22閲覧)画像出典右:ウラシネマイクスピアリ『映画ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~』http://www.ikspiari.com/cinemablog/2015/07/post-167.html (2016/1/22閲覧)

尚、NHK教育テレビで土曜日午前9:00から短編(約10分)の『ひつじのショーン』を楽しめます。

以上です。

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メンバーが選ぶ2015年後半に観た映画で良かった、又は印象的な作品(その1)

2016-01-12 14:08:54 | メンバーが選ぶ良かった、又は印象的な映画

メンバーからメールで頂いた2015年後半に観た映画で良かった、又は印象的な作品は次の通りです。作品西暦は日本公開年度です。メンバーが2015年後半に観たもので公開年度や劇場で観たかに拘っていません。TVやレンタルDVDなどを含めて選んでいます。一部これから観たい映画を含みます。

Uさん     

2015年後半はあまり見てないのですが、そのなかで感想を報告します。

ベスト作品は杉原千畝スギハラチウネ』(2015日本)です。

第二次世界対戦末期に、リトアニアの日本領事代理として、出国を希望するユダヤ人数千人に、自己責任でビザを発給し続けた男とその仲間の物語りです。派手な場面はないのですが実話に基づいただけに、迫力のある映画でした。唐沢寿明の英語もなかなか上手かったです。これだけ活躍し、海外で有名な日本人なのに、外務省は彼を追放し、新聞やテレビも彼のことをほとんど取り上げてこなかったことは、過去をきちんと評価できない日本人の悪いところなんでしょうか。

(下の画像左は、杉原千畝の手書きの査証〔ビザ〕。画像右は杉原の領事館入り口に通過ビザを求めて並ぶユダヤ人難民の実際の写真)

 

画像出典左:Wikipedia, the free encyclopedia Chiune Sugihara https://en.wikipedia.org/wiki/Chiune_Sugihara(2016/1/11閲覧)画像出典右:JEWISH VIRTUAL LIBRARY https://www.jewishvirtuallibrary.org/jsource/Holocaust/sugihara.htmlnet.com/gozonji/information/0907.html(2016/1/11閲覧)

スターウォーズシリーズ7作目スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015米国,原題:STAR WARS: THE FORCE AWAKENS)

昨年はシリーズものが多かったですね。ターミネーター、ミッションインポッシブル、007、ジェラシックワールドなどです。ただし昨年の作品は過去のものに比べてストリーが貧弱で期待外れでした。最近のアメリカ映画はCGに凝ったのばかりで中身がないようです。シリーズもののなかで比較的良かったのが『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』でした。この映画の1作目は1977年ですから38年も経ちます。ハリソンフォードもずいぶん年取りましたね。彼の映画はテンポがいいのが多いですね(インディジョーンズ、逃亡者など)。スターウォーズのなかでも、年令を感じさせないテンポでした。残念なのは映画で、息子のダースベイダーに殺されてしまうことでした。この終わり方はあまり良いストリーと思いません。父子の絆の復活を期待させておいて、途中から裏切るのは好ましくありませんね。それ以外の場面は、CGも良く楽しく観ました。

(以下はスターウォーズ初心者向けにストーリ展開詳細解説を含みます。『ストーリ展開が分かるとつまらなくなる』と思う人は映画を見てから以下を読むようにして下さい。スターウォーズの基本は悪玉の銀河帝国系と善玉のルーク家族系の戦い。善人が悪人になり、逆もあり複雑です。今回は前作の戦いで壊滅したそれぞれの生き残りが復活する戦い。ルーク家の唯一の生き残り戦士(ジェダイ)のルーク・スカイウォーカーが潜む砂漠の惑星ジャクーに悪玉組織が攻撃し、善玉組織がルークの居場所地図データを丸ロボットBB-8に託す。下の画像左は廃品回収者のレイ(中央の女性)が砂漠を彷徨っていた丸ロボットBB-8を助け、行動を共にする場面。後半で、レイはフォースを使えることを発見し、捕らわれた時に「マインドトリック」を使って脱出する。レイがフォースを使えるようになることが題名「フォースの覚醒」と思われる。フォースとは、銀河の万物を包んで満たす架空のエネルギー。フォースの感応能力を持つ者はフォースの力を使うことが出来る。例:「マインドトリック」(他人の意思や行動を制御)、「フォース・ジャンプ」(跳躍力などの身体能力)、「フォース・スピード」(高速で走る能力)、攻撃を回避する予知能力などの超能力。映画からは分からないが、フォースを使えることからレイはルークの娘なのかもしれない。情報元:ウィキペディア、WOOKIEEPEDIA。下の画像右は迫力のある戦闘シーン)

  

画像出典左:映画の秘密ドットコム、スター・ウォーズ/フォースの覚醒、レイの正体とは?http://www.eiganohimitsu.com/813.html (2016/1/11閲覧)画像出典右:映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』 新予告映像が公開! アナキンのライトセイバーが!?http://jin115.com/archives/52102941.html (2016/1/11閲覧)

Nさん

後半見たもので、良かった映画は、前半に見たいと思っていた『海街diary』(2015日本)です。

両親に置き去りにされたかたちの三姉妹が、その状況と向きあって受け入れて、それぞれが自分なりに今を生活しているのであろうな…それができたのには、亡き祖父母と叔母さんの存在だろうな…と映画を見ているこちらに伝わってきます。だから母違いの妹を引き取る唐突な行動も理解できます。その妹も健気です。全編優しさに溢れた作品でした。(下の画像左は異母姉妹の4人。右は4人の人のつながり。海街diaryは「2015年前半に観た映画で良かった、又は印象的な作品(その1)」で説明していた作品ですので、そちらも参照してください。)

 

 画像出典左:もしもの老子 海街diary http://s.webry.info/sp/qlove-1947.at.webry.info/201507/article_3.html (2016/1/11閲覧)画像出典右:SANSPO.COM http://www.sanspo.com/geino/photos/20141117/oth14111705050001-p3.html (2016/1/11閲覧)

次に印象的な作品は『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015米国,原題:STAR WARS: THE FORCE AWAKENS)と『007スペクター』(2015英国,原題:Spectre)です。映像の迫力、カメラを引いた広大な景色、映画館でしか見ることが出来ない感覚です。

(『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の画像などは前述のUさんの記事を参照してください。下の画像左は『007スペクター』のジェイムスボンド役のダニエル・クレイグ。右はボンドガールのフランス人俳優レア・セドゥ。)

 

画像出典左:ダニエル・クレイグ主演の007スペクターを予習!007スペクターのあらすじと一緒に紹介http://www.nwo17.com/new/post-5795/ (2016/1/12閲覧) 画像出典右:『007スペクター』感想評価まとめ http://ciatr.jp/topics/92404  (2016/1/12閲覧)

Fさん

この半年のよかった映画

⭐『ゲゲゲの女房』(2010日本)

NHK朝ドラも見ていたのですが、この映画の方が、リアリティーが有り、よかったです。

(下の画像左は映画の水木しげる(本名武良茂)役の宮藤官九郎と妻武良布枝役の吹石一恵。画像右は実際の夫妻。右側の妻、武良布枝さんが自伝「ゲゲゲの女房」の原作者)

 

画像出典左:(C) 2010水木プロダクション/『ゲゲゲの女房』製作委員会http://www.moviecollection.jp/movie/detail.html?p=1133(2016/1/12閲覧)画像出典右:映画「ゲゲゲの女房」オフィシャルサイトhttp://mizuden.bake-neko.net/03mizuden_vm_gnm001.html(2016/1/12閲覧)

⭐『猫侍』(2014日本)

単純に面白かったので選びました。周りにも結構ペットにハマってる友人がいて、この映画を見て改めてハマる理由がわかった感じがしました。

 (下の画像右は、白猫の玉之丞を切ろうとする元加賀藩剣術指南役で無双一刀流の班目久太郎(まだらめきゅうたろう。北村一輝)。困窮していた久太郎は呉服屋番頭に「堅物だった主人が猫を飼い始めてから幼子のように骨抜きになってしまった。これは化け猫に違いないので退治してほしい」と頼まれ、主人に分からないように屋敷に入り切るところ。画像左は、白猫の玉之丞〔この画像は『続、猫侍』のもの〕。剣豪の久太郎は切ることができずに持ち帰り、番頭には化け猫の魂が出てくるので「決して開けてはならぬ」として、猫の死骸が入ったことにした壺を渡す。)

 

画像出典左:(C) 2015「続・猫侍」製作委員会。画像出典右:「猫侍」http://cushing2.lofter.com/post/22f26a_97770c(2016/1/12閲覧)

(下の画像左は、猫の玉之丞を懐に入れている久太郎、この後久太郎はいろいろな事件に巻き込まれる。右はかごの中で眠る玉之丞。)

 

画像出典左:【映画劇場版「猫侍」無料動画http://matome.naver.jp/odai/2140550871752401801/2140550897152682903(2016/1/12閲覧)画像出典右:猫侍の【玉之丞さまがかわいすぎる♡】画像&動画集http://matome.naver.jp/odai/2137992293166536401/2138051523827910403(2016/1/12閲覧)

⭐『ふしぎな岬の物語』(2014日本)                                                      

?な部分が結構あって・・・。やはりラストシーンが綺麗でした。村の音楽隊 ブラザーズ5 が実は豪華な顔触れで、笑。(画像などは本ブログの別のページ「『ふしぎな岬の物』の何が「ふしぎ」か。画家の軽部興さん(故人)を思い出す。」を参照してください。)

今気になる映画が、加藤シゲアキ原作  行定勲監督の『ピンとグレー』(2016/1/9公開)

偶々その原作を頂き、読んだら面白かったし、今旬の菅田将暉君が1番重要な役所で出ていたので。アイドル映画としてなら全く注目してなかったと思いますが(≧∇≦)あの原作がどの様になってるかがとても気になりまして。

S.Tさん

ベスト作品は『単騎、千里を走る』(2006年、中国/日本,中国語題:千里走単騎)高倉健が75歳の時の作品。最後に私の中国人との経験を二例記しています。

単騎、千里を走る=千里走単騎中国京劇の「三国志演義」の有名な演目。主人公は関羽(かんう)雲長。演目内容が分かると映画が理解しやすいので概略記しておきます。蜀の国を興した皇帝で義理の兄劉備に仕えていた武将関羽が国境の守備に就いていたとき、攻めて来た魏の国の皇帝曹操に敗れ(A.C200年)配下に入る。関羽は曹操の下で多くの戦いに勝ち、恩賞を与えられるが、命を救われた恩返しは終わったとし、恩賞のすべてを置いて、愛馬の赤兎(せきと)に乗り、単騎(兵は関羽だけ、捕まっていた劉備の妻子を連れたという説もある)で逃げ、曹操の関所を次々と破り、遠方の関羽の息子がいる劉備のもとに帰る。この兵一人で移動する姿が『単騎、千里を走る』となる。関羽が劉備への忠義を大事にすることから、忠義の象徴とされることがある。また、民衆の生活向上に寄与し、学問にも精通していたことから、現代では商売の神様学問の神様としても祀られている。関羽はA.C.219年に呉の国の皇帝孫権に殺された。日本の卑弥呼の死亡がA.C.248年頃なのでその30年以上前のことになる。(情報元はウィキペディアなど)

(下の画像左は京劇の関羽。長い髭と大きな長刀〔青龍偃月刀(せいりゅうえんげつとう)〕を持ち、忠義を示す赤い顔をしているのが特徴。画像右は横浜中華街に祀られている関羽〔関聖帝君(主神)〕商売繁盛などのご利益。)

 

画像出典左:中国語ってみよう加油漢語http://chaiburo.blog52.fc2.com/blog-entry-31.html(2016/1/8閲覧)画像出典右:横浜、関帝廟内のご案内http://www.yokohama-kanteibyo.com/info/info.html(2016/1/8閲覧)

ストーリー:高田(高倉健)の息子健一は民俗学に人生を捧げ、父はそのことを全く理解せず長く疎遠になっていた。高田は健一が、ガンで余命がわずかであることを知り、病院へ行くが健一は会うことを拒否する。健一は中国雲南省の仮面劇『単騎、千里を走る』を取材したが、その舞台を記録する前に、次に来た時には舞台の記録を撮ると現地の人と約束をして別れた。この後、健一は病に倒れ実現できなくなる。高田はこのことを示すビデオを見て、健一が人生でやり残したことを、健一に代わってやろうと思い立つ。そのことが健一と疎遠にしてきた自分の懺悔の機会、心の交流を回復する唯一の最後の機会に思えた。

高田は、健一が約束した現地の舞踊家の李加民(りーかみん)と言う人を訪ねて雲南省に行く。だが李さんには結婚しないでできた子(私生児)がいて、そのことを揶揄した人と喧嘩して刺してしまい、刑務所に入っていた。高田は、『単騎、千里を走る』の衣装を持ち刑務所へ行き、演じることを頼むが、前例がない、他にもっとうまい人がいるので、他の人でいいではないか、と断られる。どうしても李加民でないとダメな理由を話し、何とかOKをとる。通訳の人も理解して協力してくれるようになる。撮影に入ったが、関羽が息子のことを話す場面で李さんが泣き崩れて、撮影にならなくなる。李さんには結婚できなかった、そして村を出なければならなかった特別な事情があったが、映画ではこの内容を明らかにしていない。ただ、私生児となったその子と長い間会えない状態が続いていたことを、李さんは深く悲しんでいた。高田(高倉健)は、李さんの村へ行き、その子を連れてきて、李さんに会わせたいと思った。

(下の画像左は関羽の衣装と長刀を持つ通訳と高田。通訳は、一人で何もわからないところを移動する高田を単騎、千里を走るの関羽のようだと言う。画像右の右端は刑務所の責任者。始めは全く取り合わなかったが、高田の熱意でだんだん変っていく。左の女性も通訳で、男性通訳より日本語が上手い。)

 

画像出典左右とも:ASIANN CROSSING単騎、千里を走る。http://www.asiancrossing.jp/movie/2006/0115/m1.html(2016/1/9閲覧)      

高田が李さんの李一族の石塔村へ行くと、始めは懐疑的だった村人が高田の意図が分かり協力するようになる。

(下の画像左は、遥々日本から来て、村の人のためにここまで来たということで村を挙げて歓迎している場面。鳥打帽の高田の右に通訳がいる。画像右はロケ地石鼓鎮の屋根瓦の家並、日本とよく似ている、まるで日本。日本文化の源を感じる。)

 

画像出典左:ASIANN CROSSING単騎、千里を走るhttp://www.asiancrossing.jp/movie/2006/0115/m1.html (2016/1/9閲覧)画像出典右:『単騎、千里を走る。』ロケ地巡り、石鼓鎮http://www.arachina.com/news/05/12/05122801.html(2016/1/9閲覧)

(下の画像は、村人の協力を得て、李さんに会わせるため子供ヤンヤンを連れていく場面。高田と通訳と一緒にオレンジ色の服を着ているヤンヤンがいる。運転は村人。だがこの後ヤンヤンは、ほとんど記憶にない父親には会いたくないと逃げてしまう。高田は病院で健一に会うことを拒否された自分と、ヤンヤンに会うことを拒否された李さんとがダブってくる。高田は李さんの気持ちが痛いほどよくわかる。)

画像出典:ASIANN CROSSING単騎、千里を走るhttp://www.asiancrossing.jp/movie/2006/0115/m1.html (2016/1/9閲覧)

最後は感動的で、文章にできないので観ていただくしかない。

ただ高田は健一のためでなく、李さんとヤンヤンのために刑務所で『単騎、千里を走る』の舞台を撮ることにしたのではないかと私には思える。私は、映画には表現されていないが、記録したものを、ヤンヤンがいる村へ持って行って「君のお父さんだよ」と言ってほしいと思った。

この映画は、中国人も日本人も全く同じ心を持っていることを表現した傑作と思います。

私が体験した中国人と日本人が同じと感じたことを、この映画の理解の参考に以下に記しておきます

私は『中国人は、華僑など商売の世界にいる人たちで、直ぐに儲かる話でないと乗ってこない。ごみのような汚い仕事や何年も熟練を積むような仕事は、ばかばかしくてやらない』と聞いていた。だが、私が現場で経験したことは。まったくそのようなことではなかった。以下その例を二つ。

1、シンガポールでのごみ処理プラント建設現場:張(チャン)さんは、十数人の工場の社長で、私の会社が機材の製作を発注していた。私は技術のまとめ役をしていた。張さんは、悪臭のあるごみやごみ汚水の中に入って、製品が上手くいっているかよく調べていた。また、私が困っていると、張さんに責任はないのに、こうした方がいい、ああした方がいい、と自分の考えを述べて資料を集め、試作品を作りましょう、と言ってくれた。日本人のスタッフより頼りになることがあった。映画『単騎、千里を走る』の場面で現地の男性通訳が、損得抜きで、高倉健の支援を始めるようになるが、私はこの通訳が張さんと重なる。張さんは華僑。

2、中国蛇口工業団地の鉄工会社K社:李(リー)さんは百人程度のK社の30歳少し過ぎたくらいの技術者。私の会社から鉄骨構造物が発注されていた。私の所属部門でないところから発注していたのでK社へ行ったことも、K社の人に会ったこともなかった。当時私は忙しく、日曜日にせめて工場の外観でも見ておこうと、香港から鉄道で深浅に入り、深浅駅からタクシーを飛ばし1時間強で蛇口工業団地K社に着いた。工場外観でも見れば、資材の置き方、工場の整理状況などからおおよそ工場の実態がつかめるので、タクシーを待たせて、うろうろ見ていると、工場に休日出勤の人がいた。そこで休日出勤をしていた李さんに会った。李さんは、工場を案内してくれた後、自分の設計の仕事を説明してくれた。机の隅に「テェモシェンコの材料力学(英語版)」(鉄骨構造物設計のバイブルのような本)が置いてあり、中を見ると、最後部のページまで手垢があり、李さんの書き込みがあった。李さんは「あなたの会社のレベルからは低くて恥ずかしい」と言っていたが、私の会社でこの本を十分理解している人は少ない。決して李さんのレベルは低くないし、どんどん吸収しようという姿勢は、有限要素法などのコンピュータを使った方法も直ぐに使いこなせるようになると感じた。尚、1時間ほど経つと、社長が、私が来たことを聞きつけて来た。私の訪問は休日の飛び込みで迷惑な話であるが、逆に休日なのによく来てくれたと言ってくれ、恐縮した。映画『単騎、千里を走る』の京劇の舞踊家は李で同じ名前。映画でも李一族の、人を大事にする姿が描かれているが、じっくりと熟練を身に付けていくK社の李さんの控えめで、思慮深く、休日出勤をいとわず努力する姿は、映画『単騎、千里を走る』の李一族の底力を見た思いがする

次は『ジュラシック・ワールド』(2015、米国,原題:Jurassic World)

スピルバーグは「見たいな、実現したらいいな」と思うものを映画で実現してくれる。今回の作品は第1作ジュラシック・パークの「恐竜復活の世界」の夢が実現して、『ジュラシック・ワールド』として見せてくれる。恐竜のリアルさがたまらなく魅力的。この作品でも、期待を裏切りませんでした。

(下の画像左はジュラシック・ワールドの入り口の賑わい。右は白亜紀中期から栄えたモササウルスが餌のサメを食べるショーの場面。)

 

画像出典左:MODELINNG HAPPY:http://modelinghappy.com/archives/1491(2016/1/9閲覧)画像出典右:映画ジャーナル<ビーグル・ザ・ムービー>http://beagle-voyage.com/movie-jurassic-world-viral-video-2015.html(2016/1/9閲覧)

(下の画像左は、恐竜の中を見物して移動する乗り物ジャイロスフィアに乗る兄弟。これが恐竜に襲われドキドキ、ハラハラの場面になる。右は白亜紀後期の肉食恐竜ヴェロキラプトル(映画ではラプター)の折の中に飼育員が落ち、助けるために入った恐竜行動学者でラプターの行動研究を行っていた主人公オーウェン(クリス・プラット)が両手を広げて静止する場面。)

 

画像出典左:よっしぃの映画、エンタメ、ときどきダイビングbloghttp://ameblo.jp/yueki09/entry-11984806856.html(2016/1/9閲覧) 画像出典右:アバウト映画公園http://tyler-7.hatenablog.com/entry/2015/08/15/160008(2016/1/9閲覧)

ブログの文字数制限を超えますので以下(その2)へ続く。

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