横浜映画サークル

サークルメンバーの交流ブログです。

メンバーの鑑賞感想や映画情報など気軽に記述しています。

メンバーが選ぶ2022年後半に観た映画で良かった、又は印象的な作品(3/3)

2023-01-21 18:13:09 | メンバーが選ぶ良かった、又は印象的な映画

(2/3)の続き

Mさん

ウエストサイドストーリー(2022米 監督スティーヴン・スピルバーグ 原題West Side Story)

1961年に映画化もされたブロードウェイミュージカルを、スティーヴン・スピルバーグ監督が映画化。監督念願のミュージカル初演出。1950年代のアメリカ・ニューヨークを舞台に、移民系の二つのグループが抗争を繰り広げる中で芽生える恋を描く。脚本と振付は、主人公を「ベイビー・ドライバー」,「TOKYO VICE」などのアンセル・エルゴート、ヒロインをオーディションで選出されたレイチェル・ゼグラーが演じるほか、1961年版でオスカーを受賞したリタ・モレノらが出演する。

お馴染みのナンバーがどう変化しているか、興味深く楽しめました。ヒロインのレイチェル・ゼグラー、始めはユニークな顔立ちだなと思っていましたがストーリーが進むに従って、魅了的な女優に思えてきました。旧作と違い、本人が歌っており、踊り、歌等素晴らしかった。旧作の出演者の方々、良い年齢の重ね方が観られて近親感が湧きました。

(画像下左はヒロインを演じたレイチェル・ゼグラー。画像中は旧作で踊るリタ・モレノ。画像右は本作でのリタ・モレノ)

画像出典左:FRONTROW『ウエスト・サイド物語』主演の「レイチェル・ゼグラー」って誰!? https://front-row.jp/_ct/17462675 (閲覧2023/1/19)   画像出典中:リタ・モレノがウエストサイドストーリーをほとんど辞めた理由 https://ja.news24viral.com   (閲覧2023/1/19)  画像出典右:MOVIE WALKER PRESS “伝説の女優”リタ・モレノが、60年を経て『ウエスト・サイド・ストーリー』に繋いだ架け橋 https://moviewalker.jp/news/article/1085585/ (閲覧2023/1/19)

 

ラストナイト・イン・ソーホー(2021英 監督エドガー・ライト原題Last Night In Soho)

ロンドンで現代と1960年代別々の時代を生きる二人の女性の人生がシンクロするサイコスリラー。

ファッションデザイナー志望のエロイーズ(トーマシン・マッケンジー)は、ロンドンのソーホーにあるデザイン専門学校に入学するが、寮生活に向かず一人暮らしをすることに。新しいアパートで暮らし始めた彼女は、1960年代のソーホーにいる夢を見る。エロイーズは夢の中で、歌手を夢見るサンディ(アニャ・テイラー=ジョイ)と出会い、肉体的にも感覚的にも彼女と次第にシンクロしていく。

色彩が華やかでとても綺麗です。

時代のシンクロがとても早く、そして、ラストの意外な展開で面白く鑑賞できました

(下の画像の左は主人公役トーマシン・マッケンジー。右は夢の中のサンディ役アニャ・テイラー=ジョイ)

画像出典:MOVIE WALKER PRESS夢と恐怖がシンクロする、魅惑の60’sに迫る!『ラストナイト・イン・ソーホー』特集 https://moviewalker.jp/feature/12058/ (閲覧2023/1/19)

 

すずめの戸締まり(2022日本 監督 新海誠)
君の名は。」,「天気の子」などの新海誠監督が、“災いの元となる扉”を閉めるために旅をする少女の姿を描いたアニメーション。九州の田舎に暮らす女子高校生が扉を探す不思議な青年と出会い、災いをもたらす扉を閉めるために日本各地の廃虚へおもむく。


混み具合が落ち着いた時期に鑑賞。田舎の農道等がリアルで懐かしかった流れる古い楽曲も楽しめました過去の災い、そんなに古い事ではないので歯痒く感じられましたラスト近く、突然泣かされました。主題歌「RADWIMPS」の歌声は少し、マンネリかな。
(下の画像左は扉を探す不思議な青年。画像右は扉の前の主人公)

画像出典左:山陽新聞さんデジすずめの戸締まり https://www.sanyonews.jp/town/cinema/film_detail/4486  (閲覧2023/1/19)

 

H.Eさん

千夜、一夜(2022年 日本 監督 久保田直 出演:田中裕子,尾野真千子,安藤政信)

ドキュメンタリー出身の久保田監督が、日本全国で年間8万人にも及ぶ「失踪者」リストに着想を得て作ったヒューマンドラマ。

切なくて  重くて…心に残る。田中裕子は流石です。

(下の画像は失踪した夫を探すためのビラを手にする主人公(田中裕子))

画像出典:テアトルシネマグループ上映作品千夜、一夜 第27回釜山国際映画祭の国際映画批評家連盟賞(FIPRESCI賞)、第45回山路ふみ子映画賞の山路ふみ子映画賞 https://ttcg.jp/movie/0871000.html  (閲覧2023/1/21)

 

夜明けまでバス停で(2022年 日本 監督 高橋伴明 出演:板谷由夏,大西礼芳,三浦貴大)

2020年冬に幡ヶ谷のバス停で起きた寝泊まりしていたホームレスの女性が突然襲われ死亡した事件をモチーフにした社会派ドラマ。

新型コロナウィルスの感染拡大の影響で仕事と住まいを失いバス停で寝泊まりせざる得なかった女性を通じもしかしたら明日誰しも置かれるかもしれない「貧困、社会的孤立」を描く

ホームレスになった女性は炊き出しや生活相談に行かない。「自尊心」ゆえに自らが置かれている危機的状況にもかかわらず「助けて」と言えない自分だったら「助けて」と言えるのか?と考えてしまった

(下の画像左は居酒屋で仕事をしていたころの主人公役板谷由夏。画像右は新型コロナで居酒屋が閉店し、ホームレスになった主人公)

画像出典左:映画『夜明けまでバス停で』予告編 https://www.youtube.com/watch?v=qQiZcbN0zEc  (閲覧2023/1/21)  画像出典右:「夜明けまでバス停で」公式サイト https://yoakemademovie.com/  (閲覧2023/1/21)

 

ある男(2022年 日本 監督 石川慶 出演:妻夫木聡,安藤サクラ,窪田正孝)

平野啓一郎の小説を映画化。弁護士の城戸(妻夫木)がかつての依頼人である里枝(安藤)から亡くなった夫、大祐(窪田)の身元調査という奇妙な相談を受けたことで、彼の正体に迫っていくさまを描く。

里枝の息子、悠人を演じた坂元愛登が印象に残った覚えておきたいと思う。

(下の画像左は家族4人の写真、左に里恵(安藤サクラ)右端に夫(窪田正孝)、学生服の悠人(坂元愛登)。画像右は悠人を演じる坂元愛登)

画像出典左:YAHOO!JAPANニュースク ランクイン窪田正孝、巧みな表現力で一人何役をも演じ分け 『ある男』幸せな家族の日々を映し出す場面写真 https://news.yahoo.co.jp/articles/3a20e3562f04a776c5100ead219335f7c8515f7f (閲覧2023/1/21)  画像出典右:YAHOO!JAPANニュース 映画.com「ある男」で注目の新人俳優・坂元愛登とは? 妻夫木聡「彼の言葉と演技に救われた」 https://news.yahoo.co.jp/articles/4dd4b08d1472e56a01efd4978cde8bac10f921e0 (閲覧2023/1/21)

以上です。

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メンバーが選ぶ2022年後半に観た映画で良かった、又は印象的な作品(2/3)

2023-01-11 17:27:07 | メンバーが選ぶ良かった、又は印象的な映画

(1/3)の続き。

F.Mさん

①[セントラルステーション] (1998年ブラジル 監督ヴァルテル・サレス)

リオデジャネイロの中央駅で、かつては教師をしていて今は代筆業を営む女性ドーラは、ある出来事から1人の少年ジョズエと共に父親を探す旅に出る。その父親探しを通して、2人の心の交流を叙情豊かに描いている

余韻が残りどこか懐かしさもあって、この後の人生でどうか2人共幸せを見つけて欲しいと願うラストで、ベルリン国際映画祭でブラジル初の金熊賞受賞も納得の1本でした。

(下の画像は列車に乗る少年ジョズエと右に代筆業の女性ドーラ)

画像出典:映画ポップコーン セントラル・ステーションhttps://eiga-pop.com/movie/3186 (閲覧2023/1/11)

 

②[スポットライト 世紀のスクープ](2015年アメリカ 監督トム・マッカーシー)

カトリック教会の神父による性的虐待への真相を暴いた新聞社『ボストン・グローブ』の特集記事「スポットライト」を担当しているメンバーが奔走する姿を描いた実話に基づいている作品で、第88回アカデミー賞の作品賞・脚本賞やその他数々の賞に輝き大きな評価をされた作品です。

予備知識も全く無く軽い気持ちで見始めたため…その内容には唯々驚きました。

昨年は日本でも自衛隊やそれこそ映画業界でも、長年隠されていたセクハラ問題が大きな社会問題となった年でも有り、やはり色々な意味で印象に残る1本になりました。

(下の画像は新聞社『ボストン・グローブ』の記者たちの場面)

画像出典:『スポットライト 世紀のスクープ』公式サイトhttps://longride.jp/spotlight-scoop/story.php (閲覧2023/1/11)

 

③[ミスト](2007年アメリカ 監督フランク・ダラボン)

霧の中に潜む謎の生物に恐怖し、常軌を逸して行く人々の姿を描く『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』などと同じ原作スティーブン・キングとのコンビが描くパニックミステリーです。

ショーシャンクなどに比べると、後味も悪く全体的には好きにはなれない感じの映画でした。

が、やはラストの衝撃が印象的過ぎて…唐突過ぎて…どうして?と……人生、諦めてはいけないと言いたかったのか??見る側に委ねた?あなたならどうしたかと?

ちなみに、原作はもう少し希望のあるラストとの事で…???なラストで、やはり印象的な1本になりました。

(下の画像左は霧の中に潜む謎の生物に捕らわれる人を助けることができずにガラス越しに見ている人たち。画像右はシャッタをこじ開けて謎の生物がタコの足のような部分を使い人を捕えようとする、それを防ごうとする人たち)

画像出典左:one’s impressions【映画】ミスト(2007)https://blog.goo.ne.jp/eiji8129gcd/e/935e2d4ea66d59705fea2c5adb7c03b5 (閲覧2023/1/11)      画像出典右:acting.jp 2008年映画ベスト と『WALL・E』1)ミストhttps://acting.jp/best-movie-2008/ (閲覧2023/1/11)

 

※諸事情で昨年は映画館では見られなかったので、テレビで見た旧作の中から選びました。今年は少しは映画館で見たいと思っています。

 

N.Mさん

THE FIRST SLAM DUNK(2022日本 監督 井上雄彦 アニメ作品)

バスケットボール漫画のスラムダンクの劇場版です。スラムダンクが流行していたとき、それほど漫画に熱中していたわけではありません。ただ漫画が連載されていた期間が、中学・高校の部活でバスケットボールをしていた時期と重なっていたこともあって、それなりに関心のあった漫画でした。部活をしていた当時を思い出させてくれる映画でした。当時、私が履いていたシューズや買っていた雑誌が出てきたり、試合での応援の掛け声の仕方が当時そのものであったり。

主人公ではないチームメイトの1人にスポットが当てられたストーリーです。原作とは異なる視点から作られたストーリーのため、漫画の内容を知らない方だけでなく、知っている方も十分に楽しめる内容だと思います。

下の画像は、ネットで拾ってきたものです。宣伝用の画像です。

画像出典:ユナイテッドシネマ岡崎THE FIRST SLAM DUNK©I.T.PLANNING,INC.©2022 THE FIRST SLAM DUNK Film Partnershttps://www.unitedcinemas.jp/sp/okazaki/film.php?movie=9821&from=all (閲覧2023/1/9)

 

S.Tさん

1番目『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2022米 監督コリン・トレヴォロウ  原題Jurassic World: Dominion直訳ジュラシック・ワールド:土地所有権)

二子玉川109シネマズの6000円席IMAXで観てきました。私は現在ほとんどの時間を困難な仕事に集中しているので旅行へ行くでもなく、豪勢な食事をするでもなく、このVIP席は唯一の贅沢です。VIP席については本ブログの表題「二子玉川109シネマズ、グランド・エグゼクティブシート6,000円行ってきました」

https://blog.goo.ne.jp/yokohamaeigasa/e/83338afd3cfa0dadc70db3ca034fd548 を参照してください。

ストーリ:前作で恐竜たちを古代から蘇生し、動物園のように見学できるようにしていた島が火山噴火で壊滅したが、多くの恐竜が北アメリカに連れてこられ解放された。それから4年後が今回の作品。希少動物を違法に売買する組織が恐竜にも手を広げていた。前作で恐竜飼育をしていた主人公は以前自分が飼育していたラプトルの子供が恐竜密売組織に捕らえられたことを知り、ラプトルの母親に取り返そうと動き出す。

感想羽毛がある恐竜など最新科学情報を反映しているところはいい。食料対策を狙いDNA操作で巨大イナゴを登場させたり、恐竜密売組織があるイタリアのマルタ島で主人公が恐竜に追われたり、テーマが複数拡散していて捉えにくくなっているのが残念ハラハラドキドキが次から次と連続過ぎて少し飽きる、ハラハラドキドキが好きな人にはたまらないと思いますが。マルタ島のシーンはジャッキーチェンの香港映画のハラハラドキドキに似ていて、これまでの恐竜の神秘から生じるハラハラドキドキと異なり活劇的で、本シリーズらしくないと思えます。肉食恐竜対肉食恐竜の闘いなど恐竜の迫力は期待通りでした。題名の「新たなる支配者」の重要な意味はなさそうで、恐竜との共存ということのようです。

(下の画像左:羽毛で覆われているピロラプトル、主人公たちを襲う。画像中左:主人公が乗る飛行機を襲う羽毛のあるケツァルコアトル。画像中右:DNA操作で巨大化したイナゴ、植物を食い尽くす。画像右:マルタ島の中をオートバイで逃げる主人公、後ろに追う恐竜)

画像出典左:ピロラプトルhttps://jurassicpark.fandom.com/ja/wiki/%E3%83%94%E3%83%AD%E3%83%A9%E3%83%97%E3%83%88%E3%83%AB (閲覧2023/1/8)   画像出典中左:<画像11 / 17>恐竜キッズも大興奮!今夏最注目の「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」を親子で観に行こう!https://www.walkerplus.com/article/1092118/image10950327.html  閲覧2023/1/8)     画像出典中右:【ネタバレ感想・振り返り・吹き替え】完結編「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」は恐竜映画ではなくイナゴ映画だった!https://hitorideidobatakaigi.com/movie-jurassic-world-dominion-review-netabare/  (閲覧2023/1/8)    画像出典右:『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』公式サイトhttps://www.jurassicworld.jp/  (閲覧2023/1/8)

 

2番目『わが青春つきるとも-伊藤千代子の生涯(2022日本 監督:桂 壮三郎)

戦前日本の中国大陸侵略戦争に反対し、虐殺された人の映画は『小林多喜二』しか知らなかったが、女性でも反対を貫いた人がいるのはこの映画を観るまで知りませんでした。小林多喜二が虐殺される4年前1929年に24歳で亡くなっています。今の日本が米国などと一体になって戦争ができるように準備を着々と進めていると思える中でこの映画は印象的でした。戦前の様子を知ると、この映画をさらに深く理解できるかもしれません。女性にはまだ選挙権がない時代です。

ストーリ1928年3月15日の共産党とその関係者と思われる約1600人が一斉に検挙された事件から映画は始まる。特高警察から主人公も逃げるが捕まる。そこから画面は主人公の学生時代に移り、主人公が友人や先生や労働争議に関わり、女子学連の結成に参加していくなどの過程が描かれる。検挙されても決して思想を変えずに貫き通し、獄中から捕まった他の仲間を励ました。夫は拷問に耐え切れず、ついに転向(戦争推進側へ)する。

感想:日本共産党の宣伝映画と見ようと思えば見えますが、当時侵略戦争に正面から反対し、主権在民や女性の選挙権獲得を掲げ民主主義を求めたのは共産党しかいなかったようなので、戦争反対を掲げる人の姿を描こうとすれば共産党を含めて描かざるを得ない状況だったと思います。こんなに勇気ある女性がいたのかと感心して観てしまいました。また、こんなに純粋な女性を虐待死に追い込む時代の残酷さを感じました。

私が学生の頃、1970年代の古い話ですが学生自治会と名乗っていた中核派の人に学生食堂で女子学生が、昼を食べる私の近くで「あなたたちを選んだことはないから、学生自治会を名乗るのはおかしい、何も知らない新入生から自治会費を取るのは詐欺」というようなことを言っていた。その女性の顔が実際の伊藤千代子に似ているようでハッとしました。中核派は新入生の住所録を入手し、自治会費の振り込み用紙を郵送していた。集めた「自治会費」を当時成田闘争の資金にしていたと思われる。その女性はそのあと校門で中核派に捕まっていた時に、他の多数の学生たちが取り囲んでその女性を救い出した、と後で聞いた。中核派は10数人が鉄パイプで武装し反対者を襲い、学生と職員の約5千人が反対できないようにしていた。政治用語ではテロ独裁という状態。しばらくして中核派は対立派を襲い殺して殺人罪で3人が指名手配されていた。捕まらず時効になったと思う。直接は映画に関わりませんが、勇気ある女性として伊藤千代子の実際の写真で思い出しました。当時の学生運動の一部が暴力化粗暴化して一般学生から離れていく過程について、別の機会にサイコパスの存在とともに考えたいと思っています。

(下の画像左:諏訪の製紙工場での労働争議、中央の和服の人が主人公役井上百合子。現代の私には周囲の女工は非正規社員の女性たちで主人公の位置に人権派弁護士がいるように見える。画像中:特高警察に捕まり殴られて、睨みつける主人公。指の間に鉛筆を入れて掴まれるなどの場面があるが、実際の拷問はもっと激しいものであったと思う。映画では激しい拷問場面はない。画像右:実際の東京女子大21歳ころの伊藤千代子)

画像出典左:埼玉新聞 拷問の末、24歳で非業の死…社会運動家・伊藤千代子の生涯描いた映画、全国で広がる ベテラン俳優も登場 https://www.saitama-np.co.jp/news/2022/06/10/07.html (閲覧2023/1/9)     画像出典中:パンフレットよりコピー      画像出典右:中日新聞 早世の女性活動家に光 伊藤千代子の生涯 銀幕に 東京女子大時代の21歳ごろ=伊藤千代子の会提供 https://www.chunichi.co.jp/article/547617 (閲覧2023/1/9)

 

3番目『生きるLIVING(2023英 監督オリバー・ハーマナス  脚本カズオ・イシグロ  原作黒澤明)

黒澤明監督による『生きる』(1952)がカズオ・イシグロの脚本によりリメイクされ、2023年3月31日に公開されるとのことで見てみたい映画です。黒澤の『生きる』は劇場でもTVでも何回か見る機会があり、作品のテーマが鋭く自分に突き付けてくるので忘れられない映画になっています。

黒澤の『生きる』は映画の中で歌われる「いのち短し恋せよ乙女、紅き唇あせぬ間に、熱き血潮の冷えぬ間に、明日の月日はないものを」と繰り返えされるこの歌の中に、この映画のテーマが凝縮されていると思います。

カズオ・イシグロの『生きるLIVING』は黒澤作品の良さを再び味あわせてくれるだろうか?期待しています

(下の画像左:黒澤作品の主人公・役所の課長(志村喬しむらたかし)が人生で初めて積極的に動いて実現した公園のブランコに乗り、雪の夜に「いのち短し恋せよ乙女、紅き唇あせぬ間に、熱き血潮の冷えぬ間に」と歌う場面。この次の日に他界する。葬儀では、役所の人たちが、なぜ主人公はあんなに一生懸命公園を作るために動き回ったのかをいろいろ推測する。画像右:『生きるLIVING』で主人公を演じるビル・ナイ)

画像出典左:【映画】「生きる」(1952年) 観ました。(オススメ度★★★★★)https://imakokowoikiru.hatenablog.com/entry/2020/07/29/060000 (閲覧2023/1/9)       画像出典右:映画.com生きるLIVINGhttps://eiga.com/movie/96311/ (閲覧2023/1/9)

以下(2/3)へ続く。

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メンバーが選ぶ2022年後半に観た映画で良かった、又は印象的な作品(1/3)

2023-01-11 15:13:59 | メンバーが選ぶ良かった、又は印象的な映画

メンバーからメールで頂いた2022年後半に観た映画で良かった、又は印象的な作品です。作品西暦は特記がなければ日本公開年度、次に製作国です。メンバーが2022年後半に観たもので公開年度や劇場で観たかに拘っていません。TVやレンタルBDなどを含めて選んでいます。これから見たい映画も取り上げていいとしています。今回は新型コロナのため映画館で観るのを控えた会員もいますので、2022年後半に観た映画でなくてもいいとしています。また、感想などでネタバレの要素がある場合がありますのでご了承ください。

H.Oさん

コーダあいのうた(2021米仏カナダ、日本公開2022年1月 監督シアン・ヘダー)

耳の聞こえない両親と兄のために、耳が聞こえる娘が、家族の通訳や家業の漁業を手伝いながら、名門音楽大学を目指すというコメディドラマ映画で、数々の賞も受賞しているのでご存の方も多いと思います。

 キャスティングに実際に聴覚障害の役者を使うなどチャレンジングな作品で、コミカルな場面や、しみじみと感動させられる場面も多い作品で、確実に泣けます

実は、この映画のロケ地であるマサチューセッツ州グロスターは、私が20代の頃、仕事で滞在していた町で、個人的には特別な思い入れもある作品です。グロースターは、日本で食べる高級魚クロマグロの多くが水揚げされる漁港街。

あれから30年以上経っても街は昔のままで、少し驚きましたが、懐かしかったです。美しい田舎町グロースターの雰囲気も見どころです!ぜひ楽しんでください。

この映画は、2014年のフランス映画『エール』という作品のリメイクで、この作品もアマゾンでも見れますので、合わせてお楽しみください。

 (下の画像は公式サイトから、画像左:美しい港町グロスターで漁師を営む家族4人。左端に主人公の娘さん、中央の両親と右端の兄は耳が聞こえない。画像右:漁船の上の娘さん)

画像出典左と右:『コーダあいのうた』公式サイト(閲覧2023/1/11)

 

O.Aさん

2022年後半で印象に残った作品にある共通点がありました

1本目『夜明けまでバス停で(2022年10月8日公開   監督 高橋伴明)

2020年11月16日に東京都渋谷区幡ヶ谷でホームレスの女性が殺害された事件から着想を得て製作された本作。

後半に出てくるホームレスの柄本明(74歳)は全共闘世代の生き残りで手製の爆弾を「腹腹時計」をもとに作成し都庁に仕掛けるという描写がある。

自身も全共闘世代の高橋伴明監督(73歳)の憤りが投影されているのであろう。

高橋監督は安保闘争から端を発する全共闘世代の敗北が現在の貧困、格差社会、政治腐敗の元凶になったと信じているのであろう。

(下の画像左:バス停で眠る主人公。画像右:柄本明扮するホームレス)

画像出典左:ks-cinema夜明けまでバス停で ©2022「夜が明けるまでバス停で」製作委員会https://www.ks-cinema.com/movie/yogaakerumade/ (閲覧2023/1/9)     画像出典右:映画ナタリー板谷由夏の主演作「夜明けまでバス停で」予告公開、出演者コメントも到着https://natalie.mu/eiga/gallery/news/492009/1891441 (閲覧2023/1/9)

2本目『母性(2022年11月23日公開 監督 廣木隆一)

本編のミステリー要素とは直接関係はないが、主人公の永野芽郁(23歳)の父親(三浦誠己)が若い頃に学生運動に身を投じていた設定。ところが、三浦誠己の年齢は47歳なので、どう考えても歳が合わない。若すぎるのだ。

原作者の湊かなえ(50歳)は、学生運動に参加していた全共闘世代を「あの人たちはヴェトナム戦争も日米安保もどうでもよくて、親に対する不満のはけ口を外に向けていただけ」と分析している。映画の中で上記のセリフが出て来る。これも世代のギャップなのか?

(下の画像左:主人公役永野芽郁。画像右:父親役三浦誠己)

画像出典左:FASHION PRESS湊かなえの小説『母性』実写映画化“母と娘”を巡るミステリー、戸田恵梨香&永野芽郁が親子役にhttps://www.fashion-press.net/news/80343 (閲覧2023/1/9)   画像出典右:MOVIE WALKER“母娘論争”が勃発?母娘限定試写の感想で読み解く、映画『母性』が叩きつけるメッセージhttps://moviewalker.jp/news/article/1111833/image11275042/ (閲覧2023/1/9)

3本目『仮面ライダーBLACK SUN(2022年10月28日配信 監督 白石和彌)

1987年10月4日から1988年10月9日までTBS系列で放送された『仮面ライダーBLACK』のリメイク。

現在(2022年)パート過去(1972年)パート2つの世代で描かれる全10話のシリーズ。現在パートは時代を反映してか、外国人排斥運動やヘイトスピーチのメタファーに溢れていた。一方、テレビシリーズにはなかった過去パートの描写がまんま全共闘の学生運動になっている。

監督が若松プロ出身の白石和彌(48歳)なのも納得。湊かなえと白石和彌は、ほぼ同世代でありながら全共闘世代に対する捉え方がここまで違うのかと驚いた。

(下の画像の左は西島秀俊、変身して仮面ライダーBLACK SUNに、右は中村倫也、変身して仮面ライダーSHADOW MOONになる)

画像出典:Virtualgorilla+『仮面ライダーBLACK SUN』10月28日よりAmazonで配信開始 全10話で「怪人たちの群像劇」描く 主題歌は超学生©️石森プロ・ADK EM・東映https://virtualgorillaplus.com/drama/kamen-rider-black-sun/ (閲覧2023/1/9)

 

Aさん

ザリガニの鳴くところ(原題/Where the Crawdads Sing直訳ザリガニが歌う場所 2022年アメリカ 監督/オリビア・ニューマン 原作/ディーリア・オーエンズ)

今回はダントツに良い映画が一本あったので、それについてだけ書きたいと思う。

先ず原作について。女性動物学者であるディーリア・オーエンズは60代でこの初めてのミステリー小説を書き始め、69歳で発表すると瞬く間に全世界で1500万部のベストセラーとなった。

あらすじ ノースカロライナ州の湿地帯で、6歳から一人きりで暮らすカイアという少女がいた。父親のDVにより一家は離散したのだ。交通手段はボートだけ教育も受けず湿地の自然の中で生きる術を学ぶ。そんな彼女の暮らしの中に入り込んできた二人の男性。読み書きを教えてくれた初恋の少年テイトとは将来を夢見るが大学に行くと音沙汰がなくなり、街の名士の放蕩息子であるチェイスとは結婚の約束までしておきながら裏切られる。失意のなか、彼女は湿地で一人きり生きることを決め、かつてテイトに勧められた本の出版を目指し、動植物を描くことに没頭する。そんな時、湿地でチェイスの死体が発見される。果たして事故か他殺か。先ず疑いをかけられたのは、カイアだったのだが……。

原作は単にミステリーにとどまらず、DV問題、差別問題、貧困問題、自然破壊・環境問題など訴えている点は多岐に及ぶ。それらを、ロマンスを交えながら柔らかな筆致で包んでいる。しかも動物学の視点が根底にあり、哲学的で詩的なニュアンスを漂わせている。こんなに多くの要素を持ちながら破綻が無い。久々に満足できる傑作だと思った。

映画『ザリガニの鳴くところ』は原作の大筋はもとより、湿地帯の雰囲気、カイアの家の雰囲気なども概ね原作通りで、その静謐な画面作りは素晴らしかった。ただ、原作にあったミステリー要素、カイア以外の犯人の可能性などがあまり描かれておらず、そのため法廷シーンも少し単調で物足りないところもあった。分厚い原作に比して二時間半の映画なので、仕方のないところか。またカイア(デイジー・エドガー=ジョーンズ)が綺麗すぎるため、野性味やしたたかさがもっとあればなお良いと思った。

だが、この原作を映画化するのは至難の業だろうと思っていたので、特に湿地やそこに生きる動植物の映像表現は素晴らしいの一言だった。「ザリガニの鳴くところ」とは、湿地そのもので、カイアの原点とも呼ぶべきところ。淡々とした映像の中にも、彼女の凛とした生き方が静かな感動を呼ぶ。声高に叫ばなくても、思いや意図は伝わる。最後に流れるテイラー・スウィフトのオリジナルソングは、詩も曲もミステリアスな雰囲気が映画に良く合っていて余韻を残した。久々に映画らしい映画を堪能できた

(下の画像左:主人公の少女カイア。画像中:唯一の交通手段のボートのカイア。画像右:湿地でチェイスの死体が発見される。湿地の美しい景色や動植物の画像を探しましたがふさわしいものが見つかりませんでした)

画像出典左と右:一日の王 映画『ザリガニの鳴くところ』……湿地帯、孤独、初恋、裏切り、後悔、衝撃……https://blog.goo.ne.jp/taku6100/e/bb02cf6215e8cac6e3f6635393d94279 (閲覧2023/1/11)   画像出典中:otocoto“湿地の少女”は本当に殺人事件の犯人なのか?警察vs孤独なヒロインの逃走劇 映画『ザリガニの鳴くところ』https://otocoto.jp/news/zarigani-movie1103/ (閲覧2023/1/11) 

 

以上だが、他に印象に残ったのは、コロナ禍でホームレスになった女性が殺害されたという実際の事件を基にした、高橋伴明監督の『夜明けまでバス停で』。

これから観たい映画としてはある男』『宮松と山下』『母性』など、すべて邦画となった。

 

以下(2/3)へ続く。

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