横浜映画サークル

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「清須会議」、料理は「こんなに良い高価な材料をたくさん使えば、どんな風に作ってもおいしくなる。」

2013-11-24 16:49:06 | メンバーの投稿

母がテレビの料理番組を見て「こんなに良い高価な材料をたくさん使えば、どんな風に作ってもおいしくなる。」と言っていたのを思い出す。いつもスーパーの安売り品を工面して食事を作っていた。「清須会議」は、豪勢な実力派俳優人を贅沢に使っている。たいしたことないストーリー展開でも名優たちが演じるとここまで面白くできるのかと感心した。実力派俳優人は料理の高級素材のようなものだ。どのようなストーリーでもおいしいものにしてしまう。

三谷監督は演劇出身の監督。おそらく演劇の傾向がストーリーの展開の面白さではなく一瞬一瞬の場面と会話を重視したものが多いのではないだろうか。清須会議を見て、そう感じる。「ステキな金縛り」もストーリーの展開の奇抜さが面白かったが、同様の傾向を感じる。

一瞬の場面や会話の中に面白さを詰め込む。一瞬の場面にエネルギーをつぎ込んでいて、ストーリーの展開には監督の興味が感じられない。ストーリーは一瞬の場面の面白さを作る背景でしかない。

「漫才」や「よしもと新喜劇」のドタバタ劇は私が大好きなものですが、「清須会議」はそれらを見るように楽しめばよいのかもしれない。

内容について

秀吉(大泉洋)の表面的にはひょうきんにしていながら、腹の底では緻密で陰湿な計略をめぐらしているニ重人格者が、ついには勝利し時代をリードする。ひょうきんに馬鹿をやっている者が本当は怖い策士という描き方が何か面白いことに繋がるのだろうか。人をうわべで見てはいけないと言う教訓話をしたかったのだろうか。時の支配者とは腹黒いもの、正直者は支配者になれないと言うことなのだろうか。この作品はまじめに考えないほうがいいようだ。

現実離れした、デフォルメ(個性を極端に強調)した人物を描くと面白さが出てくるものだが中途半端になっている。本当に笑いを狙うのであればもう少しデフォルメを徹底した方が良いと思うところがある、がこの中途半端が三谷作品のいいところかもしれない。

「清須会議」と言う歴史上の重要な出来事を軽い気持ちで知るには良い作品と思う。三谷監督がこれを狙っているとしたら大成功をしていると思う。(以上テッシー)

 下の写真は豪華な俳優人たち

コメント
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