横浜映画サークル

サークルメンバーの交流ブログです。

メンバーの鑑賞感想や映画情報など気軽に記述しています。

『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』は横浜のご当地映画だった!!

2020-03-27 11:03:19 | メンバーの投稿

O.A.です。先日、桜木町のブルク13(横浜市中区桜木町1-1-7)にて『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』(118分、2020監督中田秀夫)を鑑賞しました。

前作では、脇役だった千葉雄大扮する刑事が今回は主役に昇格しての続編。映画を鑑賞して一番驚いたことは、この映画の舞台が横浜だったことです。千葉雄大が勤務するのが、横浜市中区海岸通にある「神奈川県警察本部」でした。なんとブルク13のすぐ近く。実際に「神奈川県警察本部で撮影しています。

神奈川県警察といえば、不祥事が多いことが有名で、神奈川県警察の不祥事 - Wikipediaがあるくらい

おそらく、「神奈川県警察」のイメージアップの一環として撮影に協力したのだと思います。ですが、本作に出てくる「神奈川県警察」の関係者は、千葉雄大以外、ほば全員が無能な人間として描写されています。

例えば

・拘留中の犯罪者を逃がす

・警察のホームページがハッキングされる

勤務中にエロ動画を見ている管理職がいる。

・キャンブル依存症で借金苦の刑事がいる。

という具合で映画でも不祥事のオンパレード。神奈川県警察の関係者は映画の内容を確認したのでしょうか?

最後に一応、事件は解決するのですが、それも千葉雄大のひとりの活躍によるもで、神奈川県警察の印象は悪いまま映画は終わります。

本当にこれでいいの?

劇中では、桜木町の駅前も登場するので、ブルク13で鑑賞後は、ロケ地巡り(聖地巡礼)もできてしまいます。なので、ブルク13での鑑賞をお勧めします。

(下の画像左は前作の連続殺人事件で逮捕され拘留中の「囚われの殺人鬼」役成田凌。画像中は類似の殺人事件が発生し、「囚われの殺人鬼」から手掛かりを得ようとする刑事役千葉雄大左。画像右はフリーWiFiの不正アプリにアクセスして、事件に巻き込まれていく千葉雄大の恋人役白石麻衣)

画像出典3画像共:FASHION PRESS映画『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』千葉雄大×成田凌で警察組織を巻き込んだサイバー犯罪を描くhttps://www.fashion-press.net/news/48665 (閲覧2020/3/26)

以上

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新型コロナウイルス関連:『ロビンソン・クルーソー』の著者が自分の体験を基にした小説『ペスト』の紹介

2020-03-07 21:21:23 | メンバーの投稿

感染症ペストを扱った映画:中世のヨーロッパで蔓延したペストが田舎町へ広がっていき、農民たちの対応の様子を描いた映画がありましたが、題名を失念してしまいました。もし知っている人が居ましたら連絡をお願いいたします。他に感染症を扱った映画はエボラ出血熱や、ゾンビ物はあるのですが、感染拡大を庶民生活との関係で捉えた現実味のある映画は、前記の農村の映画以外にないかもしれません。

そこで映画ではありませんが『ロビンソン・クルーソー』(無人島に漂着し28年過ごした冒険小説)で有名な著者デフォーの小説『ペスト』(平井正穂訳、中公文庫)を紹介しておきます。著者デフォーはペストが流行した1665年にロンドンの中心部に住み、自分の体験をドキュメンタリー的小説にした。デフォーはジャーナリストでもあり、感染拡大状況を調べ、数値にもまとめている。文庫本394ページの長編で味わい深い文章が随所にありますが、以下に内容の要点を短くまとめましたので、興味がありましたら読んでみてください。新型コロナウイルス感染拡大を考える参考になるように思います。私が読んだのはずいぶん昔のことですので、一部読み直しましたが、多少違っているところがあるかもしれません、ご容赦を。尚、カミユの小説『ペスト』とは別です。以下デフォーの小説『ペスト』要点。

ロンドンの人々はヨーロッパ大陸でのペストの流行を知り、イギリス迄来るかもしれないと心配していると、ロンドンの窓口の港のオランダのアムステルダムまで死者が出るようになったと情報が入り、ロンドンにもいずれ来ると確信する。ロンドンの港で死者が出始める。ロンドン市はペストを媒介すると考えられていたネズミを徹底的に駆除してロンドン市内から全く見かけなくなり、ペットの猫や犬も感染媒介が疑われ、すべて殺処分した。ペットを飼う人はロンドン市に多数いたがロンドン市内に人間以外の感染媒介動物は全くいないという状態にまで徹底した、が感染拡大は防げない。死者を教会が埋葬するが、教区ごと死者の埋葬人数を教会の前に掲示する決まりがあり、主人公はどの教区の埋葬が増えてきたかロンドン市94教区すべてを日別に調べる。ペストがロンドン中心部に徐々に近づいてくることを埋葬人数の変化から把握する。ロンドン市民の裕福な人は、ロンドンから逃げて地方に移り住み、貧しい人はテントをもってロンドン近くの森に籠って、人との交流を断って生活をする。どうしても必要な食料品などと貨幣の交換は直接手に触れないように釣り竿のようなものの先に籠を付けてその中で行われる。郊外へ行けない障害者や高齢者や疾病者の世話は、ロンドン市が郊外へ行くことができない貧しい人を高額の報酬で雇って行わせた。死者の埋葬も同様に貧しい人を高額で雇って行った。ロンドン市の役人を主人公は、よく逃げずにやっていると誉めている。ロンドンの街頭には誰もいない状態になったが、時々、自分はキリストだ、神だ、などと大声で叫ぶ人が現れる。主人公もついに持てるだけの物を持ってロンドン郊外の森へ逃げて生活を始める。しばらく生活をしていると、ある時ペストの拡散が止まり、砂浜の水が引くように消えていった。1664年9月初旬にオランダで流行しはじめ、3か月後の11月下旬にロンドンで死者が出始めて以来1年3か月後の1666年2月であった(pp5-6、p384)。その間にイギリス全土の輸出製造業は止まり、ロンドン商人の取引がバッタリと止まり、その他あらゆる種類の職人、小売商人が仕事を停止(p354)。それに関係した日雇い職人だの職工だのが多量にお払い箱になった(p354)。犠牲者の数の変化などが詳細にまとめられている。多くの人が感染したが、全く感染しない人がわずかにいて、何故か分からないと述べて最後に「…されど、われ生きながらえてあり」で終わっている。ドキュメンタリーに近い小説。

今回の新型コロナウイルスは、ペストほど病原性は強くないようですが、ロンドンと似たようなことが横浜などの都市で起こるかもしれませんね。感染拡大で中世ロンドンのような労働者解雇など、弱者の犠牲が生じないよう、政治の真価が問われることになるように思います。現代の方が医学や情報システムが発達していますが、程度の差はあると思いますが感染の恐怖心や行動は中世のロンドン市と似てくるように思います。人口が中世よりはるかに多く、密集し、産業がグローバル化している現代は、中世とは別の困難さを持っていますね。

下の画は街頭に現れた「おお、神よ。大いなる恐るべき神よ」と昼となく夜となく繰り返し叫ぶだけの裸の男。小説の挿絵P39。

以上、S.Tでした。

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