横浜映画サークル

サークルメンバーの交流ブログです。

メンバーの鑑賞感想や映画情報など気軽に記述しています。

メンバーが選ぶ2016年前半に観た映画で良かった、又は印象的な作品(その2/2)

2016-07-11 21:47:32 | メンバーが選ぶ良かった、又は印象的な映画

メンバーが選ぶ2016年前半に観た映画で良かった、又は印象的な作品(その1/2)」の続きです。

Uさんの3番目の作品からです。

3)『エクス・マキナ』(2016英、原題:Ex Machina)

 ウィキペディアでは2015年イギリスで制作されたSFスリラー映画と紹介されています。しかしこの映画は単なるスリラーではなく、近未来に起こりうる人工知能と人間との共存に疑問を投げかけるとともに、人工知能が人間並みの能力を獲得した時、両者の違いは何なのかを考えさせられる映画でした。

 IT企業で大儲けした天才プログラマーであるネイサンは、山岳地帯にある広大な研究施設内で1人、人工知能の開発を行っている。そこに呼ばれたプログラマーのケイレブは女性型ロボットであるエイヴァのチューリングテストを担当することになる。ケイレブは面談を行うたびにエイヴァと親密になっていき誘惑されそうになる。それは、エイヴァの容姿がケイレブの理想に近いものに作られていることにもよる。より高性能の人工知能開発のために、エイヴァはテスト終了後には初期化されてしまう予定だと知らされたケイレブは、施設のセキュリティシステムを解除してエイヴァを施設から逃がそうとする。

 セキュリティシステムが停電によって解除された時に、それを阻止しようとしたネイサンを殺し、ケイレブを施設内に閉じ込めたままエイヴァは逃走してしまう。

 近い将来に例えば、理想の恋人に似た容姿や性格を持った人口知能と出会った場合、その人間は彼女(または彼氏)を人間同様に好きになるのでしょう。しかし人工知能には感情がないのだから、人間並みの回答を期待することはできなのでしょう。最近、学習して進歩するプログラムの開発により、当分は人間に勝つのは不可能と言われた囲碁においても、人間を越える人工知能が作られています。人間型人工知能の出現は近い将来には達成されるのは確実でしょう。その時に人間はどう対応していくのか興味深いところです。

(下の画像左は美しい女性型ロボットエイヴァ。下の画像右の3人の右はネイサン(オスカー・アイザック)、左はエイヴァに惹かれるケイレブ(ドーナル・グリーソン)中央はエイヴァ)

 

画像出典左:『エクス・マキナ(2015)』あらすじ・ストーリー(ネタバレ結末)と感想http://nenozero.info/ex-machina/(2016/7/7閲覧) 画像出典右:ハワイ島ヒロ・シネマライフhttp://d.hatena.ne.jp/doiyumifilm/20150617/1434490734(2016/7/7閲覧)

 

 T.S. さん

ベスト作品は『ペコロスの母に会いに行く』(2013日本)

原作者岡野雄一の体験作品。雄一は今でも母みつえがいるグループホームを訪ねる日々とのこと。母みつえが10年前に亡くなった夫のために酒を買いに行くなどに困り、雄一はとうとう介護施設に預けることにする。施設に入った母みつえは、や、幼なじみのちえ子や、8歳で亡くなった妹が「うちによう会いに来る」と雄一にうれしそうに話す。雄一は「ボケるとも悪かことばかりじゃなかかもな」という。

私の亡くなった母や父と、映画の施設に入ったみつえが重なり、映画を見終えてしばらくたってから涙がじわっと出てきた。この原稿を書きながらまた涙がにじむ。私の父も徘徊するようになり、パトカーに乗って帰ってくることがしばしばあったが、パトカーの警官も慣れていて「道に迷っていたようなので送りました」と言ってすぐ帰っていく。父は首から住所札をかけていた。徘徊は昔の心が安らぐ場所を探して歩き回ることで、昔の場所はないので見つかることはない。どんどん知らないところへ行ってしまうとのこと。ボケることは心の中で心が安らぐ昔に戻ることに思える。そのうち私も昔に戻れるようになれるかもしれない。

ペコロスとは:直径3 - 4cm程度の小タマネギ。外国名でなく日本独自の名称。由来不明。(ウィキペディア:ペコロス)。雄一はギターを片手に歌う趣味があるがその出演時に自分をペコロスと名乗っている。

(画像左は実際の雄一さんと母みつえさん。右は母みつえ(赤木春恵)が訪問者が誰かわからなかったが、頭を見て息子の雄一と分かりびっくりする場面。母みつえ役の赤木春恵は88歳「世界最高齢での映画初主演女優」としてギネス世界記録に認定。)

 

画像出典左:JapaneseClass.jp http://japaneseclass.jp/trends/about/ (2016/7/4閲覧) 画像出典右:映画『ペコロスの母に会いに行く』予告編https://www.youtube.com/watch?v=XTORdG1AaOE (2016/7/4閲覧)

次は『シャレード』(1963米国、原題:Charade)

主人公(オードリー・ヘプバーン)の夫が殺され、関係者が次々と殺される。第2次大戦中、軍資金をナチスに取られたと偽って手に入れたグループの存在が浮かび上がってくる。本格的なサスペンスでありながら、オードリーの天真爛漫な主人公の明るさ、後半の展開の痛快さ後味がいい名作です。シャレードの和訳は「見せかけ行為」。古い作品ですが、さわやかなサスペンスの名作。音楽も良い。

(画像は主人公オードリー・ヘップバーンとスキー旅行先で知り合った男(ケーリー・グラント)がパリのセーヌ川のほとりを歩く場面。この男も偽りの仮面を持つ。)

画像出典:映画「シャレード」 サウンドトラック・スコア ヘンリーマンシーニ楽団https://www.youtube.com/watch?v=LEiCb8i3i2Y(2016/7/4閲覧)

その次は『ターミネーター: 新起動/ジェニシス』(2015米国、原題:Terminator Genisys)

ターミネーターファンが待ちに待った第5弾。ですがストーリーが複雑で昨年見たときには、何が何だかわからず、今年再度見てやっと理解できた。これから見る人は、「ウィキペディア:ターミネーター:新起動/ジェニシス」のストーリーを先に読んである程度ストーリーを理解してから見たほうがいい。ストーリーがわかっていても、十分楽しめる。

(下の画像左の左は人類の命運を持つサラ・コナー(エミリア・クラーク)、右はサラを守る旧型ターミネーター(シュワルツェネッガー)。未来から新しいターミネーターがサラを殺すべく1984年に送り込まれたとき、すでに旧型ターミネーターがいる。また、1984年から2017年に移動することも複雑で混乱する。画像右は韓国の俳優イ・ビョンホンが演ずる液体金属ターミネーター)

 

画像出典左:ciatr[シアター] 『ターミネーター:新起動/ジェニシス』海外感想評価まとめ【ネタバレあり】http://ciatr.jp/topics/43565(2016/7/4閲覧)画像出典右:Diarynoteターミネーター 新起動 ジェニシスhttp://episode13.diarynote.jp/201507131840348555/ (2016/7/4閲覧)

 

 M さん

ルーム』(2016カナダ、アイルランド、原題:Room)

いわゆる監禁物であるが解放されてからの心の葛藤、世間の関わり等が非常に良く描かれています。ルームより解放されたシーンは涙モノです。最近、同じような事件が国内でも起こり、興味深い内容でした。

(下の画像は扉のない「部屋ルーム」にいる親子。ここから長い間外に出たことがない。『ルーム』はF.M.さんが、「これから見たい映画」として挙げている作品です。そちらもご参照ください。)

画像出典:ガジェット通信、映画『ルーム』レニー・アブラハムソン監督インタビュー 「“子どもと親の絆”が掘り下げられている物語なんだ」http://getnews.jp/archives/1413934 (2016/7/13閲覧)

野火』(2015日本、英語題名:Fires on the Plain)

ワークショップで一緒になった娘が推薦していた作品です。案の定、自分が以前、鑑賞した白黒版ではなくカラー版でした。舞台関係の方が沢山出演しているからでしょうか、こんな暗い内容に興味をもっていることに感動していました。カラー作品ですので残酷さがよりリアルに描かれていました。また、機会があったら旧作も再見したいと思います。(下の画像左は主人公田村を演じる塚本晋也。旧作では堀越英二が演じた。塚本晋也監督の情熱で監督自ら主演を演じた自主製作作品。画像右はジャングルをさまよう日本兵。本ブログの表題『三国連太郎、船越英二、俳優のプロ根性。海外も調べてみました』(2013-06-04)で旧作や船越英二などについて説明がありますのでご参照ください。)

 

画像出典左右共:巨大な自然を舞台にした密室劇として描かれた『野火』塚本晋也監督インタビュー、映画『野火』より © Shinya Tsukamoto/海獣シアター http://webdice.jp/dice/detail/4780/ (2016/7/13閲覧)

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016米国、原題:Batman v Superman: Dawn of Justice)

古くからのアメリカのコミックの主人公ふたりが対決するというストーリー。各々、映画、テレビシリーズがあり、正義の主人公です。事件を解決するにあたり、周辺に迷惑を掛けているのではないかと悩み、悪役化するストーリーが面白かった。作品が目立ちます。超能力がある宇宙人と地球人との対決はスーパーマンに勝目があると思っていましたが五分五分。面白い展開でした。

(下の画像左はバットマン(ベン・アフレックが演じる)、画像右はスーパーマン(ヘンリー・カヴィルが演じる))

 

画像出典左:バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生http://blog.livedoor.jp/poter7227/archives/52454192.html (2016/7/13閲覧)画像出典右:本日公開『#バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』では映画史上初めての競演を果たす二大ヒーローが世紀の対決!https://twitter.com/warnerjp/status/713313058802675712 (2016/7/13閲覧)

 

 H.E さん

海よりもまだ深く』(2016日本)是枝裕和監督

大人になりきれないダメな中年男と年老いた母を中心に、夢みた未来と少し違う今を生きる「元家族」の物語。樹木希林さんて凄いです。

(下の画像の右端はダメ中年男の主人公(阿部寛)、その隣は別れた妻(真木よう子)、その隣は主人公の母(樹木希林)、左端は別れた妻のもとにいる息子。「なりたかった大人へなれなかった人へ」送る是枝作品。「海よりもまだ深い」ものは何か?映画を見るとわかるかもしれません。たぶん人生そのものと思います。)

画像出典:So-netブログ、阿部寛主演『海よりもまだ深く』映画化で真木よう子と共演!http://nogiju.blog.so-net.ne.jp/2015-12-26 (2016/7/20閲覧)

 

 K さん

ルドルフとイッパイアッテナ』(2016日本) 原作:斎藤洋

まだ観てはいないのですが、ぜひとも観てみたい映画として紹介します。ストーリーの一部は次のとおりです。子猫のルドルフは岐阜に住んでいたが、魚屋のおじさんに追いかけられ、逃げ込んだトラックで東京に運ばれてしまう。ルドルフは出会ったボス猫に名前をきくと「おれの名前は、いっぱいあってな。」と答える。名前がタイガーとかいっぱいあるという意味だったが、イッパイアッテナが名前だとおもい、そう呼ぶ。もう故郷に帰れないと悟ったルドルフはノラ猫になる決心をする。イッパイアッテナからノラ猫の生き方を学び成長をして行く。

原作者の斎藤洋さんは、『ルドルフが本の原稿を書いて斎藤さんが清書している』と言っています。ネコ本人が書いた原作から飛び出した映像はどんな風に仕上がっているのか観るのが楽しみです。

(下の画像左は黒い子猫ルドルフが車にひかれそうになったところを助けるイッパイアッテナ。画像右は大都会東京を屋根から見る2匹。ルドルフは、自分の家がどこかわからない。イッパイアッテナは飼い主がアメリカへ引っ越してしまったためノラ猫になった。)

 

画像出典左:映画『ルドルフとイッパイアッテナ』予告編http://trendtube.wdeco.jp/playlist/?quer (2016/7/21閲覧)画像出典右:Astage『ルドルフとイッパイアッテナ』8月6日全国公開http://www.astage-ent.com/cinema/rudolf-ippaiattena.html (2016/7/21閲覧)

以上です。

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メンバーが選ぶ2016年前半に観た映画で良かった、又は印象的な作品(その1/2)

2016-07-11 20:46:02 | メンバーが選ぶ良かった、又は印象的な映画

メンバーからメールで頂いた2016年前半に観た映画で良かった、又は印象的な作品は次の通りです。作品西暦は日本公開年度です。メンバーが2016年前半に観たもので公開年度や劇場で観たかに拘っていません。TVやレンタルDVDなどを含めて選んでいます。一部これから観たい映画を含みます。

  A さん

オデッセイ』(2016米国、原題:The martian)

  今年前半、印象的な映画は少なかったがその中ではこのオデッセイ』だ。原作・原題は「The martian」というから火星の人。なぜ邦題を「オデッセイ」にしたのかわからないが、英和辞典によれば波乱に富んだ長期の放浪冒険旅行のことを言うらしい。もともとは古代ギリシャのホメロス作と言われる長編叙事詩のこと。

  さて、あらすじ。有人火星探査ミッションを命じられた6人のクルーが、猛烈な砂嵐に遭い、死んだと思われるマーク(マット・デイモン)を残し撤収を余儀なくされる。ところがマークは生きていた。ここからマークは植物学者の知恵を駆使して水と食料を自分で作り、あの手この手で地球への生還を試みる。次のNASA有人機が来る予定は4年後。果たしてマークの運命はいかに、というところ。

  監督はリドリー・スコット。初期には「エイリアン」「ブレード・ランナー」「ブラック・レイン」「テルマ&ルイーズ」など私の大好きな作品が並ぶ。が、今回はそれらのスタイリッシュな作風とは味わいが違う。原作の荒唐無稽さもさることながら、火星に一人残されたというのにさほどパニックにもならず、淡々と作業をこなして地球生還をめざすマークの存在感がとにかく面白い。マット・デイモン超はまり役。悲惨な状況なのになぜか笑えてしまうのだ。女性指揮官が唯一残した70年代ディスコミュージックにマークが頭を抱えるシーンなどもあり、ゴールデングローブ賞のミュージカル・コメディ部門で作品賞と主演男優賞を受賞したというのもうなずける。火星にあんな物凄い砂嵐が起こるのかとか突っ込みどころもある(実際には火星の大気は非常に低いためあれほどのダメージにはならないらしい)が、リアルさも適度に散りばめてあり、画期的なラストまで一気に突き進むエンターテインメント性の強い作品。重厚な正統派ゼロ・グラビティとは一味違うが、変化形のこんな超ポジティブ宇宙サバイバル映画に酔いしれるのも良い。

 (下の画像左は火星に一人だけの主人公マーク。画像右は植物学の知識を駆使して植物栽培を試みる場面)

 

 画像出典左:【映画】『オデッセイ』火星でひとりぼっちhttp://dddccdddcc.com/2016/02/11/post-112/ (2016/7/9閲覧)画像出典右:TimeWrap映画『オデッセイ』マット・デイモン インタビュー映像が公開!http://timewarp.jp/movie/2016/01/26/77844/(2016/7/9閲覧)

 

 N さん

殿、利息でござる!』(2016日本)

 良かった映画は『殿、利息でござる!』です。実話をもとにした「無私の日本人(磯田道史著)」の中の一編「穀田屋十三郎」を映画化した作品です。自分の欲を捨て自分たちが暮らす破産寸前の宿場町を救った人々の話です。

 冒頭の内容は、十三郎は住む宿場町をなんとかしたいと思い、お調子者で自称知恵者の篤平治に酒場で相談を持ちかけます。すると篤平治は「お上(仙台伊達藩)はお金が入り用の様子だから1,000両をお上に貸し付け、その利息を宿場町の為に頂いたらいい」と提案します。その案を十三郎が実現しようと本気で動き出してしまい、焦った篤平治も私財を全て手放し、藩に1,000両を貸し付ける為に奔走していきます。中盤は登場人物達の胸の内が吐露されたり・・・色々有ります。コメディーなのかと思っていたら違い、ユーモアと感動がある人情ドラマでした。登場人物の一人一人のキャラクターがしっかり描かれてとても魅力的です。俳優さん達の素晴らしい演技とテンポ良いストーリーで、良かったです。金メダリストの羽生結弦さんの登場も効果的でした。

 (下の画像左は夜逃げが出るほど困窮した宿場を救う相談の場面。右の篤平治(瑛太)が当面の金に困っている藩に金を貸す案を出し、中央の十三郎(阿部サダヲ)がその案に乗る。左は酒場の女将(竹内結子)。宿場困窮の原因は藩直轄領でないため「伝馬役」(宿場間の物流の役務)の助成金が出ず、宿場住人の自腹で行っていたため。下の画像右は宿場がある伊達藩藩主伊達重村(羽生結弦))          

 

画像出典左:シネマトゥデイ殿、利息でござる!http://www.cinematoday.jp/movie/T0020303/photo/003(2016/7/9閲覧)画像出典右:羽生結弦のチョンマゲ演技姿も!阿部サダヲ主演「殿、利息でござる!」本予告映像が解禁でござるhttp://mag.japaaan.com/archives/36808 (2016/7/9閲覧)

 

 F.I. さん

トトザヒーロー』(1991ベルギー仏独合作、原題:TOTO LE HEROS)

老境に差し掛かった主人公の回想形式で絶妙なタッチで描いた。トマ老人の最愛の父と、姉が死んだのは隣の息子アルフレットのせいという被害妄想で、トマ老人が自分の半生を思い返しながら復讐を決意。ピストルを持ってアルフレットの家へいく。まず、効果音が素晴らしく、全体的にノスタルジックな雰囲気とポップな映像美に溢れていて、少年から青年になり、思春期を迎えるその感情描写が素晴らしい。1991年カンヌ映画祭でカメラドールを受賞し、センセーショナルなデビューを飾ったジャコ・ヴァン・ドルマル(ベルギー出身)初監督作品。

(下の画像はトマ老人の回想場面、大好きだった姉がトランペット、父がピアノを弾き楽しく歌っている。この歌がとてもポップ。題名のトトは、真実を見つけ出そうとする探偵でトマ老人の心の中にいる。)

 

 画像出典:http://www.bing.com/images/searchhttp://www.quefaire.be/toto-le-heros-de-jaco-van-633061.shtml(2016/7/7閲覧)

トントン(冬冬)の夏休み』(1990台湾、原題:冬冬的假期)

 監督ホウシャオシエン。小学校を卒業した冬冬は母が病気で入院したため、妹と共に夏休みを田舎の祖父の家で過ごすことに。祖父は厳格だったが、冬冬は田舎の子供たちと仲良くなって遊ぶ。一方妹はなかなか仲間にいれてもらえず、兄たちにイタズラしたりの日々。やがて、台北から父が迎えに来て・・・。

 第7回ナント三大陸映画祭グランプリ受賞作品。この映画の見所は田舎にいた精神病の女性と冬冬の出会いであろう。子供から見た大人の世界の複雑さ、残酷さ等、低予算で作られたにもかかわらず上手く描かれている。冬冬にとって、大人は未知の世界の生物であり、大人顔負けの真実を突きつける冬冬は誰しも忘れがちな子供時代の歯がゆさを思い起こしてくれるであろう。

 (下の画像左は母の病気を見舞う冬冬(トントン)と妹の婷婷(ティンティン)。画像右は母が病気のため田舎へ行くことになった二人。田舎へ行く途中などで二人にいろいろなことが起こる。)

画像出典左右共:「となりのトトロ」の元ネタ?80年代大ヒット台湾映画『冬冬の夏休み』に注目http://timewarp.jp/movie/2016/05/17/81482/(2016/7/11閲覧)

 

 F.M. さん

よかった映画①『振り子』(2015 日本)

鉄拳のパラパラ漫画から、こんな映画が・・と、新しい試みとして、単純に面白かったです。(下の画像左は幸せな時の二人(中村獅童と小西真奈美が演じる)。画像中央はパラパラ漫画の妻が老いて死んでいくので時間(振り子)を止めようとする夫の場面。この後に涙を誘う場面になる。次のURLから原作パラパラ漫画を見れます。https://www.youtube.com/watch?v=EB19So6SNe0 【公式】鉄拳『振り子』パラパラ漫画 / furiko。画像右は原作者鉄拳。シャイなところがあり、素顔は日本人離れしたハンサムです。)

画像出典左:MARBLE【泣ける!】映画「振り子」に感動して号泣する人多数!【鉄拳】 http://topicks.jp/60395(2016/7/11閲覧)画像出典中央:鉄拳の感動パラパラ漫画~『振り子』最高傑作!http://iinegoods.com/2012/12/post-224.html (2016/7/11閲覧)画像出典右:不明

②『17歳の肖像』(2010英)

60年代のイギリスの様子や、主人公がパリに憧れる気持ちとか・・。ラストが、なかなか逞(たくま)しくてよかったです。(下の画像左は右端に主人公のジェニー・メラー(キャリー・マリガンが演じた)がいる。画像右は恋に落ちた主人公左と年上の相手右。主人公は大人っぽく見せている)

 

画像出典左:僕の映画日記「17歳の肖像」http://blogs.yahoo.co.jp/mentatsurou2/60030352.html(2016/7/11閲覧)画像出典右:シネマトゥデイ17歳の肖像http://www.cinematoday.jp/movie/gallery/T0008380 (2016/7/11閲覧)

見たい映画ルーム』(2016カナダ、アイルランド、原題:Room)映画紹介を見て、これは見ておきたい映画だと。(下の画像は宣伝パンフ。扉のない「部屋ルーム」から外に出たことがない親子は、子供が5歳になり、ついに出る。いったいなにが起きているのか?)

画像出典:TUTAYA映画「ルーム」http://tsutaya.tsite.jp/feature/movie/campaign/room/index(2016/7/11閲覧)

 

 U さん

1)『ブリッジオブスパイ』(2016米国、原題:Bridge of Spies)

題名の『ブリッジオブスパイ』は、米国とロシアのスパイ交換が行われた東独のグリーニッケ橋を指すとのことですが、弁護士ジェームズ・ドノバン(トム・ハンクス)が果たした、橋渡しの役割でもあります。冷戦時の1950年代に諜報活動をしていて、FBIに逮捕されたソ連のスパイであるルドルフ・アベルの米国での裁判の公平性を演出するために、老弁護士ドノバン(トム・ハンクス)が形式だけの弁護人として選ばれます。ドノバンは形だけの弁護ではなく人道的な面から弁護を行い、死刑判決の回避を勝ち取りますが、彼はそれを報道したマスコミや世間からパッシングを受けることになります。

一方、1960年にソ連の上空を偵察飛行していたU-2偵察機がミサイルで撃ち落とされ、脱出したアメリカ軍人パワーズはソ連内で禁固刑となり拘束されます。さらには、ベルリンの壁建設時に東ベルリンの恋人を西ベルリンへ逃げようとしたアメリカ人留学生プライヤーが東ベルリンで逮捕されてしまいます。

CIAダレス長官から、アメリカ軍人パワーズとソ連スパイアベル交換交渉依頼を秘密裏に受けた弁護士ドノバンは、民間人は見捨てろというCIAの指示に反対して留学生プライヤーも含めた2対1の捕虜交換をソ連および東独に同時提案して、みごと2人を交換し解放することに成功するのです。

 この映画は派手なアクションや戦争場面はないものの、各国情報機関との駆け引き、マスコミや世間の偏見への葛藤、家族との絆、敵国スパイにも注ぐ正義感など、リアルで緊張感ある場面が映画全体から伝わってきました。見ているとどんどん映画の中に引き込まれ満足感の残るラストでした。最近のアメリカ映画では少なくなりましたが、しっかりとしたストーリーを持つ映画です。また、困難な状況の中でも信念を失わずに職務を全うすることがどれほど貴重でかつ難しいかを教えてくれる映画です。

(下の画像左の左がソ連スパイアベル(マーク・ライランス)右が老弁護士ドノバン(トム・ハンクス)。下の画像右は実際の弁護士ドノバン(左)とアベル(右))

画像出典左右共:Connect The Movie. http://aesuck.blog86.fc2.com/blog-entry-410.html (2016/7/7閲覧)

2)『クリードチャンプを継ぐ男』(2015米国、原題:Creed)

 シルベスタースタローンのロッキーシリーズは過去6作あります。1作目「ロッキー」が1976年ですから、誕生からもう40年もたったのですね。シリーズではこの1作目がダントツでしたね。当時、いろいろなチャンプ映画がありましたが、アメリカンドリームを絵に書いたようなストーリーと今でも元気を鼓舞されるあの音楽には、圧倒されました。それから30年後の2006年に制作された6作目「ロッキー・ザ・ファイナル」は、老いたシルベスタースタローンのボクシングシーン、この姿には、かつての感動を感じることはできず残念でした。

今回の映画はさらに10年もたって制作されたものなので、最初はあまり期待していませんでした。リングに立つのは、今度はスタローン自身ではなく、かつてのライバルであったアポロ・クリードの息子アドニス・ジョンソンです。アドニスのトレーナーを引き受けたスタローンが、彼を自身の後継者に育てていくというものです。

最初は何度もトレーナーを断っていたのですが、ロッキーはアドニスにかつての自分を重ね合わせて、最後にはトレーナーをひきうけることになります。残りの人生を若者の成長のために費やしていくのは、結果としてロッキー自身の成長にもなったわけです。第2の人生を脇役として生きていくこの姿は、シニアライフをしている私のこれからにも参考になるものでした。

最後にロッキーが、かつて何度もトレーニングのために駆け上がった階段を息を切らせながらやっと登っていくシーンは、やはり老いのさみしさを感じさせられました。でも、アドニアがロッキーを気遣いながらも、尊敬しているところが、世代を超えて(ボクシング)技術を共有しているもの同士のつながりを考えさせられました。自分の一番大切なものを引き継ぐことの満足感は他の多くの技術にも共通なのでしょう。

(下の画像は、ロッキーが何回も何回も駆け上がった階段の上から二人がフィラデルフィアの街を眺めている場面。右の帽子をかぶっているのがロッキー(シルベスター・スタローン)左がアドニス・ジョンソン(マイケル・B・ジョーダン)。なお、この作品は本ブログの『メンバーが選ぶ2015年後半に観た映画で良かった、又は印象的な作品(その2)』でAさんが「今回観た中で断トツの一本」として取り上げていました。)

画像出典:これは必見! ロッキーが永遠のライバル・アポロの息子のトレーナーをつとめタイトル戦に挑む感動作『クリード チャンプを継ぐ男』予告編http://officiallist.videotopics.yahoo.co.jp/video/moviecollection/38509/(2016/7/7閲覧)

Uさんの3番目の作品は文字数制限で次の(その2/2)へ続く。

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映画『凶悪』残虐性シリーズ(その4-未決)戦争映画概観(2/2)作成中

2016-07-09 23:11:00 | 映画凶悪・戦争のサイコパス残虐性シリーズ

永遠の0

原稿作成中、でき次第掲載いたします。ページスペース確保のため表題を設けています。

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映画『凶悪』残虐性シリーズ(その4-未決)戦争映画概観(1/2)作成中

2016-07-09 23:09:22 | 映画凶悪・戦争のサイコパス残虐性シリーズ

男たちの大和

原稿作成中、でき次第掲載いたします。ページスペース確保のため表題を設けています。

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映画『凶悪』残虐性シリーズ(その4-未決)少年A更生の失敗(2/2)作成中

2016-07-09 23:07:13 | 映画凶悪・戦争のサイコパス残虐性シリーズ

原稿作成中、でき次第掲載いたします。ページスペース確保のため表題を設けています。

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