横浜映画サークル

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メンバーが選ぶ2022年後半に観た映画で良かった、又は印象的な作品(2/3)

2023-01-11 17:27:07 | メンバーが選ぶ良かった、又は印象的な映画

(1/3)の続き。

F.Mさん

①[セントラルステーション] (1998年ブラジル 監督ヴァルテル・サレス)

リオデジャネイロの中央駅で、かつては教師をしていて今は代筆業を営む女性ドーラは、ある出来事から1人の少年ジョズエと共に父親を探す旅に出る。その父親探しを通して、2人の心の交流を叙情豊かに描いている

余韻が残りどこか懐かしさもあって、この後の人生でどうか2人共幸せを見つけて欲しいと願うラストで、ベルリン国際映画祭でブラジル初の金熊賞受賞も納得の1本でした。

(下の画像は列車に乗る少年ジョズエと右に代筆業の女性ドーラ)

画像出典:映画ポップコーン セントラル・ステーションhttps://eiga-pop.com/movie/3186 (閲覧2023/1/11)

 

②[スポットライト 世紀のスクープ](2015年アメリカ 監督トム・マッカーシー)

カトリック教会の神父による性的虐待への真相を暴いた新聞社『ボストン・グローブ』の特集記事「スポットライト」を担当しているメンバーが奔走する姿を描いた実話に基づいている作品で、第88回アカデミー賞の作品賞・脚本賞やその他数々の賞に輝き大きな評価をされた作品です。

予備知識も全く無く軽い気持ちで見始めたため…その内容には唯々驚きました。

昨年は日本でも自衛隊やそれこそ映画業界でも、長年隠されていたセクハラ問題が大きな社会問題となった年でも有り、やはり色々な意味で印象に残る1本になりました。

(下の画像は新聞社『ボストン・グローブ』の記者たちの場面)

画像出典:『スポットライト 世紀のスクープ』公式サイトhttps://longride.jp/spotlight-scoop/story.php (閲覧2023/1/11)

 

③[ミスト](2007年アメリカ 監督フランク・ダラボン)

霧の中に潜む謎の生物に恐怖し、常軌を逸して行く人々の姿を描く『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』などと同じ原作スティーブン・キングとのコンビが描くパニックミステリーです。

ショーシャンクなどに比べると、後味も悪く全体的には好きにはなれない感じの映画でした。

が、やはラストの衝撃が印象的過ぎて…唐突過ぎて…どうして?と……人生、諦めてはいけないと言いたかったのか??見る側に委ねた?あなたならどうしたかと?

ちなみに、原作はもう少し希望のあるラストとの事で…???なラストで、やはり印象的な1本になりました。

(下の画像左は霧の中に潜む謎の生物に捕らわれる人を助けることができずにガラス越しに見ている人たち。画像右はシャッタをこじ開けて謎の生物がタコの足のような部分を使い人を捕えようとする、それを防ごうとする人たち)

画像出典左:one’s impressions【映画】ミスト(2007)https://blog.goo.ne.jp/eiji8129gcd/e/935e2d4ea66d59705fea2c5adb7c03b5 (閲覧2023/1/11)      画像出典右:acting.jp 2008年映画ベスト と『WALL・E』1)ミストhttps://acting.jp/best-movie-2008/ (閲覧2023/1/11)

 

※諸事情で昨年は映画館では見られなかったので、テレビで見た旧作の中から選びました。今年は少しは映画館で見たいと思っています。

 

N.Mさん

THE FIRST SLAM DUNK(2022日本 監督 井上雄彦 アニメ作品)

バスケットボール漫画のスラムダンクの劇場版です。スラムダンクが流行していたとき、それほど漫画に熱中していたわけではありません。ただ漫画が連載されていた期間が、中学・高校の部活でバスケットボールをしていた時期と重なっていたこともあって、それなりに関心のあった漫画でした。部活をしていた当時を思い出させてくれる映画でした。当時、私が履いていたシューズや買っていた雑誌が出てきたり、試合での応援の掛け声の仕方が当時そのものであったり。

主人公ではないチームメイトの1人にスポットが当てられたストーリーです。原作とは異なる視点から作られたストーリーのため、漫画の内容を知らない方だけでなく、知っている方も十分に楽しめる内容だと思います。

下の画像は、ネットで拾ってきたものです。宣伝用の画像です。

画像出典:ユナイテッドシネマ岡崎THE FIRST SLAM DUNK©I.T.PLANNING,INC.©2022 THE FIRST SLAM DUNK Film Partnershttps://www.unitedcinemas.jp/sp/okazaki/film.php?movie=9821&from=all (閲覧2023/1/9)

 

S.Tさん

1番目『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2022米 監督コリン・トレヴォロウ  原題Jurassic World: Dominion直訳ジュラシック・ワールド:土地所有権)

二子玉川109シネマズの6000円席IMAXで観てきました。私は現在ほとんどの時間を困難な仕事に集中しているので旅行へ行くでもなく、豪勢な食事をするでもなく、このVIP席は唯一の贅沢です。VIP席については本ブログの表題「二子玉川109シネマズ、グランド・エグゼクティブシート6,000円行ってきました」

https://blog.goo.ne.jp/yokohamaeigasa/e/83338afd3cfa0dadc70db3ca034fd548 を参照してください。

ストーリ:前作で恐竜たちを古代から蘇生し、動物園のように見学できるようにしていた島が火山噴火で壊滅したが、多くの恐竜が北アメリカに連れてこられ解放された。それから4年後が今回の作品。希少動物を違法に売買する組織が恐竜にも手を広げていた。前作で恐竜飼育をしていた主人公は以前自分が飼育していたラプトルの子供が恐竜密売組織に捕らえられたことを知り、ラプトルの母親に取り返そうと動き出す。

感想羽毛がある恐竜など最新科学情報を反映しているところはいい。食料対策を狙いDNA操作で巨大イナゴを登場させたり、恐竜密売組織があるイタリアのマルタ島で主人公が恐竜に追われたり、テーマが複数拡散していて捉えにくくなっているのが残念ハラハラドキドキが次から次と連続過ぎて少し飽きる、ハラハラドキドキが好きな人にはたまらないと思いますが。マルタ島のシーンはジャッキーチェンの香港映画のハラハラドキドキに似ていて、これまでの恐竜の神秘から生じるハラハラドキドキと異なり活劇的で、本シリーズらしくないと思えます。肉食恐竜対肉食恐竜の闘いなど恐竜の迫力は期待通りでした。題名の「新たなる支配者」の重要な意味はなさそうで、恐竜との共存ということのようです。

(下の画像左:羽毛で覆われているピロラプトル、主人公たちを襲う。画像中左:主人公が乗る飛行機を襲う羽毛のあるケツァルコアトル。画像中右:DNA操作で巨大化したイナゴ、植物を食い尽くす。画像右:マルタ島の中をオートバイで逃げる主人公、後ろに追う恐竜)

画像出典左:ピロラプトルhttps://jurassicpark.fandom.com/ja/wiki/%E3%83%94%E3%83%AD%E3%83%A9%E3%83%97%E3%83%88%E3%83%AB (閲覧2023/1/8)   画像出典中左:<画像11 / 17>恐竜キッズも大興奮!今夏最注目の「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」を親子で観に行こう!https://www.walkerplus.com/article/1092118/image10950327.html  閲覧2023/1/8)     画像出典中右:【ネタバレ感想・振り返り・吹き替え】完結編「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」は恐竜映画ではなくイナゴ映画だった!https://hitorideidobatakaigi.com/movie-jurassic-world-dominion-review-netabare/  (閲覧2023/1/8)    画像出典右:『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』公式サイトhttps://www.jurassicworld.jp/  (閲覧2023/1/8)

 

2番目『わが青春つきるとも-伊藤千代子の生涯(2022日本 監督:桂 壮三郎)

戦前日本の中国大陸侵略戦争に反対し、虐殺された人の映画は『小林多喜二』しか知らなかったが、女性でも反対を貫いた人がいるのはこの映画を観るまで知りませんでした。小林多喜二が虐殺される4年前1929年に24歳で亡くなっています。今の日本が米国などと一体になって戦争ができるように準備を着々と進めていると思える中でこの映画は印象的でした。戦前の様子を知ると、この映画をさらに深く理解できるかもしれません。女性にはまだ選挙権がない時代です。

ストーリ1928年3月15日の共産党とその関係者と思われる約1600人が一斉に検挙された事件から映画は始まる。特高警察から主人公も逃げるが捕まる。そこから画面は主人公の学生時代に移り、主人公が友人や先生や労働争議に関わり、女子学連の結成に参加していくなどの過程が描かれる。検挙されても決して思想を変えずに貫き通し、獄中から捕まった他の仲間を励ました。夫は拷問に耐え切れず、ついに転向(戦争推進側へ)する。

感想:日本共産党の宣伝映画と見ようと思えば見えますが、当時侵略戦争に正面から反対し、主権在民や女性の選挙権獲得を掲げ民主主義を求めたのは共産党しかいなかったようなので、戦争反対を掲げる人の姿を描こうとすれば共産党を含めて描かざるを得ない状況だったと思います。こんなに勇気ある女性がいたのかと感心して観てしまいました。また、こんなに純粋な女性を虐待死に追い込む時代の残酷さを感じました。

私が学生の頃、1970年代の古い話ですが学生自治会と名乗っていた中核派の人に学生食堂で女子学生が、昼を食べる私の近くで「あなたたちを選んだことはないから、学生自治会を名乗るのはおかしい、何も知らない新入生から自治会費を取るのは詐欺」というようなことを言っていた。その女性の顔が実際の伊藤千代子に似ているようでハッとしました。中核派は新入生の住所録を入手し、自治会費の振り込み用紙を郵送していた。集めた「自治会費」を当時成田闘争の資金にしていたと思われる。その女性はそのあと校門で中核派に捕まっていた時に、他の多数の学生たちが取り囲んでその女性を救い出した、と後で聞いた。中核派は10数人が鉄パイプで武装し反対者を襲い、学生と職員の約5千人が反対できないようにしていた。政治用語ではテロ独裁という状態。しばらくして中核派は対立派を襲い殺して殺人罪で3人が指名手配されていた。捕まらず時効になったと思う。直接は映画に関わりませんが、勇気ある女性として伊藤千代子の実際の写真で思い出しました。当時の学生運動の一部が暴力化粗暴化して一般学生から離れていく過程について、別の機会にサイコパスの存在とともに考えたいと思っています。

(下の画像左:諏訪の製紙工場での労働争議、中央の和服の人が主人公役井上百合子。現代の私には周囲の女工は非正規社員の女性たちで主人公の位置に人権派弁護士がいるように見える。画像中:特高警察に捕まり殴られて、睨みつける主人公。指の間に鉛筆を入れて掴まれるなどの場面があるが、実際の拷問はもっと激しいものであったと思う。映画では激しい拷問場面はない。画像右:実際の東京女子大21歳ころの伊藤千代子)

画像出典左:埼玉新聞 拷問の末、24歳で非業の死…社会運動家・伊藤千代子の生涯描いた映画、全国で広がる ベテラン俳優も登場 https://www.saitama-np.co.jp/news/2022/06/10/07.html (閲覧2023/1/9)     画像出典中:パンフレットよりコピー      画像出典右:中日新聞 早世の女性活動家に光 伊藤千代子の生涯 銀幕に 東京女子大時代の21歳ごろ=伊藤千代子の会提供 https://www.chunichi.co.jp/article/547617 (閲覧2023/1/9)

 

3番目『生きるLIVING(2023英 監督オリバー・ハーマナス  脚本カズオ・イシグロ  原作黒澤明)

黒澤明監督による『生きる』(1952)がカズオ・イシグロの脚本によりリメイクされ、2023年3月31日に公開されるとのことで見てみたい映画です。黒澤の『生きる』は劇場でもTVでも何回か見る機会があり、作品のテーマが鋭く自分に突き付けてくるので忘れられない映画になっています。

黒澤の『生きる』は映画の中で歌われる「いのち短し恋せよ乙女、紅き唇あせぬ間に、熱き血潮の冷えぬ間に、明日の月日はないものを」と繰り返えされるこの歌の中に、この映画のテーマが凝縮されていると思います。

カズオ・イシグロの『生きるLIVING』は黒澤作品の良さを再び味あわせてくれるだろうか?期待しています

(下の画像左:黒澤作品の主人公・役所の課長(志村喬しむらたかし)が人生で初めて積極的に動いて実現した公園のブランコに乗り、雪の夜に「いのち短し恋せよ乙女、紅き唇あせぬ間に、熱き血潮の冷えぬ間に」と歌う場面。この次の日に他界する。葬儀では、役所の人たちが、なぜ主人公はあんなに一生懸命公園を作るために動き回ったのかをいろいろ推測する。画像右:『生きるLIVING』で主人公を演じるビル・ナイ)

画像出典左:【映画】「生きる」(1952年) 観ました。(オススメ度★★★★★)https://imakokowoikiru.hatenablog.com/entry/2020/07/29/060000 (閲覧2023/1/9)       画像出典右:映画.com生きるLIVINGhttps://eiga.com/movie/96311/ (閲覧2023/1/9)

以下(2/3)へ続く。

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