横浜映画サークル

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メンバーが選ぶ2022年前半に観た映画で良かった、又は印象的な作品(1/3)

2022-07-11 21:41:07 | メンバーが選ぶ良かった、又は印象的な映画

メンバーからメールで頂いた2022前半に観た映画で良かった、又は印象的な作品です。作品西暦は特記がなければ日本公開年度、次に製作国です。メンバーが2022年前半に観たもので公開年度や劇場で観たかに拘っていません。TVやレンタルBDなどを含めて選んでいます。これから見たい映画も取り上げていいとしています。今回は新型コロナのため映画館で観るのを控えた会員もいますので、2022年前半に観た映画でなくてもいいとしています。また、感想などでネタバレの要素がある場合がありますのでご了承ください。

F.Mさん

①[ドリーム] 2017年アメリカ 監督セオドア・メルフィ

1961年米国初の有人宇宙飛行「マーキュリー計画」を陰で支えたNASAで働く3人のアフリカ系アメリカ人の女性の勇気と感動の実話に基づく物語との事。黒人への差別が激しい時代背景の中、しなやかに逞しく奮闘する彼女達の姿にとても元気をもらいました

ただ、かなり脚色や変更がされていたと言う記事には「さもありなん」と残念には思ったが、この映画自体は純粋に楽しめたのでおススメです。

(下の画像はNASAで働く優秀な頭脳を持つ黒人女性たち、計算グループリーダ、技術部エンジニア、数学の天才がいる)

画像出典:Cinemarche映画ドリームあらすじネタバレと感想!マーキュリー計画ラスト結末はWriter : 馬渕一平https://cinemarche.net/drama/dreammovie/ (閲覧2022/7/11)

②[インビスタス/負けざる者たち]2009年アメリカ 監督クリント・イーストウッド

1994年の南アフリカ共和国。ネルソン・マンデラは、反体制活動家として27年もの間投獄されていたが、1990年釈放されてこの年初の黒人大統領となった。アパルトヘイト(人種隔離)の廃止後も残る黒人と白人の対立をなくそうと、弱小ラグビーチームに希望を託し、1995年の自国でのワールドカップ優勝を目指す実話を基にした物語との事。

マンデラ自身が、主役にモーガン・フリーマンを希望し、そのフリーマンがクリント・イーストウッドを監督に指名したと言う話も、興味深く読みました。イーストウッドは(他の数々の作品を見ても解る様に)監督としても素晴らしく、ラグビーがよく解らなくても、大変面白かったです。

(下の画像左は南アフリカ黒人白人混成チーム中央に主将役マッド・デイモン。画像右は実際の2018年の南アフリカチーム)

画像出典左:インビクタス/負けざる者たち - おすすめのマイベスト映画とDVDhttp://makemyself.blog64.fc2.com/blog-entry-516.html (閲覧2022/7/11)  画像出典右:RUGBY ISLAND南アフリカvsイングランド 1戦目(2018/6/9)https://rugby-island.com/oversea/2116/ (閲覧2022/7/11)

(下の画像左は大統領ネルソン・マンデラ役モーガン・フリーマンが主将役マッド・デイモンに優勝カップを渡した場面。画像右は実際のマンデラ大統領が主将フランソワ・ピナールに優勝カップを渡している画像)

画像出典左:シネマカフェ ラグビーW杯開催記念!マット・デイモンら出演『インビクタス/負けざる者たち』放送https://www.cinemacafe.net/article/2019/09/20/63583.html (閲覧2022/7/11)  画像出典右:YouTube Springboks unite a nation | 1995 Rugby World Cup Final | Nelson Mandelahttps https://www.youtube.com/watch?v=G7E4KGJFTek (閲覧2022/7/11)

③[ちょっと今から仕事やめてくる]2017年日本 監督成島出(八日目の蝉・ソロモンの偽証など)

原作は電撃小説大賞の北川恵海。ノルマが厳しい企業に勤め、心身共に疲弊した青年が、幼馴染を名乗る人物に命を助けられたのをキッカケに、その人物との交流を通して、生き方を模索して行く様子が描かれています。

期待せず軽い気持ちで見始めて…ラストが明るい感じで終わっていたので、ホッとしました。今真面目でお仕事などに深く悩んでる方々に、是非見てもらいたいと思いました。

ラストに出てきたバヌアツ共和国の景色も美しく、行きたくなりました(笑)

(下の画像左は上司に頭を下げる主人公。画像中は幼馴染を名乗る人物左との交流場面。画像右はバヌアツの海岸で空を見上げる幼馴染を名乗る人物)

画像出典左:hmhm「ちょっと今から仕事やめてくる」のネタバレあらすじと結末、みんなの感想(5件)https://hm-hm.net/drama/%E3%81%A1%E3%82%87%E3%81%A3%E3%81%A8%E4%BB%8A%E3%81%8B%E3%82%89%E4%BB%95%E4%BA%8B%E3%82%84%E3%82%81%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%82%8B (閲覧2022/7/11)  画像出典中:MAiDiGi【動画】福士蒼汰、工藤阿須加が共演 主題歌はコブクロ 映画「ちょっと今から仕事やめてくる」予告編https://maidigitv.jp/movie/pUaJ7hn_WOk.html (閲覧2022/7/11)  画像出典右:VODの殿堂「ちょっと今から仕事やめてくる」のあらすじ・感想・ネタバレ~ブhttps://vod-halloffame.com/movie/16859.html (閲覧2022/7/11)

☆今見たい映画

ドライブ・マイ・カー(久しぶりに原作を読みたくなり読書中)

ベイビー・ブローカーシン・ウルトラマン流浪の月PLAN75

諸事情で、今映画館になかなか行く事ができないので、見たい映画も溜まってます。

特にPLAN75は、すでに見た方がいたら感想など聞きたく思っています。

 

Nさん

印象に残った作品は今年公開された映画です。

メタモルフォーゼの縁側』(2022日本 監督狩山俊輔)

人付き合いの苦手な女子高生うららと、夫は亡くなり娘は海外生活で一人暮らしの75歳の雪が、BL漫画を通して交流していくストーリーです。

17歳のうららと75歳の雪さんの二人の空気感があたたかくほっこりする作品でした。

(下の画像は縁側で話しをするうらら(芦田愛菜)と雪(宮本信子))

画像出典:シネマトゥデイ「メタモルフォーゼの縁側 (2022) 」https://www.cinematoday.jp/movie/T0027204 (閲覧2022/7/11)

 

流浪の月』(2022日本 監督 李相日)

公園で雨に濡れながら本を読んでいた女子児童を自分の部屋へ連れて帰り、2ヶ月間一緒に暮らしたのち誘拐犯として逮捕された19歳の青年文と当時10歳で被害女児となった更紗が15年後に偶然再会し、しだいに心を寄せていく様を描いています。

重い内容で暗いトーンのシーンばかりでしたが、松坂桃李さん、広瀬すずさん、更紗の子ども時代を演じた白鳥玉季さん、横浜流星さんの演技が素晴らしく圧倒された2時間半でした。

(下の画像左は公園で雨に濡れながら本を読んでいた女子児童(白鳥玉季さん)と一緒に暮らす19歳の青年(松坂桃李さん)。画像右は女子児童15年後(広瀬すずさん))

画像出典左:シネマトゥデイ800人から抜擢!『流浪の月』広瀬すずの幼少期を演じたのは?『流浪の月』より10歳の更紗(白鳥玉季)と19歳の文(松坂桃李) - (C) 2022「流浪の月」製作委員会https://www.cinematoday.jp/news/N0129857 (閲覧2022/7/11)   画像出典右:FASHION PRESS映画『流浪の月』広瀬すず&松坂桃李W主演、本屋大賞の人気小説を李相日監督で映画化 https://www.fashion-press.net/news/76000 (閲覧2022/7/11)

 

Aさん

今回は、劇場で観た『流浪の月』と、テレビ録画で観た『サムライ』の二本について。

流浪の月(2022年日本 監督/李相日 原作/凪良ゆう)

本屋大賞を受賞した凪良ゆう原作の『流浪の月』を『フラガール』『悪人』『怒り』で評価された李相日監督が映画化した。撮影監督が『パラサイト』などのホン・ギョンピョで心象風景の表現がとても美しい

公園で家に帰れない少女更紗(白鳥玉季)を自分のアパートに連れて行った大学生の文(松坂桃李)。帰りたくないという少女をかくまう期間は長くなり、二人は穏やかな時間を過ごす。やがて誘拐犯と被害女児として扱われて警察に追われ、文は捕まってマスコミの標的になる。15年後に偶然再会した時には文も更紗(広瀬すず)もそれぞれ恋人がいたのだが……。そこからまた新たな運命が動き出す。

原作がとても良かったので、映画に期待していたのだが、ちょっと表現足らずの面があったように思う。原作が丁寧に書いている部分を映画では端折っているところもあり、原作を読んでいないとわかりにくい面もあるだろう。その分、映像は十分に美しいのだが。

全般に映画の方が性愛にこだわっている印象があるが、それよりも、あくまで自由な形の人生を選んだ、二人だけの新しい未来を感じさせるような、もっと明るいイメージのラストにして欲しかった

松坂桃李は思っていた配役とは違ったが、役に合わせて激痩せしたりとても頑張っていたという好印象が残った広瀬すずは、まあ、いつもの雰囲気でそのままという感じ。更紗の恋人を演じた横浜流星はDVっぽい役が似合っていて新境地白鳥玉季は可愛さと不思議な魅力があって適役だった。

ちなみに李監督の作品では、蒼井優の功績もあるが、やはり『フラガール』が一番好きだ。

(下の画像左は役に合わせて激痩せした大学生役松坂桃李。左に少女役白鳥玉季。画像右はDV(ドメスティックバイオレンス)っぽい役が似合っていて新境地の横浜流星)

画像出典左:シネマカフェ 広瀬すず×松坂桃李W主演『流浪の月』韓国公開へ “水”が2人を繋ぐ新場面写真も https://www.cinemacafe.net/article/2022/06/09/79220.html (閲覧2022/7/10)   画像出典中:『流浪の月』激変の横浜流星が「凄すぎる」と反響https://www.cinematoday.jp/news/N0130154 (閲覧2022/7/10)

 

サムライ(1967年フランス 原題/Le Samurai 監督/ジャン=ピエール・メルヴィル)

アラン・ドロン主演のフレンチ・ノワールの傑作。薄汚れたこの時代のパリが、ある意味たまらなく美しい。

冒頭、『武士道』からの引用「侍ほど深い孤独の中にいる者はいない。おそらくそれは密林の虎以上だ」の文言が流れる。サムライを意識させるのはここだけ。殺風景な部屋に一羽の小鳥の声だけが聴こえる。誰もいないのかと思ったらベッドから細い煙が。横たわっていたアラン・ドロンが煙草をくゆらせていたのだ。孤独な殺し屋の、つかの間の休息を感じさせる長い印象的なオープニング。

そして「仕事」に出かける前に身支度を整えるドロンの所作の美しさ。スーツの上にベージュのトレンチ・コートを羽織りベルトをキュッと結び、グレーの中折れ帽を目深にかぶって、つばの淵を手でシュッと一回なぞる。これがサムライの凛とした身支度と重なるのだろうか、映像的にパルフェ!完璧だ。

殺し屋のドロンは、手違いから警察と組織の両方に追われることになり、知恵と体力を駆使しながら、警察から逃れ組織への復讐を果たしていく。警察を相手にした地下鉄での逃亡シーンは、その後の色々な映画に影響を与えたらしいが、緊張感とスピード感が素晴らしい。そして盛り上がった末のラストシーンのあっけなさ。これぞフレンチ・ノワールだ。

ストーリーそのものがどうこうというよりも、ドロンの所作と風貌の美しさ、そして無駄のない乾いた映像美を堪能する映画。『太陽がいっぱい』『山猫』などの芸術的名作や、『あの胸にもういちど』『栗色のマッドレー』などの恋愛ものなど、何を演じても絵になるドロンだが、フィルム・ノワール(犯罪映画)のドロンもまた格別だ。

女性遍歴の多かったドロンが唯一、籍を入れた妻ナタリー・ドロンが高級娼婦役で共演している。ちなみに、演技に目覚めた彼女が女優の道に邁進したくなったことが原因で、後に離婚することになる。彼女は生涯ドロンを名乗り、お互い老齢となってからも長男を交えて親交があった。残念なことに彼女は昨年、病気で急逝した。86歳になったアラン・ドロンは引退後に脳卒中を患っていたが、今はスイスで療養しているという。時代は確実に流れた。

(下の画像はベージュのトレンチ・コートを羽織り、グレーの中折れ帽を目深にかぶった主人公役アラン・ドロン)

画像出典:究極のモード、カイエ・デ・モード『サムライ』Vol.1|アラン・ドロンとトレンチコートhttps://cahiersdemode.com/alain_delon1_le_samourai/ (閲覧2022/7/10)

 

この夏、劇場で観たい映画は翻訳部門の本屋大賞を受賞した『ザリガニの鳴くところ』だ。原作がとても素晴らしくて感動したので、この映画化には期待している。

 

Y.Tさん

○『OLD(2021年、監督 M・ナイト・シャマラン)

幸せそうに見える家族にも何かしら問題はあります。それぞれに“問題”を抱えた彼らは、とある美しいビーチでバカンスを楽しむはずでした。しかし、時が進むに連れて不穏な空気が立ち込めてきます。

このビーチでは特殊な鉱石の働きにより、一生が一日で終わってしまうような異常な速度で細胞が老いていきます。どうすれば生き延びれるのか脱出できるのか。『シックス・センス』で有名なM・ナイト・シャマラン監督の作品です。

公開当時、映画館でみたい!と思っていましたが叶わず、AmazonPrimeで公開(Prime会員だと無料)されたので視聴しました。

設定の辻褄が合わなかったり、突拍子もないシーンが出てきたりして興醒めしそうになりながらもキャッチコピーである「そのビーチでは、一生が一日で終わる。」 この最大の設定を楽しみました

昨晩までは離婚寸前で口論していたアラフォーぐらいの夫婦が、そのビーチに着き、日が暮れた頃にはすっかり老夫婦。シワが深くなり、耳が聞こえ辛くなり、視界がボヤケてきながら、最後はお互いを慈しみあいながら息絶えていくシーンに個人的に励まされました。こうありたいなぁ、と。

本作品、映画ジャンルはホラー/スリラーとなっておりますが、恐怖シーンはかなりマイルドです。想定外のタイミング、速度で人生の幕を下ろすこと自体がホラー(恐怖、戦慄)なのかもなと感じました。

演者さんの中で印象的だったのは、メキシコ俳優のガエル・ガルシア・ベルナルで、映画を見ながら「誰だったかな〜誰だったかな〜」とモヤモヤ。あとから調べましたところ『モーターサイクル・ダイアリーズ』で若き日のチェ・ゲバラを演じていた方でした。40歳を超えたようですが、少年のような笑顔が変わらず素敵でした。

そしてラストは、本当にこんなことが地球のどこかであるかもね。と思わせてくれるような内容でした。

(これまた設定、辻褄に無理がありましたが…)

“ホラー/スリラー”というよりも、まさに「光陰矢の如し」人の生死を超高速再生で見せてくれる“ドキュメント”のようにも思える作品でした。

下の画像の中央の男性、ガエル・ガルシア・ベルナル演じるガイ・カッパです。

画像出典:映画の秘密 映画オールドのラストの意味とネタバレ考察!https://www.google.com/amp/s/www.eiganohimitsu.com/8848.html%3famp=1 (閲覧2022/7/11)

 

(2/3)へ続く。

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