横浜映画サークル

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F.Iの映画鑑賞ノートから:その7:8作品

2020-06-01 13:57:31 | F.Iの記事コーナー

新型コロナ大変ですね。映画鑑賞大学ノートが6冊になり、その中から今回は8作品を掲載しました。題名左のAAA~Eは映画の良かったものをAにしてランク付けしていますが、観た時の雰囲気で記していて、厳密なものではありません。面白くなかったというのもあります。題名の次の年数は日本公開年、国名は製作国。以下ノート抜粋。

AAA私は告白する』(1954米、監督ヒッチコック原題I Confess訳:私は告白する)

アン・バクスターの知的でアダルトな雰囲気クリフトの忠実さが嫌味なくて良い。新犯人が主人公にセリフを叫ぶシーンは印象的。その新犯人が死ぬ直前に“許してくれ”と叫ぶところにヒッチコックがひたすらリアリティのみの追求ではなく人に対する救いの気持ちも持ち合わせているのだと感じた。

(下の画像左は牧師役のモンゴメリー-クリフト、教会の懺悔室で「私は人を殺してしまった」と懺悔の告白を受ける。画像右は知的でアダルトな雰囲気のアン・バクスター)

画像出典左:フィルマークス『私は告発する』https://filmarks.com/movies/31858 (2020/5/28閲覧)    画像出典右:Cinéma , Mon Amour. 私は告白する(アメリカ・1953年)https://ameblo.jp/jane-doe-west/entry-12158247788.html (2020/5/28閲覧)

 

AAA’『モンキー・シャイン』(1989米 監督ジョージ・A・ロメロ 原題Monkey Shines直訳:猿の輝き)

サルを人間の女の様に見せる所、マル。心理的恐怖(手足、動かないというハンディ)は存分に味わえる。母親からの脱皮、愛する女を抱けないもどかしさなど、主、上手く表現。軽快な音楽と共にホラー映画が始まる手法は賢いと思う。サルが主に抱きついていくシーン、2人のSEXで女が絶頂していくにつれて、他のサル達が叫びだすシーンなど面白くていい。主人公が嫉妬で唇を噛み血が流れるシーン、猿が主人公の心に反応して表情を作る様に見せているのはとても上手い

(下の画像左は法科大学の学生で陸上選手だったが交通事故に遭い首から下が完全に麻痺し、車椅子の生活となった主人公。画像右は親友の学者が主人公に送った、身の周りの世話をするよう特別に訓練されたヘルパー猿。ヘルパー猿の脳には人の脳細胞のエキスが注入されている)

画像出典左:Amebaモンキー・シャイン (1988) https://ameblo.jp/lionking22/entry-12306244127.html (2020/5/28閲覧)   画像出典右:cinefilモンキー・シャイン Monkey Shines (1988) https://cinefil.tokyo/_ct/17037418 (2020/5/28閲覧)

 

AA『右側に気を付けろ』(1989仏・スイス 監督ジャン=リュック・ゴダール原題:Soigne ta droite直訳:あなたの権利を扱う)

速いテンポ、美しい映像、ノリの良いリズム、バランスの取れた映画。セリフは哲学的。表情の良さ。

(下の画像は主人公が機内でドストエフスキーの「白痴」を読んでいる場面。主人公白痴公爵殿下は監督ゴダール自身が演じている)

画像出典:Webdiceゴダール最新作『ゴダール・ソシアリスム』公開に先駆け、『ゴダール映画祭2010』で代表作一挙上映http://www.webdice.jp/dice/detail/2739/ (2020/5/29閲覧)

 

AA暗くなるまで待って』(1968米 監督テレンス・ヤング原題: Wait Until Dark訳:暗くなるまで待つ)

ヘップバーン。悪役(3人が演じた)が冷徹にとことん悪いのがいい(黒メガネ)。ヘップバーンの夫と悪役の片クレが賢そうで魅力的

(下の画像左は写真家で外出が多い魅力的な夫役エフレム・ジンバリスト・Jrと事故で全盲となった役ヘップバーン。画像中左は夫の友人を装って、夫が持ち帰った人形(麻薬が隠されている)がどこにあるか聞き出そうとする3悪人の一人魅力的な役リチャード・クレンナ。画像中右はとことん悪い黒メガネの男役アラン・アーキン。画像右はアラン・アーキンに襲われるヘップバーン)

画像出典左:アマゾン:[DVD]「暗くなるまで待って」のカバー(トリミング処理)   画像出典中左:New on Blu-ray: Wait Until Dark http://cutprintfilm.com/blu/new-blu-ray-wait-dark/ (2020/5/29閲覧)   画像出典中右:ワーナー ブラザース ジャパン@warnerjp https://twitter.com/warnerjp/status/978187134992449536?lang=bn   (2020/5/29閲覧)   画像出典右:DVDBash Audrey Hepburn, Wait until dark (1967) starring Alan Arkin and Richard Crenna https://dvdbash.com/2013/01/02/audrey-hepburn-wait-until-dark-1967-starring-alan-arkin-and-richard-crenna (2020/5/29閲覧)

 

A’『トライヴァータ椿姫』(1985伊 監督フランコ・ゼフィレッリ原題LA TRAVIATA直訳:道を踏み外した女。原作小説仏: La Dame aux camellias(椿の花の貴婦人))

オペラ自体に感動をおぼえる。登場人物の表情豊かダンスパーティーのシーン、ラスト秀逸

(下の画像左は主人公で病気がちな椿姫トライヴァータ役テレサ・ストラータス(ソプラノ)。画像中は椿姫に一目ぼれする南仏財産家の息子アルフレード役プラシド・ドミンゴ(テノール/バリトン)。画像右はパーティで「乾杯の歌」を歌う椿姫(両腕を広げた女性)とアルフレード(中央黒服))

画像出典左:JapaneseClass.jpテレサ・ストラータス - Teresa Stratas  https://japaneseclass.jp (2020/5/30閲覧)   画像出典中:クラシカ・ジャパンでストラータス&ドミンゴの映画『椿姫』https://plaza.rakuten.co.jp/abc0012009/diary/201207160000/ (2020/5/30閲覧)   画像出典左:111.31KV620日記 テレサ・ストラータス https://nomaiga.exblog.jp/3536147/ (2020/5/30閲覧)

オペラ鑑賞豆情報:イタリア語が分からなくてもイタリア語のオペラ鑑賞に問題ないようです。モスクワのボリショイ劇場で行われるオペラは、半分程度はイタリア語、3割程度はフランス語、残り2割程度がロシア語で行われ、客のほとんどのロシア人はイタリア語やフランス語を理解できないが鑑賞している。フランスのパリオペラ座でもオペラの半分程度はイタリア語で行われ、フランス人はイタリア語が分かって鑑賞しているわけではない。これは、1980年代後半旧ソ連時代にモスクワへ行った時にソ連政府の人にオペラとバレエのどちらかをボリショイ劇場で鑑賞できるがどちらが良いかと聞かれて、オペラは言葉が分からないので、言葉がないバレエの方がいいと言った時の政府の人の話。政府の人は事前にオペラのストーリを理解しておき、美しい声を鑑賞すれば良いとのことでした。その時はバレエにニーナ・アナニアシヴィリ(有名なバレリーナ)が出るというのでそちらにした。by:S.T)

 

B火宅の人』(1986日本 監督 深作欣二、原作者 檀一雄)

緒方のSEXシーンはいやらしくて、そこがいいのだが、今回は少々しつこい様に思われた。SEXシーンばかりではほどほど飽きてくる。女優さん達の演戯も上手いが大げさでうるさい。もう少し、シットリと描いて(演じて)欲しかった。子供たちの芝居、生き生きとした言動が、それを救っている。小説を上手くまとめているが、1人1人のキャストに深みが無く、単純さを感じさせた。同じストーリーでなくてもいいからポイント部を深く描き、人物の感情描写を、リアリティーを持って表現すべきだと思う。

(主人公一雄をめぐる3人の女性、下の画像左は妻役いしだあゆみ、右奥は主人公役緒形拳、画像中は浮気相手の新劇女優役原田美枝子と青森へ行く場面。画像右は3番目の女性役松坂慶子と五島列島に向かう連絡船の場面。コトバンク:火宅:仏教用語。人々が,実際はこの世が苦しみの世界であるのに,それを悟らないで享楽にふけっていることを,焼けつつある家屋 (火宅) の中で,子供が喜び戯れているのにたとえた言葉。『法華経』の七喩の一つ)

画像出典左:FLICKS FREAKいやぁ、映画って本当にいいもんですね~『火宅の人』 (1986) 深作欣二監督 https://ameblo.jp/th0529/entry-12430842217.html (2020/5/30閲覧)   画像出典中:Cinéma , Mon Amourわたしの右脳は洋画で左脳は邦画で出来ておりまする╰ネット読書会 コラボ企画 『火宅の人』〜感想編〜https://ameblo.jp/jane-doe-west/entry-12473436233.html (2020/5/30閲覧)   画像出典右:Twitter 69(ロク) on Twitter: "この松坂慶子の美貌を見て欲しい。 #火宅の人 ... https://twitter.com/nbfm_69/status/1152971946004340737 (2020/5/30閲覧)

 

C女殺油地獄』(1992日本 監督 五社英雄)

樋口はエロチックで良かったが、いまいち言動から心の内が読めず不安定。堤は、若いアウトロー、モテモテ男と言った感じを上手く出している。演戯も安定

藤谷の声が幼すぎて嫌だったがイジクルするシーンはいい。古典作品を扱い、まとまってはいるが、何が言いたいのかポイント掴めず登場人物にも深みがない。時代物としての景色がリアルでなく、美しいシーンがない

(下の画像左はアウトロー、モテモテ男を演じる堤真一、油屋の女将役樋口可南子。油の元締めの娘に二度と手を出すなと堤が軟禁されている場面。画像右は油の元締めの娘役藤谷美和子手前、奥は樋口。映画は油まみれになって刺殺された油屋の女将の事件から始まる。原作は近松門左衛門の人形浄瑠璃の同名作)

画像出典左:『一度死んでみた』の堤真一、初の本格映画出演&五社英雄監督の遺作となった『女殺油地獄』https://cinema.ne.jp/friday/onnagoroshi2020032019/ (2020/5/31閲覧)    画像出典右:100ShinichiTsutsumi.com堤真一の世界 女殺油地獄 (1992) : Onna Goroshi Abura no Jigoku https://100shinichitsutsumi.com/onna-goroshi-amura-no-jigoku-1992/ (2020/5/31閲覧)

 

E仏軍中尉の女』(1982英 監督 カレル・ライス原題The French Lieutenant's Woman訳:フランス中尉の女性)

つまらない

(下の画像は1876年のフランス軍中尉の女と言われるサラ役を演じる俳優アンナ役のメリル・ストリープ。右はフランス軍中尉の女と言われるサラと恋に落ちる考古学研究者チャールズ役を演じる俳優マイク役のジェレミー・アイアンズ。1876年の恋愛と現代の俳優の恋愛との2重構造作品なので役名が二つある)

画像出典:きぬきぬ on Twitter: "6/22はメリル・ストリープの誕生日!ジョン ... https://twitter.com/kineukineu/status/745330285512888321 (2020/5/31閲覧)

以上F.Iでした。オペラ鑑賞豆情報はS.Tでした。

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