ほぼ週二 横浜の山の中通信

人と異なる視点から見る

日本のロシア専門家はなぜ間違えたか?

2022年10月17日 | 国際・政治(欧米)

日本のロシア擁護派はウクライナ侵攻を強く否定していた

 

今年2月に起きたロシアによるウクライナ侵攻の直前でも、ロシアに関係する日本の人たちの多くが、「ロシアの侵攻はあり得ない」と強く否定していた。この辺りは、下記の私のブログにも書いていた。

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・2022年2月20日の私のブログ「ニュースの重箱の隅をつつく その7 ロシアはロシアと自動車運搬船の炎上

・2022年02月23日の私のブログ「ニュースの重箱の隅をつつく その8 本庶氏の事故と賽銭泥棒のロシアと小学生のトランプ

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これらのブログでは、著者が同じ下記2件の記事を取り上げ、批判していた。

・JB pressの1月26日の記事「ロシアのウクライナ侵攻はあり得ない」

・JB press の2月9日の記事「ウクライナ侵攻で得するのは、ロシアではなく米国だ 日本の大手メディアはなぜ誤報を垂れ流し続けるのか」

この2件の著者は同じで、ロシアと関わりのある人です。

 

これら2件の記事では、日本メディアの報道の仕方などを一つ一つ批判しているが、私はこの記事の著者が「木を見て森を見ていない」と思った。ロシアがウクライナ国境に多数の軍隊を集結させていることやロシアの過去の所業を無視していた。

 

ロシア軍のキエフ侵攻はありえない

 

これら日本のロシア擁護派の人たちは、例えば上の二つの記事のように、「ロシア軍のウクライナ東部への侵攻はありうる」けど、「ロシア軍のキエフ侵攻はありえない」と書いていた。ロシア軍がいきなりキーウ(キエフ)やハリキウ(ハリコフ)に侵攻するのはあり得ないと強く否定していたが、ロシア軍はあり得ないことをやってしまった。

 

ただし、「ウクライナ侵攻で得するのは、ロシアではなく米国だ」という主張は正しかった。しかし、ウクライナ侵攻はアメリカが仕掛けたものでは無い。

 

日本のロシア擁護派は直前までウクライナ侵攻が無いと誤解していた

 

ロシアがウクライナを併合した場合のメリット・デメリットを合理的に考えると、デメリットの方が多いと考えるのが普通。それとも、よく言われるように、クリミアを併合した時のように無血であっさりと占領できると考えていたのかもしれない。ロシアに関わりが深くてウクライナへの侵攻を見誤った人たちは、プーチンは合理主義者なのでウクライナ侵攻というアホなことはしないだろうと考えていたと思われる。ところがプーチンはそうでは無かった。

 

ウクライナもロシアの侵攻は無いと誤解していた

 

報道によると、ロシアの侵攻前、米国はウクライナにロシアが侵攻してくると伝えていたが、ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアのウクライナ侵攻を信じていなかったらしい。

 

ウクライナ大統領が信じない情報を日本人のロシア通が信じなくても仕方が無いと言えば仕方ないかなあ?

 

アメリカは侵攻があると伝えていた

 

アメリカは、偵察衛星でロシア軍の動きをとらえ、クレムリン内部からの情報でロシアによるウクライナ侵攻を掴んでいたと見るべきです。開戦前の会議でFSB長官は侵攻に乗り気では無かったので、プーチンから責められていた。クレムリンの中にも反対論があったはずで、アメリカの情報源はプーチン大統領にかなり近い人たちのはず。

 

公開情報だけでは見誤る

 

公開情報でもかなりの情報が入手できるが、決定的な情報は人の繋がりで得ることが出来る。しかし、人の繋がりにも注意が必要で、よほど中心に近い人でないと、ウソ情報を掴まされることになる。

 

見誤ったのは佐藤優氏も

 

2022年06月08日のブログ「ニュースの重箱の隅をつつく その16 韓国メディアと岸田君とアメリカは非人道国家」には

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週刊東洋経済の5月30日号で、佐藤優氏が「マリウポリ陥落によって戦局が変わりつつある」と嬉しそうに記事を書いていた。

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と、佐藤優氏を批判していた。佐藤優氏はロシア側からしか見ないため、間違った情報でこのような記事を書いたのだと思う。マリウポリは陥落したけど、ウクライナが劣勢になることも無く、現状ではロシア軍に奪われた土地を回復しつつある。

 

2022年10月17日

 


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