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ほぼ週二 横浜の山の中通信

人と異なる視点から見る

再び、ドジで何も考えていない鉄道会社

2021年11月04日 | 鉄道・リニア新幹線・航空機

門外漢の私ですが、先日の京王線内で起きた事件について、再び書きます。というのは、TVでこの件をやっていましたが、鉄道会社に忖度したのか、あまりに現実離れした議論なので呆れてしまった。日本の危機対応の貧弱さはヒドイ。いろいろ言いたいことはあるが、ここでは三点だけにします。

 

両端の電車から避難できるか?

 

トンネルでの事件や事故が起きた時に、反対側の線路に降りるのは危険なので、両端部の電車から線路に降りて避難するのが安全と、TVで紹介していた。

 

この避難路は、運転台横の正面の壁の一部が向うに倒れると階段が現れて、線路上に降りられるというもの。この階段は写真でしか見たことが無いけど、その階段の幅の狭いこと。しかも傾斜が急。片側に手すりがあったように記憶しているけど、幅が30㎝ほどしかない。だから、駆け降りるなんてできない。慎重に降りることになるので、ここを使って10分で何人が避難できるのだろうか? 仮に一人10秒かかるとして、1分で6人、10分で60人なので、満員の電車だったら一両の半分程度の乗客しか逃げられない。

 

トンネルの中に停まるのは危険

 

事件や事故が起きた時、トンネル内に緊急停止する可能性を言っていたが、トンネル内に停まるのは明らかに危険。京都のアニメ会社であったように、可燃性の液体を撒かれると電車は蒸し焼きになる。

 

TVでの鉄道会社の意見は、燃える電車を駅に持ってくると、駅が燃えてもっと被害が大きくなるというもの。ということは、電車の乗客は見殺しにするということになる。

 

鉄道会社は言うことが支離滅裂。ドアを開けて線路に降りたら乗客は危険というけど、火事の時は乗客を見殺しにするというのはチグハグ。

 

車掌が運転指令に電話している場合か!

 

京王の事件の場合も、車掌は運転指令に電話して5分以上話していたらしい。しかしですよ、車掌が説明しても運転指令は直ぐに理解できないし、運転指令が車掌に質問しても答えられないことが多い。こんなことをしていると、5分なんて直ぐに経ってしまう。しかも、運転指令はうかつなことを指図すると責任問題になるのでハッキリしたことは言わないと思う。

 

現実的に、被害を最小限にする対応を!

 

非常事態が起きると、トンネル内に停まらずに駅まで行くようにするべきです。例え、その間に火事が広がっても。あるいは、刃物を持った犯人が何人かを襲っても。そして、ホーム側のドアを開けるべきです。

 

もし、トンネル内に停止した場合も考慮して、乗客が安全に避難できるように、反対側の線路を走る電車も止めてしまうこと。(今も、やっている?) そうすると、ドアを開けて線路に降りられる。両端から避難するのは非現実的。

 

それにこういう場合は、運転指令の指図を待つより、車掌に任せるしかない。運転指令が現場の状況を知るツールが無いので仕方がない。

 

2021年11月4日

 


インドネシア高速鉄道の現状は?

2021年10月17日 | 鉄道・リニア新幹線・航空機

インドネシア高速鉄道とは

 

インドネシア初の高速鉄道は、首都ジャカルタとバンドン間の142キロメートルを結び、設計速度は350Km/時で、中国から4900億円の借款(借金)をした。バンドンは山間部にあって比較的涼しく、人口がインドネシアで三番目に多い都市。この高速鉄道、初めは日本が関わっていたが、最終的に中国が工事を受注したという経緯があり、日本のメディアは批判的な記事を書いている。

 

この高速鉄道の起工式は2016年1月にジョコ大統領も出席して行われたが、用地買収の遅れなど、いろいろの要因が重なり、当初開業予定の2019年から予想通り大幅に延期された。

 

インドネシア高速鉄道に関する今までのブログ

 

このインドネシアの高速鉄道は、私のブログでも何回か書いている。

2015年10月18日の「インドネシア新幹線は中国が建設へ

2016年02月24日の「インドネシア新幹線は日本が引き受けるべきか?」

2016年06月14日の「中国の高速鉄道計画、ロス・ラスベガス間は中止、インドネシアは?

 

高速鉄道に好意的な中国の経済雑誌「財新」の記事

 

週刊東洋経済の2021年6月19日号は、中国の経済雑誌「財新」の記事「インドネシア初の高速鉄道、22年末運転へ」を紹介している。「財新」の記事を一部加筆修正して紹介する。

 

「土木工事は全体の83%が完了した。全線で13カ所あるトンネルのうち8カ所がすでに貫通し、主要区間の大部分の連続高架橋およびその支柱の施工は完了した。今年6月からはレールの敷設を開始し、年末にはすべての高架橋の建設を完了する予定」

 

と書いていて、2022年末に開通する見込みが立ったという記事。「財新」は中国の雑誌なので、中国寄りの内容になっている。

 

高速鉄道に批判的な日本経済新聞の記事

 

今年2021年1月22日の日本経済新聞には、「着工5年、遠い開業、中国主導、計画甘く」という記事が載った。ここには「工事の進捗は、2020年12月の時点で65%弱」とある。

 

遅れの原因は

・土地収用が2016年末の予定が2020年にずれ込んだ

・新型コロナウィルスで中国人スタッフが帰国した

・相次ぐ大雨による災害

であるが、インドネシア政府は2022年中の開業を目指していると書いている。

 

これからが大変

 

本当の問題は、バンドンまでの高速鉄道が開通してからで、バンドンからどの方向に高速鉄道を延伸するのか、しないのか、それとも? ジャカルタとバンドン間は142キロメートルで、日本で言えば東京と軽井沢間のような距離。こんな短距離では、高速鉄道の発展性は無いし、経営も厳しい。

 

ジャワ島で人口の多い地域は、ジャワ島北部沿岸の平野地帯。ジャワ島で人口の多い都市は、北部西端にある首都のジャカルタ、北部東端のスラバヤ、山間部のバンドンの順番。したがってジャワ島の高速鉄道は、人口の多いジャカルタからスラバヤを、北部沿岸の平野を通るべきだった。しかし、ジャカルタとスラバヤ間は約700キロ離れているので、工事費が高くなりすぎるという課題があり、より近いジャカルタとバンドン間に決まった経緯がある。

 

しかし、現在の高速鉄道の終点のバンドンは山の中にあるので、高速鉄道を延伸しようとすると工事費が高くなるし、バンドンから先は人口の少ない地区を通る。そして、スラバヤまで延伸しようとすると500キロ以上になり、北部沿岸地帯を通るよりも工事費は膨張する。

 

これを日本に例えると、東京から軽井沢まで新幹線を作ったのは良いけれど、そこから大阪まで延伸するようなもの。初めのボタンの掛け違いが、踏んだり蹴ったりの結果になりそう。どうするのかな?

 

金を返すのは不可能

 

上記のような文を書いていたら、2021年9月30日のJBpressで、立命館アジア太平洋大学客員教授の塚田俊三氏が「中国にさらわれたインドネシア高速鉄道プロジェクトはいま…」を書いているのを見つけた。この記事では、特に金銭面での解析を詳しく行っている。今後の問題点を挙げて、借金を返すのは不可能と書いている。

 

さらに、2021年10月14日の日本経済新聞には「高速鉄道 中国案のツケ インドネシア、費用膨張で税金投入検討」と言うインドネシア特派員の記事が出た。インドネシア政府は、当初総工費を55億ドルと見積もったが、少なくとも79億7千万ドルになるという見積もりが出てきて、税金投入が必至という記事。

 

また2021年7月15日の現代ビジネス「中国受注の『インドネシア高速鉄道計画』ここへきて問題噴出の自業自得」と言う記事があり、バンドンまでの高速鉄道の工事遅れなどの問題点を紹介している。ここでは工事の進捗率を74%としている。

 

 

工事の進捗は?

 

これらの記事から工事の進捗を引用すると、

2020年12月(日本経済新聞) 65%弱

2021年6月(財新)      83%

2021年7月(現代ビジネス)  74%

2021年10月(日本経済新聞) 79%

 

となり、中国の財新は日本メディアより甘い数字になっている。どちらの記事も2022年末の開業と書いているが、もしかしたら日本メディアは2022年末開業も厳しいと書きたかったのかもしれない。

 

2021年10月17日

(補足 2021年10月18日)

わかりにくいもしれないので補足します。

インドネシア高速鉄道は、本来は人口密度の高い北岸部を首都ジャカルタから人口第二の都市スラバヤを繋ぐルート(図中①)を作るべきでした。しかし、両都市間は約700キロメートル(東京と岡山や広島まで)と長いので工事費がかさむなどの問題があり、ジャカルタとバンドン間のルート(図中②)になった経過がある。

しかし、上に書いたようにバンドンまで完成したとしても、そこから先に延ばすのが問題。北岸に戻り、スラバヤを目指すルート(図中③)は、バンドンを経由した分、さらに時間や費用がかかることになる。あるいは、観光地のボロブドールや古都のジョクジャカルタを目指すルート(図中④)もあるが採算がとれるかどうか。いずれのルートも問題が多い。

 

 


横浜市営地下鉄の天井の広すぎる空間の疑問

2021年06月09日 | 鉄道・リニア新幹線・航空機

横浜市営地下鉄はあまり乗らない。あえて乗る用事が無いし、横浜市営地下鉄でなければ行けない場所や施設は少ない。先日、あまり利用しないその横浜市営地下鉄ブルーライン(正式には3号線)に乗ってきた。

 

3号線は関内駅からあざみ野駅まで。関内駅から湘南台駅までは1号線だけど、1号線と3号線は直通していて、ブルーラインという名称になっている。地下鉄でありながら、3号線の港北ニュータウンを通過するほとんどの部分は高架を走る。横浜市営地下鉄の特徴はパンタグラフから集電するのではなく、通常のレールの横にある第三軌条から集電する方式で、東京の銀座線や丸の内線、大阪の御堂筋線や中央線が第三軌条方式。

 

第三軌条方式のメリットは、パンタグラフを設置する空間が不要なので、トンネルの断面を小さくできると言われている。(本当かな? 第三軌条の分だけ、トンネル下部が少し広いように感じる。もしそうなら、トンネル断面はそれほど小さくならない?)断面が小さくなるとトンネルの建設費が少なくて済む。デメリットは、私鉄やJRと直通運転ができないこと。私鉄やJRは第三軌条ではなく、パンタグラフを使っているから。したがって、私鉄やJRと直通運転する計画がある場合は、第三軌条を選択しない。

 

久しぶりに乗った横浜市営地下鉄のブルーラインが物珍しいのでキョロキョロしていたら、あることに気づいた。それは、電車の天井とトンネルの間に数十センチメートルの空間があること。なんで? 

これくらいの隙間があれば、パンタグラフが付けられる。前述の銀座線や丸の内線は、トンネルの内面と電車の天井の間が10センチメートルくらいしかないのに?

駅の部分だけ天井が高いのかと思ったが、トンネルの天井は駅と比べて10センチメートルくらい小さいだけ。(パンタグラフを着けるのには少し窮屈な印象もあるけど?)

(注 2024年7月2日)

「パンタグラフを着けるのには少し窮屈」と書きましたが、パンタグラフは地下を走っている時と地上を走っている時で位置が違うことを思い出した。地下の場合、地上よりパンタグラフは下がっているので、これくらいの空間でも納まるかもしれない。

 

 

念のため、港北ニュータウンの高架の駅の天井を確かめると、ここも空間が広い。

こんなに広いとトンネルの建設費がそれなりに高くなったはず。第三軌条にこんなに広い空間はいらない。ブルーラインは、どこかの私鉄との直通運転を考えたのか? しかし、横浜市営地下鉄のレール幅は標準軌なので、狭軌のJRや東急、相鉄、小田急とは直通できない。このあたりで標準軌は京浜急行しかないけど、京浜急行と直通するメリットは無い。

 

横浜市営地下鉄が直通運転をする相手として一番効果的なのは東急だけど、横浜市営地下鉄(横浜市?)と東急の仲が悪かった(今も悪い?)のは有名な話。例えば、東急はブルーラインが東急田園都市線たまプラーザ駅(急行停車駅)に来るよう主張したが、横浜市は1駅先のあざみ野駅(昔は急行は停まらなかった)を主張し長らく揉めていたが、結局ブルーラインはあざみ野駅に来た。

 

横浜市営地下鉄は東急との直通を嫌って、標準軌と第三軌条という二重の仕組みを作ったのかな? だけど、どこからかの圧力で後から修正のきかないトンネルだけは直通の可能性を残したのかな?

 

(改めて見ると、パンタグラフを着けるにしては、少し狭いような感じがする? しかし、パンタグラフが無いのなら、こんなに広い空間は要らない。わからん!不思議?)

 

2021年6月9日

続きは「横浜地下鉄ブルーラインがあざみ野駅に」。

 

(追加)銀座線と丸ノ内線の天井部分の隙間 2021.06.25

第三軌条の地下鉄の銀座線と丸ノ内線の電車の天井部分を撮影してきました。上の文中に、「銀座線や丸の内線は、トンネルの内面と電車の天井の間が10センチメートルくらいしかないのに?」と書きましたが、「10センチメートル」は言い過ぎでした。

 

銀座線の天井部分の隙間は約20センチメートル、丸ノ内線の天井部分の隙間は約30センチメートルでした。いずれも目視です。

銀座線

丸ノ内線

 

(思い出したこと 2022年6月27日)

ふと思い出したことがある。それは、このブログと同じ内容の記事が新聞だったか、専門誌だったかに載ったというおぼろげな記憶。載っていないかもしれないし、載ったかもしれない。全く記憶にないが、記事を見た記憶が泥のように記憶の底に溜まっている。その記事の記憶でこのブログを書いたかもしれない。新聞だとすると、朝日新聞かもしれないので、図書館で検索してみよう。

 

 

 


JRは臨機応変の仕事ができない~下~ 新幹線の運転士は糞詰まり

2021年05月31日 | 鉄道・リニア新幹線・航空機

ガースー首相の金曜夜の記者会見は止めろ!

 

ガースー首相の金曜夜の記者会見は、メリハリのないハッキリしない話をごちゃごちゃとしゃべっていて、何の役にも立たん! それに「チコちゃんに叱られる」が吹っ飛ぶのは止めて欲しい。

 

朝に腹を壊すのは生理現象

 

前回、「JRは臨機応変の仕事ができない」でJR東の話を2題書きました。大地震時に踏切が閉まったままになる話と信濃川の鉄橋上に電車が4時間停まった話。今回は、JR東海の似たような話。JR東海も通常ではないことが起きると脳梗塞を起こす。

 

NHKから、一部を引用する。

 

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熱海駅と三島駅の間を走行していた東海道新幹線の下り、「ひかり633号」で36歳の運転士が運転室から一時、離れたということです。

 

運転士は腹痛を感じたため車掌を運転室に呼び、前方の安全確認をさせたうえで客室にあるトイレに行くためにおよそ3分間、離れたということです。

 

JR東海の社内規定では新幹線の運転士が走行中に体調が悪くなった時は輸送司令に連絡し、車掌が運転士の免許を持っていれば運転を交代するか、もしくは一度、停車してから運転室を離れることになっています。

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私の会社勤めの経験からすると、朝にどうしてもトイレに行きたくなることが2~3回あった。一番ひどい時は、我慢して我慢して、脂汗をかきながら会社まで辿りついた。駅のトイレは塞がっていると思って初めからあてにしなかった。

 

新幹線の運転士を二人乗務から一人乗務にする時に、こういう場合も考えておく必要があったのに、考えていなかったのかな。労働組合は何をしていたのか? 

「車掌が運転士の免許を持っていれば運転を交代」とあるが、車掌の何割が運転士の免許を持っているんだろうか? そんなにいるとは思えない。運転士の免許を持っている車掌を必ず一人乗務させているのなら話は分かるけど。

もう一つの「停車してから運転室を離れる」なんて、現実的な対応だろうか? 停車すると後続の列車が遅れるし、その運転士は始末書を取られるので、実際はできないと思う。

 

2021年5月31日

 


JRは臨機応変の仕事ができない~中~ 鉄橋の上で長時間停車

2021年05月28日 | 鉄道・リニア新幹線・航空機

越後線の電車が鉄橋上で4時間

 

5月2日にJR越後線の2両連結の電車が、信濃川の関屋分水の鉄橋の上でブレーキが作動し、動けなくなってしまった。後続の電車が事故を起こした電車に連結し、次の関屋駅まで押していったのが、4時間後。後続の電車と連結したことでブレーキを解除できたのか、あるいはブレーキが作動したまま、無理矢理に押していったのかどうかは報道には書いていないので詳細は不明。後続の電車が来て押せるなら、初めからやれよ!と思う。関屋分水の鉄橋は新潟駅から5~6キロの市街地なのに。

 

いつも思うけど、何らかの不都合で、電車が止まると乗客は何時間も電車の中に閉じ込められることになる。これは何も越後線だけの問題だけではない。東京近郊でも、乗客が何時間も電車内に閉じ込められる事故は年に何回かある。もっと、臨機応変に対応できないのかといつも思う。

 

JR東日本の本社ビルを糞詰まりに!

 

鉄道の仕事の中で、定型の作業は日頃訓練しているからできるけど、たまに起きるこういう事故対応は下手すぎる。通常の定型動作の訓練しかしていなくて、こういう特殊な状態の訓練はやっていないのでは?と思う。

 

乗客が電車内で長時間閉じ込められる事故を起こしたら、同時にJR東日本の新宿の本社のビルの入口を閉めて、電気を切り、水道を閉めるべきです。閉じ込められた電車から乗客が解放されるまでの間。

 

2021年5月28日

 

続きは「JRは臨機応変の仕事ができない~下~ 新幹線の運転士は糞詰まり