自転車天国から自動車が溢れる街になった中国で、シェア自転車が大繁盛という記事が新聞や雑誌に出ています。あちこちに貸し出し用の自転車が置いてあって、スマホで利用登録して、料金はスマホで決済する。しかも利用料金は格安(30分で8円程度)で、「乗り捨て自由」らしい。
これらに記事で疑問なのは、「乗り捨て自由」と記事にはあるけど、乗り捨てる場所はシェア自転車の会社の駐輪場所と思うけど、違うのかな? それとも、本当に街中のどこに乗り捨てても良いのかなあ?
昔々、日本のレンタカー会社が「乗り捨て」できると宣伝文句に謳っていたが、その意味はレンタカーを借りた営業所に返却する方法以外に、同じレンタカー会社の別の営業所(確か費用は別途必要だったはず)に戻しても良いと言うことだった。しかし、勘違い、あるいは誤解を招くような宣伝文句だったので、営業所以外の場所に乗り捨ててしまった人がいたらしい。
仮に「街中のどこに乗り捨てても良い」なら、それはそれで問題が多いと思うけど、ここでは「シェア自転車の会社の駐輪場所(必ずしも元の場所でなくても良い)に戻す」という前提で考えます。
私はこのシステムに大きな疑問がある。ルールを日本人より守りそうにない中国人が、シェア自転車のルールをちゃんと守って持続性のある商売ができているのかな?と疑っています。もし、このシェア自転車のシステムが成り立っているのなら、なぜ上手く運用されているのか、疑問を解明してほしい。(申し訳ないが、私が中国へ行って実態を確認するつもりは無い)
私の疑問
①中国人は自転車を駐輪場所に戻してくれる?
「乗り捨て」は「同じ会社の別の駐輪場所に戻す」という意味と仮定します。そうであっても、シェア自転車の使用後にこの自転車を所有する会社の駐輪場所に利用者が戻してくれるのかな?
シェア自転車の会社が設置した駐輪場所が市内にどれだけあるかわからないけれど、仮に自転車の使用が終わった場所が駐輪場所から100㍍離れていたら、わざわざそこまで自転車で行って戻す手続きをして、歩いて戻って来るかなあ?
②自転車の使用を終了して規則通り返却したという確認はどうやってするの?
TVでは、自転車の鍵をかけたら、返却して料金を払うことになると言っていたが、本当にそれだけ? これでは自転車をどこに置いても、鍵を掛けたら返却したことになるけど、それで良いのかな? あるいは、TVで紹介していなかったけど、実はある仕掛けがあるのかなあ?
③自転車のメンテや駐輪場所の整理は誰がする? あるいは整理しない?
自社の駐輪場所に他社の自転車が置いてあったり、ゴミが散らかっていたりした場合、整理整頓しないのかなあ?
④メンテ その1 放っておくと、自転車が溢れている駐輪場所となくなった駐輪場所が出来た場合はどうする?
溢れている場所からなくなった場所に移動する必要があるのでは? 移動させるのは誰がするの?
⑤メンテ その2 自転車のパンクや部品が破損した場合は?
自転車だから、空気は抜けるし、パンクする。場合によっては部品が壊れる。誰が直す?
⑥メンテ その3 駐輪場所に止めてある自転車の盗難対策は? あるいは自転車を使用中に盗まれた場合はどうするの?
保険掛けてあるのかな? それとも、盗まれた人が金を払わせられるのかな?
などと思っていたら、日経新聞8月10日朝刊に
「中国、シェア自転車に「待った」 供給過剰、街に散乱も 広州など8都市、新規制限」
という記事が載りました。広州市では、シェア自転車の会社が10社程度、登録者は750万人、シェア自転車が80万台以上と普及しているが、自転車を改造して料金を払わずに利用する人や自分の家に置いて私物化する人がいると書いている。
また、週刊ダイヤモンド(電子版)8月15日に
「中国で猛烈普及の「乗り捨てシェアサイクル」が生む新たな混乱」
という記事が出ています。この記事では、「多くの市民が「大量に増えた自転車と乗り捨てのマナーの悪さ」を指摘している」と書いている。この記事からすると、自転車は市内どこに乗り捨てても良いと理解できるけど、そうなのかなあ?
これら日経新聞と週刊ダイヤモンドの記事からすると、中国におけるシェア自転車は問題が多々あるが事業として成り立っているような感じです。
疑い深い私の感想を言わしてもらうと、シェア自転車のようなシステムが成立するには、ある程度の利用者のモラルが必要と思うのですが、中国人のモラルに頼って大丈夫かな?という疑問がまだ残ります。
2017.08.21
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