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ほぼ週二 横浜の山の中通信

人と異なる視点から見る

残念な事実―ビール缶6個のマルチパックは外国特許?

2022年01月15日 | 科学・技術

ビール缶6個のマルチパックは上手く出来ている

 

ビール缶を買う時、箱買い(24個入り)する人がいますが、私は呑みすぎないように6個ずつ購入している。6個ずつ購入する時、下の写真に示すような紙製の帯でまとまっている。

 

この包装は上手く出来ている。指を穴に入れて持ち運べるし、バラす時は簡単にバレる。おまけにどこも接着していないので帯が簡単に剥せる。欠点は1個取るとバラバラに崩れることと穴が沢山開いていて紙ごみにまとめ難いこと。しかし全体的にはうまく出来ている。

 

この特許はどこが持っている?

 

これは日本製かと思ってお尻をみると、英文字で書いてあるのでアイデアは海外のよう。たまたま購入した2パックの裏をみると、会社名が違う。

 

①WestRock Cluster-PakR

Manufactured under patents and/or patent applications filed in Japan and other countries

 

NTP

Nippon Tokan Package

この表示をみると、日本トーカンパッケージ(株)と言う会社が、WestRockという会社の特許を使って作っている包装でCluster-Pakという商標のようです。日本トーカンパッケージ(株)のホームページによると、この会社は東洋製缶と日本製紙の合弁会社です。ウェストロック社は、「マルチパックのマシンと原紙を供給する米国のメーカー」です。

 

②MARKSMANR

RENGO

RIVERWOOD International

 

Manufactured under license from Graphic Packaging International,Inc.

レンゴー・リバーウッド・パッケージング(株)のホームページによると、この会社は米国のグラフィック・パッケージング・インターナショナル社と日本のレンゴー(株)との合弁会社です。グラフィック・パッケージング・インターナショナル社は、板紙マルチパックシステムのメーカーだそうです。

 

残念な事実―ビール缶の6個装は外国の技術

 

これら二つのパックは、アメリカの会社と日本の会社の合弁企業か作っていて、日本の会社はアメリカの会社から紙を折り曲げる機械やパック用の紙も購入しているようです。

 

ウェストロック社とグラフィック・パッケージング・インターナショナル社の違いは、包装のお尻の紙の折り曲げ方に特徴があると思われるが、それほどの差があるように思えない。2社の紙質にも大きな違いがあるように見えないけど、WestRock社は板紙を供給しているので、紙自体に特許があるのかも?

 

私が残念なのは、このような紙を使った技術は日本人の得意とする技術じゃないか、と思うから。日本人は昔からこのような紙細工が得意だったはず。

 

たまたま見たのは、写真を載せている2社のマルチパックだったけど、他にも海外の技術を導入したマルチパックがあるのかもしれない。

 

2022年1月15日

 


技術に絶対は無い ~池袋の暴走事故と練馬区の地面陥没~

2021年03月22日 | 科学・技術

「1場所を2日で暮らす大横綱」

 

「1年を20日で暮らすよい男」(要は昔の力士のこと、1年に20日しか興行が無かった)という言葉があるが、最近は「1場所を2日で暮らす大横綱」です。

 

ここから本論。

技術者は技術に詳しいので、技術の限界を知っている。だからこそ、技術者は一般の人よりも技術に懐疑的だと思う。そういう観点から下記の二つの事故について考える。

 

池袋の暴走事故

 

これは、高齢でヨボヨボの元通産省工業技術院長が、プリウスを運転中に池袋の繁華街で暴走し、自転車に乗った女性とその子供を死亡させ、通行中の数人を負傷させた事件。

 

報道によると、プリウスが暴走した原因はアクセルとブレーキを踏み間違えと推定されている。しかし、元工業技術院長は裁判でプリウスが誤動作したと主張している。これに対して検察は、トヨタの技術者にプリウスの誤動作は無かったと証言させている。

 

ここからは一般的な話。半導体回路は電気ノイズで誤動作する可能性もあるし、組み込んであるソフトにバグがあると、限られた条件で誤動作する可能性がある。

 

これらも一般的な話。昔Macを使っていた頃、突然フリーズして作成中の文書がパーになり、「スティーブ・ジョブズのバカヤロー!」と叫んだことが何回かあった。最近でも、Windows10で動くEdgeで、Edgeがうまく立ち上がらないことがあって「ビル・ゲイツのバカヤロー!」と叫んでいる。

 

私の仕事でも、社内の同僚技術者の作った半導体回路のソフトにバグがあり、大事件になったこともあった。

 

池袋の話に戻すと、トヨタのプリウスの半導体回路は正常に動作したのか、それとも誤動作したのか、これを後から確実に証明するのは難しい。それで、車の制御信号を記録する必要があるが、プリウスにはこういう装置はあったのかな? 車のように、重大事故に関わるものについては、このような装置が必要と思う。メディアの報道を聞いたり読んだりしていると、プリウスにはこのような装置が無かった(明確には書いていない)と思われる。

 

練馬区の道路陥没と空洞

 

これは、東京都調布市の東京外郭環状道路(外環道)トンネル工事現場付近で起きた道路陥没事故。この事故のあと、現場の近くの地中を調べると何箇所かの空洞が見つかっている。当初NEXCO東日本は、この陥没事故や空洞はトンネル掘削との関係は不明と言っていたが、素人が考えてもトンネル工事が原因と直ぐにわかる。

 

このトンネルは、地下40mより深い部分を掘り進む大深度地下の工事。掘削する部分が地下40mより深いなら地表の家に影響を及ぼさないということで、地表の住民の許可が不要という法律を国土交通省が作った。

 

しかし、道路陥没事故が起きた周辺では、トンネル工事が始まってから、振動や物音、それに住宅のひび割れが住民から指摘されているので、地下40メートルより深い部分の掘削であっても、土質や工事方法によっては地表に影響することを示している。

 

大深度地下の法律を作った時は、地下40メートルより深いなら地表への影響はまず無いと技術者は結論した(あるいは経済的な面から行政官が決めたのかも?)のであろうが、一律に40メートルでは不十分だったことになる。

 

リニア中央新幹線工事でも、地下40メートルより深いところを掘削することになっているので、練馬の陥没事故の影響は大きい。

 

技術に絶対は無い!

 

もうひとこと言っておきたいのは、こういう技術的な問題を技術に詳しくない裁判官が判決を出すのは茶番劇だと思う。(池袋の事故は裁判になっているが、練馬区の事故は未だ裁判になっていない)裁判官が技術的な判決をすることについては、いずれ書きたい。

 

裁判に絶対は無い!

 

2021年3月22日

 


日本の先駆者はつらい、変形パターとデカラケと卓球のラケット

2021年03月09日 | 科学・技術

ゴルフの変形パター

 

私はゴルフをやらないので、ゴルフに詳しくないと最初に断っておきます。TVのゴルフ中継を見ていると、変形パターを使っているゴルファーがいたが、「普通の人」という扱いだった。大昔、こういう変形パターを使っているゴルファーがいると、奇異の目で見られていた記憶がある。最初に変形パターを使っていたのは、外人の有名ゴルファーだったと思う。それから、変形パターは徐々に普通になっていった。

 

テニスのデカラケ

 

テニスも最近やっていない。テニスのラケットも長いこと同じ大きさだったけど、1978年にPrince社から「デカラケ」が登場した。その名の通り、普通のラケットより一回り大きかった。「デカラケ」を作った理由は、(テニスが下手だったので)スイートスポットを広げるためにラケット全体を大きくしたから。

 

Prince社の「デカラケ」は一世を風靡した。しかし、技術の進歩で従来の大きさのラケットでもスイートスポットを広げられるようになり、最近は元の大きさに戻っているようです。

 

卓球のラケットのデカラバー

 

最近は卓球もやっていないことをお断りします。

「デカラケ」に似たような例は、私にもある。私が小学生だった頃、卓球のラケットのラバーは下図の①のように片面のみで下部が2・3cm空いて貼られていた。裏側はラケットの材質の木のままでした。

 

 

卓球で負けてばかりの私は、ラバーの面積が広いほどピンポン玉を打ち易いと考えた。それで、ラバーだけを買って来て、②のようにラバーを広く貼った。しかし、この自家製のラケット、学校に持っていくと不評というか、他の生徒にからかわれた。

(その頃、ラバーの貼り方に規定があったかどうか?)

 

それからかなり時間がたった頃、たまたま卓球の国際大会の映像を見ていると、ラケットのラバーは②のようにほぼ全面に貼られており、裏にもラバーが貼ってあった。そうだよね、その方が合理的だよね。もっとも、こういうラケットを使っていたのは国際的な選手で、小学生じゃないけど。

 

と言う訳で結論。日本では、突飛なものが出てくると馬鹿にされて潰される。日本からは突飛なものが出て来ないと実感した出来事でした。

 

2021年3月9日

 


LEDは眩しい

2020年11月12日 | 科学・技術

あるYahooニュースを読んでいると、最近運転していて眩しく感じることがあるけど、LEDのせいではないと書いていた。私は、大半がLEDのせいだと思う。

 

2015年10月24日のブログ「懐中電灯をLEDにする」にも書いたように、懐中電灯の電球をLEDに交換すると明るくなるし、かなり消費した電池でも使うことができるので、すごいメリットがある。

 

ところで、なんで「レッド」と言わないの?

 

LEDは「エル・イー・ディー」と発音する。話はずれるけど、なんで「レッド」と発音しないのかな? 有機ELは「OLED」とも言い、「オーレッド」と発音するのに?

 

街路灯のLED

 

横浜市では、ゴミを分別収集に変更したので埋め立てに回すゴミの量が減り、以前より予算が余ったので、その金を町内会に配布した時期があった。うちの自治会などは、その金を使って電柱についている街路灯を蛍光灯からLEDに付け替えた。(街路灯が町内会の負担とは知らなかった)したがって、この近くでは街路灯は全てLEDになった。

 

そうすると、夜中に100メートルほど向こうにある街灯の光が眩しいのに気が付いた。高台にある街灯のLEDの光が直接2階の窓を通して差し込んでくる。蛍光灯だった以前はこんな眩しいことはなかった。LEDの光は集中して遠くに光が届くようだ。

 

昔、蛍光灯の光がキツイという人がいたが、今ではむしろ蛍光灯の光の方が目にやさしい。

 

自動車のヘッドライトが眩しい

 

夜間に車が眩しいと思うのには二通りがある。

一つは、後続車の前照灯がアップになっている時。後続車の運転手がなかなか気付かないので、こちらの車のバックミラーの反射面を切り変えることになる。しかし、この場合はLEDに限らず、電球でも眩しいのでここでは省く。

 

もう一つは、対向車の前照灯の光が眩しい時。問題はこちらの方で防ぎようがない。街灯のLED光が眩しいのなら、自動車のLEDヘッドライトが眩しいのは当然。おまけに坂道などで、車のヘッドライトが上向くとLEDの光が直接こちらの目に入ってくる。LEDは少ない電流で明るいのは素晴らしいが、ヘッドライトの光が眩しいのは何とか改良してほしい。

 

2020年11月12日

 


株価が急落したアメリカのベンチャー、ニコラとナノックスは詐欺なのか?

2020年09月29日 | 科学・技術

最近、アメリカで先進的な技術開発を標榜している会社の株価が急落する事件が二件あった。なぜ株価が急落したかというと、会社の不祥事を暴いて公表すると同時に、その会社に空売りを仕掛けて儲けようとする会社が存在し、その会社に空売りを仕掛けられたから。

 

  • 燃料電池トラックの開発会社「ニコラ」

 

水素と酸素を反応させた時に発生する電気を利用するのが燃料電池。トヨタは燃料電池を使った乗用車「MIRAI」を発売している。ニコラはこの燃料電池を使ったトラックを開発している。もっとも、ニコラがどのような特有技術を持っているのかは報道だけではわからない。

 

そのニコラは、製品を出していないのにナスダックに上場している。このニコラに対して、カラ売りを仕掛ける会社ヒンデンブルグ・リサーチが、空売りをすると同時にニコラのいくつかの疑惑を公開した。例えば、過去に公開したトラックが走行する動画は坂道を下ったと指摘していたが、後にニコラはこれを認めた。

 

ニコラはまだ1台も製品を出していないので、突っ込みどころは沢山あると思う。しかし、イーロン・マスクの電気自動車製造会社テスラ(現在、株価の時価総額はGMよりも大きいらしい)も製品を出す前は、こんな感じだったと思う。

 

今後、この会社はテスラになるのか、それとも詐欺になるのか?

 

(補足)イーロン・マスクも相当ヤバイ。

イーロン・マスクは、「スペースX」で再利用ロケットを実現したけど、テスラでは過去に際どい場面があった。それに減圧したチューブの中を高速で移動する「ハイパーループ」(記事によって具体案が違う。未だハッキリしたイメージが無いのかも?)は最近噂を聞かない。アメリカでは、こういうハイリスクの事業もあると思ったほうが良いのかも?

 

(追加)2020.10.21

昔、ニコラ・テスラという名前の発明家がいたそうです。

(追加の追加)2020.12.25

そうか!磁界の強さを表す単位に「テスラ」というのがあるが、そのテスラなんだ!

 

(さらに追加)2021年7月30日

7月29日のロイターによると、司法当局は二コラの創業者で前のCEOだったトレバー・ミルトンを詐欺罪で29日に起訴した。当局は、被告がSNSへの投稿やTVインタビューでニコラの株価をつり上げたとしているが、被告は連邦裁判所に出廷し、無罪を主張したそうです。

 

  • 「ナノックス」

 

洗剤ではありません。イスラエルの医療ベンチャー企業ナノックスは、デジタルエックス線撮影装置の開発企業。従来のエックス線はX線管と呼ばれる真空管から出る。ナノックスは半導体から電子を放出し、それをエックス線に変換するらしい。この新しいエックス線源は複数のエックス線を同時に出すことができる。元はソニーがテレビ用に開発していた技術だけど、ソニーは業績悪化時に開発を中止した。それをナノックスがエックス線用に開発し直したという触れ込み。

 

半導体から複数のエックス線を同時に出せると、エックス線CT装置を大幅に小型化できるし、スピードアップもできる。そして、ナノックスはこの技術を掲げて8月21日にナスダックに上場し、株価が上昇していた。(製品は未だ出していない)

 

このナノックスに空売りを仕掛けたのはマディ・ウォーターズという会社で、ナノックスが「デモ動画をねつ造した」と主張している。

 

この会社には日本の富士フィルムも金を出しているが、韓国の会社が大きく関わっていて製造は韓国メーカーが行う予定。

 

この技術の詳細はわからないが、実現はかなり難しい感じがする。

 

(補足)

上記二つの技術に関する記事は、韓国の新聞、中央日報日本語版を参考にしました。上記二つの技術には、韓国の企業が深くかかわっているので、その先行きによっては大きな利益が出たり、逆に痛手を受けたりするので、韓国の新聞は大きな関心があると思われる。日本の会社は富士フィルム以外あまり深くかかわっていないためか、日本のメディアはこのニュースを伝えていない。

 

2020.09.29