ゼロックスはPARCをスタンフォード大学に寄贈
シリコンバレーのパロアルトにあるゼロックス・パロアルト研究所、通称PARC(Palo Alto Research Center)を、ゼロックスはスタンフォード大学を母体とする研究所に寄贈することを決めたと報道されている。
PARCは1970年の創設。昔、PARC は光り輝いていました。若い人は知っているかな? PARCはゼロックスの業績向上には寄与しなかったけど、世界のITの進展には多大な貢献をしたと言われている。
PARCから生まれた技術
PARCで生まれた技術を「IT用語辞典“BINARY”」から引用する。
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オブジェクト指向プログラミング言語であるSmalltalkを開発したアラン・ケイ、イーサネットを開発したロバート・エトカルフェ、ワープロソフトでWYSIWYGを実現したチャールズ・シモニー、ページ記述言語を開発したジョン・E・ワーノックなどがPARCに在籍していた。
PARCにおける研究成果は、1970年代から1980年代にかけて、コンピュータの世界に多くの影響を与えた。GUI、マウス、レーザープリンタ、パーソナルコンピュータの概念、ユビキタスコンピューティング、果てはコンピュータウイルスもPARCの研究より生み出されたとされている。
また、スティーブ・ジョブズやビル・アトキンソン、ビル・ゲイツなどがPARCを見学に訪れ、大いに刺激を受け、それがGUIのOSであるMacintoshやWindowsの開発につながったとも言われている。
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スティーブ・ジョブズは、PARCを見学に行き、その技術を使ってApple社のコンピュータを作った(と言うと言い過ぎかも)ことは伝説になっている。
“Mac Technology Lab.”の「スティーブ・ジョブズとパロアルト研究所物語」から一部を引用すると
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後年WindowsがMacに似すぎていると文句を言ったスティーブ・ジョブズに対し、Microsoft社のビル・ゲイツが「ゼロックスの家に押し入ってテレビを盗んだのが僕より先だったからといって、僕らが後から行ってステレオを盗んだらいけないってことにはならないだろう」と言い放ったという話がある。
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まあ、この話が実際はどうだったのかは、これ以降の「スティーブ・ジョブズとパロアルト研究所物語」に推察されているので、参考にしてください。これほどPARCから生み出された技術はその後のPCの発展に寄与したと言えると思います。
あの頃PARCは光り輝いていたが・・・
PARCが無ければ、その後のApple社も無ければ、i-phoneも無かったと思います。一方でPARCの親会社だったゼロックスは、今は鳴かず飛ばず。
(ゼロックスに関して、2021年02月13日の「Xeroxを高値で売り損ねた四面楚歌のカール・アイカーンはどうする?」、2022年03月24日の「続 Xeroxを高値で売り損ねたカール・アイカーンはどうする?」を参照)
あの頃光り輝いていた会社のその後
そういえば、昔光り輝いていた米国の会社も今では光が消えそうになっているし、既に消えてしまった会社もある。
「IBM」や「インテル」、「TI(テキサス・インスツルメンツ)」は、だいぶ光が弱くなってきています。
「フェアチャイルド」は、オン・セミコンダクターが買収してなくなってしまった。
「シリコングラフィックス」も無くなってしまった。(現在のシリコングラフィックスは別の会社が名称を変更した)
「ナショナルセミコンダクター」はTIに買収された。
「モトローラ」は二つの会社に分割されて、一方はレノボの子会社になった。
スパコンでトップを争っていた「クレイ」も無くなった。(現在の「クレイ」は別の会社が名称を変更)
これらの大会社だけでなく、小さくても輝いていた会社がなくなってしまった。
この文の主旨と異なりますが、GEから分離したRCA(Radio Corporation of America)も無くなってしまった。
こう見て来ると、米国では製造業が落ち目になっている一方で、非製造業や製造を海外に依存している企業が強いことがわかります。バイデン政権は、中国に依存し過ぎた米国の製造業の再生を目指しているようですが、どうなることやら。米国についていってる日本もどうなることやら?
2023年6月17日