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株価が急落したアメリカのベンチャー、ニコラとナノックスは詐欺なのか?

2020年09月29日 | 科学・技術

最近、アメリカで先進的な技術開発を標榜している会社の株価が急落する事件が二件あった。なぜ株価が急落したかというと、会社の不祥事を暴いて公表すると同時に、その会社に空売りを仕掛けて儲けようとする会社が存在し、その会社に空売りを仕掛けられたから。

 

  • 燃料電池トラックの開発会社「ニコラ」

 

水素と酸素を反応させた時に発生する電気を利用するのが燃料電池。トヨタは燃料電池を使った乗用車「MIRAI」を発売している。ニコラはこの燃料電池を使ったトラックを開発している。もっとも、ニコラがどのような特有技術を持っているのかは報道だけではわからない。

 

そのニコラは、製品を出していないのにナスダックに上場している。このニコラに対して、カラ売りを仕掛ける会社ヒンデンブルグ・リサーチが、空売りをすると同時にニコラのいくつかの疑惑を公開した。例えば、過去に公開したトラックが走行する動画は坂道を下ったと指摘していたが、後にニコラはこれを認めた。

 

ニコラはまだ1台も製品を出していないので、突っ込みどころは沢山あると思う。しかし、イーロン・マスクの電気自動車製造会社テスラ(現在、株価の時価総額はGMよりも大きいらしい)も製品を出す前は、こんな感じだったと思う。

 

今後、この会社はテスラになるのか、それとも詐欺になるのか?

 

(補足)イーロン・マスクも相当ヤバイ。

イーロン・マスクは、「スペースX」で再利用ロケットを実現したけど、テスラでは過去に際どい場面があった。それに減圧したチューブの中を高速で移動する「ハイパーループ」(記事によって具体案が違う。未だハッキリしたイメージが無いのかも?)は最近噂を聞かない。アメリカでは、こういうハイリスクの事業もあると思ったほうが良いのかも?

 

(追加)2020.10.21

昔、ニコラ・テスラという名前の発明家がいたそうです。

(追加の追加)2020.12.25

そうか!磁界の強さを表す単位に「テスラ」というのがあるが、そのテスラなんだ!

 

(さらに追加)2021年7月30日

7月29日のロイターによると、司法当局は二コラの創業者で前のCEOだったトレバー・ミルトンを詐欺罪で29日に起訴した。当局は、被告がSNSへの投稿やTVインタビューでニコラの株価をつり上げたとしているが、被告は連邦裁判所に出廷し、無罪を主張したそうです。

 

  • 「ナノックス」

 

洗剤ではありません。イスラエルの医療ベンチャー企業ナノックスは、デジタルエックス線撮影装置の開発企業。従来のエックス線はX線管と呼ばれる真空管から出る。ナノックスは半導体から電子を放出し、それをエックス線に変換するらしい。この新しいエックス線源は複数のエックス線を同時に出すことができる。元はソニーがテレビ用に開発していた技術だけど、ソニーは業績悪化時に開発を中止した。それをナノックスがエックス線用に開発し直したという触れ込み。

 

半導体から複数のエックス線を同時に出せると、エックス線CT装置を大幅に小型化できるし、スピードアップもできる。そして、ナノックスはこの技術を掲げて8月21日にナスダックに上場し、株価が上昇していた。(製品は未だ出していない)

 

このナノックスに空売りを仕掛けたのはマディ・ウォーターズという会社で、ナノックスが「デモ動画をねつ造した」と主張している。

 

この会社には日本の富士フィルムも金を出しているが、韓国の会社が大きく関わっていて製造は韓国メーカーが行う予定。

 

この技術の詳細はわからないが、実現はかなり難しい感じがする。

 

(補足)

上記二つの技術に関する記事は、韓国の新聞、中央日報日本語版を参考にしました。上記二つの技術には、韓国の企業が深くかかわっているので、その先行きによっては大きな利益が出たり、逆に痛手を受けたりするので、韓国の新聞は大きな関心があると思われる。日本の会社は富士フィルム以外あまり深くかかわっていないためか、日本のメディアはこのニュースを伝えていない。

 

2020.09.29

 

 


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