5月22日金曜日。少し早めに家を出て、広島駅に着いたらカープロードでお弁当とちょっとしたおやつを買い込んで……と。
バックネット裏、投手の球筋が見える絶好のシートに早くから陣取って、試合前練習の球音や選手の掛け声を耳にしながらビールを1杯。
巨人を相手にどんな戦いを見せてくれるのか。チケットを手にした3月半ば、そんな至福の夢を描いていたのだ。
1年に何回かしかないカープの生試合、マツダスタジアムの応援。そんな夢はどこか消し飛ばされてしまった、まさににっくきコロナ禍である。
それどころか、今年に限っては5月下旬を迎えた今でも、プロ野球は開幕さえしていない。6月19日あたりに一軍・二軍同時開催という話もあるが、果たして開幕できるのだろうか。高校野球夏の甲子園も中止が決まった。大相撲も5月場所は中止に。
なんだかんだと言えば言うほど愚痴になるばかり。相手は得体のしれない新型コロナウイルスなのだから。
そんなことは十二分に解っている。解っていてもやはりちょっと口惜しい。これ以上のたら・ればはないが、今の時点でカープはどんな戦いぶりなのか。オールスターに選ばれる活躍の選手が何人おるんじゃろうか。などなど興味は尽きないよころである、はずなのに。
まあいい。コロナ撃退後のニューライフスタイル、あらたな生活様式が模索されている。
それに自分も合わせるのか、合わせるまでもないこれまで通り、田舎のお年寄り生活を満喫するのか。どっちに転んだってさほどに大きな変化は期待できないし、期待もしない。これまでと大きく変わらず、カープの勝ち負けに一喜一憂しながら、新聞を広げて活字を追う生活は変わらないのだろう。
ただ一つ心配するのは、プロ野球という高給取りの多い世界で、観客動員が減ったら選手の年俸はどうなるの?球団経営は持ち応えられるの?
などという「大きなお世話」まで考えてしまう。何事もなく優雅に過ごしてきた今までがありがたすぎる贅沢だったのであろう。
それにしても、コロナ禍がなければ。平年並みにプロ野球が開幕していたら。演歌のタイトルになりそうな「たら・れば未練」ではある。