「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「初冬の陽ざしに誘われて」

2017年11月12日 | 季節の移ろい・出来事

                        
              心字池から望む雪舟庭の紅葉

秋本番の10月は、ほとんどの週末の土日が雨にたたられた。数多く予定されていた秋祭りや体育祭が、延期や中止を余儀なくされた。
11月も半ばを迎え、初冬らしい寒さが幅を利かせるようになった。黄葉・紅葉が見ごろを迎え、あちこちから「もみじ祭り」の案内が舞い込むむ。

そんな初冬のうすら寒さを跳ね返すような、朝からの陽ざしに誘われて、クルマで30分の通化寺(つうけいじ)を訪ねてみた。
普段は物寂しい山奥の廃寺に近い感のある古刹なのに、もみじ祭りの今日は、初めて見るほどの大勢の人出。駐車場を新たに設けて、誘導員も数人を配置するほどの盛況と歓迎ぶり。住職の安堵の笑顔が印象的であった。

通化寺は、京都府宇治市にある黄檗宗大本山萬福寺の末寺で、今や檀家が10軒に満たない枯れかけのお寺である。
そこへ昨年、大本山萬福寺の教学部長を務める40代の僧侶が派遣されてきた。常駐ではあるが、月の内数日を本山で過ごすという若い僧侶と、地元との連携もあってか、その後、縁日や延命地蔵尊まつり、そして今年2回目となるもみじ祭りなどが活発に行われるようになっている。

もっとも、今年の場合、徳川幕府による長州征伐での戦い「四境の役150年」という記念の年に当たり、県内各地で近い歴史を掘り起こすイベントが盛況である。中でもこのお寺は、高杉晋作率いる騎兵隊の駐屯地として、確かな歴史を築いている寺でもある。
長州に攻め込む幕府は今の山口県を四方から取り囲むように大軍を送って来た。中でもし烈を極めたのが、広島方面の陸地から襲ってきた「芸州口の戦い」であった。そこで幕府側の戦意喪失ともいえる大勝利を収めたのが、この騎兵隊を中心とする長州兵士であった。

そんな歴史を秘めた古刹ながら、人口減少と、観光地としての衰退など、存続が危ぶまれている。
そんなお寺ではあるが、「四境の役150年記念事業周到実行委員会」が主催して、まさに手作りのお祭りが開かれたという次第。
中学生の写生大会、太鼓・フルートの演奏会。中でも「高森チンドン隊の20人近いチンドン行列には圧倒される楽しさがあった。
衣装が面白い。かつては晴れ着であったろうご婦人の着物や帯をあしらった豪華絢爛衣装。幟旗や紅白横断幕、風呂敷などなど、ありとあらゆる布地をアレンジした華やか衣装に、金ぴかのサックス、クラリネット、アコーディオン、三味線、笛太鼓。郷愁を誘うメロディ。 

                        
          高森ちんどん隊御一行様がお祭りを盛り上げて

ちっちゃな田舎のちっちゃなお寺のちっちゃなお祭り。でも盛り上げようとする実行委員の意気は大である。
雪舟庭を巡る、八十八カ所巡礼のミニ版も面白い。中でも心字池から眺める庭造り、なかなかのものであり、お勧めスポットである。

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